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漢字逞筆 【四字熟語意味】 問題一覧表 | |||||||||
2020/6/30公開(全833問) | |||||||||
【重要度について】 ◆1…過去の大問㈣意に出題された問題や、頻出度の高い四字熟語の意味問題。 ◆2…既出四字熟語の意味問題。未出ながら平易な四字熟語の意味問題。 ◆3…故事成語などが由来となる四字熟語の意味問題。難しめ。 ◆4…漢検四字熟語辞典に小さく記載のある四字熟語や、漢検辞典外の四字熟語の意味問題少量。 |
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【番】 | 【問題】 | 【語群】 | 【重要度】 | 【解答】 | 【別答】 | 【出典】 | 【 意 味 】 | ||
1 | 見識が狭く世間知らずの人のたとえ。 | 甕裡[醯鶏]・[藜杖]韋帯 銅駝[荊棘]・門巷[塡隘] |
◆1 | けいけい | *『荘子-田子坊』 | 甕裡醯鶏/甕裏醯鶏(おうりけいけい) ★「裡」は、中の意。 ★「醯鶏」は、酒や酢を入れた甕(カメ)にわく小虫。かつおむし。 ★甕の中にわく小さな羽虫の意。 類:醯鶏甕裡(けいけいおうり) 類:井底之蛙(せいていのあ) ●H28-1㈣意 |
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2 | きわめて質素なこと。 | [伯兪]泣杖・[藜杖]韋帯 門巷[塡隘]・黄衣[廩食] |
◆1 | れいじょう | *『陳書-宣帝紀』 | 藜杖韋帯(れいじょういたい) ★あかざ(藜)の茎で作った杖と、なめし皮(韋)の帯の意。いずれも粗末なもの。 類:土階三等(どかいさんとう) ●H28-1㈣意 |
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3 | 全身で喜びをあらわす。 | 甕裡[醯鶏]・[笙磬]同音 関関[雎鳩]・[鳧趨]雀躍 |
◆1 | ふすう | *『盧照鄰-窮魚賦』 | 鳧趨雀躍(ふすうじゃくやく) ★「鳧趨」は、鴨が小走りに歩く意。そのさまから、小躍りする様子のたとえ。 ★「雀躍」は、雀が踊る意。また、そのように喜んで小躍りすること。 類:欣喜雀躍(きんきじゃくやく) 類:手舞足踏(しゅぶそくとう) ●H28-1㈣意/●R1-3㈣意 |
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4 | 国の滅亡を嘆くたとえ。 | [藜杖]韋帯・門巷[塡隘] 銅駝[荊棘]・[伯兪]泣杖 |
◆1 | けいきょく | *『晋書-索靖伝』 | 銅駝荊棘(どうだけいきょく) ★「駝」は、らくだ。 ★「荊棘」は、いばらの意で、乱れた状態のたとえ。 ★宮殿が破壊され尽くし、銅製の駱駝がイバラの中にうち捨てられているのを嘆く意。 ★晋の索靖(サクセイ)は、先見の明があり、国が乱れるのを予知し、宮門にある銅製の駱駝(銅駝)を見て「この駱駝もイバラ(荊棘)の中にうち捨てられることであろう」と嘆いた故事から。 故事:「銅駝(ドウダ)の荊棘(ケイキョク)に在(ア)るを嘆く」 類:荊棘銅駝(けいきょくどうだ) ●H28-1㈣意 |
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5 | 夫婦仲が非常に良いこと。 | [銅牆]鉄壁・関関[雎鳩] [鳧趨]雀躍・昏定[晨省] |
◆1 | しょきゅう | *『詩経-周南・関雎』 | 関関雎鳩(かんかんしょきゅう) ★「関関」は、鳥の和らぎ鳴く声の形容。 ★「雎鳩」は、水鳥の名で、みさごの意。 ★仲の良い雄と雌のみさごが、川の州でのどかに鳴きかわしているさまを言う。 類:比翼連理(ひよくれんり) 類:琴瑟相和(きんしつそうわ) 類:鴛鴦之契(えんおうのちぎり) ●H28-1㈣意 |
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6 | 外見よりも本性を見るべきである。 | 牝牡[驪黄]・[荊棘]叢裏 [薏苡]明珠・[以蠡]測海 |
◆1 | りこう | *『列子-説符』 | 牝牡驪黄(ひんぼりこう) ★「驪黄」は、黒色と黄色。驪は黒色の馬。 ★中国秦の穆公(ボッコウ)は駿馬を求めていた。馬を見る名人伯楽(ハクラク)のすすめで九方皐(キュウホウコウ)に名馬を探させに行かせると、黄色い牝馬を見つけたという報告を受けた。上機嫌の穆公であったが、いざ馬を連れ帰ると黒い牡馬だったことから、不機嫌になった穆公は馬の色や性別を弁別できないことを怒ったのに対し、伯楽は色や性別などの見た目にこだわらずに自然に備わった能力をこそ見るべきだと説いた。その馬は比類なき天下の名馬であったという故事から。 ●H28-2㈣意/●R1-1㈣意 |
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7 | 漢字の一書体が作られた故事。 | 子墨[兎毫]・[史籒]大篆 四六[駢儷]・筆力[扛鼎] |
◆1 | しちゅう | *『蒙求-史籒大篆』 | 史籒大篆(しちゅうだいてん) ★「史籒」は、周の宣王(センノウ)のときの史官でそれまでの古文を改変して大篆という書体を作ったとされる。 ●H28-2㈣意 |
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8 | 高位・高官のしるし。 | [史籒]大篆・荊釵[布裙] 黄衣[廩食]・高牙[大纛] |
◆1 | たいとう | だいとう | *『欧陽脩-相州昼錦堂記』 | 高牙大纛(こうがだいとう/こうがたいとう) ★「高牙」は、象牙の飾りのついた高い旗のこと。 ★「大纛」は、牛の尾の飾りをさおにつるした大きな旗の意。軍隊の本営に立てるもの。 ●H28-2㈣意 |
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9 | 意気が削がれ恐怖で体がすくむ。 | [脣亡]歯寒・荒瘠[斥鹵] [銷鑠]縮栗・[飲鴆]止渇 |
◆1 | しょうしゃく | *『韓愈-与少室李拾遺書』 | 銷鑠縮栗(しょうしゃくしゅくりつ) ★「銷鑠」は、金属を溶かす意から、意気消沈すること。 ★「縮栗」は、縮み上がって恐れること。縮慄。 ●H28-2㈣意 |
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10 | 粗末な服装のたとえ。 | 泉石[膏肓]・縞衣[綦巾] 荊釵[布裙]・牝牡[驪黄] |
◆1 | ふくん | *『太平魚御覧・七一八引皇甫謐-列女伝』 | 荊釵布裙(けいさいふくん) ★荊(イバラ)の釵(カンザシ)と、布の裙(モスソ)の意。 ★中国後漢の梁鴻(リョウコウ)の妻孟光(モウコウ)が、いつも質素でイバラのかんざしと麻布のもすそを身に着けていたという故事から。 ●H28-2㈣意 |
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11 | 大金持ち。 | [断薺]画粥・嫗伏[孕鬻] [棣華]増映・陶朱[猗頓] |
◆1 | いとん | *『賈誼-過秦論・上』 | 陶朱猗頓(とうしゅいとん) ★陶朱猗頓の富(トミ)…莫大な富。また、富豪。〈大辞泉〉 ★「陶朱」は金満家として知られ、「猗頓」は、魯国の富豪であったところから。 類:猗頓之富(いとんのとみ) 類:陶朱之富(とうしゅのとみ) ●H28-3㈣意 |
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12 | 無用なもの、つまらないもの。 | [牛溲]馬勃・瓶墜[簪折] [醯鶏]甕裡・無根[無蔕] |
◆1 | ぎゅうしゅう | ぎゅうそう | *『韓愈-進学解』 | 牛溲馬勃(ぎゅうしゅうばぼつ/ぎゅうそうばぼつ) ★「牛溲」は、おおばこで、「馬勃」は、ほこりたけの意。どちらも一般的でありふれた薬草。 ★一説に「牛溲」は牛の小便、「馬勃」は馬の糞。 類:牛糞馬涎(ぎゅうふんばせん) ●H28-3㈣意 |
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13 | 生きものを表す提喩。 | 跂行[喙息]・万物[殷富] [円顱]方趾・[跛立]箕坐 |
◆1 | かいそく | *『漢書-公孫弘伝』 | 跂行喙息(きこうかいそく) ★「跂行」は、虫などが這い歩くこと。また、足で歩くこと。 ★「喙息」は、口で息をするものの意。 ●H28-3㈣意 |
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14 | 鳥や獣が子を産み育てること。 | [蓴羹]鱸膾・華亭[鶴唳] 吹毛[求疵]・嫗伏[孕鬻] |
◆1 | よういく | *『礼記-楽記』 | 嫗伏孕鬻(うふうよういく/おうふうよういく) ★「嫗伏」は、鳥が翼で卵を覆い温めること。 ★「孕鬻」は、獣が子を孕み産み育てること。 ●H28-3㈣意 |
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15 | 故郷を懐かしく思う情。 | 竜頭[鷁首]・陶朱[猗頓] [断薺]画粥・[蓴羹]鱸膾 |
◆1 | じゅんこう | *『晋書-張翰伝』 | 蓴羹鱸膾(じゅんこうろかい) ★蓴菜(ジュンサイ)の吸い物(羹:アツモノ)と、鱸(スズキ)の切り身料理(膾:ナマス)。 ★中国晋の張翰が故郷の料理である蓴菜のお吸い物と鱸の膾が恋しくなり、官を辞して洛陽から帰郷したという故事から。 類:狐死首丘(こししゅきゅう) 類:胡馬北風(こばほくふう) 類:池魚故淵(ちぎょこえん) ●H28-3㈣意/●R1-2㈣意 |
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16 | 丸のみにして味得しない。 | 鳳凰[銜書]・鼓舌[揺脣] 渾崙[吞棗]・[孔翊]絶書 |
◆1 | どんそう | *『碧巌録』 | 渾崙吞棗(こんろんどんそう) ★「渾崙」は、黒色・頭・円形などにたとえ、ひとまとめにひっくるめての意。 ★「吞棗」は、棗(ナツメ)の実を呑むこと。棗の実をかまずに丸呑みしても、その味はわからないということから。本来、仏の教えについていった語。 故事:「渾崙(コンロン)、棗(ナツメ)を呑む」 ●H29-1㈣意 |
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17 | 政治に私情を差し挟まないこと。 | 南橘[北枳]・洪範[九疇] [和羹]塩梅・[孔翊]絶書 |
◆1 | こうよく | *『蒙求-孔翊絶書』 | 孔翊絶書(こうよくぜっしょ) ★「絶書」は、手紙を絶つ。ここでは手紙を開けて見ずに捨てること。 ★中国晋の人孔翊は、洛陽の長官のとき地位を頼んでの人の依頼の手紙はみな水中に捨てて一通も開いてみることはなかったという故事から。 ●H29-1㈣意 |
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18 | 天子の使者が勅状を携える。 | 跂行[喙息]・鳳凰[銜書] 金枝[花萼]・鑿歯[尺牘] |
◆1 | がんしょ | *『易林・三』 | 鳳凰銜書(ほうおうがんしょ) ★鳳凰が文書を口に銜(クワ)えているという意。 故事:「鳳凰書を銜(フク)む」 ●H29-1㈣意 |
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19 | 遠く離れた夫婦が思い合う。 | 鳳凰[銜書]・南橘[北枳] [巫雲]蜀雨・金枝[花萼] |
◆1 | ふうん | *『李賀-琴曲歌辞』 | 巫雲蜀雨(ふうんしょくう) ★中国の巫山という山の雲と、中国の蜀という国の雨の意。 ●H29-1㈣意 |
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20 | 強欲で残酷な人。 | [兢兢]業業・[封豕]長蛇 [眥裂]髪指・桃弧[棘矢] |
◆1 | ほうし | *『春秋左氏伝-定公四年』 | 封豕長蛇(ほうしちょうだ) ★大きな豚(封豕)と、長い蛇の意。 故事:「封豕長蛇を為(ナ)す」 ●H29-1㈣意 |
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21 | 耳障りで意味不明のことば。 | 喋喋[喃喃]・[蹈節]死義 南蛮[鴃舌]・[倚馬]七紙 |
◆1 | げきぜつ | *『孟子-滕文公・上』 | 南蛮鴃舌(なんばんげきぜつ) ★「鴃舌」は、百舌のさえずりで、わけのわからない言葉にたとえる。 ★南方の蛮人が話すわからない言葉の意。 ●H29-2㈣意 |
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22 | 天然の美質をいう。 | [輪奐]一新・重熙[累洽] [璞玉]渾金・[竹苞]松茂 |
◆1 | はくぎょく | *『世説新語-賞誉』 | 璞玉渾金(はくぎょくこんきん) ★まだ精錬されていない鉱石(渾金)と、磨かれていない玉(璞玉)の意で、天然の美質をいう。 類:渾金璞玉(こんきんはくぎょく) ●H29-2㈣意 |
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23 | 苦境に耐えて事業を起こすたとえ。 | [北轅]適楚・[篳路]藍縷 [俛首]帖耳・傾側[偃仰] |
◆1 | ひつろ | *『春秋左氏伝-昭公一二年』 | 篳路藍縷(ひつろらんる) ★柴で作った粗末な車(篳路)と、ぼろの着物(藍縷)の意。 ●H29-2㈣意 |
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24 | 文武二様の舞。 | [文恬]武嬉・一箭[双雕] 干戚[羽旄]・[三槐]九棘 |
◆1 | うぼう | *『礼記-楽記』 | 干戚羽旄(かんせきうぼう) ★「干戚」は、盾と鉞(マサカリ)を持って舞う、武の舞のこと。 ★「羽旄」は、雉(キジ)の羽と旄牛(カラウシ)の尾で作った飾りを持って舞う、文の舞の意。 ●H29-2㈣意/●R1-2㈣意 |
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25 | それとなく相手に注意する。 | 優柔[厭飫]・[俛首]帖耳 [咄嗟]𠮟咤・[躡足]附耳 |
◆1 | じょうそく | *『史記-淮陰侯伝』 | 躡足附耳(じょうそくふじ) ★「躡足」は、足をふむこと。 ★「附耳」は、耳に口をつけてそっと言うこと。 故事:「足を躡(フ)み耳に附(ツ)く」 ●H29-2㈣意 |
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26 | 男女の情交。 | [噬指]棄薪・[衍曼]流爛 雲雨[巫山]・[和羹]塩梅 |
◆1 | ふざん | *『高唐賦』 | 雲雨巫山(うんうふざん) ★「巫山」は、一説に中国、湖北省の山の名。ここに神女が住んでいたとされる。 ★戦国時代、楚の懐王が高唐に遊び昼寝していたとき、その夢の中で巫山の神女と情を交わし、別れるときに神女が「朝には雲となり夕には雨になってここに参りましょう」といった故事から。 類:朝雲暮雨(ちょううんぼう) 類:巫山雲雨(ふざんうんう) 類:巫山之夢(ふざんのゆめ) 類:巫山之雨(ふざんのあめ) 類:雲雨之夢(うんうのゆめ) ●H29-3㈣意 |
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27 | 一所不在の境涯。 | 孤独[鰥寡]・無余[涅槃] 優游[涵泳]・浮家[泛宅] |
◆1 | はんたく | *『顔真卿-浪跡先生玄真子張志和碑銘』 | 浮家泛宅(ふかはんたく) ★「泛」は、浮かぶ、浮かべる意。 ●H29-3㈣意/●R1-2㈣意 |
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28 | 互いの心が和すること。 | 束髪[封帛]・[和羹]塩梅 [笙磬]同音・心広[体胖] |
◆1 | しょうけい | *『詩経-小雅・鼓鐘』 | 笙磬同音(しょうけいどうおん) ★管楽器の「笙」と、打楽器の「磬」を一斉に演奏して調和する意。 ●H29-3㈣意 |
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29 | 大望のために身を落とす。 | [伊尹]負鼎・[鼎鐺]玉石 筆力[扛鼎]・大名[鼎鼎] |
◆1 | いいん | *『蒙求-伊尹負鼎』 | 伊尹負鼎(いいんふてい) ★「伊尹」は、中国殷代の賢宰相。 ★伊尹は、殷の湯王(トウオウ)に仕えるため鼎を背負い(負鼎)料理人として近づき、ついに志を果たして宰相になったという故事から。 ●H29-3㈣意 |
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30 | 賢人たちが相伴って朝廷に出る。 | 一箭[双雕]・[三釁]三浴 衆賢[茅茹]・[廷諍]面折 |
◆1 | ぼうじょ | *『易経-泰』 | 衆賢茅茹(しゅうけんぼうじょ) ★「衆賢」は、たくさんの賢者のこと。 ★「茅茹」は、茅(チガヤ)の根が連なっているさまをいう語。 ★賢人は自分だけが重用されればよいというような考え方はしないということ。 ●H29-3㈣意 |
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31 | 苦しむ者を更に苦しめる。 | [白荼]赤火・銘肌[鏤骨] [落穽]下石・崎嶇[坎軻] |
◆1 | らくせい | *『韓愈-柳子厚墓誌銘』 | 落穽下石(らくせいかせき) ★「穽」は、落とし穴の意。 ★人が落とし穴に落ちたのに、上から石を落とす意。 類:落井下石(らくせいかせき) 類:下井落石(かせいらくせき) 故事:「穽(セイ)に落ちて石を下(クダ)す」 ●H30-1㈣意 |
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32 | 長い時を無駄に過ごす。 | 呉牛[喘月]・[馮異]大樹 曠日[弥久]・厭聞[飫聴] |
◆1 | びきゅう | *『戦国策-燕策』 | 曠日弥久(こうじつびきゅう) ★「曠日」は、何もしないで日をむなしく送ること。 ★「弥久」は、長引くこと。 類:曠日持久(こうじつじきゅう) 故事:「日(ヒ)を曠(ムナ)しくして久しきに弥(ワタ)る」 ●H30-1㈣意 |
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33 | 老人のこと。 | 竹頭[木屑]・頭童[歯豁] [井渫]不食・[束皙]竹簡 |
◆1 | しかつ | *『韓愈-進学解』 | 頭童歯豁(とうどうしかつ) ★「頭童」は、子供の坊主頭から転じて、頭髪がなくなること。 ★「歯豁」は、歯と歯の間がひらいてまばらになる意。 類:歯豁頭童(しかつとうどう) ●H30-1㈣意 |
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34 | 比類ない碩学をいう。 | [束皙]竹簡・[緇林]杏壇 軽妙[洒脱]・[麤枝]大葉 |
◆1 | そくせき | *『蒙求-束皙竹簡』 | 束皙竹簡(そくせきちくかん) ★「束皙」は、晋の人で博学をうたわれた。 ★「竹簡」は、竹のふだで、紙のない昔はこれに文字を書き付けた。 ★中国晋の束皙は、汲郡(キュウグン)の古い墓から出土した竹簡など古い文字をよく解読してその博学多聞を称されたという故事から。 ●H30-1㈣意 |
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35 | 地方官の退任を惜しむ民情。 | 崎嶇[坎軻]・[影駭]響震 [攀轅]臥轍・雷陳[膠漆] |
◆1 | はんえん | *『白孔六帖-刺史』 | 攀轅臥轍(はんえんがてつ) ★「攀轅」は、車の轅(ナガエ:車の前に出した二本の棒)に攀(スガ)りつくこと。 ★「臥轍」は、車の轍に臥(フ)せる意。 ★立派な地方長官が転任したり退任したりするのを人民が惜しむことを言う。 類:攀轅扣馬(はんえんこうば) 故事:「轅(ナガエ)に攀(スガ)りて轍(ワダチ)に臥(フ)す」 ●H30-1㈣意 |
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36 | 遅くに官を得ること。また、無位の者。 | 万寿[無疆]・日月[逾邁] [布韈]青鞋・白髪[青袗] |
◆1 | せいしん | *『侯鯖録』 | 白髪青袗(はくはつせいしん) ★「白髪」は、しらが。 ★「青袗」は、浅黄色のひとえの短い衣服の意。 ●H30-2㈣意 |
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37 | 庇護者に盲目的に忠実である。 | 蛙鳴[蟬噪]・韓信[匍匐] [跖狗]吠尭・狐裘[羔袖] |
◆1 | せきく | *『戦国策-斉策』 | 跖狗吠尭(せきくはいぎょう) ★盗跖(トウセキ:中国春秋時代の大盗賊)に飼われている犬(狗)が、尭帝(ギョウテイ:中国の古代の聖天子)に吠えつくという意から。 故事:「跖(セキ)の狗(イヌ)尭に吠(ホ)ゆ」 ●H30-2㈣意 |
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38 | 軍勢の盛んに展開するさま。 | [白荼]赤火・稲麻[竹葦] [狐裘]蒙戎・[紆余]委蛇 |
◆1 | はくと | *『国語-呉語』 | 白荼赤火(はくとせきか) ★兵が一面の白い花(荼:チガヤ)のように散り、赤い火が燃え盛るように展開すること。 ●H30-2㈣意 |
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39 | はてしなく広いこと。 | 一縷[千鈞]・秋風[索寞] 万寿[無疆]・一望[無垠] |
◆1 | むぎん | *『不明』 | 一望無垠(いちぼうむぎん) ★「無垠」は、果てしないこと。「垠」は地の果て。 類:一望千頃(いちぼうせんけい) 類:天涯一望(てんがいいちぼう) 類:一望千里(いちぼうせんり) 故事:「一望(イチボウ)垠(ハテ)無し」 ●H30-2㈣意 |
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40 | 旅の出で立ち。 | [布韈]青鞋・抱関[撃柝] [一裘]一葛・[羊裘]垂釣 |
◆1 | ふべつ | *『杜甫-奉先劉少府新画山水障歌』 | 布韈青鞋/布襪青鞋(ふべつせいあい) ★「布韈」は、布で作った脚絆のこと。 ★「青鞋」は、わらじの意。 類:青鞋布韈(せいあいふべつ) ●H30-2㈣意 |
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41 | 議論や文章が煩わしく拙いこと。 | 物論[囂囂]・無根[無蔕] 蛙鳴[蟬噪]・談天[雕竜] |
◆1 | せんそう | *『韓愈-平淮西碑儲欣評』 | 蛙鳴蟬噪(あめいせんそう) ★蛙や蟬がやかましく鳴き噪(サワ)ぐように、うるさいばかりでなんの役にも立たないという意味が転じたもの。 類:蛙鳴雀噪(あめいじゃくそう) 類:驢鳴犬吠(ろめいけんばい) 類:蟬噪蛙鳴(せんそうあめい) 類:蛙鳴雀噪(あめいじゃくそう) 類:驢鳴犬吠(ろめいけんばい) |
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42 | お世辞を連ねて人に取り入る。 | 南蛮[鴃舌]・邪智[奸佞] [媚眼]秋波・[阿諛]追従 |
◆1 | あゆ | *『漢書-匡衝伝』 | 阿諛追従(あゆついしょう) ★「阿諛」は、おもねりへつらう意。 ★「追従」は、他人にこびへつらうこと。また、その言葉。 類:阿諛曲従(あゆきょくしょう) 類:阿諛便佞(あゆべんねい) 類:阿諛追随(あゆついずい) 類:世辞追従(せじついしょう) |
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43 | 美徳や功労をわざわざ誇示しない。 | [山藪]蔵疾・[朦朧]模糊 煮豆[燃萁]・衣錦[尚絅] |
◆1 | しょうけい | *『中庸-三三』 | 衣錦尚絅(いきんしょうけい) ★「尚」は、加える、添え着すること。 ★錦を衣(キ)てその上に薄絹(絅)をかける意。 「錦(ニシキ)を衣(キ)て絅(ケイ)を尚(クワ)う」 |
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44 | 元々強い者が、一層強くなること。 | 豺狼[当路]・攀竜[附驥] 彩鳳[随鴉]・為虎[傅翼] |
◆1 | ふよく | *『韓非子-難勢』 | 為虎傅翼(いこふよく) ★強い虎に翼をつけて空を自由に飛ぶ能力も与えるということから。 類:為虎添翼(いこてんよく) 類:傅虎以翼(ふこいよく) 「虎の為(タメ)に翼(ヨク)を傅(ツ)く」 |
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45 | 仕事をひと息にやり遂げること。 | 昏定[晨省]・画竜[点睛] 一気[呵成]・倍日[幷行] |
◆1 | かせい | *『詩藪-内編・近体中』 | 一気呵成(いっきかせい) ★「呵」は、ハッと息を吹きかける擬音語。 |
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46 | 失敗をして再起不能となるたとえ。 | 一髪[千鈞]・[一蹶]不振 [魚爛]土崩・[亢竜]有悔 |
◆1 | いっけつ | *『説苑-談叢』 | 一蹶不振(いっけつふしん) ★「蹶」は、つまずく意。 「一蹶(イッケツ)して振(フル)わず」 |
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47 | 達弁のたとえ。 | 摩頂[放踵]・[狂瀾]怒濤 [倚馬]七紙・[一瀉]千里 |
◆1 | いっしゃ | *『韓愈-貞女峡詩』 | 一瀉千里(いっしゃせんり) ★「瀉」は、傾斜地を水が勢いよく流れ出すこと。 ★水が傾斜地を流れ出すと一気に千里もの距離を流れ下る意。 類:一瀉百里(いっしゃひゃくり) |
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48 | 読書や学問に熱心なたとえ。 | 鳳凰[銜書]・夜雨[対牀] [琴棊]書画・[韋編]三絶 |
◆1 | いへん | *『史記-孔子世家』 | 韋編三絶(いへんさんぜつ) ★「韋編」は、木簡や竹簡をなめし革のひもで綴った昔の書物。 ★「三絶」は、何度も断ち切れる意。 ★孔子が易経を何度も読んだため、その書を綴ったなめし革のひもが幾度となく断ち切れたという故事から。 「韋編(イヘン)三(ミ)たび絶(タ)つ」 |
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49 | 表向き丁寧で実は尊大であること。 | [慇懃]無礼・繁文[縟礼] 跼天[蹐地]・尽歓[竭忠] |
◆1 | いんぎん | *『くさびら譚・二』 | 慇懃無礼(いんぎんぶれい) ★「慇懃」は、きわめて丁寧なこと。非常に礼儀正しいこと。 類:慇懃尾籠(いんぎんびろう) |
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50 | 旧慣に固執しその場しのぎをする。 | [黝堊]丹漆・因循[苟且] 古人[糟粕]・融通[無礙] |
◆1 | こうしょ | *『不明』 | 因循苟且(いんじゅんこうしょ) ★「因循」は、因(ヨ)り循(シタガ)うで、古いしきたりに従っているだけで、改めようとしないこと。ぐずぐずして煮え切らないさま。 ★「苟且」は、かりそめ、間に合わせ、一時逃れの意。 類:因循姑息(いんじゅんこそく) |
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51 | 文字の書き誤り。 | 恍恍[忽忽]・[烏焉]魯魚 咬文[嚼字]・一筆[勾銷] |
◆1 | うえん | *『事物異名録-二〇』 | 烏焉魯魚(うえんろぎょ) ★烏と焉、魯と魚がそれぞれ字形が似ていて誤りやすいことからいう。 類:魯魚之謬(ろぎょのあやまり) 類:魯魚亥豕(ろぎょがいし) 類:魯魚陶陰(ろぎょとういん) 類:魯魚帝虎(ろぎょていこ) 類:烏焉成馬(うえんせいば) 類:魯魚章草(ろぎょしょうそう) 類:亥豕之譌(がいしのか) 類:焉馬之誤(えんばのあやまり) 類:三豕渡河(さんしとか) |
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52 | 文字の書き誤り。 | 魯魚[亥豕]・[夏鑪]冬扇 烏兎[匆匆]・[禹行]舜趨 |
◆1 | がいし | *『蘭説弁惑・跋』 | 魯魚亥豕(ろぎょがいし) ★「魯」と「魚」、「亥」と「豕」とが、それぞれ字画が似ていて書き誤りやすいということ。 類:魯魚章草(ろぎょしょうそう) 類:魯魚帝虎(ろぎょていこ) 類:魯魚陶陰(ろぎょとういん) 類:烏焉魯魚(うえんろぎょ) 類:三豕渡河(さんしとか) |
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53 | 文字を間違えること。 | 管窺[蠡測]・[孔翊]絶書 [渾渾]沌沌・[三豕]渉河 |
◆1 | さんし | *『呂氏春秋-察伝』 | 三豕渉河(さんししょうか) ★昔、ある史官が「己亥渉河(己亥(ツチノトイ)の年、河を渉(ワタ)る)」と書いてあるのを、己を三、亥を豕(ブタ)と読み、その誤りを子夏(シカ)が「三匹の豚などという年号はない」と指摘した故事から。 類:三豕渡河(さんしとか) 類:三豕己亥(さんしきがい) 類:魯魚亥豕(ろぎょがいし) 類:三豕金根(さんしきんこん) |
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54 | 本質を考えず聖人の猿真似をする。 | [禹行]舜趨・[殷鑑]不遠 [三豕]渉河・[禹湯]文武 |
◆1 | うこう | *『荀子-非十二子』 | 禹行舜趨(うこうしゅんすう) ★「禹」は、舜から位を禅譲されて夏(カ)王朝を開いたとされ、「舜」は、尭から位の禅譲をうけたとされる人で、いずれも中国古代の伝説上の聖天子。 ★禹の歩き方や舜の走り方などは表面上の動作であり、真似をしても何の意味もないことから。 類:禹歩舜趨(うほしゅんすう) |
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55 | 情勢を気にして決断できないこと。 | 左提[右挈]・右顧[左眄] [鄒衍]降霜・傾側[偃仰] |
◆1 | さべん | *『不明』 | 右顧左眄(うこさべん) ★「顧」は、見回す、気に掛ける意。 ★「眄」は、横目でちらちら見ること。 類:右顧左顧(うこさこ) 類:左右傾側(さゆうけいそく) 類:首鼠両端(しゅそりょうたん) 類:左眄右顧(さべんうこ) 類:左顧右眄(さこうべん) |
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56 | こじつけること。 | 厭聞[飫聴]・[魯魚]陶陰 [史籒]大篆・[郢書]燕説 |
◆1 | えいしょ | *『韓非子-外儲説・左上』 | 郢書燕説(えいしょえんせつ) ★昔、郢の人が燕国の大臣に手紙を書いたとき、灯火が暗かったので「燭を挙げよ」と命じたところ、誤ってこの言葉を手紙に書きこんでしまった。ところが、これ読んだ燕の大臣は、これを「賢人を登用せよ」という意味にとって実行し、その結果国がよく治まったという故事から。 |
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57 | 自分の好きな方にだけ肩入れする。 | [偏袒]搤腕・雲遊[萍寄] [伊尹]負鼎・[依怙]贔屭 |
◆1 | えこ | *『信長記-一上』 | 依怙贔屭/依怙贔負(えこひいき) ★「依怙」は、もと頼りにする意であるが、わが国では不公平の意にも使われる。 ★「贔屭」は、もとヒキと読み、力を出し努力するさま。転じて、人に目をかけて引き立てること。 |
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58 | 高位高官となるべき貴人の人相。 | [燕頷]虎頸・攀竜[附驥] [鴟目]虎吻・長頸[烏喙] |
◆1 | えんがん | *『後漢書-班超伝』 | 燕頷虎頸(えんがんこけい) ★「燕頷」は、武力に秀でた人物の骨相。 ★中国後漢の班超(ハンチョウ)は生まれながらに燕のようなあごと虎のような頸をしており、はじめ官に雇われ筆書の仕事をしていた。あるとき筆を投じて異域で戦功を立てた張騫(チョウケン)のようにありたいと志し、占い師に見せた所、遠方で侯に封ぜられる人相という。果たしてのち万里の外に遠征し戦勝して定遠侯(テイエンコウ)に封ぜられた故事から。 類:燕頷虎頭(えんがんことう) 類:燕頷投筆(えんがんとうひつ) |
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59 | 文筆を辞し、武道を志す。 | 筆力[扛鼎]・折花[攀柳] [燕頷]投筆・干戚[羽旄] |
◆1 | えんがん | *『後漢書-班超伝』 | 燕頷投筆(えんがんとうひつ) ★「燕頷」は、燕のような人相をいう。 ★「投筆」は、筆を投げ捨てる、筆をおく意。 ★中国後漢の班超(ハンチョウ)は、筆書の仕事をしていたが、武功を上げたいと思い、筆書の仕事を止めて武将になったという故事から。 「燕頷(エンガン)、筆(フデ)を投(トウ)ず」 |
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60 | 人の来訪などを待ちこがれる。 | 延頸[挙踵]・[瞻望]咨嗟 [枉駕]来臨・[枕戈]待旦 |
◆1 | きょしょう | *『荘子-胠篋』 | 延頸挙踵(えんけいきょしょう) ★「踵」は、くびす、かかとの意。 ★頸(クビ)を延ばし、つま先立って待ち望む意。 類:延頸企踵(えんけいきしょう) 類:翹首企足(ぎょうしゅきそく) 類:翹足引領(ぎょうそくいんりょう) 類:延頸鶴望(えんけいかくぼう) 類:鶴立企佇(かくりつきちょ) |
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61 | 世の中が平穏無事である。 | 神韻[縹渺]・[偃武]修文 [枕戈]待旦・[漂蕩]奔逸 |
◆1 | えんぶ | *『書経-武成』 | 偃武修文(えんぶしゅうぶん) ★戦いをやめて(偃武)、学問・教養を高める(修文)ということから。 類:偃武恢文(えんぶかいぶん) 類:天下泰平(てんかたいへい) 「武(ブ)を偃(フ)せて文(ブン)を修(オサ)む」 |
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62 | 聞き苦しい雑音。喧しい子供の声。 | 蚊子[咬牛]・非難[囂囂] [敲金]撃石・[嘔啞]嘲哳 |
◆1 | おうあ | *『白居易-琵琶行』 | 嘔啞嘲哳(おうあちょうたつ/おうあとうたつ) ★「嘔啞」は、子供の話す声、やかましく鳴る音の形容。 ★「嘲哳」は、騒々しいみだらな音がするさま。また、調子はずれで下品な音のさま。 |
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63 | 人の来訪を尊んで言う表現。 | 延頸[挙踵]・合歓[綢繆] 宝鈿[玉釵]・[枉駕]来臨 |
◆1 | おうが | *『不明』 | 枉駕来臨(おうがらいりん) ★「枉駕」は、乗り物の道筋を枉(マ)げてわざわざ立ち寄ること。 ★「来臨」は、人が来ることの敬語表現。人の来訪に対して敬意を表す語。 「駕(ガ)を枉(マ)げて来臨す」 |
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64 | 傍若無人に振る舞うこと。 | [慇懃]無礼・頑迷[固陋] 三面[六臂]・横行[闊歩] |
◆1 | かっぽ | *『夏目楚漱石-吾輩は猫である』 | 横行闊歩(おうこうかっぽ) ★「横行」は、我が物顔にふるまうこと。 ★「闊歩」は、堂々と歩くこと、威張って行動すること。 類:横行覇道(おうこうはどう) 類:横行跋扈(おうこうばっこ) 類:跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ) 類:飛揚跋扈(ひようばっこ) |
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65 | 人の子は須らく両親に仕えるべし。 | 宵衣[旰食]・[温凊]定省 [婉娩]聴従・鑿窓[啓牖] |
◆1 | おんせい | *『礼記-曲礼・上』 | 温凊定省(おんせいていせい) ★冬には温かく夏には凊(スズ)しく過ごせるよう配慮し、夜には寝床を整え定め、朝にはご機嫌を伺う(省)意。 類:扇枕温衾(せんちんおんきん) 類:定省温凊(ていせいおんせい) 類:昏定晨省(こんていしんせい) |
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66 | 非現実的な考えや、架空の理論。 | 蛙鳴[蟬噪]・[海闊]天空 博引[旁証]・海市[蜃楼] |
◆1 | しんろう | *『駢字類編-四六引・隋唐遺事』 | 海市蜃楼(かいししんろう) ★「海市」と「蜃楼」は、蜃気楼のこと。 類:空中楼台(くうちゅうろうだい) 類:蜃楼海市(しんろうかいし) 類:砂上の楼閣(さじょうのろうかく) |
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67 | 実現不可能なことに労力を費やす。 | 海底[撈月]・[毫釐]千里 [躬行]実践・河山[帯讃 |
◆1 | ろうげつ | *『不明』 | 海底撈月(かいていろうげつ) ★「撈月」は、月をすくいあげる意。 ★海面に映った月を見て、本物の月だと思い込み、海底から月をすくいあげようとする意から。 類:猿猴取月(えんこうしゅげつ) 類:海中撈月(かいちゅうろうげつ) 類:海底撈針(かいていろうしん) 類:水中撈月(すいちゅうろうげつ) 「海底に月を撈(スク)う」 |
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68 | 政界の最高幹部のこと。 | [傀儡]政権・瓊枝[栴檀] [槐門]棘路・張王[李趙] |
◆1 | かいもん | *『平家・一一』 | 槐門棘路(かいもんきょくろ) ★中国周代、朝廷の庭の三公(最も高い三つの官位)が位置すべき所に三本の槐(エンジュ:マメ科の落葉高木)を植え、九卿の位置を示すために九本の棘(イバラ)を植えたという故事から。 類:三槐九棘(さんかいきゅうきょく) 類:公卿大夫(こうけいたいふ) |
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69 | 夫婦の信頼関係が極めて堅いこと。 | [偕老]同穴・煮豆[燃萁] [珠聯]璧合・桃傷[李仆] |
◆1 | かいろう | *『言泉集-下野守義朝為亡室修善』 | 偕老同穴(かいろうどうけつ) ★夫婦が偕(トモ)に仲良く年をとり(老)、死後は同じ墓(同穴)に葬られること。 |
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70 | 葬送のときにうたう挽歌。 | 王楊[盧駱]・[槿花]一朝 低唱[浅斟]・[薤露]蒿里 |
◆1 | かいろ | *『古今注-音楽』 | 薤露蒿里(かいろこうり) ★「薤露」は、ニラの上におりた朝露の意で、すぐに消えてしまうこと。 ★「蒿里」は、もと山の名で、人が死ぬとその霊魂がここに集まり来ると言われた。転じて、墓地の意。 ★「薤露」「蒿里」は、葬送のときの挽歌(バンカ)の曲名。 ★中国漢代の田横(デンオウ)が自殺したとき、門人がこれを悼んで作った曲を、のちに李延年(リエンネン)がこの二曲に分けたとされる。 ★貴人には薤露を歌い、下級官吏や庶民には蒿里を歌うとされる。 |
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71 | 心から待ち望むこと。 | [依怙]贔屭・按図[索驥] [苛斂]誅求・鶴立[企佇] |
◆1 | きちょ | *『三国志-魏書・陳思王植伝』 | 鶴立企佇(かくりつきちょ) ★「企」は、つまさき立つこと。 ★「佇」は、待ち望む意。 ★鶴が立っている姿のように、つまさきだって、人や物事を待ち望む意。 類:延頸鶴望(えんけいかくぼう) 類:延頸挙踵(えんけいきょしょう) |
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72 | 思い通りにならず、もどかしい。 | 苦心[惨憺]・[呵呵]大笑 隔靴[搔痒]・風声[鶴唳] |
◆1 | そうよう | *『景徳伝灯録-二二』 | 隔靴搔痒/隔靴搔癢(かっかそうよう) ★靴を隔てて痒(カユ)いところをかくという意味で、痒いところに手が届かないはがゆさ・もどかしさをいう。 類:掉棒打星(とうぼうだせい) 類:隔靴爬痒(かっかはよう) 「靴(クツ)を隔(ヘダ)てて痒(カユ)きを掻(カ)く」 |
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73 | はたと迷妄を断ち切り解脱する。 | [豁然]大悟・[杞人]天憂 天門[開闔]・融通[無礙] |
◆1 | かつぜん | *『祖庭事苑』 | 豁然大悟(かつぜんたいご) ★「豁然」は、からっと開けるさま。 ★「大悟」は、大いに悟る、悟りを開く、迷いを脱して真理を悟ること。 |
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74 | 租税などを厳酷に取り立てる。 | 流金[鑠石]・[敝帚]千金 [苛斂]誅求・[阿諛]傾奪 |
◆1 | かれん | *『矢田挿雲-江戸から東京へ・六』 | 苛斂誅求(かれんちゅうきゅう) ★「苛斂」「誅求」は、厳しく責めつけて取り立てること。 類:頭会箕斂(とうかいきれん) |
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75 | はばかることなく大いに議論する。 | 肩摩[轂撃]・侃侃[諤諤] 日月[逾邁]・[艱難]辛苦 |
◆1 | がくがく | *『兆民文集』 | 侃侃諤諤(かんかんがくがく) ★「侃侃」は、剛直なさま。 ★「諤諤」は、はばかることなく直言する意。 ★略して「侃諤」ともいう。 類:百家争鳴(ひゃっかそうめい) 類:議論百出(ぎろんひゃくしゅつ) |
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76 | 自論を主張して激しく議論する。 | 危言[覈論]・[迦陵]頻伽 物議[洶然]・[帷幄]上奏 |
◆1 | かくろん | *『後漢書-郭太伝』 | 危言覈論(きげんかくろん) ★「危言」は、身の危険を顧みず直言すること。 ★「覈論」は、きびしく論ずる意。 |
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77 | 主義主張や態度が明確である。 | [明眸]皓歯・秋風[凜冽] 叡明[豁達]・[旗幟]鮮明 |
◆1 | きし | *『不明』 | 旗幟鮮明(きしせんめい) ★「旗幟」は、旗とのぼり。転じて主義・主張・態度・方針の意にたとえられる。 ★「鮮明」は、はっきりしていること。 |
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78 | 心身を労して国事に尽くすこと。 | [鞠躬]尽瘁・大海[撈針] 国歩[艱難]・被髪[左袵] |
◆1 | きっきゅう | *『諸葛亮-後出師表』 | 鞠躬尽瘁(きっきゅうじんすい) ★「鞠躬」は、身をかがめて敬いつつしむ意。転じて、心を尽くして骨折ること。 ★「尽瘁」は、力を尽くして骨折る。 「鞠躬尽瘁、死して後已(ノチヤ)む」 |
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79 | 慈しみかわいがる。 | 重熙[累洽]・揺頭[擺尾] 阿諛[便佞]・[翼覆]嫗煦 |
◆1 | よくふ | *『不明』 | 翼覆嫗煦(よくふうく) ★「翼覆」は、翼でおおうこと。 ★「嫗煦」は、温め育てる。嫗は抱き温める、煦は息を吹きかけて温める意。 ●H30-3㈣意 |
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80 | 英明の天子続き現れ恵沢弥増す。 | 重熙[累洽]・延頸[挙踵] 鑿歯[尺牘]・[翼覆]嫗煦 |
◆1 | るいこう | *『班固-東都賦』 | 重熙累洽(ちょうきるいこう) ★「重熙」は、光明を重ねる意。 ★「洽」は、天子の徳があまねく行きわたること。 ●H30-3㈣意 |
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81 | 気に入られようとして諂う。 | 揺頭[擺尾]・延頸[挙踵] [羊很]狼貪・[翼覆]嫗煦 |
◆1 | はいび | *『五灯会元・五』 | 揺頭擺尾(ようとうはいび) ★頭を動かして尾を振る意。 ★仏道修行の僧侶たちも、ときには師の行動にへつらって、師の体得した境地に近づこうとすることもある、との語にもとづく。 故事:「頭を揺らし尾を擺(フ)る」 ●H30-3㈣意 |
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82 | 粗暴で胴欲なこと。 | 揺頭[擺尾]・延頸[挙踵] [羊很]狼貪・[墜茵]落溷 |
◆1 | ようこん | *『史記-項羽紀』 | 羊很狼貪(ようこんろうどん) ★「羊很」は、羊のように荒々しく道理にそむくこと。 ★「狼貪」は、オオカミのように飽くことなく欲張ること。 ●H30-3㈣意 |
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83 | 人には運不運がある。 | [孔翊]絶書・延頸[挙踵] 鑿歯[尺牘]・[墜茵]落溷 |
◆1 | ついいん | *『南史-范縝伝』 | 墜茵落溷(ついいんらくこん) ★風に吹かれて散った花が、あるものは幸運なことに敷物の上に落ち(墜茵)、あるものは不運にもかわやに落ちる(落溷)ということから。 類:運否天賦(うんぷてんぷ) 故事:「茵(イン)に堕(オ)ち溷(コン)に落(オ)つ」 ●H30-3㈣意 |
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84 | 今現在のことしか考えない。 | [飲鴆]止渇・朮羹[艾酒] [鼎鐺]玉石・[藜杖]韋帯 |
◆1 | いんちん | *『後漢書-霍諝伝』 | 飲鴆止渇(いんちんしかつ) ★鴆毒(チンドク:鴆(チン)という鳥の羽の猛毒)の入った酒を飲んで渇きをいやす意。 類:止渇飲鴆(しかついんちん) 故事:「鴆(チン)を飲(ノ)みて渇(カツ)を止(トド)む」 ●R1-1㈣意 |
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85 | 濡れ衣を着せられる。 | [越俎]代庖・泉石[膏肓] [藜杖]韋帯・[薏苡]明珠 |
◆1 | よくい | *『後漢書-馬援伝』 | 薏苡明珠(よくいめいしゅ) ★「薏苡」は、はとむぎ。花は数珠玉に似ており白い種子は食用・薬用にされる。 ★「明珠」は、宝玉。 ★中国後漢の馬援が、交趾(コウシ:今のベトナム)から持ち帰った車一台分の薏苡の実を都の人々は南方の珍しいものだとおもい、宝玉だと天子に讒言する者もあり天子の怒りに触れたという故事から。 ●R1-1㈣意 |
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86 | 端午の節句の祝儀に用いる。 | 蓴羹[鱸膾]・朮羹[艾酒] 漿酒[霍肉]・[藜杖]韋帯 |
◆1 | がいしゅ | *『歳時広記-端午・上・金門歳節』 | 朮羹艾酒(じゅっこうがいしゅ) ★朮(オケラ)でつくった羹(アツモノ)と艾(ヨモギ)がはいった酒のこと。昔、洛陽の人たちが五月の節句を祝うためにつくった。 ●R1-1㈣意 |
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87 | 聖人の教えをいう。 | [六韜]三略・典謨[訓誥] 洪範[九疇]・[五蘊]皆空 |
◆1 | くんこう | *『不明』 | 典謨訓誥(てんぼくんこう) ★書経にある典・謨・訓・誥の四体の文。書経の篇名の併称。書経は儒教の経典で五経の一つ。夏(カ)・殷(イン)・周(シュウ)三代から秦の穆公(ボッコウ)までの政治に関する記録。尚書ともいう。 ★「典」は、尭典・舜典の二典。 ★「謨」は、大禹謨(ダイウボ)・皐陶謨(コウヨウボ)・益稷謨(エキショクボ)の三謨。 ★「訓」は、敷奏諫言の語で伊訓の類。 ★「誥」は、臣下を教え諭す語で大誥(タイコウ)の類。 ●R1-1㈣意 |
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88 | 敏捷で勇猛なこと。 | 発揚[蹈讃・剽疾[軽悍] 獅子[搏兎]・[訥言]敏行 |
◆1 | けいかん | *『淮南子-兵略訓』 | 剽疾軽悍(ひょうしつけいかん) ★「剽疾」は、すばやいこと。 ★「軽悍」は、すばやく猛々しいこと。 ●R1-2㈣意 |
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89 | 問題を大本から解決する。 | [枉尺]直尋・斬釘[截鉄] [翦草]除根・[朝齏]暮塩 |
◆1 | せんそう | *『春秋左氏伝-隠公六年』 | 翦草除根(せんそうじょこん) ★草を翦(キ)り根を除いて二度と生えないようにする意。 類:削株掘根(さくしゅくっこん) 類:断根枯葉(だんこんこよう) 類:釜底抽薪(ふていちゅうしん) 類:抜本塞源(ばっぽんそくげん) 故事:「草を翦(キ)り根を除く」 ●R1-2㈣意 |
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90 | 体を激しく動かして踊る。 | 緩歌[縵舞]・[行尸]走肉 [鳧趨]雀躍・発揚[蹈讃 |
◆1 | とうれい | *『礼記-楽記』 | 発揚蹈氏iはつようとうれい) ★「発揚」は、盛んにすること。 ★「蹈」は、足踏みする、小躍りする意。 ★「氏vは、激しい、厳しいさまをいう。 ●R1-3㈣意 |
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91 | 儒学の正統を言う。 | [潑墨]淋漓・[孔翊]絶書 [緇林]杏壇・[鄒魯]遺風 |
◆1 | すうろ | *『梁書-羊侃伝』 | 鄒魯遺風(すうろいふう) ★「鄒」は、孟子の出生地。「魯」は、孔子の出生地。 ★「遺風」は、後世に残された教えの意。 類:鄒魯之学(すうろのがく) ●R1-3㈣意 |
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92 | 友人への心尽くしのもてなし。 | 冒雨[剪韮]・[一饋]十起 [朝齏]暮塩・[簇酒]斂衣 |
◆1 | せんきゅう | *『郭林宗別伝』 | 冒雨剪韮(ぼううせんきゅう) ★雨の中外に出て、韮(ニラ)を摘みご馳走を作る意から。 故事:「雨を冒(オカ)して韭(ニラ)を剪(キ)る」 ●R1-3㈣意 |
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93 | いつまで経っても実現が望めない。 | [枕戈]待旦・河清[難俟] [井渫]不食・鶴立[企佇] |
◆1 | なんし | *『春秋左氏伝-襄公八年』 | 河清難俟(かせいなんし) ★「河」は、黄土で黄色く濁っている黄河のこと。 ★千年に一度しか澄むことがないといわれる黄河の水が澄むのを待つ意から。 ●R1-3㈣意 |
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94 | ごくわずかな時間。 | 造次[顚沛]・一糸[一毫] [一嚬]一笑・[蹉跎]歳月 |
◆1 | てんぱい | *『論語-里仁』 | 造次顚沛(ぞうじてんぱい) ★「造次」は、あわただしい時。 ★「顚沛」は、つまずき倒れることの異で、それくらい短い時間のこと。 |
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95 | 無礼千万。 | 馬鹿[慇懃]・繁文[縟礼] 千荊[万棘]・[袒裼]裸裎 |
◆1 | たんせき | *『孟子-公孫丑・上』 | 袒裼裸裎(たんせきらてい) ★「袒裼」は、ひじをあらわす、肌ぬぎになること。 ★「裸裎」は、裸になること。 |
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96 | 規則や礼式が細かく面倒なこと。 | [縷縷]綿綿・繁文[縟礼] 彫虫[篆刻]・[麤枝]大葉 |
◆1 | じょくれい | *『徳富蘇峰-大日本膨脹論・征清の真意義』 | 繁文縟礼(はんぶんじょくれい) ★「繁文」は、こまごまとした飾り、わずらわしい規則のこと。 ★「縟礼」は、込み入った礼儀作法の意。 |
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97 | 天人や仙女などの着る美しい衣。 | [金縷]玉衣・[霓裳]羽衣 [敝衣]蓬髪・衣錦[尚絅] |
◆1 | げいしょう | *『白居易-長恨歌』 | 霓裳羽衣(げいしょううい) ★「霓裳」は、虹のように美しく曳く裳(モスソ)の意。 ★「羽衣」は、天(アマ)のはごろもで、天人が着て空を飛ぶという、鳥のはねで作った薄く軽い衣のこと。 |
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98 | 多難に晒されながらも勤めに励む。 | 率先[躬行]・意匠[惨澹] [緊褌]一番・櫛風[沐雨] |
◆1 | もくう | *『晋書-文帝綱』 | 櫛風沐雨(しっぷうもくう) ★「櫛風」は、風が髪をくしけずる。 ★「沐雨」は、雨が体を洗うこと。 ★雨や風にさらされながら苦労して働くという意味から。 類:櫛風浴雨(しっぷうよくう) 「風に櫛(クシケズ)り雨に沐(モク)す」 |
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99 | 憤りを抑えられず、熱り立つ様子。 | 切歯[扼腕]・剣抜[弩張] 焦頭[爛額]・煮豆[燃萁] |
◆1 | やくわん | *『史記-張儀伝』 | 切歯扼腕/切歯搤腕(せっしやくわん) ★「切歯」は、歯軋り。 ★「扼腕」は、一方の手でもう一方の腕を押さえること。 類:切歯腐心(せっしふしん) |
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100 | 殿上人などを敬慕して感嘆する。 | 一望[無垠]・華亭[鶴唳] [瞻望]咨嗟・[一倡]三歎 |
◆1 | せんぼう | *『欧陽脩-相州昼錦堂記』 | 瞻望咨嗟(せんぼうしさ) ★「瞻望」は、のぞき見る、仰ぎ見る意。 ★「咨嗟」は、ため息を吐くこと。 |
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101 | 私利私欲のために画策する悪徒。 | [騰蛟]起鳳・波詭[雲譎] 暴虎[馮河]・[魑魅]魍魎 |
◆1 | ちみ | *『春秋左氏伝-宣公三年』 | 魑魅魍魎/魑魅罔両(ちみもうりょう) ★「魑魅」は、山林・沼沢の気から生じる妖怪。 ★「魍魎」は、山川・木石の精気から生じる妖怪。 ★いろいろな化け物の意。 類:百鬼夜行(ひゃっきやこう) |
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102 | 血気に逸った無鉄砲な行為。 | 騎驢[覓驢]・爬羅[剔抉] 暴虎[馮河]・[洒洒]落落 |
◆1 | ひょうが | *『論語-術而』 | 暴虎馮河/暴虎憑河(ぼうこひょうが) ★「暴虎」は、虎を素手で殴ること。 ★「馮河」は、大河を徒歩で渡る意。 ★暴虎も馮河も無謀な行為を指す。 類:血気之勇(けっきのゆう) 類:匹夫之勇(ひっぷのゆう) |
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103 | 名士佳人などの死をいう。 | 百花[繚乱]・瓶墜[簪折] 失魂[落魄]・[蘭摧]玉折 |
◆1 | らんさい | *『世説新語-言語』 | 蘭摧玉折(らんさいぎょくせつ) ★蘭の花が摧(クダ)け散り玉が折れ割れる意。 |
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104 | 老境に入っても大志を失わない。 | 頑廉[懦立]・牛驥[同皁] [騏驥]過隙・老驥[伏櫪] |
◆1 | ふくれき | *『曹操-歩出夏門行』 | 老驥伏櫪(ろうきふくれき) ★年老いてしまった駿馬(老驥)が用いられることなく、馬屋(櫪)のねだに伏し横たわっていながら、なお千里を駆けようとする志を捨てない意。 「老驥(ロウキ)、櫪(レキ)に伏(フ)す」 |
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105 | 独り決めの当て推量。 | [揣摩]臆測・管窺[蠡測] 頑迷[固陋]・麻姑[搔痒] |
◆1 | しま | すいま | *『戦国策-秦策』 | 揣摩臆測/揣摩憶測(しまおくそく/すいまおくそく) ★「揣摩」は、おしはかる意。 ★「臆測」は、いい加減な推測の意。 |
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106 | 自然の風景や風流韻事をたしなむ。 | 泉石[膏肓]・神韻[縹渺] 風光[明媚]・[嘯風]弄月 |
◆1 | しょうふう | *『太平記・一』 | 嘯風弄月(しょうふうろうげつ) ★「嘯風」は、風に合わせて歌うこと。 ★「弄月」は、月をながめ賞する意。 類:嘲風弄月(ちょうふうろうげつ) 類:悠悠自適(ゆうゆうじてき) 「風に嘯(ウソブ)き月を弄(モテアソ)ぶ」 |
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107 | 賊徒どもがのさばり、はびこる。 | 自由[闊達]・跳梁[跋扈] [磊磊]落落・[跖狗]吠尭 |
◆1 | ばっこ | *『福本日南-両政事家の政略に感有り』 | 跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ) ★「跳梁」は、おどりあがり跳ね回ること。 ★「跋扈」は、思うままにのさばり振る舞うこと。 類:飛揚跋扈(ひようばっこ) 類:横行闊歩(おうこうかっぽ) 類:跋扈跳梁(ばっこちょうりょう) |
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108 | 有徳の人物には自然と人が集まる。 | 桃李[成蹊]・[瓊枝]栴檀 [鸞翔]鳳集・衆賢[茅茹] |
◆1 | せいけい | *『史記-李将軍伝・賛』 | 桃李成蹊(とうりせいけい) ★花が美しく実がうまい桃や李(スモモ)の木の下には、それに惹かれて人が集まってくるために、自然に小道(蹊)ができるという意。 類:李広成蹊(りこうせいけい) 「桃李言わざれども下自(オノ)ずから蹊(ケイ)を成(ナ)す」 |
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109 | 豪奢な宴会のたとえ。 | 附贅[懸肬]・[酒甕]飯囊 宴安[酖毒]・肉山[脯林] |
◆1 | ほりん | *『帝王世紀』 | 肉山脯林(にくざんほりん) ★生肉が山のように、干し肉(脯)が林のように多い意。 類:酒池肉林(しゅちにくりん) 類:肉山酒海(にくざんしゅかい) |
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110 | おじけだって些細なことでも驚く。 | 風声[鶴唳]・[驢鳴]犬吠 [脣亡]歯寒・朱脣[皓歯] |
◆1 | かくれい | *『晋書-謝玄伝』 | 風声鶴唳(ふうせいかくれい) ★「風声」は、風の音のこと。 ★「鶴唳」は、鶴の鳴き声の意。 ★前秦の苻堅(フケン)の軍が敵の奇襲を受けて逃げるとき、風音や鶴の鳴き声にも驚いたという故事から。 類:鶴唳風声(かくれいふうせい) 類:影駭響震(えいがいきょうしん) 類:草木皆兵(そうもくかいへい) |
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111 | 世間に気兼ねして生活する。 | [恐惶]謹言・揺頭[擺尾] 跼天[蹐地]・侃侃[諤諤] |
◆1 | せきち | *『詩経-小雅・正月』 | 跼天蹐地/局天蹐地(きょくてんせきち) ★天は高いのに背を跼(カガ)め、大地は広く厚いのに忍び足でそっと歩く(蹐)こと。 「天に跼(セグクマ)り地に蹐(ヌキアシ)す」 |
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112 | 災いを未発に防ぐたとえ。 | 曲突[徙薪]・冒雨[剪韮] [深讃浅掲・[撥乱]反正 |
◆1 | ししん | *『漢書-霍光伝』 | 曲突徙薪(きょくとつししん) ★「突」は、煙突のこと。 ★「徙」は、物を移動させる意。 ★煙突を曲げ、薪(タキギ)を他の場所に移して、火事になるのを防ぐこと。 類:徙薪曲突(ししんきょくとつ) 「突(トツ)を曲げて薪(タキギ)を徙(ウツ)す」 |
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113 | 大いに決心して物事に当たる。 | [竜攘]虎搏・切歯[扼腕] 乾端[坤倪]・[緊褌]一番 |
◆1 | きんこん | *『或る女-後・三〇』 | 緊褌一番(きんこんいちばん) ★「緊褌」は、褌(フンドシ)を引き締めること。 ★「一番」は、ここ一番という大事なときの意。 |
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114 | 座禅をする時の正しい姿勢をいう。 | 局天[蹐地]・[跛立]箕坐 [祗管]打坐・結跏[趺坐] |
◆1 | ふざ | *『法華経』 | 結跏趺坐(けっかふざ) ★「跏」は、足の裏。 ★「趺」は、足の甲のこと。 ★左右の足の甲を反対の足の股のつけ根に引きつけて置き、両足の裏が上を向くように組む。 |
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115 | 気さくで、小さな事に執着しない。 | 豪放[磊落]・飛揚[跋扈] 剛毅[木訥]・頭童[歯豁] |
◆1 | らいらく | *『小泉三申-新版由比正雪・五』 | 豪放磊落(ごうほうらいらく) ★「豪放」「磊落」は、度量が大きくて小さなことにはこだわらない意。 類:大胆不敵(だいたんふてき) 類:天空海闊(てんくうかいかつ) 類:磊磊落落(らいらいらくらく) |
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116 | 奸臣が国政の枢軸を握っている。 | [衍曼]流爛・槐門[棘路] [狡兎]三窟・[豺狼]当路 |
◆1 | さいろう | *『後漢書-張綱伝』 | 豺狼当路/犲狼当路(さいろうとうろ) ★「豺狼」は、山犬と狼。 ★豺狼が道の真ん中に居座って行く手をさえぎっている意から。 「豺狼(サイロウ)、路(ミチ)に当たる」 |
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117 | 心遣いが隅々まで行き届いている。 | 余韻[嫋嫋]・瑣砕[細膩] [濯纓]濯足・[膾炙]人口 |
◆1 | さいじ | *『紅楼夢・一回』 | 瑣砕細膩(ささいさいじ) ★「瑣砕」は、こまやかなこと、心を細やかに砕くこと。 ★「細膩」は、きめ細かなこと。 |
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118 | 職責を果たさず徒に俸給を貰う。 | [尸位]素餐・売官[鬻爵] 白髪[青袗]・[侈衣]美食 |
◆1 | しい | *『論衡-量知』 | 尸位素餐(しいそさん) ★「尸位」は、形代(尸)がその位置から動かないように高い地位にいながら責務を果たさないこと。 ★「素餐」は、何もせずにただ食うこと。 類:尸禄素餐(しろくそさん) 類:窃位素餐(せついそさん) |
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119 | 安穏のさまや、温順な人柄をいう。 | 翼覆[嫗煦]・[温凊]定省 生気[潑溂]・春風[駘蕩] |
◆1 | たいとう | *『恋慕ながし・二三』 | 春風駘蕩(しゅんぷうたいとう) ★「駘蕩」は、のんびりと落ち着いている様子。 |
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120 | 傑物が登用されないたとえ。 | [井渫]不食・玉石[混淆] [攀轅]臥轍・顚委[勢峻] |
◆1 | せいせつ | *『易経-井卦』 | 井渫不食(せいせつふしょく) ★「井渫」は、井戸の水が綺麗に澄んでいること。 ★「不食」は、飲用として用いられない意。 ★せっかく綺麗な井戸水があっても、汲んで用いられないということから。 「井(セイ)渫(サラ)えども食らわれず」 |
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121 | 凡人が賢人を頼りにして功績を立てる。 | 烈士[徇名]・[蒼蠅]驥尾 [阿諛]追従・[竜蟠]虎踞 |
◆1 | そうよう | *『史記-伯夷伝・索隠』 | 蒼蠅驥尾(そうようきび) ★「蒼蠅」は、アオバエ。小人や凡人にたとえる。 ★青蠅(アオバエ)が、駿馬のしっぽ(驥尾)にとまって千里も遠くに行く意。 「蒼蠅(ソウヨウ)、驥尾(キビ)に附(フ)して千里を致す」 |
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122 | きわめて堅固な守り。 | 宝鈿[玉釵]・[銅牆]鉄壁 鉄網[珊瑚]・荊棘[銅駝] |
◆1 | どうしょう | *『柴田錬三郎-柴錬水滸伝』 | 銅牆鉄壁(どうしょうてっぺき) ★銅の垣根(牆)と、鉄の壁の意。 類:湯池鉄城(とうちてつじょう) |
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123 | 気魄に満ち困難にも怯まない。 | 桑土[綢繆]・驚心[動魄] [不撓]不屈・[崎嶇]坎軻 |
◆1 | ふとう | *『漢書-叙伝』 | 不撓不屈(ふとうふくつ) ★「不撓」は、たわまない、まがらない意。 ★「不屈」は、屈しないこと。 類:不屈不撓(ふくつふとう) 類:独立不撓(どくりつふとう) 類:百折不撓(ひゃくせつふとう) |
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124 | 短い人生、大いに楽しむべきだ。 | 曲水[流觴]・[秉燭]夜遊 昼耕[夜誦]・勇往[邁進] |
◆1 | へいしょく | *『李白-春夜宴従弟桃花園序』 | 秉燭夜遊(へいしょくやゆう) ★「秉燭」は、手に灯りを持つ意。 ★「燭(トモシビ)を秉(ト)りて夜遊(ヨルアソ)ぶ」 |
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125 | 順調に物事が運ぶこと。 | 融通[無碍]・協心[戮力] 画竜[点睛]・麻姑[搔痒] |
◆1 | そうよう | *『神仙伝-麻姑』 | 麻姑搔痒/麻姑搔癢(まこそうよう) ★「麻姑」は、中国伝説の仙女。鳥のような長い爪を持つという。 ★「搔痒」は、かゆいところをかくこと。 ★中国漢代桓帝(カンテイ)のころ蔡経(サイケイ)という者が麻姑の長い爪で背中をかかせたら、さぞ気持ちがよいだろうと秘かに思ったという故事から。 |
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126 | 主君と相対して臆せず諫言する。 | 面折[廷諍]・天顔[咫尺] [讒謗]罵詈・干戈[倥偬] |
◆1 | ていそう | *『史記-呂后紀』 | 面折廷諍/面折廷争(めんせつていそう) ★「面折」は、面と向かって責める。 ★「廷諍」は、朝廷で争論すること。 類:廷諍面折(ていそうめんせつ) |
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127 | 人品が気高く卓抜した人のたとえ。 | [鼎鐺]玉石・[蘭摧]玉折 瑶林[瓊樹]・高牙[大纛] |
◆1 | けいじゅ | *『世説新語-賞誉』 | 瑶林瓊樹(ようりんけいじゅ) ★玉のように美しい林や木の意。 |
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128 | 実力に過分な地位にいること。 | 肉山[脯林]・[豺狼]当路 北轍[南轅]・[濫竽]充数 |
◆1 | らんう | *『韓非子-内儲説・上』 | 濫竽充数(らんうじゅうすう) ★「濫竽」は、みだりに笛を吹くこと。 ★「充数」は、必要な数の一員に充てる意。 ★斉の宣王が竽(竹笛の一種)による演奏を聞くことが好きで、楽士三百人を集めて吹かせていたが、吹けない男がその中にまじって吹けるように装っていた。王の没後、湣(ビン)王が位につくと、ひとりひとり吹かせることになって、ごまかせなくなり、男は逃げ出したという故事から。 類:南郭濫竽(なんかくらんう) 類:南郭濫吹(なんかくらんすい) |
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129 | 気焔万丈、天下を吞む意気のさま。 | [鴉巣]生鳳・万目[睚眥] 兎起[鶻落]・[竜驤]虎視 |
◆1 | りゅうじょう | りょうじょう | *『三国志-蜀書・諸葛亮伝』 | 竜驤虎視(りょうじょうこし/りゅうじょうこし) ★「竜驤」は、竜が天に昇る意。 ★「虎視」は、虎が獲物をにらむこと。 ★竜のように盛んで、虎のように威力があること。 類:竜驤虎躍(りょうじょうこやく) 類:竜驤虎歩(りょうじょうこほ) |
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130 | 悩める民を救う人のたとえ。 | 簞食[壺漿]・[霖雨]蒼生 人権[蹂躪]・一世[風靡] |
◆1 | りんう | *『不明』 | 霖雨蒼生(りんうそうせい) ★「霖雨」は、幾日も降り続く雨。ここでは旱魃を救う三日以上降り続く恵みの雨。恩沢・恵みの意。 ★「蒼生」は、草木が青々と茂る所であるが、転じて、多くの人民のこと。 |
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131 | 領土を守り通す国家のたとえ。 | [金甌]無欠・[旗幟]鮮明 完璧[帰趙]・[銅駝]荊棘 |
◆1 | きんおう | *『南史-朱异伝』 | 金甌無欠(きんおうむけつ) ★「金甌」は、黄金のかめ(瓶)のこと。 ★少しの傷もない黄金の甌(カメ)のように、完全で欠点がない意。 類:完全無欠(かんぜんむけつ) |
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132 | 粗悪な者が善美な者のあとに続く。 | 比肩[随踵]・[行尸]走肉 [霓裳]羽衣・狗尾[続貂] |
◆1 | ぞくちょう | *『晋書-趙王倫伝』 | 狗尾続貂(くびぞくちょう/こうびぞくちょう) ★官爵を乱発するのをののしる語。 ★「狗尾」は、犬の尾。 ★「貂」は、てん。 ★晋の趙王倫(チョウオウリン)の一族が力を得てみな高位高官に登り、貂(テン)の尾で飾った冠をつけたため、当時の人がこの様子では貂が不足し犬の尾の飾りの冠を付けるほかないと罵ったという故事から。 類:続貂之譏(ぞくちょうのそしり) |
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133 | 心に銘記して片時も忘れない。 | 自己[韜晦]・旁時[掣肘] 彫心[鏤骨]・拳拳[服膺] |
◆1 | ふくよう | *『中庸』 | 拳拳服膺(けんけんふくよう) ★「拳拳」は、両手で大切にささげ持つこと。 ★「服膺」は、胸に刻んで忘れないことで、人の教えや言葉を常に心にとどめて大切に守る意。 |
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134 | 往来の雑踏すること。 | 肩摩[轂撃]・非難[囂囂] 兵馬[倥偬]・[澆季]溷濁 |
◆1 | こくげき | *『戦国策-斉策』 | 肩摩轂撃(けんまこくげき) ★「肩摩」は、肩と肩が擦れ合うこと。 ★「轂撃」は、轂と轂がぶつかりあう意。 ★人と人の肩がこすれあい、車と車の軸受けがぶつかり合うほどの混雑のこと。 類:比肩随踵(ひけんずいしょう) 類:轂撃肩摩(こくげきけんま) |
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135 | 相思の仲でも遠く離れていること。 | [蓴羹]鱸膾・[牽攣]乖隔 風雨[対牀]・浮雲[翳日] |
◆1 | けんれん | *『白居易-与微之書』 | 牽攣乖隔(けんれんかいかく) ★「牽攣」は、互いに心引かれる意。 ★「乖隔」は、遠く離れていること。 |
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136 | 心が清らかで朗らかなこと。 | [琴瑟]相和・[灑掃]応対 [三釁]三浴・光風[霽月] |
◆1 | せいげつ | *『黄庭堅-濂渓詩序』 | 光風霽月(こうふうせいげつ) ★「霽」は、晴れる意。 ★太陽の光の中を爽やかに吹く風と、雨上がりの澄み切った空に出る月のこと。 類:明鏡止水(めいきょうしすい) 類:虚心坦懐(きょしんたんかい) |
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137 | 多くの船が連なり続くさま。 | 傾側[偃仰]・旌旗[巻舒] [舳艫]千里・[嚆矢]濫觴 |
◆1 | じくろ | *『漢書-武帝紀』 | 舳艫千里(じくろせんり) ★「舳」は、船のとも。 ★「艫」は、船のへさき。 ★「千里」は、はるかに続く長い距離。 ★ある船の船尾に次の船の船首がくっつくようにして連なるさまをいう。 |
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138 | 相手を自由自在に操り懐柔する。 | 七縦[七擒]・[豁達]自由 [輾転]反側・籠鳥[檻猿] |
◆1 | しちきん | *『三国志-蜀書・諸葛亮伝・注』 | 七縦七擒(しちしょうしちきん) ★「七縦」は、七回縦(ハナ)つこと。 ★「七擒」は、七回擒(トラ)えること。 ★中国三国時代、蜀の諸葛亮が敵将の孟獲を七回擒(トリコ)にして、七回縦(ハナ)ったところ、ついに背かなくなったという故事から。 類:七擒七縦(しちきんしちしょう) |
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139 | 声を上げて奮起させること。 | 喋喋[喃喃]・[叱咤]激励 [砥礪]切磋・精励[恪勤] |
◆1 | しった | *『島原半島』 | 叱咤激励(しったげきれい) ★「叱咤」は、大声でしかること。転じて、大声で励ますこと。 ★「激励」は、励まして元気づける意。 類:鼓舞激励(こぶげきれい) 類:叱咤督励(しったとくれい) 類:啓発激励(けいはつげきれい) |
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140 | 人の地位や成功を横取りすること。 | [燕頷]虎頸・[跖狗]吠尭 七縦[七擒]・[鵲巣]鳩居 |
◆1 | じゃくそう | *『詩経-召南・鵲巣』 | 鵲巣鳩居(じゃくそうきゅうきょ) ★巣作りのうまい鵲(カササギ)の巣に、巣作りのへたな鳩が入ってすみつく意。 類:鳩居鵲巣(きゅうきょじゃくそう) 類:鵲巣鳩占(じゃくそうきゅうせん) |
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141 | 君主が政務に精励するさま。 | 鳳凰[銜書]・宵衣[旰食] [寤寐]思服・発揚[蹈讃 |
◆1 | かんしょく | *『唐書-劉蕡伝』 | 宵衣旰食(しょういかんしょく) ★夜明け前(宵)から正服を着て政治に励み、太陽が沈んで(旰)から夕食をとること。 ★略して「宵旰」ともいう。 |
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142 | 芸術作品などの玄妙なるさま。 | 滑稽[洒脱]・千巌[万壑] [瀟湘]八景・神韻[縹渺] |
◆1 | ひょうびょう | *『日本風景論』 | 神韻縹渺/神韻縹緲/神韻縹眇(しんいんひょうびょう) ★「神韻」は、人間わざとは思えないようなすぐれた趣のこと。 ★「縹渺」は、遠く遥かな意。 |
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143 | 状況に応じて適切な処理をとる。 | [深讃浅掲・狐裘[羔袖] 一薫[一蕕]・狗吠[緇衣] |
◆1 | しんれい | *『詩経-邶風・匏有苦葉』 | 深諮掲(しんれいせんけい) ★「氏vは、高くあげる意。 ★「掲」は、着物のすそをからげること。 ★川が深ければ着物を高くたくしあげ、浅ければすそをからげて渡るということから。 類:随機応変(ずいきおうへん) 類:量体裁衣(りょうたいさいい) 類:臨機応変(りんきおうへん) 「深ければ(レイ)し、浅ければ掲(ケイ)す」 |
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144 | 慈母の鴻恩に報いる難しさをいう。 | 寸草[春暉]・家鶏[野雉] [舐糠]及米・曽母[投杼] |
◆1 | しゅんき | *『孟郊-遊子吟』 | 寸草春暉(すんそうしゅんき) ★父母の恩は大きくその万分の一も報いることが難しいことのたとえ。 ★「寸草」は、丈の低い草の意で、子が親の恩に報いようとするほんのわずかな心のたとえ。 ★「春暉」は、春の陽光の意で、父母の広大な慈愛をいう。 類:寸草之心(すんそうのこころ) |
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145 | 修養を積み有用の器となるたとえ。 | [蹇蹇]匪躬・[探驪]獲珠 [鏃礪]括羽・[甕牖]縄枢 |
◆1 | ぞくれい | *『説苑-建本』 | 鏃礪括羽(ぞくれいかつう) ★「括羽」は、矢筈(ヤハズ)と鳥羽の意。 ★竹に礪(ト)いだ鏃(ヤジリ)をつけ、さらに矢筈(ヤハズ)と鳥羽をつけて鋭い矢にすることから。 |
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146 | 大変な苦労をすること。 | 自己[韜晦]・炊金[饌玉] 彫心[鏤骨]・[三釁]三浴 |
◆1 | るこつ | ろうこつ | *『海潮音・序』 | 彫心鏤骨(ちょうしんるこつ/ちょうしんろうこつ) ★心にきざみ骨に鏤(チリバ)める意。 類:粉骨砕身(ふんこつさいしん) 類:彫肝琢腎(ちょうかんたくじん) 「心に彫(ホ)り骨に鏤(キザ)む」 |
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147 | 戦いの準備を常に怠らないたとえ。 | 倒載[干戈]・[枕戈]待旦 干戚[羽旄]・[轂撃]肩摩 |
◆1 | ちんか | *『晋書-劉琨伝』 | 枕戈待旦(ちんかたいたん) ★戈(ホコ)を枕にして眠り、朝になるのを待つ意。 類:枕戈寝甲(ちんかしんこう) 「戈(ホコ)を枕にして旦(アシタ)を待つ」 |
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148 | 以心伝心の妙所をいう。 | 雲烟[縹渺]・[渾然]一体 [結跏]趺坐・[拈華]微笑 |
◆1 | ねんげ | *『五灯会元』 | 拈華微笑/拈花微笑(ねんげみしょう) ★釈迦が弟子に説法している時、ハスの花を拈(ヒネ)って見せたが、弟子たちはその意味が分からずただ一人迦葉(カショウ)だけが悟ってにっこりと笑った。そこで釈迦は彼に仏法の奥義を授けたという故事から。 類:破顔微笑(はがんみしょう) 類:以心伝心(いしんでんしん) 類:教外別伝(きょうげべつでん) 類:不立文字(ふりゅうもんじ) 類:維摩一黙(ゆいまいちもく) |
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149 | どこから見ても美しく鮮明なこと。 | 明窓[浄几]・円滑[洒脱] [輪奐]一新・八面[玲瓏] |
◆1 | れいろう | *『馬熙-開窓看雨・詩』 | 八面玲瓏(はちめんれいろう) ★「八面」は、あらゆる方面のこと。 ★「玲瓏」は、美しく輝くさま、美しく透き通るさま。 ★どこから見ても曇りがなく鮮やかで美しい意。 類:八方美人(はっぽうびじん) |
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150 | ひどく急ぎ慌てるたとえ。 | 被髪[纓冠]・被髪[左袵] 朝耕[暮耘]・[朝齏]暮塩 |
◆1 | えいかん | *『孟子-離婁・下』 | 被髪纓冠(ひはつえいかん) ★「被髪」は、髪の毛をふり乱したさま。 ★「纓冠」は、冠のひもを結ぶこと。 ★髪をふり乱したまま冠のひもを結ぶ意。 |
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151 | 勢いが激しくすばやいたとえ。 | [慷慨]憤激・[霹靂]閃電 [波瀾]曲折・落英[繽紛] |
◆1 | へきれき | *『隋書-長孫晟伝』 | 霹靂閃電(へきれきせんでん) ★「霹靂」は、急に激しく鳴る雷の意。 ★「閃電」は、ぴかっと光る稲妻。 ★急に激しく鳴りきらめきひかる稲妻の意。 |
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152 | 質素な家宅のこと。 | 浮家[泛宅]・粗衣[糲食] 茅屋[采椽]・鑿窓[啓牖] |
◆1 | さいてん | *『漢書-芸文志』 | 茅屋采椽/茅屋採椽(ぼうおくさいてん) ★「茅屋」は、かやぶきの屋根のこと。 ★「采椽」は、山から切り出したままのたるきの意。 |
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153 | 筆跡が黒々として精彩に富むさま。 | [燕頷]投筆・[鴉巣]生鳳 朱墨[爛然]・墨痕[淋漓] |
◆1 | りんり | *『落梅集』 | 墨痕淋漓(ぼっこんりんり) ★「墨痕」は、墨で表現したもの。 ★「淋漓」は、水や血などがしたたるさま。転じて、筆勢などの盛んなさま。 |
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154 | 猛烈な暑さのたとえ。 | 夏癸[殷辛]・流血[淋漓] 枕流[漱石]・流金[鑠石] |
◆1 | しゃくせき | *『楚辞-招魂』 | 流金鑠石(りゅうきんしゃくせき) ★昔、十個の太陽が同時に昇り金石などの堅剛なものもみな照らし溶かしたという故事による。 類:流金焦土(りゅうきんしょうど) 「金(キン)を流(ナガ)し石(イシ)を鑠(トカ)す」 |
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155 | 豪傑が拠点を構えて威勢を振るう。 | 竜蟠[虎踞]・老驥[伏櫪] 豪放[磊落]・大廈[高楼] |
◆1 | こきょ | *『李白-永王東巡歌』 | 竜蟠虎踞/竜盤虎踞(りょうばんこきょ/りゅうばんこきょ) ★「竜蟠」は、竜がとぐろを巻くこと。 ★「虎踞」は、虎がうずくまる意。 |
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156 | 見識がなく、濫りに同調すること。 | 得隴[望蜀]・家鶏[野鶩] [矮子]看戯・[啐啄]同時 |
◆1 | わいし | *『朱子語類・一一六』 | 矮子看戯(わいしかんぎ) ★観劇のとき背の低い人(矮子)が高い人のうしろで芝居を見る意。 類:矮人観場(わいじんかんじょう) 類:観場矮人(かんじょうわいじん) 類:矮人看戯(わいじんかんぎ) |
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157 | 物事が一気に進行すること。 | 皓月[千里]・[一瀉]千里 [毫釐]千里・[舳艫]千里 |
◆1 | いっしゃ | *『韓愈-貞女峡詩』 | 一瀉千里(いっしゃせんり) ★「瀉」は、傾斜地を水が勢いよく流れ出すこと。 ★水が傾斜地を流れ出すと一気に千里もの距離を流れ下る意。 類:一瀉百里(いっしゃひゃくり) |
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158 | 無駄な書物の刊行を非難する語。 | 詩人[蛻骨]・[畳牀]架屋 載籍[浩瀚]・[禍棗]災梨 |
◆1 | かそう | *『閲微草堂筆記』 | 禍棗災梨(かそうさいり) ★棗や梨などは版木の材料だが、くだらぬ書物を刊行することは、棗や梨の木にはとんだ災難だということ。 |
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159 | 自由を束縛された境遇のたとえ。 | 家鶏[野雉]・籠鳥[檻猿] 独立[不羈]・頑迷[固陋] |
◆1 | かんえん | *『白居易-山中与元九書因題書後』 | 籠鳥檻猿(ろうちょうかんえん) ★かごの鳥と、おりの中の猿の意。 類:檻猿籠鳥(かんえんろうちょう) |
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160 | 詩歌を詠むことを競う風流な遊び。 | 杯盤[狼藉]・[秉燭]夜遊 花鳥[諷詠]・曲水[流觴] |
◆1 | りゅうしょう | *『王羲之-蘭亭集序』 | 曲水流觴(きょくすいりゅうしょう) ★「曲水」は、いく曲がりも曲げて作った人工の小川のこと。 ★「觴」は、杯の意。 類:流觴曲水(りゅうしょうきょくすい) 類:曲水之宴(きょくすいのえん) |
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161 | 後先考えない、うわついた言動。 | 剽疾[軽悍]・[軽佻]浮薄 [槃根]錯節・[訥言]敏行 |
◆1 | けいちょう | *『両国立志編・一三』 | 軽佻浮薄/軽窕浮薄(けいちょうふはく) ★「軽佻」は、考えが浅く調子にのった言動をすること。 ★「浮薄」は、うわついていて軽々しい意。 類:軽佻浮華(けいちょうふか) 類:軽佻佞巧(けいちょうねいこう) 類:軽率短慮(けいそくたんりょ) 類:鼻先思案(はなさきしあん) |
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162 | 軽快で洗練されているさま。 | 剣抜[弩張]・[嘯風]弄月 [軽佻]浮薄・軽妙[洒脱] |
◆1 | しゃだつ | *『芝木好子-湯葉』 | 軽妙洒脱/軽妙灑脱(けいみょうしゃだつ) ★「軽妙」は、軽く快いこと。 ★「洒脱」は、俗気がなくさっぱりしているさま。 類:滑稽洒脱(こっけいしゃだつ) |
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163 | 自分の利害を顧みず主君に尽くす。 | [蹇蹇]匪躬・一気[呵成] 一士[諤諤]・慧可[断臂] |
◆1 | けんけん | *『易経-蹇』 | 蹇蹇匪躬(けんけんひきゅう) ★「蹇蹇」は、身を苦しめても忠義を尽くすこと。 ★「匪躬」は、「躬(ミ)の故(ユエ)に匪(アラ)ず」の略で、自分の功名や富を捨て去る意。 「王臣(オウシン)蹇蹇、躬の故に匪ず」 |
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164 | 意志が強く、飾り気がないこと。 | [一蹶]不振・[枉尺]直尋 [刮目]相待・剛毅[木訥] |
◆1 | ぼくとつ | *『論語-子路』 | 剛毅木訥/剛毅朴訥/剛毅朴吶(ごうきぼくとつ) ★「剛毅」は、意志が強くくじけない。 ★「木訥」は、飾り気がなく無口で無骨なこと。 「剛毅木訥仁(ジン)に近し」 |
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165 | 痩せさらばえた顔容のたとえ。 | 荒瘠[斥鹵]・槁項[黄馘] 哀鳴[啾啾]・痩身[矮軀] |
◆1 | こうかく | *『荘子-列禦寇』 | 槁項黄馘(こうこうこうかく) ★「槁項」は、やせ細った首筋。 ★「馘」は、顔。 ★やせ細った首と疲れ果てて黄色くなった顔の意。 |
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166 | 起源のたとえ。 | 深根[固蔕]・[緊褌]一番 [嚆矢]濫觴・跼天[蹐地] |
◆1 | こうし | *『不明』 | 嚆矢濫觴(こうしらんしょう) ★「嚆矢」は、かぶら矢の意で、昔戦いの開始のしるしにかぶら矢を敵陣に射かけたことから、物事のはじまりをいう。 ★「濫觴」は、大河もそのはじまりは觴(サカズキ)にあふれるほどの小さな流れであることから、同じく物事のはじめの意。 |
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167 | 踏み行うべき道理はすぐ側にある。 | [在邇]求遠・吹毛[求疵] [瞻望]咨嗟・区聞[陬見] |
◆1 | ざいじ | *『孟子-離婁・上』 | 在邇求遠(ざいじきゅうえん) ★邇(チカ)くに在るのに、遠い所に求めるという意。 類:舎近求遠(しゃきんきゅうえん) 類:舎近謀遠(しゃきんぼうえん) 「邇(チカ)きに在(ア)りて遠きに求む」 |
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168 | 書物の数がきわめて多いたとえ。 | 零絹[尺楮]・[七嘴]八舌 [韋編]三絶・載籍[浩瀚] |
◆1 | こうかん | *『文心雕竜-事類類』 | 載籍浩瀚(さいせきこうかん) ★「載籍」は、事柄を記載した書籍の意から、書物のこと。 ★「浩瀚」は、書物の巻数が多い意。 類:汗牛充棟(かんぎゅうじゅうとう) |
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169 | 貧乏の身で苦学すること。 | [在邇]求遠・[鑿壁]偸光 [槁項]黄馘・[郢書]燕説 |
◆1 | さくへき | *『西京雑記・二』 | 鑿壁偸光(さくへきとうこう) ★壁に穴を開けて(鑿壁)隣家の光を盗んで(偸光)学ぶ意。 ★前漢の匡衡(キョウコウ)が若いとき貧乏で灯火の油が買えず、壁に穴を開けて隣家の灯の光で書物を読んで学問をし、のち大学者となった故事による。 類:匡衡壁鑿(きょうこうへきさく) 「壁を鑿(ウガ)ちて光を偸(ヌス)む」 |
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170 | 互いに手をとり合い協力すること。 | 五行[相剋]・[拱手]傍観 [牛驥]同皁・左提[右挈] |
◆1 | ゆうけつ | *『漢書-張耳陳余伝』 | 左提右挈(さていゆうけつ) ★左右の手でたずさえる意。 類:左提右携(さていゆうけい/さていうけい) |
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171 | 身を清めて大切な相手を待つこと。 | 風鬟[雨鬢]・洗垢[索瘢] [三釁]三浴・[灑掃]応対 |
◆1 | さんきん | *『国語-斉語』 | 三釁三浴(さんきんさんよく) ★「釁」は、香料を体に塗り付けること。 ★「浴」は、湯浴みすること。 ★幾度も体を洗い清め、幾度も香を塗り染めよい香りをつけて人を待つ意。 類:三薫三沐(さんくんさんもく) 類:三浴三薫(さんよくさんくん) |
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172 | 三世帯が一家に同居すること。 | [尭階]三尺・一家[眷族] 翠帳[紅閨]・三世[一爨] |
◆1 | いっさん | *『唐書-崔邠伝』 | 三世一爨(さんせいいっさん) ★三代の一族が一つの爨(カマド)で煮炊きして住む意。 類:三世同居(さんせいどうきょ) 類:三世同爨(さんせいどうさん) 類:三世同堂(さんせいどうどう) |
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173 | 恥辱を受けることのたとえ。 | 残杯[冷炙]・顔厚[忸怩] [槁木]死灰・[麪市]塩車 |
◆1 | れいしゃ | *『顔氏家訓-雑芸』 | 残杯冷炙(ざんぱいれいしゃ) ★飲み残りの酒と、冷え切った炙り物の肉の意。 類:残杯冷肴(ざんぱいれいこう) 類:残羹冷炙(ざんこうれいしゃ) |
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174 | あちこちから意見の出ること。 | 百様[玲瓏]・南蛮[鴃舌] [罵詈]雑言・[七嘴]八舌 |
◆1 | しちし | *『袁枚-牘外余言』 | 七嘴八舌(しちしはちぜつ) ★七つの嘴(クチバシ)と、八つの舌の意。 |
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175 | 書画が見苦しく拙いたとえ。 | [斟酌]折中・[彗氾]画塗 [春蚓]秋蛇・[雕文]刻鏤 |
◆1 | しゅんいん | *『晋書-王羲之伝賛』 | 春蚓秋蛇(しゅんいんしゅうだ) ★春の蚯蚓(ミミズ)や秋の蛇のように、字も行もうねうねと曲がりくねっているということ。 |
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176 | 学問や修養に励み大成を期すこと。 | [砥礪]切磋・冒雨[剪韮] [鞭辟]近裏・[臍下]丹田 |
◆1 | しれい | *『言志録』 | 砥礪切磋/砥礪切瑳(しれいせっさ) ★「砥」「礪」「磋」は、とぎ磨く意。 ★「切」は、骨などを断ち切る意。 類:切磋琢磨(せっさたくま) |
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177 | 持ちつ持たれつの関係をいう。 | 比肩[随踵]・[脣歯]輔車 七縦[七擒]・[刮目]相待 |
◆1 | しんし | *『春秋左氏伝-僖公五年』 | 脣歯輔車/唇歯輔車(しんしほしゃ) ★「輔車」は、添え木と荷台。また、頰骨(輔)と下顎の骨(車)という説もある。 ★「脣歯」は、脣(クチビル)と歯。 ★輔車と唇歯のように、一方が欠けると他方がだめになるような関係をいう。 類:脣亡歯寒(しんぼうしかん) 類:輔車相衣(ほしゃそうい) 類:輔車唇歯(ほしゃしんし) 類:輔車脣歯(ほしゃしんし) 「輔車は相依(アイヨ)り脣(クチビル)亡(ホロ)ぶれば歯寒し」 |
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178 | 間断なく仕事に明け暮れること。 | [一瀉]千里・蚤寝[晏起] [旁時]掣肘・[晨夜]兼道 |
◆1 | しんや | *『資治通鑑-漢紀』 | 晨夜兼道(しんやけんどう) ★「晨夜」は、朝と夜、朝早くから夜遅くまで。 ★「兼道」は、行程を倍にして行く、大急ぎで行くこと。 類:昼夜兼行(ちゅうやけんこう) |
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179 | 至上の美食。 | 玉肌[香膩]・宵衣[旰食] [黄粱]一炊・炊金[饌玉] |
◆1 | せんぎょく | *『駱賓王-帝京篇』 | 炊金饌玉(すいきんせんぎょく) ★金を炊いて食物とし、玉を取り揃えて膳に並べる意。 類:饌玉炊金(せんぎょくすいきん) 類:食前方丈(しょくぜんほうじょう) 「金を炊(タ)き、玉を饌(セン)す」 |
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180 | 酩酊してよろめくさま。 | [邯鄲]学歩・横行[闊歩] 酔歩[蹣跚]・[跂行]喙息 |
◆1 | まんさん | ばんさん | *『花柳春話・二七』 | 酔歩蹣跚(すいほまんさん/すいほばんさん) ★「蹣跚」は、よろめくこと。 類:酔眼朦朧(すいがんもうろう) |
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181 | 小さな勢力が成長し猖獗を極める。 | 星火[燎原]・為虎[傅翼] 南郭[濫竽]・烟波[縹渺] |
◆1 | りょうげん | *『後漢書-周紆伝』 | 星火燎原(せいかりょうげん) ★「星火」は、見える星のような小さな火。 ★「燎原」は、野原を焼き払うこと。 ★反乱や一揆などは初めは力が小さくてもだんだん広がって防ぎようがなくなることをたとえたもの。 |
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182 | 戦いに明け暮れること。 | [澆季]末世・[晨夜]兼道 旌旗[巻舒]・星火[燎原] |
◆1 | けんじょ | *『三国志-魏書・傅嘏伝』 | 旌旗巻舒(せいきけんじょ) ★「旌旗」は、はた、旗の総称。 ★「巻舒」は、巻いたり広げたりすること。 ★軍旗を巻いたり、広げたりして戦いに明け暮れること。 |
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183 | 仲間同士競い合って学徳を高める。 | [鏃礪]括羽・[崑山]片玉 戦戦[兢兢]・[切磋]琢磨 |
◆1 | せっさ | *『詩経-衛風・淇奥』 | 切磋琢磨/切瑳琢磨(せっさたくま) ★「切」は、象牙や獣骨を切る。 ★「切」は、大まかに刀で形を整え、「磋」は、やすりで砥ぐことで、骨や象牙の細工の仕方。 ★「琢」は、原石を打ち不純物を除き、「磨」は、砂・砥石(トイシ)で磨き光沢を出すことで、玉石の細工の仕方。 |
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184 | 酒を味わって小声で詩歌を吟ずる。 | 残杯[冷炙]・嚆矢[濫觴] [朮羹]艾酒・[浅斟]低唱 |
◆1 | せんしん | *『不明』 | 浅斟低唱(せんしんていしょう) ★「浅斟」は、軽く酒を酌み交わす。 ★「低唱」は、低い声で詩や歌を歌うこと。 類:低唱浅斟(ていしょうせんしん) 類:浅酌低唱(せんしゃくていしょう) 類:浅酌微吟(せんしゃくびぎん) |
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185 | 自然を愛好してやまない。 | [禹歩]舜趨・泉石[膏肓] 翼覆[嫗煦]・[紫髥]緑眼 |
◆1 | こうこう | *『旧唐書-田游巌伝』 | 泉石膏肓(せんせきこうこう) ★「泉石」は、流水と石、山水のたたずまい。 ★「膏」は。胸の下のところ。「肓」は、胸と腹の間の薄い膜。病気が入ったら治る見込みがない場所とされる。 ★俗世を離れて山水の中で暮らしたい気持ちが癒やしがたい病気のように切なことをいう。 |
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186 | 親に孝養を尽くすこと。 | [折檻]諫言・[偕老]同穴 [夏鑪]冬扇・扇枕[温衾] |
◆1 | おんきん | *『晋書-王延伝』 | 扇枕温衾(せんちんおんきん) ★夏には枕元で扇であおいで涼しくし、冬には自分の体温で親の布団(衾)を温めてから親を寝かせる意。 類:扇枕温被(せんちんおんぴ) 類:温凊定省(おんせいていせい) |
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187 | 世の中の変遷が甚だしいこと。 | [霹靂]閃電・一縷[千鈞] [袒裼]裸裎・桑田[滄海] |
◆1 | そうかい | *『劉希夷-代悲白頭翁』 | 桑田滄海(そうでんそうかい) ★桑畑(桑田)が青海原(滄海)に変わる意。 類:滄海桑田(そうかいそうでん) 類:桑田碧海(そうでんへきかい) 類:東海桑田(とうかいそうでん) 類:滄海揚塵(そうかいようじん) 「桑田変じて滄海となる」 |
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188 | 天下泰平であることのたとえ。 | 草満[囹圄]・[槿花]一朝 [禹湯]文武・衆賢[茅茹] |
◆1 | れいご | れいぎょ | *『隋書-劉曠伝』 | 草満囹圄(そうまんれいご/そうまんれいぎょ) ★「囹圄」は、牢獄のこと。 ★獄舎に罪人がいないため、草が生い茂るということから。 「草(クサ)、囹圄(レイゴ)に満つ」 |
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189 | 平和的交渉で有利に話を運ぶこと。 | [樽俎]折衝・扇枕[温衾] [奸智]術数・罵詈[讒謗] |
◆1 | そんそ | *『晏子春秋-内編・雑上』 | 樽俎折衝/尊俎折衝(そんそせっしょう) ★「樽俎」は、酒だると肉料理をのせる台。 ★「折衝」は、敵の兵軍の勢いをくじく意。 類:折衝樽俎(せっしょうそんそ) |
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190 | 飲食物を携えて軍隊を労うこと。 | [枉駕]来臨・[霖雨]蒼生 [一饋]十起・簞食[壺漿] |
◆1 | こしょう | *『孟子-梁恵王・下』 | 簞食壺漿/簞食瓠漿(たんしこしょう) ★竹の器の飯(簞食)と、壺の飲み物(壺漿)で軍隊を迎える意。 |
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191 | 災いを防ぐ準備をしておくこと。 | 拳拳[服膺]・[徙薪]曲突 烟波[縹渺]・[綢繆]未雨 |
◆1 | ちゅうびゅう | *『詩経-豳風・鴟鴞』 | 綢繆未雨(ちゅうびゅうみう) ★「綢繆」は、固めふさぐ、つくろうこと。 ★「未雨」は、まだ雨が降らないうちにの意。 ★小鳥が雨が降る前に巣の隙間を固めつくろうことから。 類:綢繆牖戸(ちゅうびゅうゆうこ) |
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192 | 末節ばかりの技巧や小細工。 | 彫虫[篆刻]・[春蚓]秋蛇 [麤枝]大葉・毫毛[斧柯] |
◆1 | てんこく | *『法言-吾子』 | 彫虫篆刻/雕虫篆刻(ちょうちゅうてんこく) ★虫の形や複雑な篆書の字を刻みつけるような、こまかな細工ということから。 類:咬文嚼字(こうぶんしゃくじ) 類:雕虫の小技(ちょうちゅうのしょうぎ) |
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193 | 男女が小声で親しく語り合うさま。 | [縷縷]綿綿・嘔啞[嘲哳] 喋喋[喃喃]・風雨[対牀] |
◆1 | なんなん | *『内地雑居未来之夢・一一』 | 喋喋喃喃(ちょうちょうなんなん) ★「喋喋」は、口数多くしきりにしゃべるさま。 ★「喃喃」は、小声でささやくさま。 類:喃喃喋喋(なんなんちょうちょう) |
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194 | 内心びくびくしながら相手を脅す。 | [恫疑]虚喝・[竜驤]虎視 呉牛[喘月]・遅疑[逡巡] |
◆1 | どうぎ | *『史記-蘇秦伝』 | 恫疑虚喝(どうぎきょかつ) ★「恫疑」は、恐れてためらう。 ★「虚喝」は、虚勢をはっておどすこと。からおどし。こけおどし。 ★略して「恫喝」ともいう。 |
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195 | 筆勢の軽快で勢いのあるたとえ。 | 朱墨[爛然]・筆力[扛鼎] [竜驤]虎視・兎起[鶻落] |
◆1 | こつらく | *『蘇軾-文与可画篔簹谷偃竹記』 | 兎起鶻落(ときこつらく) ★野兎(ノウサギ)が跳びあがり、鶻(ハヤブサ)が急激に飛び下りるような勢いをいう。 |
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196 | 環境が変化すれば性質も変化する。 | 北轍[南轅]・子墨[兎毫] [越鳧]楚乙・南橘[北枳] |
◆1 | ほくき | ほっき | *『晏子春秋-内篇・雑・下』 | 南橘北枳(なんきつほくき/なんきつほっき) ★江南の橘(タチバナ)を江北に移植すると食べられない枳(カラタチ)に変わることから。 類:墨子泣糸(ぼくしきゅうし) |
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197 | 天子の恩威が国中に行き渡ること。 | 好評[嘖嘖]・天威[咫尺] [阮簡]曠達・[南洽]北暢 |
◆1 | なんこう | *『漢書-終軍伝』 | 南洽北暢(なんこうほくちょう) ★南にひろまり(南洽)、北にのびる(北暢)意。 |
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198 | 済んだ酒席の散乱するさま。 | [驕奢]淫逸・[樽俎]折衝 宴安[鴆毒]・杯盤[狼藉] |
◆1 | ろうぜき | *『史記-淳于髡伝』 | 杯盤狼藉/盃盤狼藉(はいばんろうぜき) ★「杯盤」は、杯と皿や小鉢のこと。 ★「狼藉」は、狼が草を藉(シ)いて寝たあとが乱れているさまをいう。 類:落花狼藉(らっかろうぜき) |
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199 | 多くの資料を挙げて物事を論じる。 | 按図[索驥]・流言[蜚語] 博引[旁証]・[洽覧]深識 |
◆1 | ぼうしょう | *『緑蔭茗話』 | 博引旁証(はくいんぼうしょう) ★「博引」は、広く資料を集めて引用すること。 ★「旁証」は、あまねく根拠を示すこと。 類:博引旁捜(はくいんぼうそう) 類:考証該博(こうしょうがいはく) |
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200 | 隠れている人材を探し出し用いる。 | [舐痔]得車・爬羅[剔抉] [黜陟]幽明・騎驢[覓驢] |
◆1 | てっけつ | てきけつ | *『韓愈-進学解』 | 爬羅剔抉(はらてきけつ/はらてっけつ) ★「爬」は、爪などで掻き寄せる。 ★「羅」は、網で鳥を残らず捕る。 ★「剔」「抉」は、そぎ取る、えぐり取る。 |
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201 | 物事が複雑で処理に厄介なこと。 | [紆余]委蛇・[蠹居]棊処 泣斬[馬謖]・[槃根]錯節 |
◆1 | ばんこん | *『後漢書-虞詡伝』 | 槃根錯節/盤根錯節(ばんこんさくせつ) ★「槃根」は、地中で曲がりくねっている木の根のこと。 ★「錯節」は、入り組んだ木の節の意。 類:紆余曲折(うよきょくせつ) 類:複雑多岐(ふくざつたき) |
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202 | 困難を克服して前進するたとえ。 | [砥礪]切磋・[槃根]錯節 切歯[扼腕]・披荊[斬棘] |
◆1 | ざんきょく | *『後漢書-馮異伝』 | 披荊斬棘(ひけいざんきょく) ★いばら(荊棘)の道を斬り披(ヒラ)いて前へ進むこと。 「荊(イバラ)を披(ヒラ)き棘(イバラ)を斬(キ)る」 |
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203 | 批評の態度が厳正なことをいう。 | [禍棗]災梨・[俛首]帖耳 筆削[褒貶]・[口誅]筆伐 |
◆1 | ほうへん | *『経学歴史』 | 筆削褒貶(ひっさくほうへん) ★「筆削」は、書くべきものは書き、取り去るべきものは削ること。 ★「褒貶」は、褒めるべきところは褒め、貶(ケナ)すべきところは貶すこと。 |
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204 | 文章の力強さをいう。 | 剽疾[軽悍]・筆力[扛鼎] 同心[戮力]・疾風[勁草] |
◆1 | こうてい | *『韓愈-病中贈張十八・詩』 | 筆力扛鼎(ひつりょくこうてい) ★「扛鼎」は鼎(カナエ:三脚の銅器)を持ち上げる意。 ★筆勢が鼎を持ち上げるほど強くてすばらしいと、韓愈(カンユ)が張籍(チョウセキ)の文章をほめたたえた言葉から。 「筆力鼎(カナエ)を扛(ア)ぐ」 |
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205 | 法制に従わず横暴に振る舞う。 | [侈衣]美食・[軽佻]浮薄 豪放[磊落]・飛揚[跋扈] |
◆1 | ばっこ | *『北史-斉神武紀』 | 飛揚跋扈(ひようばっこ) ★「飛揚」は、猛禽が飛び上がること。 ★「跋扈」は、大魚が竹垣(扈)を跳びこえて逃げること。 ★猛々しい鳥が飛び上がり、大きな魚が跳ね上がる意。 類:跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ) 類:横行闊歩(おうこうかっぽ) |
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206 | 卑屈な態度で諂うさま。 | [俛首]帖耳・[躡足]附耳 韓信[匍匐]・[草廬]三顧 |
◆1 | ふしゅ | *『韓愈-応科目時与人書』 | 俛首帖耳/俯首帖耳(ふしゅちょうじ) ★「俛首」は、頭を下げる意。 ★「帖耳」は、耳を垂れる意。 ★犬が飼い主に服従するようすをいう。 「首(コウベ)を俛(フ)し耳を帖(タ)る」 |
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207 | 自惚れが強いことのたとえ。 | [弊帚]千金・余裕[綽綽] [茫然]自失・[擲果]満車 |
◆1 | へいそう | *『東観漢紀-光武帝』 | 弊帚千金/敝帚千金(へいそうせんきん) ★やぶれたほうき(弊帚)を千金の価値があると考えるという意。つまらない自分の物を貴重と考えること。 類:千金弊帚(せんきんへいそう) |
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208 | 多くの人ににらまれること。 | 千荊[万棘]・[竜驤]虎視 右顧[左眄]・万目[睚眥] |
◆1 | がいさい | *『紅楼夢-五回』 | 万目睚眥(まんもくがいさい/ばんもくがいさい) ★「万目」は、多くの人の目。転じて、多くの人。 ★「睚眥」は、目をかどに立ててにらむこと。 類:百口嘲謗(ひゃっこうちょうぼう) |
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209 | 失敗を恐れず直向きに臨むさま。 | 日月[逾邁]・驚心[動魄] 勇気[凜凜]・[撼天]動地 |
◆1 | りんりん | *『今東光-夜の客』 | 勇気凜凜(ゆうきりんりん) ★「凜凜」は、勇気の盛んなさま。また、姿や形のりりしいさま。 |
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210 | 寛裕な心で学芸の興趣を味わう。 | 安閑[恬静]・優游[涵泳] 潑墨[淋漓]・陶朱[猗頓] |
◆1 | かんえい | *『論語-為政・集注』 | 優游涵泳(ゆうゆうかんえい) ★「優游」は、ゆったりとしてこせつかないこと。 ★「涵泳」は、水にひたり泳ぐ意から、ゆったりひたり味わう意。 |
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211 | 物事の後に残る風情のたとえ。 | 虚無[縹渺]・[春蚓]秋蛇 瑣砕[細膩]・余韻[嫋嫋] |
◆1 | じょうじょう | *『蘇軾-前赤壁賦』 | 余韻嫋嫋/余音嫋嫋(よいんじょうじょう) ★「嫋嫋」は、音や声の細く長く続くさま。 |
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212 | 女性の蠱惑的な容姿や仕草。 | [姸姿]艶質・人心[収攬] 風光[明媚]・妖姿[媚態] |
◆1 | びたい | *『本事詩-人面桃花』 | 妖姿媚態(ようしびたい) ★「妖姿」は、なまめかしく美しい姿。 ★「媚態」は、なまめかしくこびるさま。 |
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213 | 花びらが乱れ散るさま。 | 落英[繽紛]・百花[繚乱] 桜花[爛漫]・[墜茵]落溷 |
◆1 | ひんぷん | *『陶潜-桃花源記』 | 落英繽紛(らくえいひんぷん) ★「落英」は、散り落ちる花びら。 ★「繽紛」は、盛んなさま。また、乱れ混じるさま。 |
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214 | 強豪同士が激しく戦うさま。 | 竜吟[虎嘯]・[竜驤]虎視 竜蟠[虎踞]・竜攘[虎搏] |
◆1 | こはく | *『和田垣謙三-兎糞録・三』 | 竜攘虎搏(りょうじょうこはく/りゅうじょうこはく) ★「攘」は、はらう意。 ★「搏」は、打つ意。 ★竜と虎が激しく戦う意。 類:竜戦虎争(りょうせんこそう) |
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215 | 小さな欠陥や油断が命取りである。 | 因循[苟且]・形容[枯槁] [螻蟻]潰堤・[魚爛]土崩 |
◆1 | ろうぎ | *『韓非子-喩老』 | 螻蟻潰堤(ろうぎかいてい) ★螻(ケラ)や蟻のような小さな虫があけた穴でも、堤防を崩壊させる原因になることがあるという意。 類:小隙沈舟(しょうげきちんしゅう) 「螻蟻堤(ツツミ)を潰(ツイヤ)す」 |
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216 | 甲斐がない無意味な努力。 | [牛溲]馬勃・刻鵠[類鶩] 夢幻[泡影]・[鏤塵]吹影 |
◆1 | ろうじん | るじん | *『関尹子・一字』 | 鏤塵吹影(ろうじんすいえい/るじんすいえい) ★影を吹いて動かそうとしたり、塵(チリ)に彫刻しようとする意から。 類:吹影鏤塵(すいえいろうじん/すいえいるじん) 「影(カゲ)を吹き塵(チリ)に鏤(チリバ)む」 |
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217 | 拙劣な詩文や、聞くに値しない話。 | [驢鳴]犬吠・風声[鶴唳] 刻鵠[類鶩]・[鴉雀]無声 |
◆1 | ろめい | *『朝野僉載-庾信』 | 驢鳴犬吠(ろめいけんばい) ★驢馬(ロバ)や犬の鳴き声程度であり、ありふれていて聞く価値もない意。 類:犬吠驢鳴(けんばいろめい) 類:驢鳴狗吠(ろめいくばい) 類:驢鳴牛吠(ろめいぎゅうばい) 「驢(ロ)鳴(ナ)き犬(イヌ)吠(ホ)ゆ」 |
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218 | 誠意を尽くして何度も訪れる。 | 連璧[賁臨]・昏定[晨省] [俛首]帖耳・[草廬]三顧 |
◆1 | そうろ | *『諸葛亮-前出師表』 | 草廬三顧(そうろさんこ) ★「草廬」は、草葺きのいおり。 類:三顧之礼(さんこのれい) |
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219 | 鳥や虫などが悲しげに鳴くさま。 | [鬼哭]啾啾・[蟬噪]蛙鳴 嘔啞[嘲哳]・哀鳴[啾啾] |
◆2 | しゅうしゅう | *『不明』 | 哀鳴啾啾(あいめいしゅうしゅう) ★「哀鳴」は、鳥や獣の鳴くさま。 ★「啾啾」は、鳥や虫が低い声で鳴くさま。 |
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220 | 森閑のさま。 | 虚静[恬憺]・孤影[悄然] 蕭敷[艾栄]・[鴉雀]無声 |
◆2 | あじゃく | *『蘇軾-絶句・詩』 | 鴉雀無声(あじゃくむせい) ★鴉(カラス)や雀の鳴き声のない意。 「鴉雀声無し」 |
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221 | 貧しい家から聡明な人が出ること。 | [行尸]走肉・[鴉巣]生鳳 [范冉]生塵・蒼蠅[驥尾] |
◆2 | あそう | *『五灯会元・一二』 | 鴉巣生鳳(あそうせいほう) ★鴉(カラス)の巣に鳳(オオトリ)が生まれる意。 「鴉巣(アソウ)に鳳(ホウ)を生(ショウ)ず」 |
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222 | 善行を奨励し、悪行を制止する。 | 一薫[一蕕]・[濯纓]濯足 天罰[覿面]・[遏悪]揚善 |
◆2 | あつあく | *『易経-大有』 | 遏悪揚善(あつあくようぜん) 類:勧善懲悪(かんぜんちょうあく) 「悪を遏(ヤ)め善を揚(ア)ぐ」 |
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223 | 権力に頼み他人の地位を略取する。 | 掩耳[偸鈴]・[三豕]渉河 [左眄]右顧・[阿諛]傾奪 |
◆2 | あゆ | *『亀谷省軒』 | 阿諛傾奪(あゆけいだつ) ★「阿諛」は、おもねりへつらう、おべっかを言う意。 ★「傾奪」は、他人を陥れて地位などを奪うこと。 類:阿諛追従(あゆついしょう) 類:阿諛奉承(あゆほうしょう) |
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224 | 落ち着いた様子。 | [曠日]弥久・安閑[恬静] [無慙]無愧・蛙鳴[蟬噪] |
◆2 | てんせい | *『不明』 | 安閑恬静(あんかんてんせい) ★「安閑」「恬静」は、ともに安らかで静かなさま。 |
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225 | 気落ちする。 | 意気[沮喪]・往事[茫茫] [奢侈]文弱・[心悸]亢進 |
◆2 | そそう | *『宮武外骨-面白半分・衆議院議員総選挙夢想彙報』 | 意気沮喪/意気阻喪(いきそそう) ★「沮喪」は、気力を失い、勢力がなくなること。 類:意気銷沈(いきしょうちん) 類:垂頭喪気(すいとうそうき) |
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226 | 意識がはっきりしない様子。 | 意識[朦朧]・悲壮[淋漓] [磊磊]落落・[浅斟]低唱 |
◆2 | もうろう | *『夢野久作-木魂』 | 意識朦朧(いしきもうろう) ★「朦朧」は、かすんではっきりしないさま。 |
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227 | 趣向を凝らすことで心を悩ます。 | 画脂[鏤氷]・枯魚[銜索] 昼耕[夜誦]・意匠[惨澹] |
◆2 | さんたん | *『杜甫-丹青引』 | 意匠惨澹/意匠惨憺(いしょうさんたん) ★「意匠」は、工夫、また、工夫を凝らすこと。 ★「惨澹」は、心を悩まし苦心するさま。 類:苦心惨憺(くしんさんたん) 類:焦唇乾舌(しょうしんかんぜつ) 類:粒粒辛苦(りゅうりゅうしんく) |
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228 | きわめて危険なことのたとえ。 | 槐門[棘路]・兎起[鶻落] 竜攘[虎搏]・一縷[千鈞] |
◆2 | せんきん | *『枚乗-上書諫呉王・書』 | 一縷千鈞(いちるせんきん) ★一本の糸で千鈞の重さを支える意。 類:一髪千鈞(いっぱつせんきん) 類:累卵之危(るいらんのき) 「一縷(イチル)の任(ニン)を以(モッ)て千鈞(センキン)の重きを係(カ)く」 |
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229 | 一度にたやすく巨額の利益を得る。 | 連璧[賁臨]・炊金[饌玉] [敲金]撃石・[一攫]千金 |
◆2 | いっかく | *『坪内逍遥-内地雑居未来之夢・八』 | 一攫千金(いっかくせんきん) ★「一攫」は、ひと掴みの意。 類:一攫万金(いっかくばんきん) |
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230 | 家族と血縁関係にある者。 | 一家[眷族]・支葉[碩茂] [八紘]一宇・[同袍]同沢 |
◆2 | けんぞく | *『海音寺潮五郎-柳沢騒動』 | 妻子眷族/妻子眷属(さいしけんぞく) ★「眷族」は、血のつながりのあるもの。一族。また、従者や部下。 類:一家眷族(いっかけんぞく) 類:一族郎党(いちぞくろうとう) |
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231 | 家族が集まり楽しく談笑する。 | 自家[撞著]・一家[団欒] 侃侃[諤諤]・文質[彬彬] |
◆2 | だんらん | *『中村正直-漢学不可廃論・一』 | 一家団欒(いっかだんらん) ★「団欒」は、丸いさまで、転じて丸く輪を作って仲良くする、集まって睦まじくする意。 類:家族団欒(かぞくだんらん) 類:親子団欒(おやこだんらん) |
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232 | 賢者を求めることに熱心なたとえ。 | [蓴羹]鱸膾・典謨[訓誥] [一饋]十起・簞食[壺漿] |
◆2 | いっき | *『淮南子-氾論訓』 | 一饋十起(いっきじっき) ★一度の食事中に十回も席を立つ意。 ★中国古代、夏の禹王が善政のため賢者を熱心に求め、一回の食事で十回も席を立ち食事を中断して訪ねてきた賢者にあったという故事から。 類:吐哺握髪(とほあくはつ) 類:吐哺捉髪(とほそくはつ) 「一饋(イッキ)に十(ト)たび起(タ)つ」 |
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233 | 休息と活動の有り様を説くことば。 | [一闔]一闢・黒白[混淆] 日月[逾邁]・[旌旗]巻舒 |
◆2 | いっこう | *『易経-繫辞・上』 | 一闔一闢(いっこういちびゃく) ★あるいは闔(ト)じ、あるいは闢(ヒラ)く意。 |
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234 | ごくわずかなもののたとえ。 | [薏苡]明珠・[騈拇]枝指 一糸[一毫]・泰山[鴻毛] |
◆2 | いちごう | *『徳富蘇峰-吉田松陰』 | 一糸一毫(いっしいちごう) ★「一糸」と「一毫」は、ごくわずかなもののたとえ。 類:一分一厘(いちぶいちりん) |
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235 | 酒を飲みながら詩を歌って楽しむ。 | [一觴]一詠・竜吟[虎嘯] 嘲風[哢月]・花鳥[諷詠] |
◆2 | いっしょう | *『王羲之-蘭亭集序』 | 一觴一詠(いっしょういちえい) ★「觴」は、さかずき。 ★東晋の王羲之が紹興近郊の蘭亭で上巳の日に同好の士と曲水の宴を催し、酒を飲み詩を作って楽しんだ故事から。 類:一詠一觴(いちえいいっしょう) |
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236 | 優れた詩文に対する賛辞。 | [韋編]三絶・朱墨[爛然] 一字[褒貶]・[一倡]三歎 |
◆2 | いっしょう | *『礼記-楽記』 | 一倡三歎/一唱三歎/一倡三嘆/一唱三嘆(いっしょうさんたん) ★もとは天子の祖先を祀る宗廟の祭に音楽を奏で、一人がうたえば三人がそれに和してうたったことをいう。 類:一読三嘆(いちどくさんたん) |
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237 | ある時代に大いに流行すること。 | 一世[風靡]・[衍曼]流爛 [草偃]風従・衆賢[茅茹] |
◆2 | ふうび | *『不明』 | 一世風靡(いっせいふうび) ★風が吹き草木がそれに靡(ナビ)くようにその時代の沢山の人が従うこと。 |
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238 | 異民族の称。 | 狐裘[蒙戎]・夷蛮[戎狄] 魯魚[亥豕]・胡漢[陵轢] |
◆2 | じゅうてき | *『礼記-王制』 | 夷蛮戎狄(いばんじゅうてき) ★東夷・西戎・南蛮・北狄の略で、それぞれその方角の異民族の称。 |
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239 | 活気が衰え進展がなくなること。 | [佇思]停機・[萎靡]沈滞 釈根[灌枝]・風声[鶴唳] |
◆2 | いび | *『獅子文六-てんやわんや』 | 萎靡沈滞/委靡沈滞(いびちんたい) ★草木が萎れ、水流がよどむ意。 |
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240 | 珍しく風変わりな話。 | 異聞[奇譚]・滑稽[洒脱] [郢書]燕説・造言[蜚語] |
◆2 | きたん | *『夏目漱石-趣味の遺伝』 | 異聞奇譚(いぶんきたん) ★「異聞」は、珍聞・奇聞に同じ。 ★「奇譚」は、奇談に同じ。 類:珍聞奇聞(ちんぶんきぶん) |
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241 | 異質なもの同士が通じ合う。 | 異類[無礙]・迂疎[空闊] 人心[収攬]・栄諧[伉儷] |
◆2 | むげ | *『不明』 | 異類無礙/異類無碍(いるいむげ) ★「無礙」は、妨げるものがない意。 ★仏教語で、火と水のような異質なものが、差し障りなく通じることをいう。 |
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242 | 悪事の報いがすぐさま現れること。 | [撼天]動地・桃李[成蹊] 因果[覿面]・[恩讐]分明 |
◆2 | てきめん | *『読本・椿説弓張月・前』 | 因果覿面(いんがてきめん) ★「覿面」は、目の当たりの意。転じて、結果がすぐにあらわれること。 類:因果歴然(いんがれきぜん) 類:積悪の報い(せきあくのむくい) |
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243 | 人を欺くための密かな悪巧み。 | [讒諂]面諛・陰謀[詭計] [帷幄]上奏・蜂目[豺声] |
◆2 | きけい | *『不明』 | 陰謀詭計(いんぼうきけい) ★「陰謀」は、こっそりと陰で悪い計画を立てること。 ★「詭計」は、人を欺く計略のこと。 |
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244 | 事情に昧く役に立たない。 | [得隴]望蜀・[荊棘]銅駝 [膾炙]人口・迂疎[空闊] |
◆2 | くうかつ | *『不明』 | 迂疎空闊(うそくうかつ) ★「迂疎」は、まわりくどくて実際に適しない、世事に疎いこと。 ★「空闊」は、からっと開ける、広く大雑把の意から、事情に疎くなおざりなこと。 |
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245 | 歳月が早く過ぎ去るたとえ。 | 烏兎[匆匆]・干戈[倥偬] 年災[月殃]・[渭樹]江雲 |
◆2 | そうそう | *『西遊詩草-下・乗興』 | 烏兎匆匆/烏兔匆匆/烏兎怱怱/烏兔怱怱(うとそうそう) ★「烏兎」は、歳月、月日の意。太陽には三本足の烏が棲んでおり、月には兎が棲んでいるという古代中国の伝説による。 ★「匆匆」は、あわただしいさま。 類:兎走烏飛(とそううひ) 類:烏飛兎走(うひとそう) 類:露往霜来(ろおうそうらい) |
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246 | 地形が屈曲しながら長く続くさま。 | [粟散]辺地・[紆余]委蛇 [跋山]渉水・[槃根]錯節 |
◆2 | うよ | *『司馬相如-上林賦』 | 紆余委蛇(うよいだ) ★「紆余」は、折れ曲がって長く続くさま。 ★「委蛇」は、うねうね曲がるさま。 類:蜿蜒長蛇(えんえんちょうだ) |
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247 | 複雑な経緯をたどること。 | [咄咄]怪事・朽木[糞牆] [紆余]曲折・曲突[徙薪] |
◆2 | うよ | *『久米邦武-米欧回覧実記・三』 | 紆余曲折(うよきょくせつ) ★「紆余」は、道がくねくね曲がること。 ★「曲折」は、折れ曲がること。 類:曲折浮沈(きょくせつふちん) |
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248 | 雲や霞が遠くにたなびくさま。 | 雲烟[縹渺]・[長汀]曲浦 春風[駘蕩]・[飄忽]震蕩 |
◆2 | ひょうびょう | *『火宅の人』 | 雲烟縹渺/雲煙縹渺/雲烟縹緲/雲煙縹緲/雲烟縹眇/雲煙縹眇(うんえんひょうびょう) ★「雲烟」は、雲と霞。 ★「縹渺」は、遠くかすかなさま、ほのかに見えるさま、はるかに遠いさま。 |
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249 | 僧侶が諸方を遍歴することをいう。 | [曠世]不羈・[狷介]不羈 [游雲]驚竜・雲遊[萍寄] |
◆2 | へいき | ひょうき | *『正法眼蔵-弁道話』 | 雲遊萍寄(うんゆうへいき) ★「雲遊」は、雲のように自由に漂うこと。 ★「萍寄」は、浮き草のように流れに任せて流れたり止まったりする意。 類:一所不住(いっしょふじゅう) 類:行雲流水(こううんりゅうすい) |
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250 | 小さなことで恐れ動揺すること。 | [影駭]響震・焦頭[爛額] 驚心[動魄]・[振臂]一呼 |
◆2 | えいがい | *『文選・班固-答賓戯』 | 影駭響震(えいがいきょうしん) ★「影駭」は、影を見ただけで驚く意。 ★「響震」は、音を聞いただけで震える意。 類:風声鶴唳(ふうせいかくれい) |
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251 | 雄々しくきびきびとした様子。 | 英姿[颯爽]・[金襴]緞子 [雪魄]氷姿・終南[捷径] |
◆2 | さっそう | *『杜甫-丹青引贈曹将軍覇』 | 英姿颯爽(えいしさっそう) ★「英姿」は、立派で男らしい姿のこと。 ★「颯爽」は、姿・動作などがきびきびとして気持ちが良い意。 |
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252 | 豪放哲人の性質。 | [越俎]代庖・英明[闊達] [阮籍]青眼・三面[六臂] |
◆2 | かったつ | *『不明』 | 英明闊達/叡明闊達/英明豁達/叡明豁達(えいめいかったつ) ★「英明」は、才知にすぐれ事理に明るいこと。 ★「闊達」は、心が広く小事にこだわらない意。 類:明朗闊達(めいろうかったつ) |
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253 | うねうねと長く続くもののたとえ。 | [舳艫]千里・[蛟竜]毒蛇 [封豕]長蛇・[蜿蜒]長蛇 |
◆2 | えんえん | *『不明』 | 蜿蜿長蛇/蜿蜒長蛇/蜒蜒長蛇(えんえんちょうだ) ★「蜿蜒」は、蛇などがうねうね行くさま。 ★「長蛇」は、長い蛇の意で、転じて長い列の形容。 類:紆余委蛇(うよいだ) |
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254 | 非常に回りくどいこと。 | [婉曲]迂遠・[郢書]燕説 [宛転]蛾眉・雲容[烟態] |
◆2 | えんきょく | *『不明』 | 婉曲迂遠(えんきょくうえん) ★「婉曲」は、遠回しでおだやかなこと。 ★「迂遠」は、まわりくどく実用に適さないこと。 |
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255 | 聞き飽きる。 | 三月[庭訓]・[攘臂]疾言 [婉曲]迂遠・厭聞[飫聴] |
◆2 | よちょう | よてい | *『不明』 | 厭聞飫聴(えんぶんよちょう/えんぶんよてい) ★「厭」と「飫」は、飽きる意。 ★飽きるほど聞くということ。 |
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256 | 言動が穏和で、従順なさま。 | 厭聞[飫聴]・[阿諛]追従 烈士[徇名]・[婉娩]聴従 |
◆2 | えんべん | えんばん | *『礼記-内則』 | 婉娩聴従(えんべんちょうじゅう/えんばんちょうじゅう) ★「婉娩」は、おとなしく素直なさま、しとやかなさま。 ★「聴従」は、命令に従うこと。 |
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257 | 悪が世にはびこること。 | [衍曼]流爛・人口[膾炙] 放辟[邪侈]・縦横[無礙] |
◆2 | えんまん | *『史記-司馬相如伝』 | 衍曼流爛/衍漫流爛(えんまんりゅうらん) ★「衍曼」は、広がりはびこること。 ★「流爛」は、布(シ)き散る、散り散りになる意。 |
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258 | 花が満開になって咲き乱れるさま。 | [瓊枝]玉葉・落英[繽紛] 雪萼[霜葩]・桜花[爛漫] |
◆2 | らんまん | *『太宰治-惜別』 | 桜花爛漫(おうからんまん) ★「爛漫」は、ここでは爛発の意で、花が見事に開く、咲き乱れること。 |
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259 | のさばって勝手気儘に振る舞う。 | 横行[跋扈]・才気[煥発] 天真[爛漫]・百花[撩乱] |
◆2 | ばっこ | *『不明』 | 横行跋扈(おうこうばっこ) ★「横行」は、勝手気ままに行動すること。 ★「跋扈」は、のさばってわがままにふるまう意。 類:横行闊歩(おうこうかっぽ) 類:跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ) 類:飛揚跋扈(ひようばっこ) |
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260 | 昔のことははっきりしない。 | 往事[渺茫]・虚無[縹渺] [黜陟]幽明・浮雲[翳日] |
◆2 | びょうぼう | *『白居易-別元微之詩』 | 往事渺茫(おうじびょうぼう) ★「往事」は、昔のできごと。 ★「渺茫」は、遠くはるかなさま、かすかなさま。 「往事渺茫都(スベ)て夢に似たり」 |
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261 | 規則を私意にゆがめて悪用する。 | 法界[悋気]・[矯枉]過直 [枉法]徇私・[豁達]大度 |
◆2 | おうほう | *『管子・七臣七主』 | 枉法徇私(おうほうじゅんし) ★「枉法」は、法律をまげる意。 ★「徇私」は私利にとらわれる意。 「法を枉(マ)げて私に徇(シタガ)う」 |
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262 | 貧しい家のたとえ。 | [草廬]三顧・[甕牖]縄枢 鳩居[鵲巣]・篳路[藍縷] |
◆2 | おうゆう | *『賈誼-過秦論』 | 甕牖縄枢(おうゆうじょうすう) ★「甕牖」は、一説に割れたかめの口を壁につけた窓の意。 ★かめの口のように小さな丸窓と縄を枢(トボソ:戸の開閉をする軸の所)の代わりにした家の意。 類:蓬戸甕牖(ほうこおうゆう) 類:甕牖桑枢(おうゆうそうすう) |
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263 | 恩には恩で、仇には仇で報いる。 | 七縦[七擒]・[截断]衆流 [旗幟]鮮明・[恩讐]分明 |
◆2 | おんしゅう | *『呂氏童蒙訓』 | 恩讐分明/恩讎分明(おんしゅうぶんめい) ★「讐」は、あだ、うらみの意。 ★「分明」は、はっきりしていること。またはっきりさせること。 |
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264 | けがれた現世を嫌って離れること。 | 無余[涅槃]・厭離[穢土] 沐浴[抒溷]・[滄海]桑田 |
◆2 | えど | *『往生要集-序』 | 厭離穢土(おんりえど/えんりえど) ★「厭離」は、嫌い離れる意。 ★「穢土」は、けがれている国土。現世をいう。仏教の語。 |
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265 | 悪事を人に教導すること。 | 売刀[買犢]・[鶏尸]牛従 朝憲[紊乱]・[誨淫]誨盗 |
◆2 | かいいん | *『易経-繫辞・上』 | 誨淫誨盗(かいいんかいとう) ★淫らなことや盗みを誨(オシ)えるということから。 ★もともと、財産があれば盗みを教えるようなものであり、女性の美貌は淫らなことを教えるようなものであるという意。 類:誨盗誨淫(かいとうかいいん) |
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266 | 物事の前兆のたとえ。 | [池塘]春草・[槿花]一朝 [鸞翔]鳳集・[磑風]舂雨 |
◆2 | がいふう | *『事物原始-磨鎧』 | 磑風舂雨(がいふうしょうう) ★「磑」は、石臼、碾き臼。 ★「舂」は、きねを持って穀物をつくこと、うすで穀物をつくこと。 ★羽蟻などの群れが、ひきうすのようにぐるぐる飛び回れば風の吹く兆しで、きねで臼をつくように上に下に飛ぶ場合は雨になる兆しである。 |
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267 | 他国によって操られている政権。 | [北轅]適楚・人権[蹂躪] [傀儡]政権・[濫竽]充数 |
◆2 | かいらい | *『山本夏彦-「戦前」という時代・「戦前」という時代』 | 傀儡政権(かいらいせいけん) ★「傀儡」は、あやつり人形のこと。 ★人の手先になって使われるものの意。 |
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268 | 大声をあげて笑うこと。 | 侃侃[諤諤]・[呵呵]大笑 [一顰]一笑・百口[嘲謗] |
◆2 | かか | *『景徳伝灯録-八』 | 呵呵大笑(かかたいしょう) ★「呵呵」は、からからと大声で笑うさまをいう。 |
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269 | 人の善行を賞讃する。 | 薤露[蒿里]・[一觴]一詠 [慷慨]憤激・歌功[頌徳] |
◆2 | しょうとく | *『揚雄-趙充国頌』 | 歌功頌徳(かこうしょうとく) ★「歌功」は、功績をたたえて歌うこと。 ★「頌徳」は、人徳の高さをほめたたえる意。 「功(コウ)を歌い徳を頌(タタ)う」 |
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270 | 骨を折るばかりで功のないたとえ。 | 画脂[鏤氷]・[発蹤]指示 簞食[瓢飲]・効果[覿面] |
◆2 | ろうひょう | *『塩鉄論-殊路』 | 画脂鏤氷(がしろうひょう/かくしろうひょう) ★「画脂」は、油に絵を描くこと。 ★「鏤氷」は、氷に彫刻をすること。 類:凋氷画脂(ちょうひょうがし) 類:鏤氷雕朽(ろうひょうちょうきゅう) 「脂(アブラ)に画(エガ)き氷に鏤(チリバ)む」 |
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271 | 心が広く物事にこだわらないさま。 | 零絹[尺楮]・円滑[灑脱] [闊達]自在・牽攣[乖隔] |
◆2 | かったつ | *『中島敦-弟子』 | 闊達自在/豁達自在(かったつじざい) ★「闊達」は、度量を大きいこと。 ★「自在」は、なにものにもとらわれず心のままであること。 類:自由闊達(じゆうかったつ) |
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272 | 度量が非常に大きいさま。 | 低唱[浅斟]・[豁達]大度 顔厚[忸怩]・桜花[爛漫] |
◆2 | かったつ | *『陸䞇-翰苑集巻十五・興元論解姜公輔状』 | 豁達大度/闊達大度(かったつたいど) ★「豁達」と「大度」は、ともに物にこだわらない、度量が広い意。 類:寛仁大度(かんじんたいど) |
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273 | 物事の中心となる大切なところ。 | 発揚[蹈讃・[瓦釜]雷鳴 画竜[点睛]・跳梁[跋扈] |
◆2 | てんせい | *『歴代名画記』 | 画竜点睛(がりょうてんせい/がりゅうてんせい) ★「睛」は、目玉のことで、物事の肝心なところの意。 ★南朝梁(リョウ)の絵の名人張僧繇(チョウソウヨウ)が寺に竜の絵を描いたが、睛(ヒトミ)を入れると竜が飛び去ってしまうといって、睛を描き入れなかった。それを信用しなかった人々が、無理やり睛を描き入れさせたところ、たちまち竜が天に昇ったという故事から。 類:点睛開眼(てんせいかいがん) |
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274 | 戦いで忙しいこと。 | 鼓舌[揺脣]・戦戦[兢兢] 干戈[倥偬]・[擲果]満車 |
◆2 | こうそう | *『不明』 | 干戈倥偬(かんかこうそう) ★「干戈」は、たてとほこ。転じて戦い・戦争のこと。 ★「倥偬」は、忙しい、あわただしい意。 類:倒載干戈(とうさいかんか) |
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275 | 時世に恵まれず志を遂げられない。 | [哀矜]懲創・[轗軻]不遇 [蹇蹇]匪躬・[崑山]片玉 |
◆2 | かんか | *『北史-文苑伝・序』 | 轗軻不遇/坎軻不遇(かんかふぐう) ★「轗軻」は、事がうまく進まない様子のことで、転じて、志を得ないことのたとえ。 ★「不遇」は、不運で、相応の地位・境遇を得ていないこと。 |
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276 | ゆるやかな歌や踊り。 | 緩歌[縵舞]・余韻[嫋嫋] [鳧趨]雀躍・優柔[厭飫] |
◆2 | まんぶ | *『白居易-長恨歌』 | 緩歌縵舞/緩歌慢舞(かんかまんぶ) | |||
277 | 大喜びするたとえ。 | 緩歌[縵舞]・歓喜[抃舞] 風声[鶴唳]・摩頂[放踵] |
◆2 | べんぶ | *『不明』 | 歓喜抃舞(かんきべんぶ) ★「抃舞」は、手を打って喜び舞うこと。 ★喜びきわまって手を打って舞う意。 類:喜躍抃舞(きやくべんぶ) 類:歓欣鼓舞(かんきんこぶ) 類:欣喜雀躍(きんきじゃくやく) 類:手舞足踏(しゅぶそくとう) |
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278 | 非常に見識が狭いこと。 | [坎軻]不遇・家鶏[野鶩] [雕虫]篆刻・管窺[蠡測] |
◆2 | れいそく | *『東方朔-答客難』 | 管窺蠡測(かんきれいそく) ★「管窺」は、細い管(クダ)を通して天を見ること。 ★「蠡測」は、ほら貝(一説にひさご)で海の水を測ること。 ★略して「管蠡(カンレイ)」ともいう。 類:井底之蛙(せいていのあ) 類:管窺之見(かんきのけん) 類:区聞陬見(くぶんすうけん) 類:用管窺天(ようかんきてん) 類:坎井之蛙(かんせいのあ) 類:全豹一斑(ぜんぴょういっぱん) 「管(カン)もて窺(ウカガ)い蠡(レイ)もて測(ハカ)る」 |
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279 | 洞察力、観察力の鋭いさま。 | 満目[荒寥]・蜂目[豺声] 眼光[炯炯]・[紫髥]緑眼 |
◆2 | けいけい | *『村岡素一郎-史疑・二』 | 眼光炯炯(がんこうけいけい) ★「眼光」は、眼の光のことだが、物事の真相を見抜く力の意もある。 ★「炯炯」は、光り輝く意。 類:双眸炯炯(そうぼうけいけい) |
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280 | 深く恥じ入ること。 | 疾言[遽色]・[姸姿]艶質 [拈華]微笑・顔厚[忸怩] |
◆2 | じくじ | *『書経-五子之歌』 | 顔厚忸怩(がんこうじくじ) ★「忸怩」は、心中で恥ずかしく思うこと。 ★厚かましい者の顔にさえ、恥じる色が出ている意から。 「顔厚(ガンコウ)にして忸怩(ジクジ)たる有り」 |
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281 | 月日を無為に過ごす。 | 白髪[青袗]・翫歳[愒日] [槁木]死灰・老驥[伏櫪] |
◆2 | かいじつ | *『春秋左氏伝-昭公元年』 | 翫歳愒日(がんさいかいじつ) ★「翫」と「愒」は、むさぼる意。 類:無為徒食(むいとしょく) 「歳(トシ)を翫(ムサボ)り日(ヒ)を愒(ムサボ)る」 |
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282 | 才能ある者は早く衰退するたとえ。 | [槁木]死灰・甘井[先竭] 牛驥[同皁]・声名[狼藉] |
◆2 | せんけつ | *『荘子-山木』 | 甘井先竭(かんせいせんけつ) ★うまい水の出る井戸には人が群れてたちまち汲みつくしてしまうことから、なまじ才能があるばかりに他の者より早く憂き目にあうということ。 類:山木自寇(さんぼくじこう) 「甘井(カンセイ)、先(マ)ず竭(ツ)く」 |
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283 | 悪知恵。悪だくみ。 | [六韜]三略・[典謨]訓誥 抱頭[鼠竄]・[奸智]術数 |
◆2 | かんち | *『不明』 | 奸智術数/姦智術数(かんちじゅっすう) ★「奸」は、よこしまの意。 ★「術数」は、計略。 類:奸智術策(かんちじゅっさく) 類:権謀術数(けんぼうじゅっすう) 類:権謀術策(けんぼうじゅっさく) |
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284 | 待望していたことが実現すること。 | 禍福[倚伏]・[旱天]慈雨 [玄圃]積玉・磑風[舂雨] |
◆2 | かんてん | *『太宰治-右大臣実朝』 | 旱天慈雨/干天慈雨(かんてんじう) ★「旱天」は、日照りが続いて雨が降らないこと。 ★「慈雨」は、恵みの雨の意。 類:大旱慈雨(だいかんじう) |
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285 | 活動のきわめて目覚ましいこと。 | 開天[闢地]・[跼天]蹐地 乾端[坤倪]・[撼天]動地 |
◆2 | かんてん | *『不明』 | 撼天動地(かんてんどうち) ★「撼」は、揺り動かす意。 ★天地を揺り動かす意。 類:震天動地(しんてんどうち) 類:驚天動地(きょうてんどうち) 類:震天駭地(しんてんがいち) |
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286 | 家が狭くみすぼらしいさま。 | [艱難]辛苦・鑿窓[啓牖] 環堵[蕭然]・[綢繆]牖戸 |
◆2 | しょうぜん | *『陶潜-五柳先生伝』 | 環堵蕭然(かんとしょうぜん) ★「環堵」は、家の周りの垣根が、一堵四方しかないもの。狭い家をいう。 ★「蕭然」は、物寂しいさま。 類:環堵之室(かんとのしつ) 類:家徒四壁(かとしへき) 「環堵蕭然、風日(フウジツ)を蔽(オオ)わず」 |
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287 | 行き詰まって深く悩むこと。 | [艱難]辛苦・[蠹居]棊処 桑土[綢繆]・[蟄居]屛息 |
◆2 | かんなん | *『坪内逍遥-小説神髄』 | 艱難辛苦(かんなんしんく) ★「艱難」は、難儀・苦しみ・悩みの意。 ★「辛苦」は、つらく苦しいこと。 ★困難やつらいこと・苦しいことに遭遇して悩むこと。 類:艱難苦労(かんなんくろう) 類:千辛万苦(せんしんばんく) 類:粒粒辛苦(りゅうりゅうしんく) 類:四苦八苦(しくはっく) 類:七難八苦(しちなんはっく) 類:焦心苦慮(しょうしんくりょ) |
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288 | 心が捻くれて狡賢いこと。 | 杯盤[狼藉]・[竜蟠]虎踞 [含飴]弄孫・[奸佞]邪智 |
◆2 | かんねい | *『太宰治-走れメロス』 | 奸佞邪智/姦佞邪智(かんねいじゃち) ★「奸佞」は、心がねじけていてへつらうこと。 ★「邪智」は、よこしまな考え・悪知恵の意。 類:奸佞邪心(かんねいじゃしん) 類:邪智奸佞(じゃちかんねい) |
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289 | 大人物に感化されて改心すること。 | [霑体]塗足・[師曠]清耳 [鄒衍]降霜・頑廉[懦立] |
◆2 | だりつ | *『孟子-万章・下』 | 頑廉懦立(がんれんだりつ) ★「頑」は、欲が深いこと。 ★「懦」は、意気地がない、気が弱い意。 ★「廉」は、心にけがれがないこと。 ★欲が深い者も改心して清廉な人となり、意気地がない者も奮起して志を立てる意。 「伯夷(ハクイ)の風(フウ)を聞く者は、頑夫(ガンプ)も廉(レン)に、懦夫(ダフ)も志を立つる有り」 |
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290 | 過ぎたことは責め立てない。 | [允文]允武・既往[不咎] 曠世[不羈]・往事[茫茫] |
◆2 | ふきゅう | *『論語-八佾』 | 既往不咎(きおうふきゅう) ★「既往」は、すんでしまったこと。過去の意。 「既往は咎(トガ)めず」 |
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291 | 人や物などが一際卓越したさま。 | [崎嶇]坎軻・巍然[屹立] [旌旗]堂堂・河山[帯讃 |
◆2 | きつりつ | *『中島敦-幸福』 | 巍然屹立(ぎぜんきつりつ) ★「巍然」は、山が高く大きいこと。 ★「屹立」は、高くそびえ立つ意。 「巍然として屹立す」 |
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292 | 英才が世に用いられないこと。 | 鞠躬[尽瘁]・[廓然]大公 彩鳳[随鴉]・[驥服]塩車 |
◆2 | きふく | *『戦国策-楚策』 | 驥服塩車(きふくえんしゃ) ★「驥」は、一日に千里を走るという駿馬のこと。 ★「服」は、馬車を引かせる意。 ★「塩車」は、塩を運ぶ車。 ★名馬が塩を積んだ車を引く意から。 類:大器小用(たいきしょうよう) 類:大材小用(たいざいしょうよう) 「驥(キ)、塩車(エンシャ)に服(フク)す」 |
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293 | 賢者と愚者が同じ待遇をうける。 | 三世[一爨]・[越鳧]楚乙 牛驥[同皁]・衆賢[茅茹] |
◆2 | どうそう | *『鄒陽文-於獄中上梁王書』 | 牛驥同皁(ぎゅうきどうそう) ★足の遅い牛と、千里を走る駿馬(驥)が同じ飼葉桶(カイバオケ)の餌を食べる意。 類:牛驥一皁(ぎゅうきいっそう) 類:牛驥共牢(ぎゅうききょうろう) 類:利鈍斉列(りどんせいれつ) 「牛驥(ギュウキ)皁(ソウ)を同じうす」 |
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294 | 時勢の衰えた乱れた世。 | 一世[風靡]・槐門[棘路] [澆季]末世・牝鶏[晨鳴] |
◆2 | ぎょうき | *『三島由紀夫-奔馬』 | 澆季末世(ぎょうきまっせ) ★「澆季」と「末世」は、人心・徳目の乱れた滅亡に瀕した世をいう。 類:澆世季世(ぎょうせいきせい) 類:澆漓末代(ぎょうりまつだい) |
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295 | 畏敬の念を抱きながらも喜ぶこと。 | [恐懼]感激・歓喜[抃舞] [恐惶]敬白・[兢兢]業業 |
◆2 | きょうく | *『新田次郎-新田義貞・下』 | 恐懼感激(きょうくかんげき) | |||
296 | 和歌や物語などを卑しめていう。 | 狂言[綺語]・花鳥[諷詠] [浅斟]低唱・[矮子]看戯 |
◆2 | きご | きぎょ | *『白居易-香山寺白氏洛中集記』 | 狂言綺語(きょうげんきご/きょうげんきぎょ) ★「狂言」は、道理に外れた言葉。 ★「綺語」は、表面だけを飾った言葉。 |
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297 | 手紙の末尾に書き添える言葉。 | 狂言[綺語]・[恐惶]謹言 [夷険]一節・折檻[諫言] |
◆2 | きょうこう | *『明衡往来・上末』 | 恐惶謹言(きょうこうきんげん) ★「恐惶」は、恐れかしこまること。 類:恐恐謹言(きょうきょうきんげん) 類:恐惶敬白(きょうこうけいはく) |
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298 | 限度を越えた贅沢をすること。 | [巍然]屹立・[驕奢]淫逸 宵衣[旰食]・[酒甕]飯囊 |
◆2 | きょうしゃ | *『福沢諭吉-西洋事情・二』 | 驕奢淫逸/驕奢淫佚(きょうしゃいんいつ) ★「驕奢」は、おごってぜいたくを欲しいままにする。 ★「淫逸」は、淫らなことをすること。 類:奢侈淫逸(しゃしいんいつ) |
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299 | 眺めているだけでなにもしない。 | 鶴立[企佇]・[拱手]傍観 [跛立]箕坐・[矮子]看戯 |
◆2 | きょうしゅ | こうしゅ | *『扇谷正造-鉛筆ぐらし・デスク商売往来』 | 拱手傍観(きょうしゅぼうかん/こうしゅぼうかん) ★「拱手」は、もと中国の敬礼の一つで、両手を胸の前で重ねる動作。転じて、手を組んで何もしないこと。 ★「傍観」は、ただかたわらで見ていること。 類:袖手傍観(しゅうしゅぼうかん) 類:冷眼傍観(れいがんぼうかん) 類:隔岸観火(かくがんかんか) 「手を拱(コマヌ)いて傍(カタワ)らで観(ミ)る」 |
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300 | 一致団結して物事を行うこと。 | 四六[騈儷]・協心[戮力] [並駕]斉駆・栄諧[伉儷] |
◆2 | りくりょく | *『報徳記・一』 | 協心戮力(きょうしんりくりょく) ★「協心」は、心を一つにすること。 ★「戮力」は、力を戮(アワ)せること。 類:戮力同心(りくりょくどうしん) 類:戮力一心(りくりょくいっしん) 類:戮力斉心(りくりょくせいしん) 類:同心協力(どうしんきょうりょく) 類:一致団結(いっちだんけつ) 類:上下一心(しょうかいっしん) 類:戮力協心(りくりょくきょうしん) |
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301 | 公明正大で恥ずべきところがない。 | [戮力]協心・顔厚[忸怩] 天宇[地廬]・仰天[不愧] |
◆2 | ふき | *『孟子-尽心・上』 | 仰天不愧(ぎょうてんふき) 「天を仰ぎて愧(ハ)じず」 |
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302 | 増長した軍隊は敗戦を免れない。 | [狐裘]蒙戎・吞刀[刮腸] [肉袒]負荊・[驕兵]必敗 |
◆2 | きょうへい | *『漢書-魏相伝』 | 驕兵必敗(きょうへいひっぱい) ★「驕」は、おごりたかぶること。 ★威を借り数をたのむような名ばかりの軍隊はいつの日か必ず戦いに敗れる意。 類:盛者必衰(じょうしゃひっすい) 「驕兵(キョウヘイ)は必ず敗(ヤブ)る」 |
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303 | 物事の秩序が酷く乱れた状態。 | 朝憲[紊乱]・[狂瀾]怒濤 右顧[左眄]・[澆季]末世 |
◆2 | きょうらん | *『徳富蘇峰-明治廿三年後の政治家の資格を論す・二』 | 狂瀾怒濤/狂瀾怒涛(きょうらんどとう) ★「狂瀾」と「怒濤」は、荒れ狂う大波のこと。 類:疾風怒濤(しっぷうどとう) 類:暴風怒濤(ぼうふうどとう) |
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304 | 良いものと悪いものが混在する。 | 玉石[混淆]・[閻浮]檀金 千緒[万縷]・[槃根]錯節 |
◆2 | こんこう | *『抱朴子-外篇・尚博』 | 玉石混淆/玉石混交(ぎょくせきこんこう) ★「玉石」は、宝石と石ころで、良いものとつまらないもののたとえ。 ★「混」と「淆」は、入りまじる意。 ★玉と石が入りまじっていること。 類:玉石雑糅(ぎょくせきざつじゅう) 類:玉石同匱(ぎょくせきどうき) 類:玉石同架(ぎょくせきどうか) 類:牛驥同皁(ぎゅうきどうそう) |
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305 | 賢愚の別なく一所に入り交じる。 | [豕交]獣畜・附贅[懸疣] [同衾]共枕・玉石[同匱] |
◆2 | どうき | *『東方朔-七諫・謬諫』 | 玉石同匱(ぎょくせきどうき) ★「匱」は、ひつ、木箱の意。 ★玉と石が同じ箱の中で交じり合う意。 類:玉石混淆(ぎょくせきこんこう) 類:玉石雑糅(ぎょくせきざつじゅう) 類:玉石在間(ぎょくせきざいかん) |
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306 | 心に蟠りがなく落ち着いたさま。 | 虚静[恬淡]・虚無[縹緲] 明眸[皓歯]・意気[沮喪] |
◆2 | てんたん | *『荘子-天道』 | 虚静恬淡/虚静恬澹/虚静恬憺(きょせいてんたん) ★「虚静」は、心にわだかまりがなく、静かでやすらかなこと。 ★「恬淡/恬澹/恬憺」は、あっさりとしてこだわらない意。 類:虚無恬淡(きょむてんたん) |
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307 | 称賛したり非難したりすること。 | 毀誉[褒貶]・喧喧[囂囂] 讒諂[面諛]・[遏悪]揚善 |
◆2 | ほうへん | *『町人囊・三』 | 毀誉褒貶(きよほうへん) ★「毀」と「貶」は、そしる、または、けなすこと。 ★「誉」と「褒」は、ほめることの意。 ★ほめることとそしること。称賛と非難。 |
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308 | 夫婦仲や兄弟仲の良いたとえ。 | 左提[右挈]・[琴瑟]相和 煮豆[燃萁]・[鵲巣]鳩居 |
◆2 | きんしつ | *『詩経-小雅・常棣』 | 琴瑟相和(きんしつそうわ) ★「瑟」は、大形の琴のこと。 ★琴と瑟は、合奏すると音色がよく調和することからいう。 類:琴瑟調和(きんしつちょうわ) 類:比翼連理(ひよくれんり) 類:関関雎鳩(かんかんしょきゅう) 類:琴瑟之和(きんしつのわ) 「琴瑟(キンシツ)相(アイ)和(ワ)す」 |
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309 | 非常に苦労して心を砕き悩ます。 | 煮豆[燃萁]・[前倨]後恭 満身[創痍]・苦心[惨憺] |
◆2 | さんたん | *『中江兆民-続一年有半・一』 | 苦心惨憺/苦心惨澹(くしんさんたん) ★「苦心」は、心をくだいて考えること。 ★「惨憺」は、心を痛めるさま。 類:意匠惨澹(いしょうさんたん) 類:焦唇乾舌(しょうしんかんぜつ) 類:彫心鏤骨(ちょうしんるこつ) 類:粒粒辛苦(りゅうりゅうしんく) |
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310 | 容貌が痩せ衰えて生気がないさま。 | 形容[枯槁]・[行尸]走肉 [荒瘠]斥鹵・鞠躬[尽瘁] |
◆2 | ここう | *『戦国策-秦策』 | 形容枯槁(けいようここう) ★「形容」は、顔かたち・容貌のこと。 ★「枯槁」は、草木が枯れる、転じてやつれる、生気がない意。 |
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311 | 様々な奇異な様子に変化すること。 | [黄粱]一炊・異聞[奇譚] 桑田[滄海]・[譎詭]変幻 |
◆2 | けっき | *『斎藤拙堂-下岐蘇川記』 | 譎詭変幻(けっきへんげん) ★「譎詭」は、いつわり欺く意に用いることが多いが、ここでは不思議で珍しいこと、またいろいろと変化すること。 |
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312 | 節操が堅く、高踏的なこと。 | 頑廉[懦立]・[挙棊]不定 [狷介]孤高・[孤陋]寡聞 |
◆2 | けんかい | *『亀井勝一郎-美術遍歴』 | 狷介孤高(けんかいここう) ★「狷介」は、自己を固く守って協調性に乏しいこと。 ★「孤高」は、孤独で世俗に超然としている意。 類:狷介孤独(けんかいこどく) 類:孤独狷介(こどくけんかい) 類:狷介不屈(けんかいふくつ) 類:狷介固陋(けんかいころう) 類:頑迷固陋(がんめいころう) 類:風岸孤峭(ふうがんこしょう) 類:狷介孤独(けんかいこどく) |
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313 | 人と相容れず妥協を嫌うさま。 | 狷介[固陋]・[金甌]無欠 剛毅[朴訥]・被髪[佯狂] |
◆2 | ころう | *『不明』 | 狷介固陋(けんかいころう) ★「狷介」は、かたく自分を守って人と相容れないこと。 ★「固陋」は、視野が狭くてかたくななこと。 類:狷介孤高(けんかいここう) 類:狷介孤独(けんかいこどく) 類:小心狷介(しょうしんけんかい) 類:頑迷固陋(がんめいころう) |
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314 | 束縛を受けず、他と妥協しない。 | 尾大[不掉]・厳塞[要徼] 狷介[不羈]・高牙[大纛] |
◆2 | ふき | *『藤島武二-画室の言葉』 | 狷介不羈(けんかいふき) ★「狷介」は、かたく自己を守って、協調性に乏しいこと。 ★「不羈」は、束縛できないこと。 |
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315 | 大勢の人が喚き騒ぐさま。 | [蟬噪]蛙鳴・侃侃[諤諤] 喧喧[囂囂]・[嘔啞]嘲哳 |
◆2 | ごうごう | *『木下尚江-火の柱・一四』 | 喧喧囂囂(けんけんごうごう) ★「喧喧」と「囂囂」は、やかましい・騒がしい意。 |
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316 | 言うこととやることが一致しない。 | 常備[不懈]・[参差]錯落 言行[齟齬]・[蕩佚]簡易 |
◆2 | そご | *『福沢諭吉-学問のすゝめ』 | 言行齟齬(げんこうそご) ★「言行」は、口で言うことと行うこと。 ★「齟齬」は、かみあわない、くいちがう意。 類:言行相反(げんこうそうはん) 類:口是心非(こうぜしんひ) |
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317 | 一か八かの大勝負をする。 | 乾坤[一擲]・魂飛[魄散] [緊褌]一番・[猿猴]取月 |
◆2 | いってき | *『韓愈-過鴻溝』 | 乾坤一擲(けんこんいってき) ★「乾」は、天。 ★「坤」は、地。 ★「一擲」は、さいころを投げる意。 ★天下のかけた、のるかそるかの大ばくちのことをいう。 類:一擲乾坤(いってきけんこん) |
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318 | 婀娜っぽい体相や容貌。 | [侈衣]美食・[霓裳]羽衣 [姸姿]艶質・[霧鬢]風鬟 |
◆2 | けんし | *『白居易-李夫人』 | 姸姿艶質/妍姿艶質(けんしえんしつ) ★「姸」と「艶」は、なまめかしい、あでやかの意。 ★「艶質」は、あでやかな生まれつきのこと。 |
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319 | 大いに喜び迎え入れた。 | 亮遺[巾幗]・[大衾]長枕 九仞[一簣]・[阮籍]青眼 |
◆2 | げんせき | *『蒙求-阮籍青眼』 | 阮籍青眼(げんせきせいがん) ★「阮籍」は、三国時代の魏の人で、竹林の七賢の一人。老壮の学を好み、世俗を白眼視した。 ★阮籍は青い目と白い目の使い分けが上手く、気に入った人は青眼で迎え、世俗の気に入らない人は白眼で応対したという故事から。 類:白眼青眼(はくがんせいがん) |
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320 | 自分の妻を謙遜していう。 | [荊棘]叢裏・縞衣[綦巾] [厥角]稽首・衣錦[尚絅] |
◆2 | ききん | *『詩経-鄭風・出其東門』 | 縞衣綦巾(こういききん) ★「縞衣」は、染めていない白い色の薄絹の衣。 ★「綦巾」は、よもぎ色(青色に白味を佩びたもの)の佩巾(ハイキン)。 ★「縞衣」は男性の服、「綦巾」は女性の服ともいい、「縞衣綦巾」で未婚の女性の質素な服ともいい異説が多い。 |
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321 | 悔やんでも間に合わない。 | 一望[無垠]・後悔[噬臍] [蹉跎]白髪・懸崖[勒馬] |
◆2 | ぜいせい | *『春秋左氏伝-荘公六年』 | 後悔噬臍/後悔噬斉(こうかいぜいせい) ★「噬臍」は、へそをかむこと。 ★口はへそまで届かないことからどうにもならない、不可能の意。 「後悔、臍(ホゾ)を噬(カ)む」 |
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322 | きわめて贅沢で煌びやかなさま。 | 華亭[鶴唳]・豪華[絢爛] [磊磊]落落・[琴瑟]相和 |
◆2 | けんらん | *『火野葦平-赤い国の旅人・四月三〇日』 | 豪華絢爛(ごうかけんらん) ★「豪華」は、贅沢で華やかなこと。 ★「絢爛」は、目がくらむほど美しい意。 類:絢爛豪華(けんらんごうか) 類:絢爛華麗(けんらんかれい) 類:錦繡綾羅(きんしゅうりょうら) |
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323 | 結果や効き目が瞬時に現れるさま。 | 一縷[千鈞]・画脂[鏤氷] 効果[覿面]・[矯枉]過直 |
◆2 | てきめん | *『三島由紀夫-仮面の告白』 | 効果覿面(こうかてきめん) ★「覿面」は、目の当たりにはっきりと見ることをいう。 ★すぐに効果や結果が出ること。 類:天罰覿面(てんばつてきめん) |
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324 | よい匂いがあたり一面に漂う様子。 | 香気[芬芬]・[満腔]春意 和気[藹藹]・[飛絮]漂花 |
◆2 | ふんぷん | *『不明』 | 香気芬芬(こうきふんぷん) ★「芬芬」は、香りが高いこと。 類:香気馥郁(こうきふくいく) |
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325 | 教養がなく、存在価値のない者。 | [槁木]死灰・槁項[黄馘] [行尸]走肉・[舐痔]得車 |
◆2 | こうし | *『拾遺記-六』 | 行尸走肉(こうしそうにく) ★「尸」は、しかばね。 ★歩くしかばねと、魂のない走る肉体の意から。 類:酒囊飯袋(しゅのうはんたい) 類:飲食之人(いんしょくのひと) |
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326 | 難しく読みにくい文章をいう。 | 鉤章[棘句]・筆力[扛鼎] 繁劇[紛擾]・子墨[兎毫] |
◆2 | きょくく | *『韓愈-貞曜先生墓誌銘』 | 鉤章棘句/鈎章棘句(こうしょうきょくく) ★「鉤章」は、釣り針のようにひっかかりのある文章。 ★「棘句」は、とげのある句。 |
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327 | 非常に評判のよいさま。 | 依怙[贔屭]・非難[囂囂] 好評[嘖嘖]・筆削[褒貶] |
◆2 | さくさく | *『菊池寛-話の屑籠』 | 好評嘖嘖(こうひょうさくさく) ★「嘖嘖」は、口々に言いはやすさまをいう。 類:名声嘖嘖(めいせいさくさく) 類:名声赫赫(めいせいかくかく) |
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328 | 活気や意欲、また情味のない者。 | [槁木]死灰・[浅斟]低唱 翫歳[愒日]・[行尸]走肉 |
◆2 | こうぼく | *『荘子-斉物論』 | 槁木死灰(こうぼくしかい) ★体は枯れ木(槁木)のように、心は火の気のない灰(死灰)のように、身も心も活気がなく、なんの働きも起こさないさま。 類:枯木冷灰(こぼくれいかい) 類:枯木寒厳(こぼくかんがん) 類:枯木死灰(こぼくしかい) 「形は槁木(コウボク)の如く、心は死灰の如し」 |
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329 | 小さいうちに災いは取り除くべき。 | [折檻]諫言・茅屋[采椽] 毫毛[斧柯]・倒載[干戈] |
◆2 | ふか | *『戦国策-魏策』 | 毫毛斧柯(ごうもうふか) ★「毫毛」は、細い毛のことから、芽生え時の小さな木にたとえる。 ★「斧柯」は、斧の柄のこと。 ★芽生えの小さいときに抜き取らないと、やがて倒すのに斧が必要なほどの大木になってしまうという意から。 |
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330 | 博学多聞であること。 | [緇林]杏壇・桃李[成蹊] 区聞[陬見]・[洽覧]深識 |
◆2 | こうらん | *『晋書-束晢伝』 | 洽覧深識(こうらんしんしき) ★「洽覧」は、あまねく見る。 ★「深識」は、知識が広く深い意。 類:博聞多識(はくぶんたしき) 類:博学洽聞(はくがくこうぶん) 類:博覧強識(はくらんきょうしき) |
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331 | 人生栄華のはかないことのたとえ。 | [黄粱]一炊・夙夜[夢寐] [超軼]絶塵・雕虫[篆刻] |
◆2 | こうりょう | *『枕中記』 | 黄粱一炊(こうりょういっすい) ★粱飯(アワメシ)を炊(カシ)ぐほどの短い時間の意。 類:一枕の黄粱(いっちんのこうりょう) 類:黄粱之夢(こうりょうのゆめ) 類:一炊之夢(いっすいのゆめ) 類:邯鄲之枕(かんたんのまくら) 類:邯鄲之夢(かんたんのゆめ) 類:一場の春夢(いちじょうのしゅんむ) |
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332 | 一人ぼっちで寂しげなさま。 | [鰥寡]孤独・風岸[孤峭] [跫音]空谷・孤影[悄然] |
◆2 | しょうぜん | *『尾崎士郎-人生劇場』 | 孤影悄然/孤影蕭然(こえいしょうぜん) ★「孤影」は、一人だけの寂しそうな姿。 ★「悄然」は、しおれて元気がない意。 類:孤影孑然(こえいげつぜん) 類:孤影寥寥(こえいりょうりょう) |
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333 | 優柔不断なさま。 | 苟且[偸安]・[恫疑]虚喝 疑雲[猜霧]・狐疑[逡巡] |
◆2 | しゅんじゅん | *『二葉亭四迷-其面影・七七』 | 狐疑逡巡/狐疑逡循(こぎしゅんじゅん) ★「狐疑」は、疑い深い狐のように決心がつかない様子のこと。 ★「逡巡」は、ためらって進まない意。 類:右顧左眄(うこさべん) 類:遅疑逡巡(ちぎしゅんじゅん) 類:首鼠両端(しゅそりょうたん) 類:瞻前顧後(せんぜんこご) 類:狐疑不決(こぎふけつ) |
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334 | 遠国の王侯となる貴相の形容。 | 眼光[炯炯]・鴟目[虎吻] 長頸[烏喙]・[燕頷]虎頭 |
◆2 | えんがん | *『後漢書-班超伝』 | 燕頷虎頭(えんがんことう) ★燕のような頷(アゴ)と、虎のような頭をしている人相の意。将来、遠国で諸侯となる相という。 類:燕頷虎頸(えんがんこけい) |
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335 | 昔のことはかすかで明らかでない。 | 烏兎[匆匆]・往事[茫茫] 薤露[蒿里]・[海闊]天空 |
◆2 | ぼうぼう | *『星巌先生遺稿・前編-鴨沂小隠集・吉野懐古』 | 往事茫茫(おうじぼうぼう) ★「往事」は、過去の出来事。 ★「茫茫」は、はっきりしないさま。 |
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336 | 恬淡虚無の精神状態。 | 本地[垂迹]・光風[霽月] 心寛[体舒]・[槁木]死灰 |
◆2 | こうぼく | *『荘子-斉物論』 | 槁木死灰(こうぼくしかい) ★体は枯れ木(槁木)のように、心は火の気のない灰(死灰)のように、身も心も活気がなく、なんの働きも起こさないさま。 類:枯木冷灰(こぼくれいかい) 類:枯木寒厳(こぼくかんがん) 類:枯木死灰(こぼくしかい) 「形は槁木(コウボク)の如く、心は死灰の如し」 |
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337 | 子が父母に日夜よく仕えること。 | [対驢]撫琴・宵衣[旰食] 夙興[夜寐]・昏定[晨省] |
◆2 | しんせい | *『礼記-曲礼』 | 昏定晨省(こんていしんせい) ★「昏定」は、晩になると父母の寝所を整えること。 ★「晨省」は、朝になると父母のご機嫌をうかがう意。 類:温凊定省(おんせいていせい) 「昏(クレ)に定めて晨(アシタ)に省(カエリ)みる」 |
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338 | 心身のけがれを取ること。 | 先従[隗始]・往事[茫茫] 厭離[穢土]・斎戒[沐浴] |
◆2 | もくよく | *『孟子-離婁・下』 | 斎戒沐浴(さいかいもくよく) ★「斎」は、心の不浄を清めること。 ★「戒」は、過ちをいましめること。 ★「沐浴」は、髪と体を洗って身を清めること。 類:沐浴斎戒(もくよくさいかい) 類:精進潔斎(しょうじんけっさい) |
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339 | 年少者が学ぶべき仕事や作法。 | [灑掃]応対・[温凊]定省 [毫釐]千里・[殷鑑]不遠 |
◆2 | さいそう | *『朱熹-大学章句・序』 | ➡灑掃応対/洒掃応対(さいそうおうたい) ★「灑掃」は、水をまいて箒で掃除をする。 ★「応対」は、受け答えをすること。 |
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340 | 一人で何人分もの働きをすること。 | 八面[玲瓏]・三面[六臂] 協心[戮力]・苦心[惨憺] |
◆2 | ろっぴ | *『虎明本狂言・夷大黒』 | 三面六臂(さんめんろっぴ) ★三つの顔(三面)と、六本の腕(六臂)を持つ仏像があることからいう語。 類:八面六臂(はちめんろっぴ) 類:縦横無尽(じゅうおうむじん) |
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341 | 年老いて死期が近づくことをいう。 | 日月[逾邁]・白髪[青袗] 老驥[伏櫪]・翫歳[愒日] |
◆2 | ゆまい | *『書経-秦誓』 | 日月逾邁(じつげつゆまい) ★「日月」は、時間のこと。 ★「逾邁」は、月日が過ぎ去る意。 |
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342 | 残忍で凶暴な人相をいう。 | 爬羅[剔抉]・周章[狼狽] [燕頷]虎頸・[鴟目]虎吻 |
◆2 | しもく | *『漢書-王莽伝・中』 | 鴟目虎吻(しもくこふん) ★「鴟目」は、ふくろうの目つき。 ★「虎吻」は、虎の口つき。 |
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343 | 兄弟や仲間が互いに傷つけ合う。 | 牝牡[驪黄]・煮豆[燃萁] 左提[右挈]・切歯[扼腕] |
◆2 | ねんき | *『曹植-七歩詩』 | 煮豆燃萁/煮豆然萁(しゃとうねんき) ★「煮豆」は、豆を煮ること。 ★「燃萁」は、萁(マメガラ)を燃やす意。 ★中国三国時代、魏の曹丕(ソウヒ)・曹植(ソウショク)の兄弟はともに詩才に恵まれていた。父曹操(ソウソウ)の死後、即位して文帝となった曹丕は弟の才能を妬んで迫害し、あるとき曹植に「七歩歩く間に詩を一首作れ。できなければ殺す」と言った。これを聞いた曹植は「私は豆で、あなたは豆殻。豆と豆殻は同じ根から生まれたのに、豆殻は火となって釜の中の豆を煮て苦しめる。兄弟なのにどうして苦しめるのですか」という詩を作った。これを見た曹丕は深く恥じたという故事から。 類:七歩之才(しちほのさい) 類:兄弟鬩牆(けいていげきしょう) 「豆を煮るに萁(マメガラ)を燃(ヤ)く」 |
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344 | 讒言や世評の恐ろしさを説く言葉。 | 衆口[鑠金]・讒諂[面諛] 大海[撈針]・[黜陟]幽明 |
◆2 | しゃくきん | *『国語-周語・下』 | 衆口鑠金(しゅうこうしゃくきん) ★「鑠」は、金属を熱で溶かす意。 ★多くの人の言葉やうわさは、硬い金をも溶かしてしまうほどの力がある意。 類:三人成虎(さんにんせいこ) 類:曽参殺人(そうしんさつじん) 類:曽母投杼(そうぼとうちょ) 「衆口金(キン)を鑠(ト)かす」 |
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345 | 小人物でも集まれば脅威となる。 | 夷蛮[戎狄]・膾炙[人口] [聚蚊]成雷・[雷霆]万鈞 |
◆2 | しゅうぶん | *『漢書-景十三王伝』 | 聚蚊成雷(しゅうぶんせいらい) ★小さな蚊もたくさん聚(アツ)まると、その羽音が雷のような音になるという意から。 類:三人成虎(さんにんせいこ) 類:衆口鑠金(しゅうこうしゃくきん) 類:曽母投杼(そうぼとうちょ) 類:浮石沈木(ふせきちんぼく) 「聚蚊(シュウブン)、雷(ライ)を成す」 |
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346 | 一日中絶えることなく。 | 夙夜[夢寐]・抱残[守闕] [佇思]停機・尭鼓[舜木] |
◆2 | むび | *『後漢書-郎伝』 | 夙夜夢寐(しゅくやむび) ★「夙夜」は、早朝から夜遅くまで。 ★「夢寐」は、寝て夢を見ること、眠っている間の意。 類:夙夜夢寤(しゅくやむご) |
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347 | 美人の容貌をいう。 | 風声[鶴唳]・[尨眉]皓髪 [朱脣]皓歯・槁項[黄馘] |
◆2 | しゅしん | *『楚辞-大招』 | 朱脣皓歯/朱唇皓歯(しゅしんこうし) ★赤い脣(クチビル)と皓(シロ)い歯の意から。 |
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348 | 根本よりも末端を重視するたとえ。 | [眥裂]髪指・枕経[藉書] [頽堕]委靡・焦頭[爛額] |
◆2 | らんがく | *『漢書-霍光伝』 | 焦頭爛額(しょうとうらんがく) ★火災を予防する方法を教えた者は感謝されず、火災が起きてから頭を焦がし額を爛(タダ)れさせて消火にあたった者だけが礼をされるということから。 「焦頭爛額を上客(ジョウカク)と為(ナ)す」 類:爛額焦頭(らんがくしょうとう) |
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349 | 学問所や講堂を指す。 | 折花[攀柳]・[緇林]杏壇 [霖雨]蒼生・抱関[撃柝] |
◆2 | しりん | *『荘子-漁夫』 | 緇林杏壇(しりんきょうだん) ★「緇林」は、樹木の生い茂った林のこと。 ★孔子が黒いとばりのような緇帷(シイ)の林に遊び、杏(アンズ)の花が咲く木の下の土の壇(一段高いところ)に休息したという故事から。 |
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350 | 激怒のさま。 | [眥裂]髪指・[封豕]長蛇 抱関[撃柝]・焦頭[爛額] |
◆2 | しれつ | *『史記-項羽紀』 | 眥裂髪指/眦裂髪指(しれつはっし) ★「眥裂」は、怒りで目を大きく見開くこと。 ★「髪指」は、怒りで髪の毛が逆立って天を突き上げる意。 類:怒髪衝冠(どはつしょうかん) 類:怒目横眉(どもくおうび) 類:怒目切歯(どもくせっし) 「頭髪上指(ジョウシ)し、目眥(モクシ)尽(コトゴト)く裂(サ)く」 |
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351 | 人々から信頼を得ること。 | 人心[収攬]・人権[蹂躪] 人心[洶洶]・尭風[舜雨] |
◆2 | しゅうらん | *『陳舜臣-阿片戦争』 | 人心収攬(じんしんしゅうらん) ★「人心」は、多くの人の心のこと。 ★「収攬」は、集めて自分の手に握る意。 類:人心籠絡(じんしんろうらく) 類:妖言惑衆(ようげんわくしゅう) |
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352 | 懈怠なく、職務に一所懸命なこと。 | 鱗次[櫛比]・[砥礪]切磋 精励[恪勤]・夙夜[夢寐] |
◆2 | かっきん | *『谷崎潤一郎-痴人の愛』 | 精励恪勤(せいれいかっきん) ★「精励」は、励み努めること。 ★「恪勤」は、真面目に勤めること。 類:精励勤勉(せいれいきんべん) 類:刻苦勉励(こっくべんれい) 類:奮励努力(ふんれいどりょく) 類:昼耕夜誦(ちゅうこうやしょう) 類:恪勤精励(かっきんせいれい) |
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353 | 厳しい戒め。 | [折檻]諫言・[苛斂]誅求 [恐惶]謹言・威風[凜凜] |
◆2 | せっかん | *『漢書-朱雲伝』 | 折檻諫言/折檻諌言(せっかんかんげん) ★「折檻」は、手すりが折れること。 ★「諫言」は、目上の人を諫(イサ)める言葉。 ★前漢の朱雲(シュウン)が、成帝(セイテイ)に奸臣を斬るように諫めたところ、帝は怒り朱雲をその場から連れ出させようとしたが、朱雲は御殿の欄檻(ランカン)に掴まって諫言を止めなかったため、欄檻の手すりの木が折れてしまったという故事から。 |
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354 | 高潔で潔白な人物のたとえ。 | 英姿[颯爽]・[垂髫]戴白 [雪魄]氷姿・[姸姿]艶質 |
◆2 | せっぱく | *『不明』 | 雪魄氷姿(せっぱくひょうし) ★雪のように清らかな魂魄と氷のような姿で、梅の形容。 ★梅は百花に先駆けて雪を凌いで清楚に白い花をつけるからいう。 類:氷姿雪魄(ひょうしせっぱく) 類:雪裏清香(せつりせいこう) |
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355 | 人の粗探しをすること。 | [敲氷]求火・洗垢[索瘢] 騎驢[覓驢]・按図[索驥] |
◆2 | さくはん | *『後漢書-趙壱伝』 | 洗垢索瘢(せんこうさくはん) ★「瘢」は、痕、傷痕の意から、欠点や過失の意。 ★垢を洗い落としてまで傷を索(サガ)す意。 類:洗垢求瘢(せんこうきゅうはん) 類:吹毛求疵(すいもうきゅうし) 「垢(アカ)を洗いて瘢(キズ)を索(モト)む」 |
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356 | おそれつつしむさま。 | 戦戦[兢兢]・干戈[倥偬] [鞠躬]尽瘁・一士[諤諤] |
◆2 | きょうきょう | *『詩経-小雅・小旻』 | 戦戦兢兢/戦戦恐恐(せんせんきょうきょう) ★「戦戦」は、恐れおののくこと。 ★「兢兢」は、恐れおののいて戒めつつしむ意。 ★略して「戦兢」ともいう。 類:戦戦慄慄(せんせんりつりつ) |
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357 | 負け惜しみの強いこと。 | 流金[鑠石]・[漱石]枕流 尭鼓[舜木]・剛毅[木訥] |
◆2 | そうせき | *『晋書-孫楚伝』 | 漱石枕流(そうせきちんりゅう) ★中国西晋(セイシン)の孫楚(ソンソ)は「石に枕(マクラ)し流れに漱(クチスス)ぐ」と言うべきところを、「石に漱ぎ流れに枕す」と言ってしまい、誤りを指摘されると、「石に漱ぐのは歯を磨くため、流れに枕するのは耳を洗うためだ」と言ってごまかした故事から。 類:孫楚漱石(そんそそうせき) 類:指鹿為馬(しろくいば) 類:枕流漱石(ちんりゅうそうせき) 「流れに枕(マクラ)し石に漱(クチスス)ぐ」 |
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358 | 豪壮な建物。 | [大廈]高楼・巍然[屹立] [僧伽]藍摩・[黝堊]丹漆 |
◆2 | たいか | *『総生寛-西洋道中膝栗毛・一四』 | 大廈高楼(たいかこうろう) ★「廈」は、家、大きな建物のこと。 ★「楼」は、二階建て以上の建物のこと。 類:高楼大廈(こうろうたいか) |
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359 | 形体気力が次第に衰える。 | [頽堕]委靡・[螻蟻]潰堤 [魚爛]土崩・[一蹶]不振 |
◆2 | たいだ | *『韓愈-送高閑上人序』 | 頽堕委靡(たいだいび) ★「頽堕」は、崩れ落ちる、だらしがなくなること。 ★「委靡」は、衰え弱る、ふるわないこと。 |
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360 | 愚者は高尚な道理を理解できない。 | [対驢]撫琴・[狡兎]良狗 [雨霖]鈴曲・渾崙[呑棗] |
◆2 | たいろ | *『不明』 | 対驢撫琴(たいろぶきん) ★驢馬(ロバ)に向かって琴を爪弾くことから。 類:対牛弾琴(たいぎゅうだんきん) 類:馬耳東風(ばじとうふう) 「驢に対して琴を撫(ブ)す」 |
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361 | 天質に作為を施すべきではない。 | 断鶴[続鳧]・[蕭敷]艾栄 [璞玉]渾金・天真[爛漫] |
◆2 | ぞくふ | *『荘子-駢拇』 | 断鶴続鳧(だんかくぞくふ) ★鶴の足が長いからといって短く切り、鳧(カモ)の足が短いからといって継ぎ足して長くするという意。 ★物事は自然のままが一番良いということ。 「鶴を断ちて鳧(フ)に続く」 |
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362 | 金のためなら命をも犠牲にする。 | 貪夫[徇財]・[弊帚]千金 乾坤[一擲]・[伊尹]負鼎 |
◆2 | じゅんざい | *『史記-伯夷伝』 | 貪夫徇財(たんぷじゅんざい) ★「貪夫」は、欲の深い男のこと。 ★「徇財」は、命がけで金を求める、金のためなら命を捨てる意。 類:我利我利(がりがり) 「貪夫は財に徇ず」 |
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363 | 新築落成の賞辞。 | [広廈]万間・[珠聯]璧合 [迦陵]頻伽・[竹苞]松茂 |
◆2 | ちくほう | *『詩経-小雅・斯干』 | 竹苞松茂(ちくほうしょうも) ★「竹苞」は、竹が叢(ムラ)がり生えているように堅固なことで、家の下部構造を褒める語。 ★「松茂」は、松が青々と茂っているように見事な意で、上部の組み立てを褒める語。 |
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364 | 外出せず一処に謹慎する。禁足令。 | [艱難]辛苦・[鵲巣]鳩居 [葷酒]山門・[蟄居]屛息 |
◆2 | ちっきょ | *『不明』 | 蟄居屛息/蟄居屏息(ちっきょへいそく) ★「蟄居」は、家の内に閉じこもっていること、隠れていることで、もと虫などが地中に籠もる意。 ★「屏息」は、屏気と同じで、息を殺してじっと隠れていること、おそれつつしむこと。 類:蟄居閉門(ちっきょへいもん) |
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365 | 貧苦の中で勉学に励む。 | 意匠[惨澹]・外孫[齏臼] 崎嶇[坎軻]・昼耕[夜誦] |
◆2 | やしょう | *『魏書-崔光伝』 | 昼耕夜誦(ちゅうこうやしょう) ★昼間は畑を耕して仕事をし、夜になってから書物をそらんじて勉強をする意から。 類:蛍窓雪案(けいそうせつあん) 類:蛍雪之功(けいせつのこう) 類:断薺画粥(だんせいかくしゅく) 「昼は耕(タガヤ)し夜は誦(ショウ)す」 |
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366 | ぐずぐずすること。 | 頑迷[固陋]・延頸[企踵] 躊躇[逡巡]・[恫疑]虚喝 |
◆2 | しゅんじゅん | *『赤木桁平-所謂「自然主義前派」に就て』 | 躊躇逡巡(ちゅうちょしゅんじゅん) ★「躊躇」は、ためらう、ぐずぐずする意。 ★「逡巡」は、あとずさりする、ぐずぐずする意。 ★ほぼ同意の熟語を重ねて意味を強めた四字句。 |
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367 | 目にも留まらぬ速さで走ること。 | 攀竜[附驥]・桑田[滄海] 蒼蠅[驥尾]・[超軼]絶塵 |
◆2 | ちょういつ | *『荘子-徐無鬼』 | 超軼絶塵/超逸絶塵(ちょういつぜつじん) ★「超軼」は、抜きんでていること。 ★「絶塵」は、塵一つ立てずに、きわめて速く走る意。馬などが疾駆するさまをいう。 類:奔逸絶塵(ほんいつぜつじん) |
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368 | 一度の失敗で過ぎた危惧をする。 | [殷鑑]不遠・[超軼]絶塵 懲羹[吹膾]・[蟄居]屛息 |
◆2 | すいかい | *『楚辞-九章・惜誦』 | 懲羹吹膾(ちょうこうすいかい) ★一度羹(アツモノ)で口に火傷をした者は、それに懲りて冷たい膾(ナマス)まで吹いて食べる意。 「羹(アツモノ)に懲(コ)りて膾(ナマス)を吹く」 |
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369 | 文章の細部を工夫し飾ること。 | [春蚓]秋蛇・雕文[刻鏤] [彗氾]画塗・[史籒]大篆 |
◆2 | こくる | こくろう | *『漢書-景帝紀』 | 雕文刻鏤/彫文刻鏤(ちょうぶんこくる/ちょうぶんこくろう) ★「雕文」は、模様を彫刻すること。また、彫刻された模様の事。 ★「刻鏤」は、ほりつける、きざむ。木に彫りつけるのを刻、金属に彫りつけるのを鏤という。 |
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370 | 文章や人柄が淡白劃然としている。 | [直截]簡明・[狷介]孤高 叡明[闊達]・虚静[恬淡] |
◆2 | ちょくせつ | *『不明』 | 直截簡明(ちょくせつかんめい) ★「直截」は、すぐに裁決する、きっぱりしている意。 類:単純明快(たんじゅんめいかい) |
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371 | 評判が高く非常に人気のあること。 | [濫竽]充数・一世[風靡] 生気[潑溂]・[擲果]満車 |
◆2 | てきか | *『晋書-潘岳伝』 | 擲果満車(てきかまんしゃ) ★晋の潘岳(ハンガク)は、容貌が非常に美しく、洛陽の町を行くと婦人たちは彼を取り巻いて果物を投げつけ、果物で車がいっぱいになったという故事から。 「擲果(テキカ)、車に満つ」 |
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372 | 度量が大きく何の蟠りもない。 | 天空[海闊]・好評[嘖嘖] 頑廉[懦立]・[槁木]死灰 |
◆2 | かいかつ | *『夏目漱石-吾輩は猫である・一一』 | 天空海闊(てんくうかいかつ) ★「天空」は、空がからりと晴れ上がってどこまでも広いこと。 ★「海闊」は、大海が広々としていること。 類:海闊天空(かいかつてんくう) 類:豪放磊落(ごうほうらいらく) 類:海闊天高(かいかつてんこう) |
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373 | つらい労働の形容。 | [槿花]一日・[霑体]塗足 [驥服]塩車・呉牛[喘月] |
◆2 | てんたい | *『国語-斉語』 | 霑体塗足(てんたいとそく) ★体を濡らし、足を泥塗れにして、野良仕事をすることから。 「体を霑(ウルオ)し、足に塗(ヌ)る」 |
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374 | 世界の初め。 | 天地[開闢]・乾端[坤倪] [跼天]蹐地・[撼天]動地 |
◆2 | かいびゃく | *『天照座伊勢二所皇太神宮御鎮座次第記』 | 天地開闢(てんちかいびゃく) ★「開闢」は、天地の開け初めのこと。 類:開天闢地(かいてんへきち) 類:天地創造(てんちそうぞう) |
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375 | 思い悩んで眠れない様子。 | [輾転]反側・意匠[惨澹] [大衾]長枕・[寤寐]思服 |
◆2 | てんてん | *『詩経-周南・関雎』 | 輾転反側/展転反側(てんてんはんそく) ★「輾転」と「反側」ともに、寝返りを打つ意。 |
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376 | 時局に恵まれず苦労する。 | 天歩[艱難]・[跋山]渉水 [墜茵]落溷・日月[逾邁] |
◆2 | かんなん | *『詩経-小雅・白華』 | 天歩艱難(てんぽかんなん) ★「天歩」は、天命・時運、国家の運命をいう。 ★「艱難」は、苦しみ、難儀。 |
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377 | 万物の生滅変化をいう。 | 神仏[混淆]・天門[開闔] 生滅[滅已]・死生[契闊] |
◆2 | かいこう | *『老子-一〇章』 | 天門開闔(てんもんかいこう) ★「天門」は、万物が生まれ出る門。老荘思想でいう、無、道と同意とも、また、玄妙な雌の性器とも心にある英知の門とも解され異説が多い。 |
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378 | 自分の才徳をあらわにしない。 | 蟄居[屛息]・為山[止簣] [韜光]晦迹・老驥[伏櫪] |
◆2 | とうこう | *『太平御覧』 | 韜光晦迹/韜光晦跡(とうこうかいせき) ★「韜」は、包む、包み隠す意。 ★「光」は、人の才能などのたとえ。 ★「晦」は、くらます、隠す意。 ★「迹」は、跡(アト)・痕跡の意。 ★仏教では韜光晦迹(トウコウマイセキ)と読み、高い境地に達した人が俗世を避けて人里離れたところに居る意。 類:韜光隠迹(とうこういんせき) 類:韜光養晦(とうこうようかい) 類:晦迹韜光(かいせきとうこう) 「光を韜(ツツ)み迹(アト)を晦(クラ)ます」 |
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379 | 人間の欲望には際限がない。 | 一望[無垠]・嘔啞[嘲哳] [枉尺]直尋・得隴[望蜀] |
◆2 | ぼうしょく | *『後漢書-岑彭伝』 | 得隴望蜀(とくろうぼうしょく) ★中国全土を再統一した後漢の光武帝(コウブテイ)が、隴を平定したあと蜀をも手中に収めようとした自分の欲の深さを自嘲した故事から。 類:望蜀之嘆(ぼうしょくのたん) 「隴(ロウ)を得て蜀(ショク)を望む」 |
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380 | 鈍才でも努力すれば秀才に及ぶ。 | [師曠]清耳・鶴立[企佇] [駑馬]十駕・[鴉巣]生鳳 |
◆2 | どば | *『荀子-脩身』 | 駑馬十駕(どばじゅうが) ★「駑馬」は、のろい馬。 ★「駕」は、馬に車をつけて走ること。 ★駑馬が十日間車を牽いて走ること。 「驥(キ)は一日にして千里なるも、駑馬も十駕すれば之(コレ)に及ぶ」 |
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381 | 志と行いが矛盾していること。 | 南橘[北枳]・[越鳧]楚乙 北轍[南轅]・[悖出]悖入 |
◆2 | なんえん | *『周亮工』 | 北轍南轅(ほくてつなんえん) ★轍(ワダチ)が北に向かっているのに、轅(ナガエ)を南に向けている意で、あべこべ、行き違いということから。 類:北轅適楚(ほくえんてきそ) 類:南轅北轍(なんえんほくてつ) |
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382 | 嘗てないほどの不幸な日。 | 浮雲[翳日]・年災[月殃] 烏兎[匆匆]・[禍棗]災梨 |
◆2 | げつおう | *『還魂記-詗薬』 | 年災月殃(ねんさいげつおう) ★「年災」は、天災で穀物が実らないこと。 ★「月殃」は、わざわい・とがめ・天罰。 |
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383 | 多方面で際立った活躍をする。 | 協心[戮力]・苦心[惨憺] 八面[玲瓏]・八面[六臂] |
◆2 | ろっぴ | *『獅子文六-自由学校・彼女がそう叫ぶには』 | 八面六臂(はちめんろっぴ) ★一つの体に八つの顔と六本の腕を持っているということ。 類:三面六臂(さんめんろっぴ) |
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384 | ありとあらゆる悪口を言い立てる。 | 讒諂[面諛]・面折[廷諍] 罵詈[讒謗]・[奸智]術数 |
◆2 | ざんぼう | *『当世書生気質・一〇』 | 罵詈讒謗(ばりざんぼう) ★「罵詈」は、口汚く相手をののしること。 ★「讒謗」は、そしる意。 類:悪口雑言(あっこうぞうごん) 類:讒謗罵詈(ざんぼうばり) 類:罵詈雑言(ばりぞうごん) 類:悪口罵詈(あっこうばり) |
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385 | 下位者の勢力が強く制御できない。 | 狷介[不羈]・[攀轅]臥轍 胡漢[陵轢]・尾大[不掉] |
◆2 | ふとう | *『春秋左氏伝-昭公一一年』 | 尾大不掉(びだいふとう) ★尾が大きすぎて、自分の力では振り動かせないこと。 「尾大(ビダイ)なれば掉(フ)れず」 「尾(オ)大きくして掉(フ)れず」 |
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386 | 巧みに立ち回り利益を独占した。 | 泣斬[馬謖]・必求[壟断] [賤斂]貴発・[狡兎]三穴 |
◆2 | ろうだん | *『孟子-公孫丑・下』 | 必求壟断(ひっきゅうろうだん) ★「壟断」は、高い丘。 ★ある商人が、高い所(岡壟(コウロウ)の断崖)に登り、市場の商品の動きを観察し大きな利益を得た故事による。 「必ず壟断(ロウダン)を求む」 |
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387 | 困難に挫けず意志を貫くこと。 | 百折[不撓]・瓶墜[簪折] [紆余]曲折・[尊俎]折衝 |
◆2 | ふとう | ふどう | *『蔡邕-橋太尉碑』 | 百折不撓(ひゃくせつふとう/ひゃくせつふどう) ★「百折」は、何回も折れること。 ★「不撓」は、たわまない、曲がらない意。 類:不撓不屈(ふとうふくつ) 類:独立不撓(どくりつふとう) |
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388 | 優秀な人物や業績が一斉に現る。 | 百花[繚乱]・[絢爛]豪華 炊金[饌玉]・落英[繽紛] |
◆2 | りょうらん | *『再昌草-永正四年・九月九日』 | 百花繚乱/百花撩乱(ひゃっかりょうらん) ★「繚乱」は、花が咲き乱れる意。 ★様々な花が、艶やかに咲き乱れることをいう。 類:百花斉放(ひゃっかせいほう) 類:百家争鳴(ひゃっかそうめい) 類:千紫万紅(せんしばんこう) 類:千紅万紫(せんこうばんし) |
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389 | 自然の美しい偉観。 | 風光[明媚]・[嘯風]弄月 仰観[俯察]・巍然[屹立] |
◆2 | めいび | *『矢田挿雲-江戸から東京へ・四』 | 風光明媚(ふうこうめいび) ★「風光」は、景色・眺めのこと。 ★「明媚」は、清らかで美しい意。 |
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390 | 筆勢が盛んで力強いこと。 | 烟霞[痼疾]・彫虫[篆刻] [風檣]陣馬・疾風[勁草] |
◆2 | ふうしょう | *『全唐詩話-三・李賀』 | 風檣陣馬(ふうしょうじんば) ★満帆風をはらませて航海し、健馬に跨って陣頭に立つこと。ともに、すぐれていることをいう。 |
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391 | 型にはまらず気随気儘に行動する。 | [譎詭]変幻・往事[茫茫] [不羈]奔放・浮家[泛宅] |
◆2 | ふき | *『今東光-一絃琴』 | 不羈奔放(ふきほんぽう) ★「不羈」は、束縛を受けず自由なこと。 類:自由奔放(じゆうほんぽう) 類:奔放不羈(ほんぽうふき) 類:不羈自由(ふきじゆう) 類:天馬行空(てんばこうくう) 類:不羈磊落(ふきらいらく) |
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392 | 戦乱の中の遽しさ。 | 肩摩[轂撃]・[歯コ]秣馬 倒載[干戈]・兵馬[倥偬] |
◆2 | こうそう | *『矢田挿雲-江戸から東京へ・七』 | 兵馬倥偬(へいばこうそう) ★「兵馬」は、武器と軍馬で戦争のこと。 ★「倥偬」は、忙しい意。 類:戎馬倥偬(じゅうばこうそう) |
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393 | 旅路で偶然人と出会うたとえ。 | [萍水]相逢・[雲烟]過眼 頭会[箕斂]・[布韈]青鞋 |
◆2 | へいすい | *『王勃-滕王閣序』 | 萍水相逢(へいすいそうほう) ★萍(ウキクサ)と水とが出会うように、旅先などで偶然知り合いになる意。 「萍水(ヘイスイ)相(アイ)逢(ア)う」 |
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394 | 他人の恋愛に嫉妬すること。 | 必求[壟断]・[竜驤]虎視 合歓[綢繆]・法界[悋気] |
◆2 | りんき | *『評判記-難波物語』 | 法界悋気(ほうかいりんき/ほっかいりんき) ★「法界」は、仏教語で宇宙万物のこと。 ★「悋気」は、嫉妬心の意。 |
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395 | 人の行動に容喙して阻害する。 | 旁時[掣肘]・[不羈]奔放 横行[闊歩]・[喙長]三尺 |
◆2 | せいちゅう | *『呂氏春秋-具備』 | 旁時掣肘(ぼうじせいちゅう) ★「掣肘」は、人の肘を引っ張ること。 「旁(カタワ)らより時に掣肘(セイチュウ)す」 |
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396 | 思うままに不埒な行いをする。 | 突怒[偃蹇]・[尾大]不掉 [傅虎]以翼・放辟[邪侈] |
◆2 | じゃし | *『孟子-梁恵王・上』 | 放辟邪侈/放僻邪侈(ほうへきじゃし) ★「放」は、ほしいまま。 ★「辟」は、偏る。 ★「邪」は、よこしま。 ★「侈」は、贅沢。 類:勝手気儘(かってきまま) 類:我儘放題(わがままほうだい) 類:傍若無人(ぼうじゃくぶじん) |
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397 | 苦労を厭わず人のために尽くす。 | [倚馬]七紙・[一瀉]千里 摩頂[放踵]・[九仞]一簣 |
◆2 | ほうしょう | *『孟子-尽心・上』 | 摩頂放踵(まちょうほうしょう) ★頭の先から足の踵(カカト)まで摩(ス)り減らす意。 「頂(イタダキ)を摩(マ)して踵(クビス)に放(イタ)る」 |
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398 | 完全なる悟りの境地。 | 厭離[穢土]・雲雨[巫山] 開天[闢地]・無余[涅槃] |
◆2 | ねはん | *『法華経-序品』 | 無余涅槃(むよねはん) ★「無余」は、残っていないこと。すべて。 ★「涅槃」は、煩悩を脱し悟りの境地に入ること。 |
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399 | 深く心に記憶する。 | [藜杖]韋帯・銘肌[鏤骨] [麤枝]大葉・錦心[綉口] |
◆2 | るこつ | ろうこつ | *『顔氏家訓-序致』 | 銘肌鏤骨(めいきるこつ/めいきろうこつ) ★「銘肌」は、皮膚に刻むこと。 ★「鏤骨」は、骨に刻み込むこと。 類:銘心鏤骨(めいしんるこつ) 「肌(ハダ)に銘(メイ)し骨に鏤(キザ)む」 |
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400 | 美女の形容。 | [旗幟]鮮明・[脣歯]輔車 風光[明媚]・[明眸]皓歯 |
◆2 | めいぼう | *『曹植-洛神賦』 | 明眸皓歯(めいぼうこうし) ★美しく澄んだ眸(ヒトミ)と、皓(シロ)く美しい歯の意。 類:蛾眉皓歯(がびこうし) 類:朱唇皓歯(しゅしんこうし) 類:仙姿玉質(せんしぎょくしつ) 類:氷肌玉骨(ひょうきぎょっこつ) 類:曲眉豊頰(きょくびほうきょう) 類:羞花閉月(しゅうかへいげつ) 類:沈魚落雁(ちんぎょらくがん) |
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401 | 人集りで密集している様子。 | 和気[藹藹]・門巷[塡隘] 抱関[撃柝]・桃李[成蹊] |
◆2 | てんあい | *『唐書-李邕伝』 | 門巷塡隘(もんこうてんあい) ★「門巷」は、門戸と、門に入る小道。 ★門や門前の小道に人が多く集まり、そこが塡(フサ)がり隘(セマ)くなる意。 類:門巷塡集(もんこうてんしゅう) |
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402 | 目的に向かって臆せず前進する。 | 勇往[邁進]・[秉燭]夜遊 [断薺]画粥・[走尸]行肉 |
◆2 | まいしん | *『東京朝日新聞-明治三六年・八月一〇日』 | 勇往邁進(ゆうおうまいしん) ★「邁進」は、ひるまず勇ましく進むこと。 類:勇往猛進(ゆうおうもうしん) 類:直往邁進(ちょくおうまいしん) 類:猪突猛進(ちょとつもうしん) |
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403 | 威勢が強大で止められないこと。 | [轅門]二竜・[皎月]千里 大海[撈針]・[雷霆]万鈞 |
◆2 | らいてい | *『漢書-賈山伝』 | 雷霆万鈞(らいていばんきん) ★「雷霆」は、雷のとどろき。転じて威力などが激しいことの形容。 ★「万鈞」は、きわめて重いこと。鈞は重さの単位で、周代では一鈞が7.7kg。 ★雷鳴のとどろきがきわめて大きく重い意。 類:雷轟電撃(らいごうでんげき) |
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404 | 優れた人物たちが集結するたとえ。 | [鸞翔]鳳集・玉兎[銀蟾] 門巷[塡隘]・天門[開闔] |
◆2 | らんしょう | *『傅咸-申懐賦』 | 鸞翔鳳集(らんしょうほうしゅう) ★「鸞」は、鳳凰に似た伝説上の霊鳥。 ★「鳳」は、鳳凰、聖天子の世に現れるという伝説上の霊鳥。 |
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405 | 心を合わせて協力する。 | [騈拇]枝指・[萍水]相逢 [戮力]同心・八面[六臂] |
◆2 | りくりょく | *『国語-斉語』 | 戮力同心(りくりょくどうしん) 類:協心戮力(きょうしんりくりょく) 類:一致団結(いっちだんけつ) 類:上下一心(しょうかいっしん) 「心を同じくして力を戮(アワ)す」 |
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406 | 全身から汗が滴ること。 | [沐浴]抒溷・[霑体]塗足 載籍[浩瀚]・流汗[淋漓] |
◆2 | りんり | *『夏目漱石-自転車日記』 | 流汗淋漓(りゅうかんりんり) ★「流汗」は、汗が流れること。 ★「淋漓」は、水や血や汗がしたたる意。 |
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407 | 同類は相応じ従うということ。 | 竜吟[虎嘯]・[竜驤]虎視 竜蟠[虎踞]・竜攘[虎搏] |
◆2 | こしょう | *『張衡-帰田賦』 | 竜吟虎嘯(りょうぎんこしょう/りゅうぎんこしょう) ★竜が吟ずれば雲がおこり、虎が嘯(ウソブ)けば風が生ずるといわれる。 「竜吟(ギン)じ虎嘯(ウソブ)く」 |
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408 | 根も葉もない噂話。 | 流言[蜚語]・南蛮[鴃舌] 狂言[綺語]・異聞[奇譚] |
◆2 | ひご | *『明史-馬孟禎伝』 | 流言蜚語/流言飛語(りゅうげんひご) ★「流言」は、根拠のないでたらめなうわさの事。 ★「蜚語」は、世間に蜚(ト)び交う根拠のない話。 類:流言流説(りゅうげんりゅうせつ) 類:流言飛文(りゅうげんひぶん) 類:蜚流之言(ひりゅうのげん) |
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409 | 睦まじい気分が満ちているさま。 | 心広[体胖]・和気[藹藹] [涅槃]寂静・春寒[料峭] |
◆2 | あいあい | *『風俗画報-二四号・論説』 | 和気藹藹/和気靄靄(わきあいあい) ★「和気」は、和やかで、のどかな気分のこと。 ★「藹藹」は、穏やかなさま、和やかな意。 類:和気靄然(わきあいぜん) 類:和気洋洋(わきようよう) |
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410 | 言葉巧みに相手に取り入る。 | 一士[諤諤]・阿諛[便佞] 窮鼠[嚙猫]・[媚眼]秋波 |
◆2 | べんねい | *『森鷗外-興津弥五右衛門の遺書』 | 阿諛便佞(あゆべんねい) ★「阿諛」は、媚びへつらう。 ★「便佞」は、口先は巧いが、誠意がないこと、また、そのような人の意。 類:阿諛追従(あゆついしょう) 類:阿諛曲従(あゆきょくしょう) 類:世辞追従(せじついしょう) 類:阿諛追随(あゆついずい) |
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411 | 旧習などに固執し理非も弁えない。 | [哭逵]泣練・家鶏[野雉] [濯纓]濯足・頑迷[固陋] |
◆2 | ころう | *『白柳秀湖-パイオニア―の悪戦』 | 頑迷固陋/頑冥固陋(がんめいころう) ★「頑迷」は、かたくなで道理を弁えないこと。 ★「固陋」は、視野が狭く頑固、また、古いものに執着する意。 類:冥頑不霊(めいがんふれい) 類:墨守成規(ぼくしゅせいき) 類:狷介固陋(けんかいころう) |
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412 | 善悪正邪の区別を弁えないこと。 | [跖狗]吠尭・一薫[一蕕] [一闔]一闢・黒白[混淆] |
◆2 | こんこう | *『不明』 | 黒白混淆/黒白混交(こくびゃくこんこう) ★「黒白」は、物事の是非・善悪・正邪のたとえ。 ★「混淆」は、入り交じること。 |
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413 | 国政が振るわず国運が危うい。 | 国歩[艱難]・[杞人]天憂 [霧鬢]風鬟・九仞[一簣] |
◆2 | かんなん | *『大学衍義補』 | 国歩艱難(こくほかんなん) ★「国歩」は、国の歩みで、国家の命運のこと。 ★「艱難」は、難儀すること、苦しむことの意。 ★内憂外患が頻りにおこって、国が危うくなる意。 |
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414 | 好機を狙って形勢を伺うさま。 | 瞻望[咨嗟]・[撥雲]見日 [竜驤]虎視・虎視[眈眈] |
◆2 | たんたん | *『易経-頤』 | 虎視眈眈(こしたんたん) ★「虎視」は、虎が獲物を狙うこと。 ★「眈眈」は、にらむ、見下ろす意。 ★虎が獲物を狙って鋭い目つきで睨んでいる様子のこと。 |
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415 | 矢継ぎ早にしゃべること。 | 渾崙[吞棗]・南蛮[鴃舌] [脣歯]輔車・鼓舌[揺脣] |
◆2 | ようしん | *『荘子-盗跖』 | 鼓舌揺脣/鼓舌揺唇(こぜつようしん) ★「鼓舌」は、舌を鳴らしてしゃべる、饒舌なこと。 ★「揺脣」は、脣(クチビル)を揺らす、しゃべること。 |
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416 | 心の中。 | [五蘊]皆空・五臓[六腑] [満腔]春意・咽喉[右臂] |
◆2 | ろっぷ | *『漢書-芸文志』 | 五臓六腑(ごぞうろっぷ) ★五つの臓(心・肺・脾・肝・腎)と、六つのはらわた(大腸・小腸・胃・胆・膀胱・三焦)の意。 |
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417 | 達弁で洗練されているさま。 | 南蛮[鴃舌]・一糸[一毫] 頑迷[固陋]・滑稽[洒脱] |
◆2 | しゃだつ | *『高山樗牛-現代文章私見』 | 滑稽洒脱/滑稽灑脱(こっけいしゃだつ) ★「滑稽」は、巧みな言葉がすらすらと滑らかに口をついて出ること。 ★「洒脱」は、あかぬけしている意。 類:軽妙洒脱(けいみょうしゃだつ) |
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418 | 独りよがりで見識が狭いこと。 | [孤陋]寡聞・鑿窓[啓牖] [鰥寡]孤独・頑廉[懦立] |
◆2 | ころう | *『礼記-学記』 | 孤陋寡聞(ころうかぶん) ★「孤陋」は、見識が狭くひとりよがり頑ななこと。 ★「寡聞」は、見聞が少ないこと。 類:独学孤陋(どくがくころう) 「独学にして友無ければ則(スナワ)ち孤陋にして寡聞なり」 |
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419 | 様々なものが溶け合い一つとなる。 | 徳性[涵養]・[渾然]一体 [晨夜]兼道・[飛絮]漂花 |
◆2 | こんぜん | *『淮南子-精神訓』 | 渾然一体/混然一体(こんぜんいったい) ★「渾然」は、溶け合って区別がつかない。 ★「一体」は、一つのものの意。 |
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420 | 英気が盛んに現れ出ること。 | 和光[垂迹]・英姿[颯爽] 才気[煥発]・[渾然]一体 |
◆2 | かんぱつ | *『里見ク-善心悪心』 | 才気煥発(さいきかんぱつ) ★「才気」は、すぐれた才能や判断力のこと。 ★「煥発」は、光り輝き表面にあらわれるさま。 類:才気横溢(さいきおういつ) |
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421 | 他人を悪く言っておべっかを使う。 | 毀誉[褒貶]・讒諂[面諛] 面折[廷諍]・[口誅]筆伐 |
◆2 | めんゆ | *『孟子-告子・下』 | 讒諂面諛(ざんてんめんゆ) ★「讒諂」は、他の人の悪口を言って人にへつらうこと。 ★「面諛」は、人の面前でこびへつらうこと。 |
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422 | 節操を知り自分を衒らかさないこと。 | [以杞]包瓜・[已己]巳己 自己[欺瞞]・自己[韜晦] |
◆2 | とうかい | *『佐多稲子-分身』 | 自己韜晦(じことうかい) ★「韜晦」は、才能や学識を隠すということ。 類:韜光晦迹(とうこうかいせき) 類:韜光養晦(とうこうようかい) |
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423 | 自分で実地に行うこと。 | 実践[躬行]・自己[欺瞞] 自己[韜晦]・海底[撈月] |
◆2 | きゅうこう | *『最暗黒之東京』 | 実践躬行(じっせんきゅうこう) ★「実践」は、実行すること。 ★「躬行」は、自ら行うこと。 ★口先だけでなく実行することが大切だという意。 類:率先垂範(そっせんすいはん) 類:率先励行(そっせんれいこう) 類:躬行実践(きゅうこうじっせん) 類:率先躬行(そっせんきゅうこう) |
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424 | 不道徳な贅沢にふけること。 | 失魂[落魄]・墜茵[落溷] [心悸]亢進・[奢侈]淫佚 |
◆2 | しゃし | *『高木卓-遣唐使』 | 奢侈淫佚/奢侈淫逸(しゃしいんいつ) ★「奢侈」は、必要以上の贅沢のこと。★「淫佚」は、みだらでだらしがない意。 類:驕奢淫逸(きょうしゃいんいつ) |
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425 | 贅沢と文事に耽り、気は弱いこと。 | 失魂[落魄]・墜茵[落溷] 奢侈[淫佚]・[奢侈]文弱 |
◆2 | しゃし | *『徳富蘆花-思出の記』 | 奢侈文弱(しゃしぶんじゃく) ★「奢侈」は、分限を超えた暮らしをすること。 ★「文弱」は、学問や詩文など、文事ばかりにふけって弱々しいこと。 |
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426 | 行いなどが卑劣で道理に悖ること。 | [持粱]歯肥・醜悪[奸邪] 奴顔[婢膝]・旁時[掣肘] |
◆2 | かんじゃ | *『坪内逍遥-小説神髄・下』 | 醜悪奸邪/醜悪姦邪(しゅうあくかんじゃ) ★「醜悪」は、みにくい、見苦しい意。 ★「奸邪」は、よこしまなこと。 |
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427 | 非を正し、手助けすること。 | [脣歯]輔車・当面[蹉過] 翼覆[嫗煦]・拾遺[補闕] |
◆2 | ほけつ | *『司馬遷-報任少卿書』 | 拾遺補闕(しゅういほけつ) ★「拾遺」は、君主が気付かない過失を見つけること。 ★「補闕」は、天子の過失を正す意。 「遺(イ)を広い闕を補う」 類:拾遺補過(しゅういほか) |
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428 | 磊磊落落奔放不羈のさま。 | 自由[闊達]・七縦[七擒] 豪華[絢爛]・人生[羈旅] |
◆2 | かったつ | *『吉野作造-閑談の閑談・四』 | 自由闊達/自由豁達(じゆうかったつ) ★「自由」は、何事にも束縛されないこと。 ★「闊達」は、心が広くてこだわらないこと。 類:闊達自由(かったつじゆう) 類:天空海闊(てんくうかいかつ) |
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429 | 戦場にあって忙しく軍務を行うこと。 | 戎馬[倥偬]・年災[月殃] 倒載[干戈]・[兢兢]業業 |
◆2 | こうそう | *『不明』 | 戎馬倥偬(じゅうばこうそう) ★「戎馬」は、武器と軍馬のことから戦争の意。 ★「倥偬」は、あわただしいこと。 類:兵馬倥偬(へいばこうそう) |
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430 | 有事のための用意を怠らないこと。 | 明朗[闊達]・[参差]錯落 言行[齟齬]・常備[不懈] |
◆2 | ふかい | *『不明』 | 常備不懈(じょうびふかい) ★「常備」は、いつも備えておくこと。 ★「不懈」は、なまける、気を緩める意。 類:有備無患(ゆうびむかん) 「常に備えて懈(オコタ)らず」 |
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431 | 心臓の鼓動が激しくなること。 | [飄忽]震蕩・[慷慨]憤激 [心悸]亢進・意気[沮喪] |
◆2 | しんき | *『高見順-故旧忘れ得べき・一』 | 心悸亢進/心悸昂進(しんきこうしん) ★「心悸」は、心臓の鼓動、動悸。 ★「亢進」は、昂ること。 |
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432 | 人や家屋が隙間なく集まっていること。 | 人口[稠密]・[偕老]同穴 [畳牀]架屋・[広廈]万間 |
◆2 | ちゅうみつ | *『国木田独歩-空知川の岸辺』 | 人口稠密(じんこうちゅうみつ) ★「稠密」は、込み合っていること。密集していること。 |
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433 | 世の人々が恐れおののくこと。 | 人心[洶洶]・人権[蹂躪] 一世[木鐸]・一世[風靡] |
◆2 | きょうきょう | *『唐書-陸贄伝』 | 人心洶洶/人心恟恟(じんしんきょうきょう) ★「人心」は、多くの人の心のこと。 ★「洶洶」は、どよめき騒ぐさま。 |
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434 | 神道と仏教を一緒に祀ること。 | [巫蠱]神仏・[三聚]浄戒 五行[相剋]・神仏[混淆] |
◆2 | こんこう | *『法華宗諸本寺へ達-明治元年・一〇月一八日』 | 神仏混淆/神仏混交(しんぶつこんこう) ★「混淆」は、入り交じること。 類:神仏習合(しんぶつしゅうごう) 類:本地垂迹(ほんじすいじゃく) |
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435 | ある物を深く欲するたとえ。 | 悲歌[慷慨]・[垂涎]三尺 [濫竽]充数・長頸[烏喙] |
◆2 | すいぜん | すいえん すいせん |
*『長与善郎-竹沢先生と云ふ人・竹沢先生富士を観る-二』 | 垂涎三尺(すいぜんさんじゃく/すいえんさんじゃく) ★「涎」は、よだれのこと。 ★おいしそうなものを見て食べたくて思わず涎を三尺も垂らすという意から。 |
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436 | 活力が満ち溢れているようす。 | [贅沢]三昧・草満[囹圄] 生気[潑溂]・春風[駘蕩] |
◆2 | はつらつ | *『二葉亭四迷-予が半生の懺悔』 | 生気潑溂/生気潑剌(せいきはつらつ) ★「生気」は、いきいきとしたさま、元気。 ★「潑溂」は、動作や表情に元気のあふれているさま。 類:元気潑溂(げんきはつらつ) |
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437 | 悼み悲しんで涙を流す。 | 翫歳[愒日]・[悽愴]流涕 [齧指]痛心・[薤露]蒿里 |
◆2 | せいそう | *『孔叢子・儒服』 | 悽愴流涕/凄愴流涕/淒愴流涕(せいそうりゅうてい) ★「悽愴」は、痛ましいほどに悼み悲しむさま。 ★「涕」は、涙の意。 |
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438 | 心のままに奢侈を尽くす。 | [贅沢]三昧・[不羈]奔放 [逍遥]自在・放辟[邪侈] |
◆2 | ぜいたく | *『坪内逍遥-沓手鳥孤城落月・三幕』 | 贅沢三昧(ぜいたくざんまい) ★「贅沢」は、無駄なおごり。 ★「三昧」は、ひたすらそのことに耽ること。 ★もともとは仏教語で、雑念を捨てて精神を集中すること。 類:活計歓楽(かっけいかんらく) |
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439 | 評判が落ちて収拾がつかないこと。 | 声名[狼藉]・甘井[先竭] 朽木[糞牆]・[燉煌]五竜 |
◆2 | ろうぜき | *『史記-蒙恬伝・索隠』 | 声名狼藉(せいめいろうぜき) ★「声名」は、よい評判のこと。名声。 ★「狼藉」は、取り散らかして収拾のつかないこと。 ★どうにもならないほど悪名がとどろいていること。 類:悪声狼藉(あくせいろうぜき) |
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440 | 俗世間の雑念妄想を断ち切ること。 | [截断]衆流・[恩讐]分明 三薫[三沐]・[三釁]三浴 |
◆2 | せつだん | *『石林詩話・上』 | 截断衆流(せつだんしゅる) ★「衆流」は、雑念妄想のたとえ。 ★修行者が煩悩を断ち截(キ)ること。仏教の語。 |
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441 | 岩山と渓谷の景観。 | 商山[四皓]・雪萼[霜葩] [瀟湘]八景・千巌[万壑] |
◆2 | ばんがく | *『世説新語・言語』 | 千巌万壑(せんがんばんがく) ★「巌」は、大きな岩山。 ★「壑」は、谷。 ★多くの岩山の連なりと多くの谷の意。 類:千山万水(せんざんばんすい) |
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442 | 先立って実践すること。 | 深根[固柢]・意匠[惨澹] [緊褌]一番・率先[躬行] |
◆2 | きゅうこう | *『太宰治-新釈諸国噺』 | 率先躬行(そっせんきゅうこう) ★「率先」は、人に先立つこと。 ★「躬行」は、みずから行う意。 類:率先垂範(そっせんすいはん) 類:率先励行(そっせんれいこう) 類:実践躬行(じっせんきゅうこう) |
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443 | ほとんど実現不可能なことのたとえ。 | 河山[帯讃・大海[撈針] [雷霆]万鈞・呉牛[喘月] |
◆2 | ろうしん | *『二十年目睹之怪現状・第一〇七回』 | 大海撈針(たいかいろうしん) ★「撈」は、すくい上げる意。 ★大海の底に落ちた針をすくい上げる意。 類:東海撈針(とうかいろうしん) 類:海底撈針(かいていろうしん) 「大海に針を撈(スク)う」 |
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444 | 農業に励むこと。 | 田園[将蕪]・朝耕[暮耘] 桑田[滄海]・張王[李趙] |
◆2 | ぼうん | *『輟耕録-検田吏』 | 朝耕暮耘(ちょうこうぼうん) ★「耕」は、たがやす。 ★「耘」は、くさぎる意。 「朝(アシタ)に耕(タガヤ)し暮(ク)れに耘(クサギ)る」 |
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445 | 心の働きが止まりぐずぐずしている。 | [恍然]大悟・因循[苟且] [佇思]停機・[豁然]大悟 |
◆2 | ちょし | *『碧巌録』 | 佇思停機(ちょしていき) ★「佇思」は、立ち止まって思いわずらうこと。 ★「機」は、心のはたらき、作用。 「佇(タタズ)みて思い、機を停(トド)む」 |
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446 | 好き放題に言い散らすこと。 | [婬虐]暴戻・[跌蕩]放言 魂飛[魄散]・声名[狼藉] |
◆2 | てっとう | *『後漢書-孔融伝』 | 跌蕩放言(てっとうほうげん) ★「跌蕩」は、しまりがなくほしいままの意。 ★ほしいままに放言すること。 |
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447 | 無邪気で屈託のないさま。 | 剛毅[直諒]・百花[繚乱] 天真[爛漫]・[蕭敷]艾栄 |
◆2 | らんまん | *『久米邦武-米欧回覧実記・一』 | 天真爛漫(てんしんらんまん) ★「天真」は、天から与えられたままの本性。 ★「爛漫」は、輝き表れるさま。 類:天衣無縫(てんいむほう) |
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448 | 悪事の報いは直ちに発現する。 | 天罰[覿面]・[僭賞]濫刑 天威[咫尺]・[遏悪]揚善 |
◆2 | てきめん | *『三遊亭円朝-英国孝子之伝・八』 | 天罰覿面(てんばつてきめん) ★「天罰」は、天の下す罰のこと。 ★「覿面」は、目のあたりに見る意で、すぐに現れることをいう。 類:天網恢恢(てんもうかいかい) |
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449 | 寛大で大雑把なさま。 | [蕩佚]簡易・天宇[地廬] [擒縦]自在・[渟膏]湛碧 |
◆2 | とういつ | *『後漢書-班超伝』 | 蕩佚簡易(とういつかんい) ★「蕩佚」は、のんびり自由なこと。 ★「簡易」は、簡単で易しい、性格が穏やかでさっぱりしていること。 |
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450 | 驚いて呆然とすること。 | [游雲]驚竜・[刮目]相待 [渇驥]奔泉・[瞠目]結舌 |
◆2 | どうもく | *『茅盾-霜葉紅似二月花』 | 瞠目結舌(どうもくけつぜつ) ★「瞠目」は、驚いて目を見張ること。 ★「結舌」は、舌を結ぶ意から、ものを言わないこと。 ★酷く驚いて目をむき、舌をこわばらせてものが言えないさまをいう。 類:大驚失色(たいきょうしっしょく) |
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451 | 師友のない学問は見識が狭くなる。 | 門巷[塡隘]・法界[悋気] 独学[孤陋]・[鰥寡]孤独 |
◆2 | ころう | *『礼記-学記』 | 独学孤陋(どくがくころう) ★「孤陋」は、見識が狭く独りよがりでかたくななこと。 |
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452 | 空言を謹み実行を速やかにする。 | [訥言]敏行・疾言[遽色] [禹行]舜趨・剽疾[軽悍] |
◆2 | とつげん | *『論語-里仁』 | 訥言敏行(とつげんびんこう) ★「訥言」は、言葉が巧みでない、口下手の意。 ★「敏行」は、素早く行動すること。 類:不言実行(ふげんじっこう) 「言に訥(トツ)にして行いに敏(ビン)なり」 |
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453 | 怒鳴りつけること。 | 侃侃[諤諤]・[呵呵]大笑 [咄嗟]𠮟咤・[躡足]附耳 |
◆2 | とっさ | *『蘇軾-三国論』 | 咄嗟𠮟咤(とっさしった) ★「咄嗟」は、嘆くこと、叱ること。 ★「叱咤」は、大声で叱りつけること。 |
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454 | とても奇妙なこと。不都合なこと。 | 波詭[雲譎]・[咄咄]怪事 [紆余]曲折・[佇思]停機 |
◆2 | とつとつ | *『晋書-殷浩伝』 | 咄咄怪事(とつとつかいじ) ★「咄咄」は、意外さに驚いて発する声。 |
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455 | 人道に外れた行いのこと。 | [蹈節]死義・[蠹居]棊処 [矯枉]過直・[悖徳]没倫 |
◆2 | はいとく | *『夏目漱石-吾輩は猫である』 | 悖徳没倫/背徳没倫(はいとくぼつりん) ★「悖徳」は、道徳に背くこと。 ★「没倫」は、倫理意識をなくす意。 「徳に悖(モト)り倫(ミチ)を没す」 |
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456 | 戒法に背いても心に恥じないこと。 | 法界[悋気]・破戒[無慙] 斗量[帚掃]・漠漠[濛濛] |
◆2 | むざん | *『中右記-保安元年・二月一二日』 | 破戒無慙/破戒無慚(はかいむざん) ★「破戒」は、仏教語で僧が戒律を破ること。 ★「慙」は、恥の意。 |
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457 | たくさんの知見を持っていること。 | [以蠡]測海・深文[巧詆] 博識[洽聞]・区聞[陬見] |
◆2 | こうぶん | *『不明』 | 博識洽聞/博識広聞(はくしきこうぶん) ★「博識」は、広く知る。 ★「洽聞」は、広く聞く。 類:博物広聞(はくぶつこうぶん) 類:博聞強記(はくぶんきょうき) 類:博聞強識(はくぶんきょうしき) 類:博覧強記(はくらんきょうき) |
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458 | ごたごたした複雑な事情や変化。 | [樽俎]折衝・[波瀾]曲折 [霹靂]閃電・悖入[悖出] |
◆2 | はらん | *『夏目漱石-彼岸過迄』 | 波瀾曲折/波乱曲折(はらんきょくせつ) 非常に込み入った事情。または非常に込み入った変化。〈漢検四字熟語辞典〉 ★「波瀾」は、波と荒波で、揉め事の意。 ★「曲折」は、折れ曲がることから、込み入った事情の意。 類:紆余曲折(うよきょくせつ) |
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459 | 人の長命を祈る語。 | [熙熙]壌壌・斗量[帚掃] 万寿[無疆]・一望[無垠] |
◆2 | むきょう | *『詩経-豳風・七月』 | 万寿無疆(ばんじゅむきょう) ★「万寿」は、万年の寿命の意から長生きすること。長命。 ★「無疆」は、きわまりがない。際限がない意。 ★長命で幾久しく生きられるよう、長寿を祝う言葉。 類:南山之寿(なんざんのじゅ) 「万寿(バンジュ)疆(キワマ)り無(ナ)し」 |
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460 | 責め立てる声が多く大きいこと。 | 依怙[贔屭]・非難[囂囂] 好評[嘖嘖]・筆削[褒貶] |
◆2 | ごうごう | *『不明』 | 非難囂囂(ひなんごうごう) ★「囂囂」は、騒がしいこと。声の大きいこと。 |
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461 | 髪をふり乱して狂人の真似をする。 | [悖入]悖出・被髪[佯狂] 被髪[纓冠]・被髪[左袵] |
◆2 | ようきょう | *『史記-宋世家』 | 被髪佯狂/被髪陽狂(ひはつようきょう) ★「被髪」は、髪の毛を振り乱したさま。 ★「佯狂」は、狂人の真似をする。 ★中国殷(イン)末、紂王(チュウオウ)に仕えた太師の箕子(キシ)は酒と女に溺れて政治を顧みない紂王を諫めたが聞かなかった。紂王のもとを去ることは君主の悪を世間に公表し、自分自身を人民に弁解することになると考えた箕子は、髪を振り乱し狂人の真似をして奴隷となったという故事から。 |
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462 | 重病で治療が難しい状態。 | 烟霞[痼疾]・心悸[亢進] 無病[呻吟]・病入[膏肓] |
◆2 | こうこう | *『春秋左氏伝-成公一〇年』 | 病入膏肓(びょうにゅうこうこう) ★「膏」は、心臓の下の部分。 ★「肓」は、横隔膜の上の部分。 ★膏肓ともに治療しにくい場所とされる。 ★中国春秋時代、晋(シン)の景公が、自分を苦しめている病魔が二竪子(ニジュシ:二人の子供)になってあらわれ、名医も治療できない膏の下、肓の上に隠れた夢を見た。その後医者が到着して診察すると、病根が膏の下と肓の上に入ってしまっているから治療できないと言ったという故事から。 類:膏肓之疾(こうこうのしつ) 類:膏肓之病(こうこうのやまい) 「病(ヤマイ)、膏肓(コウコウ)に入(イ)る」 |
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463 | 汚い出で立ち。 | [敝衣]蓬髪・[臍下]丹田 [半饑]半飢・[布韈]青鞋 |
◆2 | へいい | *『不明』 | 敝衣蓬髪/弊衣蓬髪(へいいほうはつ) ★「敝衣」は、ぼろぼろの衣服。 ★「蓬髪」は、蓬(ヨモギ)のように伸びて乱れた髪のこと。 類:蓬頭垢面(ほうとうこうめん) 類:弊衣破帽(へいいはぼう) 類:弊衣破袴(へいいはこ) |
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464 | 痛惜に堪えず激昂すること。 | 後悔[噬斉]・[敝衣]蓬髪 [咄嗟]𠮟咤・偏袒[扼腕] |
◆2 | やくわん | *『戦国策-燕策』 | 偏袒扼腕/偏袒搤腕(へんたんやくわん) ★「偏袒」は、片肌を脱いで息巻くこと。 ★「扼腕」は、片手でもう一方の腕を強く握り閉めること。 類:切歯扼腕(せっしやくわん) |
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465 | 美しいもののたとえ。 | [騈拇]枝指・[蒹葭]玉樹 連璧[賁臨]・宝鈿[玉釵] |
◆2 | ぎょくさい | *『斎藤拙堂-月瀬紀勝』 | 宝鈿玉釵(ほうでんぎょくさい) ★「釵」は、造化のかんざし。 ★「鈿」は、二股のかんざし。 ★珠玉や金銀で飾った美しいかんざしやこうがいの意。 |
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466 | 志と行動とが相反するたとえ。 | 蚊子[咬牛]・[鞭辟]近裏 [俛首]帖耳・[北轅]適楚 |
◆2 | ほくえん | *『申鑒-雑言・下』 | 北轅適楚(ほくえんてきそ) ★「轅」は、馬車または牛車の車体の左右両側から出ている二本のかじ棒。 ★轅を北に向けているわけだから、目指しているのは北の方向であるはずなのに、南方の楚の国へ行くという意味。 類:南轅北轍(なんえんほくてつ) 類:北轍南轅(ほくてつなんえん) 類:適楚北轅(てきそほくえん) |
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467 | 精神的にひどく痛めつけられること。 | 茅堵[蕭然]・煮豆[燃萁] 意匠[惨憺]・満身[創痍] |
◆2 | そうい | *『中山義秀-魔谷』 | 満身創痍(まんしんそうい) ★「満身」は、からだ全体の意。 ★「創」と「痍」は、傷のこと。 ★全身傷だらけであることをいう。 類:満身傷痍(まんしんしょうい) 類:百孔千瘡(ひゃっこうせんそう) 類:疲労困憊(ひろうこんぱい) |
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468 | 見渡す限り物寂しいさま。 | 満目[蕭条]・万目[睚眥] [皓月]千里・万寿[無疆] |
◆2 | しょうじょう | *『李白-秋浦歌』 | 満目蕭条(まんもくしょうじょう) ★「満目」は、目に入る限り、あたり一面の意。 ★「蕭条」は、ひっそりとして物寂しいさまのこと。 類:満目蕭然(まんもくしょうぜん) 類:満目荒涼(まんもくこうりょう) 類:満目荒寥(まんもくこうりょう) |
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469 | 悪事を働いても平然としていること。 | [春蚓]秋蛇・無根[無蔕] [無慙]無愧・無辺[無礙] |
◆2 | むざん | *『三教指帰・下』 | 無慙無愧(むざんむき) 仏語。悪いことをしながら、恥ずかしいと思わないこと。〈日本国語大辞典〉 ★「無慙」は、自己に対して恥じないこと。 ★「無愧」は、他人や世間に対して恥じないこと。 |
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470 | 美しい髪のたとえ。 | [霧鬢]風鬟・風鬟[雨鬢] [杞人]天憂・満目[蕭条] |
◆2 | むびん | *『蘇軾-洞庭春色賦』 | 霧鬢風鬟(むびんふうかん) ★「霧鬢」は、黒々とした美しい髪。 ★「風鬟」は、髪が風にくしけずられる意。 ★風の中の美しい髪ということ。 |
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471 | ひどく恐れるさま。 | 毛骨[悚然]・[樗櫟]散木 轍乱[旗靡]・蠹居[棊処] |
◆2 | しょうぜん | *『儒林外史-第二五回』 | 毛骨悚然/毛骨竦然(もうこつしょうぜん) ★「悚然」は、恐れてぞっとする、恐れてすくむさま。 ★毛髪や骨の中にまで恐れを感じるということから。 |
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472 | 悠然と落ち着き払ったさま。 | 沐浴[抒溷]・[羊裘]垂釣 余裕[綽綽]・[茫然]自失 |
◆2 | しゃくしゃく | *『孟子-公孫丑・下』 | 余裕綽綽(よゆうしゃくしゃく) ★「余裕」は、ゆとりの意。 ★「綽綽」は、ゆったりとしていること。 類:泰然自若(たいぜんじじゃく) |
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473 | 話が長く、くどくどしいさま。 | [縷縷]綿綿・喋喋[喃喃] [飛絮]流花・無病[呻吟] |
◆2 | るる | *『幸田露伴-不安』 | 縷縷綿綿(るるめんめん) ★「縷縷」は、細く長く続くこと、こまごまと述べること。 ★「綿綿」は、続いて絶えないこと。 |
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474 | 大勢が一斉に職を辞すること。 | 勧百[諷一]・八面[六臂] [聯袂]辞職・[霖雨]蒼生 |
◆2 | れんべい | *『東京朝日新聞-明治三八年・一二月七日』 | 聯袂辞職/連袂辞職(れんべいじしょく) ★「聯袂」は、袂(タモト)を連ねる意から、行動を共にすること。 「袂(タモト)を聯(ツラ)ねて職を辞す」 |
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475 | 善人と悪人も元は素朴な人だった。 | [哭岐]泣練・[草偃]風従 発揚[蹈讃・北轍[南轅] |
◆3 | こくき | *『淮南子-説林訓』 | 哭岐泣練/哭逵泣練(こくききゅうれん) ★「哭岐」は、中国戦国時代の楊朱が、分かれ道(岐)を見て行く人の意志でどちらでも行けるように、人は心がけ次第で善人にもなれるのに、悪人になる者もいると嘆いた(哭)という故事から。 ★「泣練」は、墨子が白い糸(練)がどんな色にでも染まるように、人は習慣によって善人にも悪人にもなると嘆いた(泣)という故事から。 類:楊朱泣岐(ようしゅきゅうき) 類:墨子泣糸(ぼくしきゅうし) 類:墨子悲染(ぼくしひせん) 「岐に哭(ナ)き練に泣く」 |
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476 | 机上の空論。 | 按図[索驥]・吹毛[求疵] [邑犬]群吠・騎驢[覓驢] |
◆3 | さくき | *『漢書-梅福伝』 | 按図索驥(あんずさくき) ★馬に乗ったこともないのに、絵や書物の知識だけで、優秀な馬(驥)を見つけようとすること。 類:按図索駿(あんずさくしゅん) 「図を按(アン)じて驥(キ)を索(モト)む」 |
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477 | 遠方の友人を思う情の切実なこと。 | 冒雨[剪韭]・[彗氾]画塗 [渭樹]江雲・塵飯[塗羹] |
◆3 | いじゅ | *『杜甫-詩・春日憶李白』 | 渭樹江雲(いじゅこううん) ★渭水のほとりの樹木と長江(揚子江)の空にたなびく雲の意。渭水のほとりと長江のほとりに分かれ、お互いに思いを馳せる意から。 類:暮雲春樹(ぼうんしゅんじゅ) ★ |
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478 | 自然に幽居し、その風流を楽しむ。 | 一丘[一壑]・病入[膏肓] [超軼]絶塵・浮家[泛宅] |
◆3 | いちがく | *『漢書-叙伝・上』 | 一丘一壑/一邱一壑(いっきゅういちがく) ★一つの丘、一つの壑(タニ)でも、その境地に身を置いてそこに長く住めば、心おのずから楽しく、何ものもその気持ちを妨げることがない意。 |
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479 | 貧乏のたとえ。 | [梧桐]一葉・[椿萱]並茂 [太羹]玄酒・[一裘]一葛 |
◆3 | いっきゅう | *『韓愈-送石処士序』 | 一裘一葛(いっきゅういっかつ) ★「裘」は、かわごろも。冬に着る。 ★「葛」は、葛(クズ)の布の衣。夏に着る。 ★一枚のかわごろもと、一枚のくずかたびら。他に着替えがないことから。 |
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480 | 善は消え易く、悪は除き難い。 | 狗尾[続貂]・[悪遏]揚善 烏兎[匆匆]・一薫[一蕕] |
◆3 | いちゆう | *『春秋左氏伝-僖公四年』 | 一薫一蕕(いっくんいちゆう) ★一つの良い香りの草と一つの悪い匂いの草。この二つをともに置けば良い香りが消え悪い匂いが勝つことからいう。 |
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481 | 世の人々の指導者。 | 大名[鼎鼎]・[滄海]揚塵 一世[木鐸]・人心[洶洶] |
◆3 | ぼくたく | *『論語-八佾』 | 一世木鐸(いっせい(の)ぼくたく) ★「一世」は、世の中すべての意。 ★「木鐸」は、木の舌(振り子)はついている金属製の鈴で、古代中国で法律や命令を布告するときに鳴らしたもの。転じて、世の指導者のこと。 |
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482 | 一つの行為で二つの利益を得ること。 | 一箭[双雕]・[敝帚]千金 [一擲]千金・[探驪]獲珠 |
◆3 | そうちょう | *『北史-長孫晟伝』 | 一箭双雕(いっせんそうちょう) ★「一箭」は、一本の矢。 ★「双雕」は、二羽の鷲。くまたか。 ★一本の矢で二羽の鷲を射る意。 類:一発双貫(いっぱつそうかん) 類:一挙両得(いっきょりょうとく) 類:一石二鳥(いっせきにちょう) 類:一挙双擒(いっきょそうきん) |
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483 | 豪快な振る舞いのたとえ。 | [海闊]天空・[敲金]撃石 [軻親]断機・[一擲]千金 |
◆3 | いってき | *『呉象之-少年行』 | 一擲千金(いってきせんきん) ★「擲」は、投げる、投げ出す意。 ★惜しげもなくひと時に大金を使う意。 類:一擲百万(いってきひゃくまん) |
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484 | きわめて危険なことをするたとえ。 | 一髪[千鈞]・[菟糸]燕麦 千緒[万縷]・剣抜[弩張] |
◆3 | せんきん | *『韓愈-与孟尚書書』 | 一髪千鈞(いっぱつせんきん) ★一本の髪の毛で千鈞の重さの物を引く意。 類:一縷千鈞(いちるせんきん) 類:危機一髪(ききいっぱつ) 類:一触即発(いっしょくそくはつ) 類:千鈞一髪(せんきんいっぱつ) 「一髪、千鈞(センキン)を引く」 |
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485 | わずかな表情の変化。 | 瑣砕[細膩]・[譎詭]変幻 [一嚬]一笑・明察[秋毫] |
◆3 | いっぴん | *『韓非子-内儲説・上』 | 一嚬一笑/一顰一笑(いっぴんいっしょう) ★「嚬」は、しかめて眉間にしわを寄せること。 ★「一」は、ちょっとの意。 |
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486 | 一息に名文を書き上げる才能。 | [騏驥]過隙・為虎[傅翼] [倚馬]七紙・[磨揉]遷革 |
◆3 | いば | *『世説新語-文学』 | 倚馬七紙(いばしちし) ★「倚馬」は、ここでは馬前に立ったままあわただしくというほどの意味。 ★馬前に立ったまま一息に七枚の紙に文を書き上げる意。 ★晋の袁虎(エンコ)が桓温(カンオン)に布告の文を書くように命ぜられ、馬前に立ったまま一息に七枚の名文を書き上げ、その才を王c(オウジュン)に賞讃された故事から。 類:万言倚馬(まんげんいば) 類:倚馬之才(いばのさい) |
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487 | 失敗を戒める例は身近にある。 | [典謨]訓誥・先従[隗始] [鞭辟]近裏・[殷鑑]不遠 |
◆3 | いんかん | *『詩経-大雅・蕩』 | 殷鑑不遠(いんかんふえん) ★殷の国政を、前代の夏(カ)王朝の暴政による滅亡を参考にしてすすめたことによる。 類:商鑑不遠(しょうかんふえん) 「殷鑑(インカン)遠からず」 |
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488 | 過度な礼儀は却って無礼となる。 | [慇懃]尾籠・[顚沛]流離 伯牙[絶絃]・[卑躬]屈節 |
◆3 | いんぎん | *『俳諧-世話尽・曳言之話』 | 慇懃尾籠(いんぎんびろう) | |||
489 | 天子の文武の徳を褒めたたえる語。 | [瓊枝]玉葉・允文[允武] [文恬]武嬉・高牙[大纛] |
◆3 | いんぶ | *『詩経-魯頌・泮水』 | 允文允武(いんぶんいんぶ) ★「允」は、まことにの意。 ★もと天子の徳をたたえた語。 「允(マコト)に文(ブン)、允に武(ブ)」 |
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490 | 陰徳を行う者の子孫は必ず興る。 | 倚門[倚閭]・[葷酒]山門 高車[駟馬]・[于公]高門 |
◆3 | うこう | *『漢書-于定国伝』 | 于公高門(うこうこうもん) ★漢の于定国の父は裁判官として公平に獄を治め陰徳を積んでいたが、その村の門の修理のとき、陰徳を積む家の子孫は繁栄するであろうとその門を高大に作ったという故事から。 類:陰徳陽報(いんとくようほう) 「于公(ウコウ)、門を高くす」 |
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491 | 物事に深く執着しないたとえ。 | [萍水]相逢・[灑掃]応対 [雲烟]過眼・[薏苡]明珠 |
◆3 | うんえん | *『蘇軾-王君宝絵堂記』 | 雲烟過眼/雲煙過眼(うんえんかがん) ★「雲烟」は、雲と霞、また雲やけむり。 ★「過眼」は、目の前を通り過ぎること。 ★雲や霞が目前を次々に通り過ぎてゆく意。 |
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492 | 非常に遠く離れていること。 | [雲烟]万里・[杞人]天憂 [晨星]落落・千巌[万壑] |
◆3 | うんえん | *『木村荘十-雲南守備兵』 | 雲烟万里/雲煙万里(うんえんばんり) ★「雲烟」は、雲と霞。 ★雲や霞が万里も続く意から。 |
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493 | 筆勢が躍動して力強いことのたとえ。 | [崑山]片玉・疾風[勁草] [雲烟]飛動・千巌[万壑] |
◆3 | うんえん | *『霞関臨幸記』 | 雲烟飛動/雲煙飛動(うんえんひどう) ★雲や霞が飛び動いて一時もとどまらない意。 |
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494 | 結婚を賀する言葉。 | [隋珠]和璧・栄諧[伉儷] 蕭敷[艾栄]・束髪[封帛] |
◆3 | こうれい | *『不明』 | 栄諧伉儷(えいかいこうれい) ★「栄諧」は、仲良くして栄える。 ★「伉儷」は、夫婦、つれあいの意。 |
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495 | なみなみならぬ決意を示すこと。 | 切歯[搤腕]・慧可[断臂] 剣抜[弩張]・[肉袒]負荊 |
◆3 | だんぴ | *『続高僧伝・一六』 | 慧可断臂(えかだんぴ) ★中国後魏の高僧慧可(エカ)は、河南省嵩山の少林寺にいたインドの高僧達磨(ダルマ)に教えを請いたいと思い、自分の左腕を切り落としてまで、その決意の固いことを示した。それを知った達磨は慧可の弟子入りを許したという故事から。 「慧可(エカ)、臂(ウデ)を断(タ)つ」 |
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496 | 他人の職分や権限を侵すこと。 | [羊很]狼貪・[伏寇]在側 [越俎]代庖・中権[後勁] |
◆3 | えっそ | *『荘子-逍遥遊』 | 越俎代庖(えっそだいほう) ★尭帝が許由に天下を譲ろうとしたとき、許由が「人は分を守ることが重要で、たとえ料理人がそのことを怠って神に供える料理を作らなくても神主が代わって台所に立つことはできますまい」と断った故事から。 類:越俎之罪(えっそのつみ) |
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497 | 同じ物でも地域で呼び名が異なる。 | 異類[無礙]・[譎詭]変幻 [越鳧]楚乙・南蛮[北狄] |
◆3 | えつふ | *『南史-顧歓伝』 | 越鳧楚乙(えつふそいつ) ★鴻(オオトリ)が、空高く飛ぶのを見て、越の国の人は鳧(カモ)と言い、楚の国の人は乙(燕)であると言った故事から。 |
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498 | 享楽に溺れることを戒めることば。 | 宴安[鴆毒]・死生[契闊] 生滅[滅已]・窃玉[偸香] |
◆3 | ちんどく | *『春秋左氏伝-閔公元年』 | 宴安酖毒/宴安鴆毒(えんあんちんどく) ★「宴安」は、遊び楽しむこと。 ★「酖毒」は、鴆という鳥の毒で猛毒。 |
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499 | 物事をそつなく取り仕切るさま。 | 協心[戮力]・隔靴[搔癢] 円滑[洒脱]・英姿[颯爽] |
◆3 | しゃだつ | *『不明』 | 円滑洒脱/円滑灑脱(えんかつしゃだつ) ★「円滑」は、かどだたないこと。 ★「洒脱/灑脱」は、すっきりしていること。 類:円転滑脱(えんてんかつだつ) |
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500 | 身のほど知らずが身を滅ぼすこと。 | [螻蟻]潰堤・墜茵[落溷] [僭賞]濫刑・[猿猴]取月 |
◆3 | えんこう | *『僧祇律-七』 | 猿猴取月(えんこうしゅげつ) ★「猿猴」は、さる。 ★猿が水に映った月を取ろうとして木の枝にぶら下がったが枝が折れ、落ちて溺死したという寓話から。 類:海底撈月(かいていろうげつ) 類:蟷螂之斧(とうろうのおの) 類:猿猴捉月(えんこうそくげつ) 「猿猴(エンコウ)月を取る」 |
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501 | 年頃になっても独身で居る男と女。 | [飛絮]漂花・怨女[曠夫] [巫雲]蜀雨・史魚[屍諫] |
◆3 | こうふ | *『孟子・梁恵王-下』 | 怨女曠夫(えんじょこうふ) ★「怨女」は、年頃でも未婚の女。 ★「曠夫」は、妻のいない成年男子。独身者。 ★略して「怨曠」ともいう。 |
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502 | 良質の金のたとえ。 | [大輅]椎輪・[三豕]金根 [璞玉]渾金・閻浮[檀金] |
◆3 | だごん | だんごん | *『大智度論-三五』 | 閻浮檀金(えんぶだごん/えんぶだんごん) ★「檀」は、那檀の略で川を意味する。仏教の語。 ★閻浮提(エンブダイ:仏教で須弥山の南にあるという大洲の名)にある大樹の閻浮樹(エンブジュ:空想上の大木とも、インドに多く産する蒲桃(ホトウ:ふともも)のことともいう)の下にあるという金塊。また、閻浮樹の林を流れる川底にある砂金のこと。その黄金は赤黄色で紫色を帯び、金の高貴なものとされる。 |
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503 | 人間の提喩。 | [酒甕]飯囊・[円顱]方趾 [躡足]附耳・竹頭[木屑] |
◆3 | えんろ | *『不明』 | 円顱方趾(えんろほうし) ★「顱」は、頭。 ★「趾」は、足。 ★頭は天に足は大地に似るという人類と天地の類似を説いたもの。 類:円頭方足(えんとうほうそく) 類:円首方足(えんしゅほうそく) |
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504 | 大望のため小さきを犠牲にする。 | 懸崖[勒馬]・得隴[望蜀] [枉尺]直尋・泣斬[馬謖] |
◆3 | おうせき | *『孟子-滕文公・下』 | 枉尺直尋(おうせきちょくじん) ★「尺」や「尋」は、ともに長さの単位で、一尋は、八尺。 ★「枉」は、まげる意。 ★一尺を枉げて八尺をまっすぐにするという意から。 「尺(セキ)を枉(マ)げて尋(ジン)を直(ナオ)くす」 |
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505 | 無駄なことをするたとえ。 | 牀上[施牀]・重熙[累洽] [牛溲]馬勃・[喙長]三尺 |
◆3 | ししょう | *『顔氏家訓-序致』 | 牀上施牀(しょうじょうししょう) ★「牀」は、寝床の意。 ★床の上に床を張る意。 類:屋上架屋(おくじょうかおく) 類:屋下架屋(おくかかおく) 類:畳牀架屋(じょうしょうかおく) 「牀上(ショウジョウ)に牀(ショウ)を施(ホドコ)す」 |
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506 | 詩文などが世間に広く注目される。 | [膾炙]人口・[顚沛]流浪 一望[無垠]・海市[蜃楼] |
◆3 | かいしゃ | かいせき | *『林嵩-周朴詩集序』 | 膾炙人口(かいしゃじんこう/かいせきじんこう) ★「膾」は、なますで、生の肉を細かく刻んだもの。 ★「炙」は、炙り肉のこと。 ★どちらも誰の口にも合って、好まれることからいう。 「人口に膾炙(カイシャ)する」 |
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507 | 口八丁。 | [訥言]敏行・泥首[銜玉] [喙長]三尺・[于公]高門 |
◆3 | かいちょう | *『荘子-徐無鬼』 | 喙長三尺(かいちょうさんじゃく) ★「喙」は、くちばしのこと。 ★くちばしの長さが三尺もあるという意。 |
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508 | 過去に例のない大きな出来事。 | 本地[垂迹]・開天[闢地] [澆季]溷濁・星火[燎原] |
◆3 | へきち | *『不明』 | 開天闢地/開天辟地(かいてんへきち) ★「闢」は、はじめる意。 ★中国古代の伝説上の天子盤古が天地を創造し、ここから人類の歴史が始まったということから。 類:天地開闢(てんちかいびゃく) 類:天開地辟(てんかいちへき) 「天を開き地を闢(ヒラ)く」 |
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509 | 陳腐さを嫌い、斬新さを尊ぶ。 | [布韈]青鞋・家鶏[野雉] 蓋瓦[級甎]・厭聞[飫聴] |
◆3 | やち | *『太平御覧-九一八引・晋書』 | 家鶏野雉(かけいやち) ★「雉」は、きじ。家で飼っている鳥を嫌って野生の雉の方を好むこと。 ★晋の庾翼(ユヨク)が自分の書を家鶏に、王羲之(オウギシ)の書を野雉にたとえ、当時の人が家鶏を愛しているのを嘆いた故事から。 類:家鶏野鶩(かけいやぼく) 「家鶏を厭(イト)い、野雉(ヤチ)を愛す」 |
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510 | 永久不変の堅い誓約。 | 河山[帯讃・海底[撈月] 大海[撈針]・[大廈]高楼 |
◆3 | たいれい | *『史記-高祖功臣侯者年表』 | 河山帯氏^河山帯礪(かざんたいれい) ★たとえあの広い黄河が帯のように細くなり、高い泰山がすりへって砥石のように平らになるようなことがあっても、永く変わらないという意。 類:帯飼V誓(たいれいのちかい) |
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511 | 学問などを中断することの戒め。 | 誨淫[誨盗]・[道揆]法守 [軻親]断機・為山[止簣] |
◆3 | かしん | *『列女伝-鄒孟軻母』 | 軻親断機(かしんだんき) ★「軻親」は、孟軻(孟子)の母親の意。 ★「断機」は、織り布を断ち切ること。 類:孟母断機(もうぼだんき) 類:断機之戒(だんきのいましめ) |
|||
512 | 書の筆勢が力強いこと。 | 窮鼠[嚙猫]・[渇驥]奔泉 [飲鴆]止渇・委肉[虎蹊] |
◆3 | かっき | *『唐書-徐浩伝』 | 渇驥奔泉(かっきほんせん) ★「驥」は、一日に千里を走るという駿馬のこと。 ★「奔」は、勢いよく走る意。 ★のどが渇いた駿馬が、泉にむかって勢いよく走り寄るということから。 「渇驥(カッキ)、泉(イズミ)に奔(ハシ)る」 |
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513 | 生気が漲り生き生きしたさま。 | 高談[闊歩]・魴魚[赬尾] [活潑]潑地・墨痕[淋漓] |
◆3 | かつはつ | かっぱつ | *『中庸章句・一二章』 | 活潑潑地/活撥撥地(かつはつはつち/かっぱつぱっち/かっぱつはっち) ★「活潑潑」は、魚が水の中で勢いよくはねるさま。 ★「地」は、助字。 |
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514 | 今までの先入観を捨てて相手を見る。 | [瞠目]結舌・蒼蠅[驥尾] [竜驤]虎視・[刮目]相待 |
◆3 | かつもく | *『三国志-呉書・呂蒙伝-注』 | 刮目相待(かつもくそうたい) ★「刮目」は、目をこすってかっと見開くこと。 ★中国三国時代、呉の呂蒙(リョモウ)が孫権の忠告に従い学問に励んでその進歩のはやさで魯粛(ロシュク)を驚かせたとき、呂蒙が「立派な男は三日別れているだけで、もう目を見開いて見なくてはならないものだ」と言った故事から。 類:刮目相看(かつもくそうかん) 「刮目(カツモク)して相(アイ)待(マ)つ」 |
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515 | 過去の栄華を顧みて現状に嘆く。 | 鶴鳴[九皐]・華亭[鶴唳] [瞻前]顧後・鼓盆[而歌] |
◆3 | かくれい | *『晋書-陸機伝』 | 華亭鶴唳(かていかくれい) ★「華亭」は、地名。 ★「鶴唳」は、鶴の鳴き声のこと。 ★晋の陸機(リクキ)が、まさに殺されようとしたとき、かつて華亭で鶴の声を聞いて楽しんだことを思い出して嘆いた語。 |
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516 | 幸不幸は交互に巡り来るものだ。 | 敬頌[新禧]・[前倨]後恭 [禍棗]災梨・禍福[倚伏] |
◆3 | いふく | *『老子-五八章』 | 禍福倚伏(かふくいふく) ★「禍福」は、わざわいと幸いのこと。 ★「倚伏」は、禍の中に福、福の中に禍がひそむ意。 ★わざわいがあると思うとそのかげに幸いが寄り添い、幸いがあると思うとわざわいがひそんでいる意。 類:禍福相倚(かふくそうい) 類:禍福相貫(かふくそうかん) 類:塞翁之馬(さいおうのうま) 類:禍福之転(かふくのてん) |
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517 | 時期外れの無用な事物のたとえ。 | [朮羹]艾酒・[藜杖]韋帯 [夏鑪]冬扇・[春蚓]秋蛇 |
◆3 | かろ | *『論衡-逢遇』 | 夏鑪冬扇/夏炉冬扇(かろとうせん) ★夏の火鉢と冬の扇のこと。 類:冬扇夏鑪(とうせんかろ) 類:六菖十菊(りくしょうじゅうぎく) |
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518 | 人の死を悼む言葉。 | 死生[契闊]・[誠惶]誠恐 [銜哀]致誠・[噬指]棄薪 |
◆3 | がんあい | *『韓愈-祭二十郎文』 | 銜哀致誠(がんあいちせい) ★「銜哀」は、哀しみをいだくこと。★「致誠」は、真心をささげる意。 「哀(アイ)を銜(フク)み誠(マコト)を致(イタ)す」 |
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519 | 文章の巧妙さを賞玩する。 | 烟波[縹渺]・[虎嘯]風烈 含英[咀華]・[束皙]竹簡 |
◆3 | しょか | *『韓愈-進学解』 | 含英咀華(がんえいしょか) ★「含英」は、美しいものをふくみ味わうこと。★「咀華」は、華の美しさを嚙みしめ味わうこと。 類:咀嚼英華(そしゃくえいか) 「英(エイ)を含み華(カ)を咀(クラ)う」 |
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520 | 天下の窮民無告の民。 | [孤陋]寡聞・篳門[閨竇] [鰥寡]孤独・[狷介]孤独 |
◆3 | かんか | *『孟子-梁恵王・下』 | 鰥寡孤独/矜寡孤独(かんかこどく) ★「鰥」は、老いて妻のない夫。 ★「寡」は、老いて夫のない妻。 ★「孤」は、みなしご。 ★「独」は、老いて子のない者のこと。 ★身寄りのない独り者の意。 |
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521 | 大望のために目前の辱めを忍ぶ。 | 顔厚[忸怩]・老驥[伏櫪] 怒猊[抉石]・韓信[匍匐] |
◆3 | ほふく | *『史記-淮陰侯伝』 | 韓信匍匐/韓信蒲伏(かんしんほふく) ★「韓信」は、漢の高祖劉邦の臣で名将。漢の建国に功があった。 ★「匍匐」は、腹ばいに進む意。 ★韓信が腹這いになって股下をくぐる意。 ★韓信が腹這いになって股下をくぐる意。 ★韓信が若いころ淮陰(ワイイン)の少年に蔑まれ、「お前は立派な長剣をぶらさげているが臆病風に吹かれているだけ。やれるものならそれで一突きしてみな。できないなら俺の股下をくぐれ」と言われた。韓信はじっと相手を見据えると、腹這いになって股下をくぐったという故事から。「韓信の股くぐり」という句で有名。 |
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522 | 平生の苦しみと楽しみをいう。 | 日常[坐臥]・[寒煖]饑飽 [惨憺]経営・[断薺]画粥 |
◆3 | かんだん | *『白居易-与微之書』 | 寒煖饑飽/寒暖饑飽(かんだんきほう) ★「饑飽」は、飢えることと食べ飽きること。 |
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523 | 人の真似をして己の本分を失する。 | 以杙[為楹]・[麪市]塩車 盧弓[盧矢]・[邯鄲]学歩 |
◆3 | かんたん | *『漢書-叙伝』 | 邯鄲学歩(かんたんがくほ) ★戦国燕(エン)の寿陵の一少年が、趙(チョウ)の都の邯鄲に行き、雅(ミヤビ)な歩きぶりを学んだが、習得できないうちに自分の物と歩き方を忘れてしまい、腹這いになって国に帰ったという故事。 「歩(ホ)を邯鄲に学ぶ」 類:邯鄲之歩(かんたんのほ/かんたんのあゆみ) |
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524 | 切れ目なく連なって進むこと。 | [銜尾]相随・[前仆]後継 断鶴[続鳧]・[封豕]長蛇 |
◆3 | かんび | *『漢書-匈奴伝・下』 | 銜尾相随(かんびそうずい) ★「銜尾」は、前を行く馬の尾をあとの馬がくわえること。 ★「相随」は、つきしたがって進む意。 類:銜尾相属(かんびそうぞく) 「銜尾(カンビ)相(アイ)随(シタガ)う」 |
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525 | 悪影響となるばかりで役立たない。 | 千孔[百瘡]・勧百[諷一] [舐糠]及米・宴安[酖毒] |
◆3 | ふういつ | *『漢書-司馬相如伝・賛』 | 勧百諷一(かんぴゃくふういつ) ★百の華美を勧めて一の節約を遠まわしにいさめる意で、無用なことばかり多くて、役に立つことが少ない意。 「百(ヒャク)を勧めて一(イツ)を諷(フウ)す」 |
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526 | 不審がられていることの隠喩。 | 疑雲[猜霧]・奴顔[婢膝] [霧鬢]風鬟・[朝齏]暮塩 |
◆3 | さいむ | *『木下尚江-火の柱』 | 疑雲猜霧(ぎうんさいむ) ★「疑」は、疑う心。 ★「猜」は、ねたむ心のこと。 ★ねたんだり疑ったりする周りの者の気持ちが、雲や霧がかかったように晴れないさまをいう。 |
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527 | ほんの一瞬の出来事。 | 翫歳[愒日]・[豁然]大悟 [光芒]一閃・[騏驥]過隙 |
◆3 | きき | *『荘子-盗跖』 | 騏驥過隙(ききかげき) ★「騏驥」は、一日に千里を走る駿馬のこと。 ★「過隙」は、戸の隙間の向こう側を駆け抜ける意。 類:白駒過隙(はっくかげき) 「騏驥(キキ)、隙(ゲキ)を過(ス)ぐ」 |
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528 | 大勢の人が賑やかに行き交うさま。 | 衆口[鑠金]・[熙熙]壌壌 無辺[無礙]・直往[邁進] |
◆3 | きき | *『史記-貨殖伝』 | 熙熙壌壌/熙熙攘攘(ききじょうじょう) ★「熙熙」は、喜び楽しむさま。 ★「壌壌」は、入り乱れるさま、また多いさま。 |
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529 | 不遇で世渡りに大変苦労すること。 | [崎嶇]坎軻・兎起[鳧挙] [輾転]反側・[樗櫟]散木 |
◆3 | きく | *『文天祥』 | 崎嶇坎軻(きくかんか) ★「崎嶇」は、山道が非常にけわしいこと。 ★「坎軻」は、不遇で志を得ない意。 |
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530 | 凄まじい気配が漂い迫り来るさま。 | 爬羅[剔抉]・豪放[磊落] [緊褌]一番・鬼哭[啾啾] |
◆3 | しゅうしゅう | *『杜甫-兵車行』 | 鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう) ★「鬼」は、亡霊。 ★「哭」は、声をあげて泣き悲しむこと。 ★「啾啾」は、しくしくと泣く泣き声の形容。 |
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531 | 取り越し苦労。 | 天歩[艱難]・[邑犬]群吠 [驢鳴]犬吠・[杞人]天憂 |
◆3 | きじん | *『烈士-天瑞』 | 杞人天憂(きじんてんゆう) ★「杞」は、中国、周時代の国名。 ★杞の国の人は亡国の民の子孫であり、常に心配の種がつきず、天が崩れ落ちたらどうしようと心配したという故事から。 類:呉牛喘月(ごぎゅうぜんげつ) 類:蜀犬吠日(しょくけんはいじつ) 類:懲羹吹膾(ちょうこうすいかい) 類:杞人之憂(きひとのうれい) 「杞人(キヒト)、天を憂う」 |
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532 | 私情を捨てて規律の公平さを保つ。 | 必求[壟断]・泣斬[馬謖] 枉法[徇私]・[阮簡]曠達 |
◆3 | ばしょく | *『三国志-蜀書・馬謖伝』 | 泣斬馬謖(きゅうざんばしょく) ★「馬謖」は、諸葛亮の部下の名。 ★全体の規律を守るために私情をはさまず規則に従い、愛する者、大切な者をすてさること。 ★諸葛亮が軍規に違反して敗北した信任厚い馬謖を、私情にとらわれず処刑したという故事から。 「泣いて馬謖(バショク)を斬る」 |
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533 | 災難に備えて予防線を張ること。 | 八面[六臂]・[金甌]無欠 桑土[綢繆]・[韋編]三絶 |
◆3 | ちゅうびゅう | *『詩経-豳風・鴟鴞』 | 桑土綢繆(そうどちゅうびゅう) ★「綢繆」は、固めふさぐ、つくろう意。 ★風雨が来る前に、鳥が桑の根(桑土)をとって巣の穴をふさぐことから。 類:綢繆牖戸(ちゅうびゅうゆうこ) 類:有備無患(ゆうびむかん) |
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534 | 次々と言葉が発せられること。 | 浮花[浪蕊]・[阿轆]轆地 仲連[蹈海]・[晨星]落落 |
◆3 | あろく | *『不明』 | 阿轆轆地/阿漉漉地(あろくろくじ) ★物事が滞ることなくうまく回転すること。また、次から次へと言葉が発せられること。 ★「阿」「地」は、ともに助字。 ★「轆轆」は、車が回転する形容で、車がくるくる回るように、停滞しないさまをいう語。 類:転轆轆地(てんろくろくじ) |
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535 | 要職や名望、貴重な物品のたとえ。 | 金塊[珠礫]・[九鼎]大呂 [鼎鐺]玉石・[大輅]椎輪 |
◆3 | きゅうてい | *『史記-平原君伝』 | 九鼎大呂(きゅうていたいりょ) ★「九鼎」は、夏の禹王が九州(中国全土)から銅を献上させて作った鼎(カナエ)。 ★「大呂」は、周王朝の太廟に供えた大きな鐘のこと。 ★「九鼎」と「大呂」ともに貴重なもののたとえ。 類:一言九鼎(いちげんきゅうてい) |
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536 | 過ぎた是正は却って逆効果である。 | [撥乱]反正・[牛溲]馬勃 [截鉄]斬釘・[矯枉]過直 |
◆3 | きょうおう | *『越絶書-越絶篇叙外伝記』 | 矯枉過直(きょうおうかちょく) ★「矯」は、曲がったものをまっすぐ直す意。 ★「枉」は、曲がる意。 ★曲がったものを直そうとして力を入れすぎて逆に方向に曲がる意。 類:矯角殺牛(きょうかくさつぎゅう) 類:矯枉過正(きょうおうかせい) 「枉(マガ)れるを矯(タ)めて直(ナオ)きに過(ス)ぐ」 |
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537 | 珍事や予期せぬ慶事のたとえ。 | [鴉雀]無声・[跫音]空谷 人跡[罕到]・黛蓄[膏渟] |
◆3 | きょうおん | *『荘子-徐無鬼』 | 跫音空谷(きょうおんくうこく) ★「跫音」は、足音の意。 ★「空谷」は、人けのない寂しい谷間のこと。 ★人けのない谷に響く足音の意で、予期せぬ来訪者やうれしい便りがあること。孤立しているときに同情者を得た場合に用いることもある。 類:空谷の跫音(くうこくのきょうおん) 類:空谷の足音(くうこくのそくおん) 類:空谷跫然(くうこくきょうぜん) |
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538 | 道徳が荒廃し、無秩序な世の中。 | 澆季[溷濁]・槁項[黄馘] [哭逵]泣練・[悖徳]没倫 |
◆3 | こんだく | *『夏目漱石-草枕』 | 澆季溷濁/澆季混濁(ぎょうきこんだく) ★「澆季」は、人情や風俗が軽薄になった時代・滅亡に近い世のこと。 ★「溷濁」は、けがれる、濁る意。 類:澆季末世(ぎょうきまっせ) 類:澆季之世(ぎょうきのよ) |
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539 | 全てに用心深くあるべきである。 | 一伍[一什]・[揣摩]臆測 [卑躬]屈節・[兢兢]業業 |
◆3 | きょうきょう | *『書経-皐陶謨』 | 兢兢業業(きょうきょうぎょうぎょう) ★「兢兢」は、恐れ慎むさま。 ★「業業」は、あやぶみ恐れるさま。 |
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540 | 質素な住居・生活のたとえ。 | 怨女[曠夫]・[尭階]三尺 牛糞[馬涎]・[煖衣]飽食 |
◆3 | ぎょうかい | *『汪遵-長城』 | 尭階三尺(ぎょうかいさんじゃく) ★中国の伝説上の聖王とされる尭の御殿は、土の階段で高さが三尺に過ぎなかったことから。君子の理想的な生活ぶりとされた。 類:土階三尺(どかいさんじゃく) 類:土階三等(どかいさんとう) |
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541 | 人の善言をよく聞き入れること。 | [老萊]斑衣・[驢鳴]犬吠 孫楚[漱石]・[尭鼓]舜木 |
◆3 | ぎょうこ | *『旧唐書-褚亮伝』 | 尭鼓舜木(ぎょうこしゅんぼく) ★「尭」は、尭帝。 ★「舜」は、舜帝。 ★中国の伝説上の聖王といわれる尭帝は、朝廷に太鼓を置き、自分を諫めようとする者にはこれを打たせ、同じく舜帝は木を立てて、これに自分に対する諫めの言葉を書かせたという故事から。 |
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542 | 欠かさず食事を取り体を大事にする。 | 徳性[涵養]・[侈衣]美食 [膏粱]子弟・[彊食]自愛 |
◆3 | きょうしょく | *『越絶書-越絶外伝記呉王占夢』 | 彊食自愛/強食自愛(きょうしょくじあい) ★「彊食」は、強いて食事をする意。 ★ |
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543 | 深く感動すること。 | 驚心[動魄]・[一擲]千金 雕文[刻鏤]・[嚆矢]濫觴 |
◆3 | どうはく | *『鍾エ-詩品・上』 | 驚心動魄(きょうしんどうはく) ★「魄」は、たましいのことで、人の死後、天に昇る「魂」に対して、地に残るたましいをいう。 ★心を驚かし、たましいを動かすような感動の意。 類:驚魂動魄(きょうこんどうはく) 「心を驚かし魄(タマシイ)を動かす」 |
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544 | 天下泰平の世。 | 尊皇[攘夷]・[殷鑑]不遠 尭年[舜日]・三世[一爨] |
◆3 | しゅんじつ | *『沈約-四時白紵歌・夏白紵』 | 尭年舜日(ぎょうねんしゅんじつ) ★「尭」と「舜」は、いずれも中国、古代伝説上の聖天子。 ★尭や舜が治めている年月の意。 類:尭天舜日(ぎょうてんしゅんじつ) 類:尭風舜雨(ぎょうふうしゅんう) |
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545 | 太平の世の形容。 | 尭風[舜雨]・[尭鼓]舜木 [三釁]三浴・三薫[三沐] |
◆3 | しゅんう | *『不明』 | 尭風舜雨(ぎょうふうしゅんう) ★「尭」と「舜」は、古代伝説上の聖天子。 ★尭帝や舜帝の恵みや恩沢を雨や風にたとえて言う語。 類:尭雨舜風(ぎょうふうしゅんぷう) 類:尭年舜日(ぎょうねんしゅんじつ) 類:尭天舜日(ぎょうてんしゅんじつ) 類:舜日尭年(しゅんじつぎょうねん) |
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546 | 根も葉もないことをでっち上げる。 | 深根[固柢]・[嚮壁]虚造 無病[呻吟]・疑雲[猜霧] |
◆3 | きょうへき | *『説文解字-叙』 | 嚮壁虚造(きょうへききょぞう) ★「虚造」は、ないものをむやみに作り出す意。 ★漢代に孔子の旧宅から出た古文(古い書体)の経書について当時の人が孔子の旧宅の壁に向かってむやみに偽造したものであると非難した語にもとづく。 |
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547 | 月のこと。 | 牝牡[驪黄]・光風[霽月] 玉兎[銀蟾]・環堵[蕭然] |
◆3 | ぎんせん | *『白居易-中秋月』 | 玉兎銀蟾/玉兔銀蟾(ぎょくとぎんせん) ★「玉兎」は、月にすむといううさぎ。 ★「銀蟾」は、月にすむというひきがえる。 ★それぞれが転じて月の意。 類:玉蟾金兎(ぎょくせんきんと) |
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548 | 無辺際に広がっている風景の形容。 | 風声[鶴唳]・万寿[無疆] 無辺[無礙]・虚無[縹渺] |
◆3 | ひょうびょう | *『白居易-長恨歌』 | 虚無縹渺/虚無縹緲/虚無縹眇(きょむひょうびょう) ★「縹渺」は、広々としたさま。また、辺際のはっきりしないさま。 類:神韻縹渺(しんいんひょうびょう) |
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549 | 求めていないものが得られるたとえ。 | 夏侯[拾芥]・魚網[鴻離] [得匣]還珠・[跫音]空谷 |
◆3 | こうり | *『詩経-邶風・新台』 | 魚網鴻離(ぎょもうこうり) ★「鴻」は、おおとり。雁の大きいもの。 ★「離」は、網にかかること。 ★魚を捕らえようと網を構えていたところに、大きな鳥がかかる意。 |
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550 | 内部から国家が潰乱するたとえ。 | [脣亡]歯寒・秋風[冽冽] [魚爛]土崩・甘井[先竭] |
◆3 | ぎょらん | *『陳琳-為曹洪与魏文帝書』 | 魚爛土崩(ぎょらんどほう) ★「魚爛」は、魚がくさること。 ★「土崩」は、積んだ土が崩れ落ちること。 類:土崩魚爛(どほうぎょらん) |
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551 | 身近な道理を遠くに求める愚かさ。 | 按図[索驥]・曲突[徙薪] [蜀犬]吠日・騎驢[覓驢] |
◆3 | べきろ | *『蘇軾-和黄竜清老三首・其三』 | 騎驢覓驢(きろべきろ) ★「覓」は、探し求めること。 ★驢馬に乗って驢馬を探し求める意からいう。 |
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552 | 至上の贅沢を尽くすたとえ。 | [玉蟾]金兎・[大羹]玄酒 玉石[同匱]・金塊[珠礫] |
◆3 | しゅれき | *『杜牧-阿房宮賦』 | 金塊珠礫(きんかいしゅれき) ★「塊」は、土くれ。 ★「礫」は、小石。 ★金を土くれと同じくみなし真珠などの宝石を小石のように無価値にみなす意。 類:鼎鐺玉石(ていそうぎょくせき) 故事:「金(キン)をば塊(カイ)のごとく珠(タマ)をば礫(コイシ)のごとくす」 |
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553 | 束の間の栄華。 | [華亭]鶴唳・[槿花]一朝 寸草[春暉]・[凋零]磨滅 |
◆3 | きんか | *『白居易-放言・詩』 | 槿花一朝(きんかいっちょう) ★むくげの花(槿花)が朝に咲いて、夕には散ることから。 類:槿花一日(きんかいちじつ) 「槿花(キンカ)一日(イチジツ)自(ミズカ)ら栄(エイ)を為(ナ)す」 |
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554 | 自分の思うままに人を扱うこと。 | [深讃浅掲・[逍遥]自在 [擒縦]自在・[洒掃]応対 |
◆3 | きんしょう | *『不明』 | 擒縦自在(きんしょうじざい) ★「擒縦」は、とりこにすることと、許して放つこと。 ★「自在」は、思いのままであること。 |
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555 | 外見が変われば当然怪しむだろう。 | 狗吠[緇衣]・円顱[方趾] 遅疑[逡巡]・[敝衣]蓬髪 |
◆3 | しい | *『韓非子-説林』 | 狗吠緇衣(くはいしい) ★「狗吠」は、犬が吠えること。また、その声。 ★「緇衣」は、黒色の衣服。 ★楊朱の弟の楊布が白衣で外出し雨にぬれ、黒衣に着替えて帰ると飼い犬が吠えたので、なぐろうとしたのを兄が制し、白犬が泥だらけで黒くなって戻ればお前も怪しむだろうといったという故事から。 「狗(イヌ)、緇衣(シイ)に吠(ホ)ゆ」 |
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556 | 偏狭な学識や経験。 | [宝篋]印塔・[甕牖]縄枢 偏袒[搤腕]・区聞[陬見] |
◆3 | すうけん | *『不明』 | 区聞陬見(くぶんすうけん) ★「区」は、小さい、こまごましていること。 ★「陬」は、かたよる意。 類:管窺蠡測(かんきれいそく) 類:坎井之蛙(かんせいのあ) 類:甕裡醯鶏(おうりけいけい) 類:管中窺豹(かんちゅうきひょう) 類:井蛙之見(せいあのけん) 類:井底之蛙(せいていのあ) |
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557 | 国主の深い恵みをたとえた語。 | 鳳凰[于飛]・君恩[海壑] [恍然]大悟・[九鼎]大呂 |
◆3 | かいがく | *『不明』 | 君恩海壑(くんおんかいがく) ★「壑」は、谷の意。 ★「海壑」は、海の意。 ★君主の恩は海や谷のように深いこと。 |
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558 | 利益ある所に人々が集まるたとえ。 | [渾崙]吞棗・群蟻[附羶] [封豕]長蛇・奴顔[婢膝] |
◆3 | ふせん | *『荘子-徐無鬼』 | 群蟻附羶/群蟻付羶(ぐんぎふせん) ★「羶」は、なまぐさいこと。またその肉。 ★蟻がなまぐさい獣肉に群がり集まること。 類:衆蟻慕羶(しゅうぎぼせん) 「群蟻(グンギ)羶(セン)に附(ツ)く」 |
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559 | 寺院における禁忌をいう。 | 玉肌[香膩]・[五蘊]皆空 鬱肉[漏脯]・[葷酒]山門 |
◆3 | くんしゅ | *『随筆-独寝・上-七六』 | 葷酒山門(くんしゅさんもん) ★「葷」は、にらやねぎなどのにおいの強い野菜。これに酒や肉類も禁じて山内が聖域であることを示した。 「葷酒(クンシュ)山門(サンモン)に入(イ)るを許さず」 |
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560 | 叛臣の家の形容。 | [荊棘]叢裏・甕裡[醯鶏] 孤影[孑然]・浮家[泛宅] |
◆3 | けいきょく | *『桃花扇-聴稗』 | 荊棘叢裏(けいきょくそうり) ★「荊棘」は、いばら。刺が多くあることから、障害になるもののたとえ。 ★いばらがうっそうと茂った中の意。 |
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561 | 皇族の子孫をいう。 | 妻子[眷族]・[瓊枝]玉葉 [轅門]二竜・[蘭摧]玉折 |
◆3 | けいし | *『蕭穎士-為揚州李長史賀立皇太子表』 | 瓊枝玉葉(けいしぎょくよう) ★「瓊」は、玉のこと。 ★「枝」と「葉」は、子孫の意。 類:金枝玉葉(きんしぎょくよう) 類:金枝花萼(きんしかがく) |
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562 | 才徳の備わった人のたとえ。 | 外孫[齏臼]・[三槐]九棘 [瓊枝]栴檀・[雪萼]霜葩 |
◆3 | けいし | *『秇林伐山-巻五・瓊枝栴檀』 | 瓊枝栴檀(けいしせんだん) ★「瓊枝」は、玉を生じるという木。 ★「栴檀」は、香木の名。白檀(ビャクダン)。 |
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563 | 世の中の流れに任せて暮らす。 | [対牀]風雪・[軽佻]浮薄 傾側[偃仰]・[攀轅]臥轍 |
◆3 | えんぎょう | えんこう | *『荀子-非相』 | 傾側偃仰(けいそくえんぎょう/けいそくえんこう) ★「傾側」は、かたむき世を随順すること。動いて定まりがないこと。 ★「偃仰」は、伏したり仰いだり寝たり起きたりすること。転じて、浮き沈みすること。 |
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564 | 相手に対して最敬礼すること。 | [厥角]稽首・泥首[銜玉] 馬鹿[慇懃]・[恐惶]敬白 |
◆3 | けっかく | *『孟子-尽心・下』 | 厥角稽首(けっかくけいしゅ) ★「厥」は、ぬかずくこと。 ★「角」は、額の骨。 ★「稽首」は、頭を地につけて礼をする意。 |
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565 | 練りに練って詩文を作ること。 | 滑稽[洒脱]・彫心[鏤骨] [断薺]画粥・月下[推敲] |
◆3 | すいこう | *『唐詩紀事-四十』 | 月下推敲(げっかすいこう) ★唐の詩人賈島(カトウ)が科挙(官吏登用試験)の受験のため都へのぼり、驢馬に乗って詩を作り、「僧は推す月下の門」とするか「僧は敲(タタ)く」としようか迷っているうちに、都知事の韓愈の行列にぶつかってしまった。部下は怒ったが、事情は話すと、韓愈は「それは敲くがよかろう」と意見を述べ、以来二人は親しくなったという故事から。 |
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566 | 情欲に溺れる前に引き返すこと。 | [前仆]後継・[前倨]後恭 懸崖[勒馬]・懸崖[撒手] |
◆3 | ろくば | *『閲微草堂筆記-一六』 | 懸崖勒馬(けんがいろくば) ★断崖で馬の手綱を引き絞って危うく落ちるのを防ぐの意から。 ★「懸崖」は、切り立つ崖。 ★「勒」は、押さえる、手綱を引き絞る。 「懸崖(ケンガイ)に馬(ウマ)を勒(オサ)う」 |
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567 | 人柄が大らかなたとえ。 | [鬼臉]嚇人・[阮簡]曠達 [阮籍]青眼・[紫髥]緑眼 |
◆3 | げんかん | *『蒙求-阮簡曠達』 | 阮簡曠達/阮簡昿達(げんかんこうたつ) ★「阮簡」は、晋の人で、竹林の七賢の一人阮咸(ゲンカン)の甥。 ★「曠達」は、心が広く細事にこだわらないこと。 ★阮簡は細事に拘らず、父の喪の最中に外出して、県令(県の長官)が別の人のために用意していた御馳走を食べ、得意に清談を行ったという故事から。 |
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568 | 非常に堅固なとりで。 | [銅駝]荊棘・厳塞[要徼] [道揆]法守・鬱塁[神荼] |
◆3 | ようきょう | *『不明』 | 厳塞要徼(げんさいようきょう) ★「塞」と「徼」は、とりでの意。 ★「厳」は、防備が厳重の意。 ★「要」は、かなめ、地勢が険しく守りのかたい地。 類:堅塞固塁(けんさいこるい) |
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569 | 鶴の別称。 | 黒白[混淆]・[垂翅]奮翼 玄裳[縞衣]・跂行[喙息] |
◆3 | こうい | *『蘇軾-赤壁賦』 | 玄裳縞衣(げんしょうこうい) ★「玄裳」は黒いもすそ(着物のすそ)。 ★「縞衣」は、白いうわぎのこと。 ★鶴の姿の形容。 |
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570 | 天地の果て。 | 開天[闢地]・乾端[坤倪] 万寿[無疆]・[梓匠]輪輿 |
◆3 | こんげい | *『韓愈-南海神廟碑』 | 乾端坤倪(けんたんこんげい) ★「乾」は、天。 ★「坤」は、大地。 ★「倪」は、限りの意。 ★天のはし、地の限りの意。 |
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571 | 戦いが勃発しそうな緊迫した情勢。 | 竜攘[虎搏]・干戈[倥偬] 気息[奄奄]・剣抜[弩張] |
◆3 | どちょう | *『法書要録・袁昂-古今書評』 | 剣抜弩張(けんばつどちょう) ★「弩」は、いしゆみ。ばねじかけで石や矢を遠くに飛ばす道具。 ★剣を抜き、石弓をひきしぼる意。 類:刀光剣影(とうこうけんえい) 類:一触即発(いっしょくそくはつ) 類:弩張剣抜(どちょうけんばつ) 「刃(ヤイバ)を抜き弩を張る」 |
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572 | 美しい文章のたとえ。 | [玄圃]積玉・曲突[徙薪] [束帛]加璧・[姸姿]艶質 |
◆3 | げんぽ | *『晋書-陸機伝』 | 玄圃積玉(げんぽせきぎょく) ★「玄圃」は、崑崙山にあるという仙人のすみか。 ★「積玉」は、積み重なった玉。 ★玄圃にあるという多くの珠玉。 |
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573 | 役人の宦官をいう。 | 黄衣[廩食]・[尸禄]素餐 [稗官]野史・狗尾[続貂] |
◆3 | りんしょく | *『資治通鑑-唐紀・玄宗開元元年』 | 黄衣廩食(こういりんしょく) ★「黄衣」は、宦官が着る服。 ★「廩食」は、官から支給される扶持米・俸禄の意。 ★宦官は去勢されて宮中に使える男。 |
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574 | 世の不平不正などに怒り嘆くこと。 | [慷慨]憤激・[縷縷]綿綿 拳拳[服膺]・[心悸]昂進 |
◆3 | こうがい | *『不明』 | 慷慨憤激(こうがいふんげき) ★「慷慨」と「憤激」は、憤りなげく意。 類:慷慨悲憤(こうがいひふん) 類:悲歌慷慨(ひかこうがい) 類:慷慨搤腕(こうがいやくわん) |
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575 | 不可思議なことで衆を惑わすこと。 | [篝火]狐鳴・[驢鳴]犬吠 言行[齟齬]・[邑犬]群吠 |
◆3 | こうか | *『史記-陳渉世家』 | 篝火狐鳴(こうかこめい) ★「篝火」は、かがり火。 ★秦末、陳勝が呉広とともに反乱の口火を切ったとき、民衆を味方につけるために呉広にかがり火をたき狐の鳴きまねをさせて「大楚(タイソ:陳勝らが名乗った国名)が興って陳勝が王となろう」と叫ばせた故事。 |
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576 | 自らの才能のために災いを招く。 | [禍棗]災梨・[敲氷]求火 被髪[纓冠]・[膏火]自煎 |
◆3 | こうか | *『荘子-人間世』 | 膏火自煎(こうかじせん) ★「膏」は、あぶら。 ★「煎」は、炒る、焼く意。 ★あぶらはなまじ灯火の用になるためにわが身を焼くことになるからいう。 類:山木自寇(さんぼくじこう) |
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577 | 男女が親しく愛し合うさま。 | 合歓[綢繆]・[珠聯]璧合 家鶏[野雉]・[巫馬]戴星 |
◆3 | ちゅうびゅう | *『島崎藤村-桜の実の熟する時・九』 | 合歓綢繆(ごうかんちゅうびゅう) ★「合歓」は、歓びをともにすること、男女が睦み合うこと。 ★「綢繆」は、まといつく、絡みつく意。 |
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578 | 意志が強く、正直で誠実なこと。 | 天真[爛漫]・剛毅[直諒] [誠惶]誠恐・[訥言]敏行 |
◆3 | ちょくりょう | *『不明』 | 剛毅直諒(ごうきちょくりょう) ★「剛毅」は、気性が強いこと。 ★「直諒」は、正しくてまごころがあること。 類:剛毅朴訥(ごうきぼくとつ) |
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579 | 詩文や韻律の美しい声調のたとえ。 | [笙磬]同音・[敲金]撃石 [璞玉]渾金・嘲風[哢月] |
◆3 | こうきん | *『韓愈-代張籍与李浙東書』 | 敲金撃石(こうきんげきせき) ★「金」は、鐘の類。 ★「石」は、磬(ケイ)の類。 ★ともに打楽器で、美しい声調をかなでることからいう。 ★もと韓愈が張籍の詩を金石の美しい音色のようにすぐれていると評した語。 類:吹竹弾糸(すいちくだんし) 類:敲金戛玉(こうきんかつぎょく) 「金(カネ)を敲(タタ)き石を撃(ウ)つ」 |
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580 | 月の輝きが果てまで照り渡るさま。 | 玉兎[銀蟾]・光陰[如箭] [皓月]千里・[咫尺]万里 |
◆3 | こうげつ | *『范仲淹-岳陽楼記』 | 皓月千里/皎月千里(こうげつせんり) ★「皓月」は、明るく輝く月、明月のこと。 |
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581 | 貧しい人々を庇護すること。 | [韜光]晦迹・為虎[傅翼] [鄭衛]桑間・[広廈]万間 |
◆3 | こうか | *『杜甫-茅屋為秋風所破歌』 | 広廈万間/広厦万間(こうかばんげん) ★「廈」は、家。 ★「万間」は、楹と柱の間が万もある大きな家。 ★杜甫が成都にいたころ、茅葺きの屋根が吹き飛ばされ「大きな家を手に入れて天下の貧しい人をみんなその中に住まわせともに喜び合いたいものだ」とうたった故事による。 「広廈千万間(コウカセンバンゲン)」 |
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582 | 高貴な人の乗り物をいう。 | 高車[駟馬]・[枉駕]来臨 [輿馬]風馳・宮車[晏駕] |
◆3 | しば | *『欧陽脩-相州昼錦堂記』 | 高車駟馬(こうしゃしば) ★「高車」は、高い蓋(ガイ:車のかさ)の車。 ★「駟馬」は、四島立ての馬車。 |
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583 | 将来を考えず一時の安楽に逃げる。 | 因循[苟且]・安閑[恬静] 苟且[偸安]・失魂[落魄] |
◆3 | とうあん | *『牧野富太郎-牧野富太郎自叙伝』 | 苟且偸安(こうしょとうあん) ★「苟」と「且」は、かりそめ・なおざりの意。 ★「偸安」は、目前の安楽をむさぼること、一時のがれをすること。 |
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584 | 長く手懐けることができないこと。 | [曠世]不羈・蓴羹[鱸膾] [銜哀]致誠・[恫疑]虚喝 |
◆3 | こうせい | *『文選・孫楚-為石仲容与孫皓書』 | 曠世不羈(こうせいふき) ★「曠世」は、久しくの意。 ★「不羈」は、なにものにも拘束されない意。 |
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585 | 土地が荒れやせていること。 | [銷鑠]縮栗・荒瘠[斥鹵] 形容[枯槁]・南郭[濫竽] |
◆3 | せきろ | *『蘇軾-答張文潜書』 | 荒瘠斥鹵(こうせきせきろ) ★「荒瘠」は、土地が荒れやせること。 ★「斥鹵」は、塩分を含んで荒れた土地。 類:黄茅白葦(こうぼうはくい) |
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586 | ふとした瞬間に閃きや悟りを得る。 | [光芒]一閃・[廓然]大公 君恩[海壑]・[恍然]大悟 |
◆3 | こうぜん | *『醒世恒言-二六』 | 恍然大悟(こうぜんたいご/こうぜんだいご) ★「恍然」は、われを忘れてうっとりするさま。 ★「大悟」は、仏教で煩悩を去り真理を悟ること。 |
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587 | 自由に議論して大股に歩くこと。 | 高談[闊歩]・百折[不撓] [七嘴]八舌・[汲汲]忙忙 |
◆3 | かっぽ | *『不明』 | 高談闊歩(こうだんかっぽ) ★「高談」は、盛んに議論すること。 ★「闊歩」は、大股に歩く、自由に歩く意から、自由で得意なさま。 |
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588 | 真心を尽くして目上の人に仕えること。 | [洒掃]応対・阮簡[曠達] [椿萱]並茂・[孝悌]忠信 |
◆3 | こうてい | *『孟子-梁恵王・上』 | 孝悌忠信/孝弟忠信(こうていちゅうしん) ★「孝悌」は、父母や目上の人に良く仕えること。 ★「忠信」は、真心をつくし、人を欺かない意。 類:忠信孝悌(ちゅうしんこうてい) |
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589 | 用心深いことのたとえ。 | 竹頭[木屑]・[狡兎]三窟 [杞人]天憂・懸崖[勒馬] |
◆3 | こうと | *『戦国策-斉策・閔王』 | 狡兎三窟(こうとさんくつ) ★「狡」は、ずるい、わるがしこい意。 ★「窟」は、穴のこと。 ★狡(ズル)い兎は三つの穴を持っていて危険から身を守るということ。 類:狡兎三穴(こうとさんけつ) |
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590 | 傑物も活躍の機を失えば無用となる。 | [対驢]撫琴・泣斬[馬謖] [膏火]自煎・[狡兎]良狗 |
◆3 | こうと | *『史記-淮陰侯伝』 | 狡兎良狗(こうとりょうく) ★「狡兎」は、すばしっこいうさぎ。 ★「良狗」は、かしこい犬。 ★すばしっこいうさぎが死ねばそれを追うかしこい犬も用なしとして煮て食われてしまうということから。 「狡兎死して良狗煮(ニ)らる」 |
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591 | 老人と子供のこと。 | 黄髪[垂髫]・頭童[歯豁] [尨眉]皓髪・白髪[青袗] |
◆3 | すいちょう | *『陶潜-桃花源記』 | 黄髪垂髫(こうはつすいちょう) ★「黄髪」は、老人の黄色をおびた白髪のこと。 ★「垂髫」は、子供のおさげ髪の意。 |
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592 | 天下を治める大切な政治道徳のこと。 | [雍也]論語・典謨[訓誥] 深文[巧詆]・洪範[九疇] |
◆3 | きゅうちゅう | *『書経-洪範』 | 洪範九疇(こうはんきゅうちゅう) ★「洪範」は、書経の篇名。 ★「九疇」は、殷の箕子(キシ)が、周の武王に答えた、天下を治める九種の大法のこと。 ★書経の洪範に記された政治道徳の九原則の意。 |
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593 | 手法を誤ると目的は達せられない。 | [敲氷]求火・洗垢[索瘢] 騎驢[覓驢]・[在邇]求遠 |
◆3 | こうひょう | *『大光明蔵経』 | 敲氷求火(こうひょうきゅうか) ★氷を敲(タタ)いて火をおこそうとする意。 類:縁木求魚(えんぼくきゅうぎょ) 類:煎水作氷(せんすいさくひょう) 「氷を敲(タタ)いて火を求む」 |
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594 | 勿体ぶって文語を用い学を衒う。 | 含英[咀華]・[咬文]嚼字 [馮異]大樹・[烏焉]魯魚 |
◆3 | こうぶん | *『顧棟高-春秋大事表・読春秋偶筆』 | 咬文嚼字(こうぶんしゃくじ) ★「咬」と「嚼」は、かむ意。 類:彫虫篆刻(ちょうちゅうてんこく) 「文(ブン)を咬(カ)み字を嚼(カ)む」 |
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595 | 瞬く間に事態が急変すること。 | [霹靂]閃電・崎嶇[坎軻] [騏驥]過隙・[光芒]一閃 |
◆3 | こうぼう | *『不明』 | 光芒一閃(こうぼういっせん) ★光線のように、一瞬ぴかりと光ることから。 ★「光芒」は、筋のように見える光のほさき、光線。 ★「一閃」は、ぴかりと光る意。 類:紫電一閃(しでんいっせん) |
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596 | 些細な違いが大きな誤りを齎す。 | [毫釐]千里・[皎月]千里 [騏驥]過隙・[舳艫]千里 |
◆3 | ごうり | *『礼記-経解』 | 毫釐千里(ごうりせんり) ★「毫」と「釐」は、ともにごく小さな数量の単位。転じて、ごくわずかの意。 類:差以千里(さいせんり) 「之(コレ)を毫釐(ゴウリ)に失すれば謬(アヤマ)るに千里を以(モッ)てす」 |
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597 | 富貴の家に生まれた者。 | [黄茅]白葦・[虎嘯]風生 [膏粱]子弟・[酒甕]飯囊 |
◆3 | こうりょう | *『天香楼偶得』 | 膏粱子弟(こうりょうしてい) ★「膏粱」は、脂ののった味の良い肉と味の良い穀物のことで、美食の意。転じて、富貴の家のこと。 類:公子王孫(こうしおうそん) 類:煖衣飽食(だんいほうしょく) 類:千金之子(せんきんのこ) |
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598 | 奇怪で恐ろしいもののたとえ。 | [豺狼]当路・[蛟竜]毒蛇 耆婆[扁鵲]・異類[無礙] |
◆3 | こうりょう | こうりゅう | *『不明』 | 蛟竜毒蛇(こうりょうどくだ/こうりゅうどくだ) ★「蛟竜」は、みずちと竜のこと。 ★「毒蛇」は、人に危害を与える毒を持った蛇のこと。 類:魑魅魍魎(ちみもうりょう) |
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599 | 栄耀を極めた者はより慎むべきだ。 | [垂涎]三尺・[濫竽]充数 後悔[噬臍]・[亢竜]有悔 |
◆3 | こうりょう | *『易経-乾』 | 亢竜有悔(こうりょうゆうかい) ★「亢竜」は、登りつめて得意な竜のこと。 ★いったん昇りつめてしまった竜はあとは残念ながら下るほかないという意から。 「亢竜(コウリョウ)悔い有り」 |
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600 | 現世のあらゆる事物に実体はない。 | [曠前]絶後・[五蘊]皆空 [哀矜]懲創・桃花[癸水] |
◆3 | ごうん | *『般若心経』 | 五蘊皆空(ごうんかいくう) ★「五蘊」は、人間を形成する五つの要素。色(シキ:肉体)・受(ジュ:感覚)・想(ソウ:想像)・行(ギョウ:意志)・識(シキ:判断)。 類:一切皆空(いっさいかいくう) |
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601 | 互いに反目し争うこと。 | 披荊[斬棘]・胡漢[陵轢] [瞋目]張胆・夷蛮[戎狄] |
◆3 | りょうれき | *『支那通史-総論』 | 胡漢陵轢(こかんりょうれき) ★「胡」は、北方または西方の異民族。 ★「漢」は、中国の漢民族。 ★「陵轢」は、ふみにじる、反目しあう意。 |
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602 | 全体は立派だが一部に問題がある。 | [隋珠]和璧・[冢中]枯骨 狐裘[羔袖]・[軽裘]肥馬 |
◆3 | こうしゅう | *『春秋左氏伝-襄公一四年』 | 狐裘羔袖(こきゅうこうしゅう) ★「狐裘」は、狐の毛で作った高価なかわごろも。 ★「羔袖」は、小羊の皮で作った安価な袖。 ★高価なかわごろもを着て立派に見えるが、袖が安価な小羊の皮では釣り合いがとれないの意。 類:山藪蔵疾(さんそうぞうしつ) 類:白璧の微瑕(はくへきのびか) 「狐裘にして羔袖す」 |
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603 | 取り越し苦労をするたとえ。 | 馬鹿[慇懃]・[以蠡]測海 呉牛[喘月]・[驢鳴]牛吠 |
◆3 | ぜんげつ | *『世説新語-言語』 | 呉牛喘月(ごぎゅうぜんげつ) ★「呉」は、中国南方の暑い土地。 ★呉の牛は暑さのあまり、月を見ても太陽だと思って喘いだということから。 類:蜀犬吠日(しょくけんはいじつ) 類:懲羹吹膾(ちょうこうすいかい) 「呉牛、月に喘(アエ)ぐ」 |
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604 | 貴人が執る国政の乱れていること。 | [膏粱]子弟・綢繆[牖戸] 入朝[不趨]・[狐裘]蒙戎 |
◆3 | こきゅう | *『詩経-邶風・旄牛』 | 狐裘蒙戎(こきゅうもうじゅう) ★「狐裘」は、狐の脇の下にある白い毛で作ったかわごろも。中国では古来高価なものとされ、貴人が身につけた。 ★「蒙戎」は、ものが乱れるさま。 ★高貴な人が着る狐のかわごろもの毛が乱れる意。 |
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605 | 親が生きているうちに孝行をせよ。 | 枯魚[銜索]・[黝堊]丹漆 [朝齏]暮塩・尭鼓[舜木] |
◆3 | かんさく | *『韓詩外伝-一』 | 枯魚銜索(こぎょかんさく) ★「銜索」は、縄に通すこと。 ★「枯魚」は、干した魚。 ★縄に通した干物の魚の意。 ★長持ちしそうですぐに虫に食われてしまうことから、健康そうに見える親でも寿命ははかないものであるから親孝行をすべきだということ。 「枯魚、索(ツナ)を銜(フク)む」 |
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606 | またとない好機。 | 家鶏[野鶩]・[跫音]空谷 [譎詭]変幻・[啐啄]同時 |
◆3 | そったく | *『碧巌録・一六』 | 啐啄同時(そったくどうじ) ★「啐」は、雛が孵化するとき、殻の中で鳴く声。 ★「啄」は、母鳥が外から殻をつっつくこと。 ★禅宗で師家と修行者が機を得て気持ちの相応ずることをいう。 |
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607 | 天子の崩御のたとえ。 | 因果[覿面]・落落[晨星] [枉駕]来臨・宮車[晏駕] |
◆3 | あんが | *『史記-范雎伝』 | 宮車晏駕(きゅうしゃあんが) ★「宮車」は、天子の車のこと。 ★「晏駕」は、晩に霊柩車でお出ましになること。 類:宮車晩駕(きゅうしゃばんが) |
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608 | すぐれた詩文のたとえ。 | [薏苡]明珠・鳳凰[銜書] [瓊枝]栴檀・[和羹]塩梅 |
◆3 | けいし | *『秇林伐山-巻五・瓊枝栴檀』 | 瓊枝栴檀(けいしせんだん) ★「瓊枝」は、玉を生じるという木。 ★「栴檀」は、香木の名。白檀(ビャクダン)。 |
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609 | 文章の字面にばかりこだわること。 | 刻鵠[類鶩]・咬文[嚼字] 一字[褒貶]・一筆[勾銷] |
◆3 | しゃくじ | *『顧棟高-春秋大事表・読春秋偶筆』 | 咬文嚼字(こうぶんしゃくじ) ★「咬」と「嚼」は、かむ意。 類:彫虫篆刻(ちょうちゅうてんこく) 「文(ブン)を咬(カ)み字を嚼(カ)む」 |
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610 | 豪傑が時機を得て奮起するたとえ。 | 被髪[佯狂]・[虎嘯]風生 [篝火]狐鳴・[曠世]不羈 |
◆3 | こしょう | *『北史-張定和伝論』 | 虎嘯風生(こしょうふうしょう) ★虎が嘯(ウソブ)いて風が激しく起こる意。 類:虎嘯風烈(こしょうふうれつ) 類:竜興致雲(りょうこうちうん) 「虎嘯(ウソブ)いて風(カゼ)生(ショウ)ず」 |
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611 | 絶えず忘れないこと。 | [寤寐]思服・[含飴]弄孫 [雕文]刻鏤・得魚[忘筌] |
◆3 | ごび | *『詩経-周南・関雎』 | 寤寐思服(ごびしふく) ★「寤寐」は、目覚めることと寝ること。 ★「思服」は、常に心に思って忘れない意。 「寤寐(ゴビ)に思服(シフク)す」 |
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612 | 入り乱れて明らかでないさま。 | 被髪[左袵]・轍乱[旗靡] [渾渾]沌沌・[三豕]渉河 |
◆3 | こんこん | *『孫子-兵勢』 | 渾渾沌沌/混混沌沌(こんこんとんとん) ★渾沌を強めた四字句。 類:曖昧模糊(あいまいもこ) |
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613 | 頓珍漢な受け答え。 | [蒟蒻]問答・[問鼎]軽重 応報[覿面]・[驢鳴]犬吠 |
◆3 | こんにゃく | *『夏目漱石-吾輩は猫である・九』 | 蒟蒻問答(こんにゃくもんどう) ★にわか住職になったこんにゃく屋の主人が旅僧に禅問答をしかけられ、口もきけず耳も聞こえないふりをしていると、旅僧は無言の行(ギョウ)ととりちがえ、敬服するという筋の落語の題名から。 |
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614 | 女性が自分より劣る人に嫁ぐこと。 | [驥服]塩車・怨女[曠夫] 彩鳳[随鴉]・為虎[傅翼] |
◆3 | ずいあ | *『劉将孫-沁園春』 | 彩鳳随鴉(さいほうずいあ) ★美しい色の鳳(オオトリ)が鴉(カラス)に嫁ぐ意。 類:随鴉彩鳳(ずいあさいほう) 「彩鳳(サイホウ)鴉(ア)に随(シタガ)う」 |
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615 | 水をたたえない農耕地。 | 七種[菜羹]・桑田[滄海] [豚蹄]穣田・菜圃[麦隴] |
◆3 | ばくろう | *『不明』 | 菜圃麦隴(さいほばくろう) ★「菜圃」は、野菜を植えた畑、菜園。 ★「麦隴」は、麦畑の意。 |
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616 | 進んで見識を広めようとすること。 | 鑿窓[啓牖]・[孤陋]寡聞 [婉娩]聴従・[恍然]大悟 |
◆3 | けいゆう | *『論衡-別通』 | 鑿窓啓牖(さくそうけいゆう) ★窓をあけて外光をたくさん探り入れる意から。 「窓を鑿(ウガ)ち牖(マド)を啓(ヒラ)く」 |
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617 | ただ漫然と時間を潰す。 | [佩韋]佩弦・為山[止簣] 造次[顚沛]・[蹉跎]歳月 |
◆3 | さた | *『不明』 | 蹉跎歳月(さたさいげつ) ★「蹉跎」は、よい時機を失うこと。 ★「歳月」は、年月の意。 類:翫歳愒日(がんさいかいじつ) 類:無為徒食(むいとしょく) 類:蹉跎白髪(さたはくはつ) |
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618 | 政界の最高幹部。 | [三槐]九棘・[棣華]増映 干戚[羽旄]・[瓊枝]栴檀 |
◆3 | さんかい | *『後漢書-寇栄伝』 | 三槐九棘(さんかいきゅうきょく) ★「三公」は、太師(タイシ)・太傅(タイフ)・太保(タイホ)。また、司馬・司徒・司空。 ★「九卿」は、少師・少傅・少保・冢宰(チョウサイ)・司徒・司空・司馬・司寇(シコウ)・宗伯(ソウハク)。 ★朝廷の庭に三本の槐(エンジュ)を植えて三公が位置し、その左右に九本の棘(イバラ)を植えて九卿が位置したことからいう。 類:槐門棘路(かいもんきょくろ) 類:公卿大夫(こうけいたいふ) 類:九棘三槐(きゅうきょくさんかい) |
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619 | 思索を巡らせて計画すること。 | 爬羅[剔抉]・[斟酌]折中 [蹈常]襲故・[惨憺]経営 |
◆3 | さんたん | *『杜甫-丹青引』 | 惨憺経営/惨澹経営(さんたんけいえい) ★「惨憺」は、心を悩ますこと。 ★「経営」は、あれこれ考えて営む意。 |
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620 | 毅然として決断するようす。 | [攀轅]扣馬・[矯枉]過直 斬釘[截鉄]・[翦草]除根 |
◆3 | せってつ | *『碧巌録・一四』 | 斬釘截鉄(ざんていせってつ)。 ★「斬」と「截」は、断ち切る意。 ★くぎや鉄を断ち切る意。 類:截鉄斬釘(せってつざんてい) 「釘(クギ)を斬り鉄(テツ)を截(タ)つ」 |
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621 | 贅沢のたとえ。 | 飛揚[跋扈]・[尸位]素餐 [侈衣]美食・流金[鑠石] |
◆3 | しい | *『呂氏春秋-精通』 | 侈衣美食(しいびしょく) ★贅沢な衣服と、おいしい食べ物の意。 類:玉杯象箸(ぎょくはいぞうちょ) |
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622 | 軍馬が牽く戦車が駆け巡る。 | 星火[燎原]・[四衢]八街 [風檣]陣馬・[駟介]旁旁 |
◆3 | しかい | *『詩経-鄭風・清人』 | 駟介旁旁(しかいほうほう/しかいぼうぼう) 鎧を装備した四頭立ての馬のひく戦車が戦場を駆け巡る。〈漢検四字熟語辞典〉 ★「駟介」は、四頭の鎧をつけた馬(馬車)の意。 ★「旁旁」は、駆け巡ってやまないさま。 |
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623 | 大通りの伸びる大市街。 | [三槐]九棘・[柳陌]花街 [駟介]旁旁・[四衢]八街 |
◆3 | しく | *『坪内逍遥-桐一葉』 | 四衢八街(しくはちがい) ★「衢」と「街」は、四方に通じる道・大通りのこと。 類:四通八達(しつうはったつ) |
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624 | 被害が拡大すること。 | 懲羹[吹膾]・桃弧[棘矢] [舐糠]及米・人跡[罕到] |
◆3 | しこう | *『史記-呉王濞伝』 | 舐糠及米(しこうきゅうまい) ★穀象虫(コクゾウムシ:米につく虫)<が外側の糠を舐めてしまうと次には中身の米を食うようになり、害を及ぼすことから。 故事:「糠(ヌカ)を舐(ネブ)りて米に及ぶ」 |
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625 | 礼をもって待遇しないたとえ。 | 附贅[懸疣]・玉石[同匱] [豕交]獣畜・[嗇夫]利口 |
◆3 | しこう | *『孟子-尽心・上』 | 豕交獣畜(しこうじゅうちく) ★「豕交」は、豚とみなして交わる。 ★「獣畜」は、獣とみなして養う。 |
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626 | 機嫌を取って利を得ることの揶揄。 | [螳臂]当車・[擲果]満車 [驥服]塩車・[舐痔]得車 |
◆3 | しじ | *『荘子-列禦寇』 | 舐痔得車(しじとくしゃ) ★中国宋の曹商(ソウショウ)が使者として秦に行き、秦王から大きな車を与えられて得意満面で帰国した。これを見た荘子が、「お前は痔疾を患っている秦王の患部を舐めて、その褒美として車を貰ったのだろう」と揶揄したという故事から。 「痔(ジ)を舐(ネブ)りて車を得(ウ)」 |
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627 | 安易なことでも力を尽くすべきだ。 | [蕩佚]簡易・獅子[搏兎] 八面[六臂]・剽疾[軽悍] |
◆3 | はくと | *『陸九淵-象山先生全集』 | 獅子搏兎(ししはくと) ★ライオン(獅子)は兎のような弱いものを捕えるときにも全力を出すということから。 「獅子(シシ)兎(ウサギ)を搏(ウ)つ」 |
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628 | 名高い上質の茶をたたえる言葉。 | 詩人[蛻骨]・歌功[頌徳] [鬢糸]茶烟・[禍棗]災梨 |
◆3 | ぜいこつ | *『不明』 | 詩人蛻骨(しじんぜいこつ) ★「蛻」は、ぬけがら、また、ぬけかわる意。 ★銘茶を飲むと詩人の骨をぬけかわらせる意。すぐれたお茶は詩人の感性までもすぐれたものに変えてしまうことをいう。 |
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629 | 努力して苦しむこと。 | [師曠]清耳・[齧指]痛心 [噬指]棄薪・死生[契闊] |
◆3 | けっかつ | けつかつ けいかつ |
*『詩経-邶風・撃鼓』 | 死生契闊/死生契濶(しせいけっかつ/しせいけつかつ) ★「契闊」は、つとめ苦しむこと、久しく会わないこと。 |
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630 | 落ち着かない態度をいう。 | [截髪]易酒・兎起[鶻落] 疾言[遽色]・烏兎[匆匆] |
◆3 | きょしょく | *『後漢書-劉寛伝』 | 疾言遽色(しつげんきょしょく) ★早口でしゃべり、あわてた顔つきををすること。 |
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631 | 驚いて平静を失うこと。 | 失魂[落魄]・驚心[動魄] [撼天]動地・酔眼[朦朧] |
◆3 | らくはく | *『不明』 | 失魂落魄(しっこんらくはく) ★「魂」は、天から受けた精神のたましい。 ★「魄」は、地から受けた肉体のたましい。 類:失魂喪魄(しっこんそうはく) 類:失神落魄(しっしんらくはく) 「魂を失い魄を落とす」 |
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632 | 艱難に遭って初めて真価が分かる。 | 疾風[勁草]・[雲烟]飛動 天歩[艱難]・[狂瀾]怒濤 |
◆3 | けいそう | *『後漢書-王覇伝』 | 疾風勁草(しっぷうけいそう) ★激しい風が吹いてはじめて強い草であることが分かるということから。 類:歳寒松柏(さいかんしょうはく) 「疾風に勁草を知る」 |
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633 | 時代が激しく変化するたとえ。 | [澆季]末世・[槿花]一朝 疾風[勁草]・疾風[怒濤] |
◆3 | どとう | *『杉亨二-明六雑誌・一〇号-真為政者の説』 | 疾風怒濤(しっぷうどとう) ★「疾風」は、速く吹く風。 ★「怒濤」は、逆巻く大波。 ★疾風や怒濤のように世の中が激しく変わることの形容。 ★十八世紀後半、ゲーテやシラーなどを中心にドイツで興った文学革新運動の訳語。Sturm_und_Drang(シュトゥルム_ウント_ドラング)。 類:狂瀾怒濤(きょうらんどとう) |
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634 | さっぱりしていて執着しないさま。 | 暴虎[馮河]・[砥柱]中流 [洒洒]落落・[秉燭]夜遊 |
◆3 | しゃしゃ | *『四河入海-五』 | 洒洒落落/灑灑落落(しゃしゃらくらく/さいさいらくらく) ★洒落(シャラク)という語を重ねて強調したもの。 類:軽妙洒脱(けいみょうしゃだつ) |
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635 | 仲間と別れて瞬く間に歳月が経った。 | 風雨[対牀]・秋風[索寞] [屋梁]落月・[聚散]十春 |
◆3 | しゅうさん | *『杜甫-別蔡著作詩』 | 聚散十春(しゅうさんじっしゅん) ★「聚散」は、人が集まったあとに離れること。 ★「十春」は、十年の意。 「聚散俄(ニワ)かに十春なり」 |
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636 | 規律も統制もない群衆。 | [豕交]獣畜・[獣聚]鳥散 南轅[北轍]・南橘[北枳] |
◆3 | じゅうしゅう | *『漢書-主父偃伝』 | 獣聚鳥散(じゅうしゅうちょうさん) ★獣のように聚(アツ)まり鳥のように散り行く意。鳥や獣は集まるのも散り行くにも無秩序なことからいう。 類:烏合之衆(うごうのしゅう) |
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637 | 自ら干渉せずただ眺めていること。 | 鶴立[企佇]・[眄視]指使 仰観[俯察]・袖手[旁観] |
◆3 | ぼうかん | *『韓愈-祭柳子厚文』 | 袖手旁観/袖手傍観(しゅうしゅぼうかん) ★ただ傍らで見ているだけで成り行きに任せる意。 ★「袖手」は、袖の中に手を入れていること。転じて、手をこまねいて何もしない意。 ★「旁観」は、傍らで見ていること。 類:拱手傍観(きょうしゅぼうかん) 類:旁観縮手(ぼうかんしゅくしゅ) |
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638 | 歳月を無為に過ごす人を罵る言葉。 | [濯纓]濯足・[魯魚]陶陰 [聚散]十春・[酒甕]飯囊 |
◆3 | しゅおう | *『晋書-左思伝』 | 酒甕飯囊(しゅおうはんのう) ★「酒甕」は、酒を入れる甕(カメ)。 ★「飯囊」は、飯を入れる袋。 ★人間もただ酒を飲むだけ、飯を食うだけでは酒甕(サケガメ)や飯袋と変わらない。そのような生き様の人を罵っていう言葉。 類:酒甕飯袋(しゅおうはんたい) 類:無芸大食(むげいたいしょく) |
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639 | 美しいもののたとえ。 | [蒹葭]玉樹・[珠襦]玉匣 [鼎鐺]玉石・[閻浮]檀金 |
◆3 | しゅじゅ | *『文選・任ム-為范尚書譲吏部封侯第一表』 | 珠襦玉匣(しゅじゅぎょっこう) ★「襦」は、腰までの短い衣服。 ★「匣」は、箱。 ★黄金の糸で珠玉を縫い合わせて作った短衣と玉を飾り付けた美しい箱の意。昔、帝王や諸侯など高貴な人の死を送るのに用いた。 |
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640 | 学問や研究に専念すること。 | 傾側[偃仰]・[菟糸]燕麦 墨痕[淋漓]・朱墨[爛然] |
◆3 | らんぜん | *『国朝漢学師承記・七』 | 朱墨爛然(しゅぼくらんぜん) ★勉強のために書籍に朱色の墨で入れた書き込みが、あざやかであるという意。 |
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641 | 並外れた贅沢のたとえ。 | [酒甕]飯囊・[舐糠]及米 [朮羹]艾酒・[漿酒]霍肉 |
◆3 | しょうしゅ | *『漢書-鮑宣伝』 | 漿酒霍肉(しょうしゅかくにく) ★「漿」は、沸かして冷ました水。また、濃漿(コンズ酢の一種)。 ★「霍」は、豆の葉で賤しい人の食べ物。 ★酒を水のように、肉を豆の葉のように見る意。 類:食前方丈(しょくぜんほうじょう) 「酒(サケ)を漿(ショウ)とし肉を霍(カク)とす」 |
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642 | 無駄なことを繰り返すたとえ。 | [畳牀]架屋・蓋瓦[級甎] 一箭[双雕]・[敝帚]千金 |
◆3 | じょうしょう | *『顔氏家訓-序致』 | 畳牀架屋(じょうしょうかおく) ★床の上に床を張り、屋根の下にさらに屋根を作る意。 類:屋上架屋(おくじょうかおく) 類:屋下架屋(おくかかおく) 類:牀上施牀(しょうじょうししょう) 「牀(ショウ)を畳(カサ)ね屋(オク)を架(カ)す」 |
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643 | 得意なようすをいう。 | 朱墨[爛然]・[攘臂]疾言 疾言[遽色]・狂言[綺語] |
◆3 | じょうひ | *『呂氏春秋-驕恣』 | 攘臂疾言(じょうひしつげん) ★「攘臂」は、腕をまくる、奮い立つこと。 ★「疾言」は、早口でしゃべること。また、その言葉。 ★腕まくりをして、早口にしゃべるこ。 |
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644 | 現世から超脱して仏果を得る。 | 採菓[汲水]・生滅[滅已] 天門[開闔]・万寿[無疆] |
◆3 | めつい | *『北本涅槃経・一四』 | 生滅滅已(しょうめつめつい) ★「生滅」は、生と死、生きることと死ぬこと。 ★「滅已」は、なくなること。滅び已(ヤ)む。 ★生滅の世界から超脱すること。すなわち、涅槃に入ること。 |
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645 | 世俗を離れて気儘に楽しむこと。 | [擒縦]自在・[逍遥]自在 酔歩[蹣跚]・[黜陟]幽明 |
◆3 | しょうよう | *『不明』 | 逍遥自在(しょうようじざい) ★「逍遥」は、ぶらつく意から、気ままに楽しむこと。 ★「自在」は、束縛や支障がなく思いのままである意。 類:採薪汲水(さいしんきゅうすい) 類:悠悠自適(ゆうゆうじてき) |
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646 | 科人が罰されず自由に生活している。 | [肉袒]負荊・[逍遥]法外 [尭階]三尺・[紫髥]緑眼 |
◆3 | しょうよう | *『不明』 | 逍遥法外(しょうようほうがい) 法律を犯した者が罰を受けないで自由に生活していること。〈漢検四字熟語辞典〉 ★「逍遥」は、ぶらつく、気儘に歩くこと。 ★「法外」は、法律の外の意。 ★法律の外側を自由気ままに歩くということから。 |
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647 | 無用の疑いを抱いて騒ぎ立てること。 | [霹靂]一声・風声[鶴唳] 騎驢[覓驢]・[蜀犬]吠日 |
◆3 | しょくけん | しょっけん | *『柳宗元-答韋中立論師道書』 | 蜀犬吠日(しょくけんはいじつ/しょっけんはいじつ) ★中国四川省の蜀の地は高山に囲まれ、雨や霧の日が多く、晴れの日が少なかった。そこで、この地の犬は太陽を見ると怪しんで吠えたという故事から。 類:呉牛喘月(ごぎゅうぜんげつ) 類:越犬吠雪(えっけんはいせつ) 類:吠日の怪しみ(はいじつのあやしみ) 「蜀犬(ショクケン)、日に吠(ホ)ゆ」 |
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648 | 賢者の言行を理解もせずに罵ること。 | [蜀犬]吠日・[越鳧]楚乙 [越俎]代庖・[諂佞]阿諛 |
◆3 | しょくけん | しょっけん | *『柳宗元-答韋中立論師道書』 | 蜀犬吠日(しょくけんはいじつ/しょっけんはいじつ) ★中国四川省の蜀の地は高山に囲まれ、雨や霧の日が多く、晴れの日が少なかった。そこで、この地の犬は太陽を見ると怪しんで吠えたという故事から。 類:呉牛喘月(ごぎゅうぜんげつ) 類:越犬吠雪(えっけんはいせつ) 類:吠日の怪しみ(はいじつのあやしみ) 「蜀犬(ショクケン)、日に吠(ホ)ゆ」 |
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649 | 身分は低いが口達者なこと。 | 枕経[藉書]・[宝篋]印塔 [七嘴]八舌・[嗇夫]利口 |
◆3 | しょくふ | *『史記-張釈之伝』 | 嗇夫利口(しょくふりこう) ★「嗇夫」は、下級役人のこと。 ★張釈之(チョウシャクシ)が、前漢の文帝の供をして虎圏(コケン:上林苑の中の動物園)に登ったとき、文帝が帳簿を調べ、管理者に疑問点をたずねたが、誰も答えられなかった。そのとき虎圏の嗇夫(雑役夫)がその質問に的確に答えたので、文帝がその男を上林苑の令(長官)に抜擢しようとしたが、張釈之の口先だけが巧みな嗇夫の昇進は天下の混乱のきっかけになるという諫めにより、嗇夫の登用を中止したという故事から。 |
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650 | ご馳走を食べること。 | [黄粱]一炊・[膏粱]子弟 [持粱]歯肥・[晏嬰]脱粟 |
◆3 | じりょう | *『史記-蔡沢伝』 | 持粱歯肥(じりょうしひ) ★「持粱」は、上等な食物の盛られた器を手に持つこと。粱は大粟(オオアワ)で、昔は上等な穀物。転じて上等な食べ物。米飯。 ★「歯」は、かむ、食べる意。 ★「肥」は、肥えた肉の意。 ★上等な食物を持った器を手に持ち肥えた肉を食べる意。 「粱を持して肥を歯(クラ)う」 |
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651 | 心が穏やかなら体も落ち着いて見える。 | 和気[藹藹]・心広[体胖] [渾然]一体・[昭穆]倫序 |
◆3 | たいはん | *『大学』 | 心広体胖(しんこうたいはん) ★「心広」は、心が広く大きいこと。 ★「胖」は、ゆたか、のびやかな意。 類:心寛体舒(しんかんたいじょ) 「心広く体(タイ)胖(ユタ)かなり」 |
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652 | 物事の基礎を堅固にするたとえ。 | 茅堵[蕭然]・[金甌]無欠 [緊褌]一番・深根[固柢] |
◆3 | こてい | *『老子-五九章』 | 深根固柢/深根固蔕(しんこんこてい) ★「根」と「柢」は、木の根のことで、物事の基本・基礎のたとえ。 ★木の根を深く強固なものにする意から。 類:根深柢固(こんしんていこ) 「根を深くして柢(テイ)を固くす」 |
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653 | 友人が次第にいなくなっていくこと。 | 生滅[滅已]・[晨星]落落 [杞人]天憂・廉頗[負荊] |
◆3 | しんせい | *『劉禹錫-送張盥赴挙序』 | 晨星落落(しんせいらくらく) ★「晨星」は、夜明けの空に残っている星のこと。 ★「落落」は、まばらで寂しいさま。 ★明け方の空に残っていた星が一つ一つ消えていく意。 類:落落晨星(らくらくしんせい) 「落落として晨星の相望むが如し」 |
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654 | 実際には何の役にも立たないもの。 | 塵飯[塗羹]・[彗氾]画塗 [琴棊]書画・家鶏[野雉] |
◆3 | とこう | *『韓非子-外儲説・左上』 | 塵飯塗羹(じんぱんとこう) ★子供のままごと遊びの塵(チリ)の飯と泥の羹(アツモノ:吸い物)の意。 類:塵羹土飯(じんこうとはん) |
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655 | 自らを奮い立たせること。 | [影駭]響震・深根[固蔕] 心悸[亢進]・[振臂]一呼 |
◆3 | しんぴ | *『李陵-答蘇武書』 | 振臂一呼(しんぴいっこ) ★「臂」は、ひじ、うで。 ★腕を振るい声を上げて自分を奮い立たせることをいう。 「臂(ヒ)を振るいて一呼する」 |
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656 | 助け合って成り立つ間柄のたとえ。 | [刮目]相待・[脣亡]歯寒 [晨星]落落・合歓[綢繆] |
◆3 | しんぼう | *『春秋左氏伝-哀公八年』 | 脣亡歯寒/唇亡歯寒(しんぼうしかん) ★脣(クチビル)がなくなると歯が寒くなる意から。 類:亡脣寒歯(ぼうしんかんし) 「脣亡びて歯寒し」 |
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657 | 大いに勇気を打ち振るうさま。 | [瞋目]張胆・披荊[斬棘] 秋風[凜冽]・[截断]衆流 |
◆3 | しんもく | *『史記-張耳・陳余伝』 | 瞋目張胆(しんもくちょうたん) ★「瞋目」は、目玉をむきだすこと。 ★「張胆」は、肝っ玉を大きくふくらますこと。 ★恐ろしい場面に直面しても、目を爛々と輝かし肝っ玉を据えて立ち向かうさま。 「目を瞋(イカ)らし胆を張る」 |
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658 | 無類の価値があるもののたとえ。 | [瓊楼]玉宇・[隋珠]和璧 連璧[賁臨]・呉市[吹簫] |
◆3 | ずいしゅ | *『淮南子-覧冥訓』 | 隋珠和璧/随珠和璧(ずいしゅかへき) ★中国春秋時代に、諸侯の隋侯(ズイコウ)に助けられた大蛇がお礼として持ってきた珠(タマ)と、楚(ソ)の卞和(ベンカ)が山で見つけた原石から作った璧(ヘキ:宝玉)のこと。ともに二つとない宝玉の意から。 類:和氏之璧(かしのへき) 類:隋珠和璧(ずいしゅかへき) 類:隋和之宝(ずいかのたから) 類:隋侯之珠(ずいこうのたま) 類:隋和之材(ずいかのざい) |
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659 | 貴婦人の寝室。 | 翠帳[紅閨]・三世[一爨] [隋珠]和璧・鳳凰[于飛] |
◆3 | こうけい | *『和漢朗詠-下・遊女』 | 翠帳紅閨(すいちょうこうけい) ★「翠帳」は、かわせみの羽で飾った緑色の美しい帳(トバリ)のこと。 ★「紅閨」は、赤く塗って飾った寝室の意。 |
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660 | 幼児と老人。 | 頭童[歯豁]・[厥角]稽首 白髪[青袗]・[垂髫]戴白 |
◆3 | すいちょう | *『十八史略-東漢・光武帝』 | 垂髫戴白(すいちょうたいはく) ★「垂髫」は、おさげ髪。転じて、幼児のこと。 ★「戴白」は、頭に白髪を戴くことで、老人の意。 類:垂髪戴白(すいはつたいはく) |
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661 | 遥か水平線の境目が一体に見えるさま。 | 海市[蜃楼]・[海闊]天空 水天[髣髴]・神仏[混淆] |
◆3 | ほうふつ | *『頼山陽-泊天草洋・詩』 | 水天髣髴/水天彷彿(すいてんほうふつ) ★「水天」は、水面と空のこと。 ★「髣髴」は、ぼんやりしてはっきりしない意。 類:水天一色(すいてんいっしょく) 類:水天一碧(すいてんいっぺき) |
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662 | きわめて容易なことのたとえ。 | [鞭辟]近裏・[史籒]大篆 塵飯[塗羹]・[彗氾]画塗 |
◆3 | すいはん | *『漢書-王褒伝』 | 彗氾画塗(すいはんがと) ★彗(ホウキ)で水たまりを掃き、刀で泥に線を引くこと。 |
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663 | 殊更に人の欠点や過失を暴くこと。 | 拾遺[補闕]・吹毛[求疵] [在邇]求遠・按図[索驥] |
◆3 | きゅうし | *『韓非子-大体』 | 吹毛求疵(すいもうきゅうし) ★皮膚に生えている毛を吹いて、隠れた疵(キズ)を探し出すこと。 類:披毛求瑕(ひもうきゅうか) 類:洗垢求瘢(せんこうきゅうはん) 類:吹毛の求め(すいもうのもとめ) 「毛を吹いて疵(キズ)を求む」 |
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664 | 余計な行為が却って自らを貶める。 | 吹毛[求疵]・[禽困]覆車 曾母[投杼]・危言[聳聴] |
◆3 | きゅうし | *『韓非子-大体』 | 吹毛求疵(すいもうきゅうし) ★皮膚に生えている毛を吹いて、隠れた疵(キズ)を探し出すこと。 類:披毛求瑕(ひもうきゅうか) 類:洗垢求瘢(せんこうきゅうはん) 類:吹毛の求め(すいもうのもとめ) 「毛を吹いて疵(キズ)を求む」 |
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665 | 手紙などの結句に用いて敬意を表す。 | [垂髫]戴白・[恐懼]感激 [銜哀]致誠・[誠惶]誠恐 |
◆3 | せいこう | *『韓愈-潮洲刺史謝上表』 | 誠惶誠恐(せいこうせいきょう) ★「誠惶」は、心からかしこまる。 ★「誠恐」は、心からおそれつつしむ意。 類:誠恐謹言(せいきょうきんげん) 「誠に惶(オソ)れ誠に恐る」 |
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666 | 母と子の気持ちが通じ合うこと。 | 雲雨[巫山]・[噬指]棄薪 死生[契闊]・妻子[眷族] |
◆3 | ぜいし | *『白孔六帖-孝・噬歯』 | 噬指棄薪(ぜいしきしん) ★後漢の蔡順(サイジュン)は、日頃から母に孝養を尽くしていた。蔡順が薪(タキギ)をとりに行った留守の間に来客があり、母親が困って自分の指を噬(カ)むと、その気持ちが蔡順に通じて、薪を捨てて帰ってきたという故事から。 類:齧指痛心(げっしつうしん) 「指を噬(カ)みて薪(タキギ)を棄(ス)つ」 |
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667 | 梅の異名。 | 詩人[蛻骨]・[金盞]銀台 魏紫[姚黄]・雪萼[霜葩] |
◆3 | そうは | *『不明』 | 雪萼霜葩(せつがくそうは) ★「萼」は、がく。つぼみのとき花弁(ハナビラ)を外側から包んでいるもの。うてな。 ★「葩」は、花の意。 ★雪や霜のように白く、雪や霜を凌いで咲くのでいう。 類:雪裏清香(せつりせいこう) 類:氷姿雪魄(ひょうしせっぱく) |
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668 | 遊里で芸者や遊女と遊ぶこと。 | [柳巷]花街・[飛絮]流花 窃玉[偸香]・折花[攀柳] |
◆3 | はんりゅう | *『内田魯庵-如是放語』 | 折花攀柳(せっかはんりゅう) ★「折花」は、花を手折ること。 ★「攀柳」は、柳の枝を引く意。 ★昔、色街には柳の木が植えられていたことから、遊里のことを「柳巷花街(リュウコウカガイ)」といい、そこで遊女と遊ぶ意に用いる。 |
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669 | 掌を返すように態度を変えて阿る。 | [阿轆]轆地・懸崖[勒馬] [前倨]後恭・禍福[倚伏] |
◆3 | ぜんきょ | *『史記-蘇秦伝』 | 前倨後恭(ぜんきょこうきょう) ★「倨」は、人をあなどること。 ★「恭」は、うやうやしくする意。 ★中国戦国時代の遊説家蘇秦が、諸国を巡った挙げ句すっかり貧乏になって故郷の洛陽に戻ったところ、妻や兄弟の家族が彼のことを馬鹿にした。のちに秦に対抗する六国の宰相となって戻ったところ、皆が目を伏せ、腰を低くして給仕をしたので、「どうして今度は恭しくするのか」と尋ねたところ、嫂(アニヨメ)が「あなたは位が高く、お金持ちだからです」と答えたという故事から。 「前(サキ)には倨(オゴ)りて後(ノチ)には恭(ウヤウヤ)し」 |
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670 | 数多くの障害や困難があること。 | 千朶[万朶]・千緒[万縷] 千巌[万壑]・千荊[万棘] |
◆3 | ばんきょく | *『徳冨蘆花-謀叛論』 | 千荊万棘(せんけいばんきょく) ★「荊」と「棘」は、いばらのことで、とげのある草木の総称。 ★いばらが非常に多い意から。 類:前途多難(ぜんとたなん) |
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671 | 物事は言い出した者から実行せよ。 | 先従[隗始]・蹇蹇[匪躬] 洪範[九疇]・[訥言]敏行 |
◆3 | かいし | *『史記-燕召公世家』 | 先従隗始(せんじゅうかいし) ★「隗」は、戦国時代の人、郭隗(カクカイ)のこと。 ★物事を始めるには、他人任せにしないで、まず自分が率先して始めることが重要であるということ。★戦国時代、燕(エン)の昭王が賢人を招こうと賓客の郭隗(カクカイ)に相談すると、隗は「まずこの隗から優遇し始めてご覧なさい。私のような愚かなものですら優遇されているのですから、私よりすぐれた賢人もたくさん集まって来るでしょう」と自薦した。昭王が進言の通り隗のために邸宅を新築して尊んだところ果たして多くの賢人が集まってきた故事から。 類:燕照築台(えんしょうちくだい) 「先(マ)ず隗(カイ)より始めよ」 |
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672 | 適正を欠いた賞罰。 | 天罰[覿面]・[僭賞]濫刑 爬羅[剔抉]・[猿猴]取月 |
◆3 | せんしょう | *『春秋左氏伝-襄公二六年』 | 僭賞濫刑/僣賞濫刑(せんしょうらんけい) ★「僭賞」は、分を越えた恩賞のこと。 ★「濫刑」は、むやみやたらに罰する意。 |
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673 | 多くの花が咲き乱れている形容。 | 千朶[万朶]・千緒[万縷] 千巌[万壑]・千荊[万棘] |
◆3 | ばんだ | *『杜甫-江畔独歩尋花』 | 千朶万朶(せんだばんだ) ★「朶」は、花のついた枝のこと。 ★多くの花がついた枝の意。 |
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674 | 民衆が貧困のきわみにあること。 | [毫釐]千里・上漏[旁風] [鑿歯]尺牘・千里[無烟] |
◆3 | むえん | *『三国志-魏書・衛覬伝』 | 千里無烟/千里無煙(せんりむえん) ★千里四方にわたって、食事の準備をする竈(カマド)の煙が立ち上らないという意から。 |
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675 | 物価の安定を図る方法をいう。 | [持粱]歯肥・菜圃[麦隴] 必求[壟断]・[賤斂]貴発 |
◆3 | せんれん | *『唐書-鄭c瑜伝』 | 賤斂貴発(せんれんきはつ) ★「斂」は、おさめる。買い入れる意。 ★「賤」は、安価。 ★「斂」は、集めること。 ★「貴」は、高価。 ★「発」は、出すこと。 ★物価が安い時に買い入れて、物価が高騰したときに安く売りだす物価安定策のこと。 類:賤斂貴出(せんれんきしゅつ) 類:賤買貴売(せんばいきばい) 「賤(セン)に斂(オサ)め貴(キ)に発(ハッ)す」 |
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676 | 民衆は君主の仁徳に靡く。 | [草偃]風従・[卑躬]屈節 [羊裘]垂釣・君恩[海壑] |
◆3 | そうえん | *『論語-顔淵』 | 草偃風従(そうえんふうじゅう) ★「偃」は、なびく意。 ★草は風が吹くと従い靡くということから。 類:君子徳風(くんしとくふう) |
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677 | 役立たない者を貶していう言葉。 | [走尸]行肉・[漿酒]霍肉 鬱肉[漏脯]・肉山[脯林] |
◆3 | そうし | *『安井息軒-三計塾記』 | 走尸行肉(そうしこうにく) ★走る尸(シカバネ)と歩く肉の意。 類:走肉行尸(そうにくこうし) |
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678 | 貧しい生活のたとえ。 | 千荊[万棘]・[漿酒]霍肉 [簇酒]斂衣・鑿窓[啓牖] |
◆3 | そうしゅ | *『雲仙雑記・四』 | 簇酒斂衣(そうしゅれんい) ★「簇酒」は、杯に一杯ずつ集めた酒のこと。 ★「斂衣」は、端切れを乞い集めて作った衣服のこと。 ★昔、辛洞(シントウ)という酒好きの男がいたがとても貧しかった。そこで彼は酒樽を持って人の家に行き、杯に一杯ずつの酒を貰っては酒樽に貯めて飲んだという。また、伊処士(イショシ)という者がいたがこれも貧しくて、人から端切れを貰っては継ぎ接ぎをして、それで衣服を作ったという故事から。 類:簇酒歛衣(そうしゅかんい) 類:粗衣粗食(そいそしょく) |
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679 | 赤子や幼児のようす。 | [晨夜]兼道・[走尸]行肉 塵飯[塗羹]・蚤寝[晏起] |
◆3 | あんき | *『礼記-内側』 | 蚤寝晏起(そうしんあんき) ★「蚤」は、夙に、早くの意。 ★「晏」は、遅くの意。 「蚤(ハヤ)く寝(イ)ね晏(オソ)く起(オ)く」 |
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680 | 嘘も重なると真実になるたとえ。 | 曽母[投杼]・家鶏[野鶩] [草偃]風従・[鄒衍]降霜 |
◆3 | とうちょ | *『戦国策-秦策』 | 曽母投杼(そうぼとうちょ) ★「曽母」は、曽参(ソウシン)の母のこと。曽参は春秋時代、魯の人で親孝行で知られ、「孝経」の作者ともいわれる。孔子の弟子。 ★曽参が費という村にいたとき同姓同名の人が人を殺した。曽参の母は「曽参が人を殺した」と告げられ、初めは信じなかったが三人目が告げに来ると織りかけの機(ハタ)を投げて飛び出した故事から。 類:曽参殺人(そうしんさつじん) 類:三人成虎(さんにんせいこ) 類:市虎三伝(しこさんでん) 類:聚蚊成雷(しゅうぶんせいらい) 類:浮石沈木(ふせきちんぼく) 類:衆口鑠金(しゅうこうしゃくきん) 「曽母(ソウボ)、杼(ヒ)を投(トウ)ず」 |
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681 | 珍しい来客を喜ぶ気持ちを表す言葉。 | [偃鼠]飲河・[屍山]血河 人跡[罕到]・足音[跫然] |
◆3 | きょうぜん | *『荘子-徐無鬼』 | 足音跫然(そくおんきょうぜん/そくいんきょうぜん) ★「跫然」は、人の歩く足音のさま。 ★人里離れた荒野で迷っている時に人の足音を聞いただけでほっと喜ぶことからいう。 |
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682 | 最高の礼物。 | [玄圃]積玉・[束帛]加璧 [珠聯]璧合・三徴[七辟] |
◆3 | そくはく | *『儀礼・聘礼』 | 束帛加璧(そくはくかへき) ★「束帛」は、束ねたきぬ。昔は十反(タン)を一束として礼物に用いた。 ★「璧」は、玉の意。 ★一束の帛の上に璧をのせる。 類:束錦加璧(そくきんかへき) |
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683 | 妻が堅く貞操を守ること。 | 栄諧[伉儷]・西狩[獲麟] 束髪[封帛]・縞衣[綦巾] |
◆3 | ふうはく | *『唐書-列女・賈直言妻董』 | 束髪封帛(そくはつふうはく) ★「束髪」は、髪を束ねること。 ★「封帛」は、白い練り絹で封じる意。 ★中国唐の賈直言(カチョクゲン)は、連座の罪で遠方に左遷されることになった。直言は若い妻に「私を待たないで、再婚するように」と言ったところ、妻は縄で髪を束ねて、「あなた以外の人にこの縄は解(ホド)かせない」という誓文を書いた帛(白い練り絹の布)を作り、夫に署名させたうえで束髪を封じた。それから二十年の後、罪をゆるされた直言が戻ると、妻は夫を待ち続けていたという故事から。 |
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684 | 小細工をせず鷹揚に筆を揮うこと。 | [麤枝]大葉・伯牙[絶絃] [旌旗]堂堂・[太羹]玄酒 |
◆3 | そし | *『朱子語類-七八』 | 麤枝大葉/粗枝大葉(そしたいよう) ★「麤枝」は、まばらな枝。 ★「大葉」は、大きな木の葉。 |
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685 | 兄弟の仲睦まじいことのたとえ。 | 朱脣[皓歯]・束髪[封帛] [大衾]長枕・[輾転]反側 |
◆3 | たいきん | *『蔡邕-協和婚賦』 | 大衾長枕(たいきんちょうちん) ★「衾」は、寝るときに体を覆うもの。夜着。掛け布団。 ★大きな夜着と長い枕。 ★もとは夫婦の仲睦まじいことを言ったが、唐の玄宗が兄弟仲よく寝られるように長い枕に大きな掛け布団を作ったことから兄弟の仲睦まじいことのたとえとして用いられるようになった。 類:長枕大被(ちょうちんたいひ) 類:唐明友悌(とうめいゆうてい) |
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686 | 残虐な為政者。 | [顚委]勢峻・王楊[盧駱] [楚囚]南冠・大桀[小桀] |
◆3 | しょうけつ | *『春秋左氏伝-宣公一五年』 | 大桀小桀(たいけつしょうけつ) ★「桀」は、夏(カ)の暴君桀王のこと。 類:大貉小貉(たいばくしょうばく) |
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687 | 形式的で面白味のない文章。 | [麤枝]大葉・[太羹]玄酒 大海[撈針]・[垂涎]三尺 |
◆3 | たいこう | *『新唐書-駱賓王伝』 | 太羹玄酒/大羹玄酒(たいこうげんしゅ) ★「太羹」は、味のついていない肉汁。 ★「玄酒」は、水の別名。太古、祭りのときに水を酒の代用としたところからいう。 |
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688 | 水面が淀んでいて静かなさま。 | 黛蓄[膏渟]・空谷[跫然] 水天[髣髴]・[長汀]曲浦 |
◆3 | こうてい | *『柳宗元-遊黄渓記』 | 黛蓄膏渟(たいちくこうてい) ★「渟」は、水などを深くたたえていること。 ★黛(マユズミ)を蓄え、膏(アブラ)をたたえたような静かな水面の意。 |
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689 | 野蛮な為政者。 | 狐裘[蒙戎]・尊皇[攘夷] [鬼臉]嚇人・大貉[小貉] |
◆3 | しょうばく | *『春秋公羊伝-宣公一五年』 | 大貉小貉(たいばくしょうばく) ★「貉」は、野蛮人のたとえ。 ★文化程度の低い野蛮人のような為政者のこと。 |
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690 | 治世には出仕し、乱世には隠棲する。 | [六鷁]退飛・[濯纓]濯足 大桀[小桀]・[束帛]加璧 |
◆3 | たくえい | *『楚辞-漁父』 | 濯纓濯足(たくえいたくそく) ★「濯」は、洗う、すすぐ意。 ★水が澄んでいれば纓(冠の紐)を洗い、水が濁っていれば汚れた足を洗うという意から。 ★「滄浪(ソウロウ)の水清(ス)まば以て吾(ワ)が纓(エイ)を濯(アラ)う可(ベ)し、滄浪の水濁(ニゴ)らば以て吾が足を濯う可し」 |
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691 | 条件が整っていると事を成し易い。 | 多銭[善賈]・先従[隗始] [蕭敷]艾栄・蚤寝[晏起] |
◆3 | ぜんこ | *『韓非子-五蠹』 | 多銭善賈(たせんぜんこ) ★「多銭」は、元手・資本がたくさんあること。 ★「善賈」は、良い商いをする意。 ★資本がたくさんある者は、有利に商売するということ。 類:多財善賈(たざいぜんこ) 類:長袖善舞(ちょうしゅうぜんぶ) 「多銭、善(ヨ)く賈(コ)す」 |
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692 | 安楽な暮らし。 | [恍恍]惚惚・[尭階]三尺 阿諛[苟合]・[煖衣]飽食 |
◆3 | だんい | *『孟子-滕文公・上』 | 煖衣飽食/暖衣飽食(だんいほうしょく) ★暖かい衣服を着て、腹いっぱいに食べられる生活。物質的になんの不足もない満ち足りた生活。 類:金衣玉食(きんいぎょくしょく) 類:錦衣玉食(きんいぎょくしょく) 類:豊衣足食(ほういそくしょく) 類:飽食煖衣(ほうしょくだんい) |
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693 | 貧苦に耐えて勉学する。 | 崎嶇[坎軻]・月下[推敲] [断薺]画粥・[蓴羹]鱸膾 |
◆3 | だんせい | *『書言故事』 | 断薺画粥(だんせいかくしゅく) ★「断薺」は、薺(ナズナ)を刻む意。 ★「画粥」は、固くなった粥を四つに切ること。 ★中国北宋の范仲淹(ハンチュウエン)は若いころ貧乏で、薺を刻んでおかずとし、冷えて固くなった粥を四つに切って、朝晩二つずつ食べるという生活をしながら、勉学に励んだという故事から。 類:蛍窓雪案(けいそうせつあん) 類:車胤聚蛍(しゃいんしゅうけい) 類:苦学力行(くがくりっこう) 類:蛍雪之功(けいせつのこう) |
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694 | 弁論の遠大高尚なことのたとえ。 | 雲遊[萍寄]・百折[不撓] 談天[雕竜]・蛙鳴[蟬噪] |
◆3 | ちょうりょう | ちょうりゅう | *『史記-孟子荀卿伝』 | 談天雕竜(だんてんちょうりょう/だんてんちょうりゅう) ★「談天」は、天を語ること。 ★「雕竜」は、竜を彫刻する意。 ★天を談ずるように気宇広大で、竜の彫り物のように見事なさまをいう。 ★中国、戦国時代斉(セイ)の騶衍(スウエン)がよく天象について弁じ、騶奭(スウセキ)がよく竜の文様を彫刻するように文章を飾ったことを、斉人が「談天衍、雕竜奭」と頌した故事から。 「天を談じて竜を雕(ホ)る」 |
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695 | 切れ切れで纏まりのない公報。 | [断薺]画粥・[断爛]朝報 [稗官]野史・瑣砕[細膩] |
◆3 | だんらん | *『宋史-王安石伝』 | 断爛朝報(だんらんちょうほう) ★「断爛」は、破れてぼろぼろになること。 ★「朝報」は、朝廷の報告書、記録の意。 |
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696 | 危険を冒して大きな利益を得る。 | [得隴]望蜀・[鏃礪]括羽 [一擲]千金・[探驪]獲珠 |
◆3 | たんり | *『荘子-列禦寇』 | 探驪獲珠(たんりかくしゅ) ★「驪」は、驪竜のこと。黒色の竜。この竜の頷下には珠玉があるとされる。 類:探驪得珠(たんりとくしゅ) 類:驪竜之珠(りりょうのたま) 類:頷下之珠(がんかのたま) 「驪(リ)を探(サグ)って珠(シュ)を獲(ウ)」 |
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697 | 戦略、陣容ともに整っていること。 | 中権[後勁]・[伏寇]在側 [越俎]代庖・大貉[小貉] |
◆3 | こうけい | *『春秋左氏伝-宣公一二年』 | 中権後勁(ちゅうけんこうけい) ★「中権」は、中央の軍に将軍がいて計略を巡らすこと。権は、はかりごと。 ★「後勁」は、後方にいる強い軍勢のこと。 「中(ナカ)は権(ケン)して、後(アト)は勁(ツヨ)し」 |
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698 | 高潔な節操をいう。 | 危言[覈論]・浮花[浪蕊] 中権[後勁]・仲連[蹈海] |
◆3 | とうかい | *『蒙求-仲連蹈海』 | 仲連蹈海(ちゅうれんとうかい) ★「仲連」は、中国戦国時代の斉の人。清廉で拘束を好まない性質で仕官しなかった。 ★「蹈海」は、海に身を投げて死ぬこと。 ★魯仲連(ロチュウレン)は趙(チョウ)の国に行き秦(シン)軍に囲まれたとき、秦は非道の国でそのような秦が帝となって天下を統一することがあれば、自分は潔く東海に身を投げて死んでしまおうと言った故事。 |
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699 | 正しい基準に則って人材を登用する。 | [井渫]不食・仲連[蹈海] 衆口[鑠金]・[黜陟]幽明 |
◆3 | ちゅっちょく | *『書経-舜典』 | 黜陟幽明(ちゅっちょくゆうめい) ★「黜陟」は、退けることと官位を引き上げること。 ★「幽明」は、暗愚と賢明の意。 ★暗愚な者を退け、賢明な者を登用するということから。 類:適材適所(てきざいてきしょ) 類:量才取用(りょうさいしゅよう) 類:量才録用(りょうさいろくよう) 「幽明を黜陟(チュッチョク)す」 |
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700 | ありふれた平凡な人のたとえ。 | [楚材]晋用・張王[李趙] [槐門]棘路・蒼蠅[驥尾] |
◆3 | りちょう | *『曲洧旧聞・七』 | 張王李趙(ちょうおうりちょう) ★張、王、李、趙はいずれも中国の姓のうち最もありふれたものであることから。 類:張三李四(ちょうさんりし) |
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701 | 忍耐強いが安楽を共にできない人相。 | 長頸[烏喙]・[燕頷]虎頸 醜悪[奸邪]・[恫疑]虚喝 |
◆3 | うかい | *『史記-越世家』 | 長頸烏喙(ちょうけいうかい) ★頸(クビ)が長く、口の尖った人相のこと。 ★范蠡(ハンレイ)がともに呉王夫差(ゴオウフサ)を破った越王勾践(エツオウコウセン)を評して言った言葉。 |
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702 | 非常に貧しいこと。 | [朝齏]暮塩・朝耕[暮耘] 冒雨[剪韮]・[狐裘]蒙戎 |
◆3 | ちょうせい | *『韓愈-送窮文』 | 朝齏暮塩(ちょうせいぼえん) ★「齏」は、なます、あえもの、漬け物、粗食。 ★朝に浅漬けの野菜を食べ、晩に塩を舐めるような生活のこと。 類:簞食瓢飲(たんしひょういん) 類:一汁一菜(いちじゅういっさい) 類:顔子一瓢(がんしいっぴょう) |
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703 | 豊年凶年に応じて売買する経済政策。 | 売官[鬻爵]・多銭[善賈] 国歩[艱難]・[糶糴]斂散 |
◆3 | ちょうてき | *『文献通考-市糴考』 | 糶糴斂散(ちょうてきれんさん) ★「糶散」は、米を放出すること。 ★「糴斂」は、米を買い集めること。 ★中国春秋時代、管仲(カンチュウ)に始まったという経済政策。 |
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704 | 無用の人物のたとえ。 | [大輅]椎輪・老驥[伏櫪] 毛骨[悚然]・[樗櫟]散木 |
◆3 | ちょれき | *『荘子-逍遥遊』 | 樗櫟散木(ちょれきさんぼく) ★「樗櫟」は、樗(オウチ)と櫟(クヌギ)で役に立たない木。 ★材木としては使えない樗と櫟の木の意。 ★略して「樗散(チョサン)」ともいう。 類:樗櫟之才(ちょれきのざい) 類:樗櫟庸材(ちょれきようざい) |
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705 | 俗事を避け物事の興趣を綽々と味わう態度。 | [樗櫟]散木・人生[羈旅] [低徊]趣味・潑墨[淋漓] |
◆3 | ていかい | *『高浜虚子-鶏頭・序』 | 低徊趣味/低回趣味/彽徊趣味(ていかいしゅみ) ★「低徊」は、思いに耽り、行きつ戻りつするさま。 ★世俗を離れて、余裕ある心で自然や芸術にひたる態度。 ★自然主義への反発から夏目漱石が高浜虚子の「鶏頭」の序文で唱えたもの。 |
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706 | 水面が澄み切って青々としたさま。 | [屍山]血河・空谷[跫然] 水天[髣髴]・[渟膏]湛碧 |
◆3 | ていこう | *『文徴明-玉女潭山居記』 | 渟膏湛碧(ていこうたんぺき) ★「渟」は、水が止まって流れないさま。 ★「湛碧」は、新緑色の水をたたえていること。 ★水が膏(アブラ)のように深く静かによどんで深緑色にたたえているさま。 「渟膏碧(ヘキ)を湛(タタ)う」 |
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707 | 謝罪降伏するときの儀礼。 | [喙長]三尺・[誠惶]誠恐 [恐惶]敬白・泥首[銜玉] |
◆3 | かんぎょく | *『後漢書-公孫述伝・論』 | 泥首銜玉(でいしゅかんぎょく) ★頭を土につけ、口に玉を含むこと。 |
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708 | 奢侈の甚だしい形容。 | [珠襦]玉匣・[賤斂]貴発 [鼎鐺]玉石・瑶林[瓊樹] |
◆3 | ていそう | ていとう | *『杜牧-阿房宮賦』 | 鼎鐺玉石(ていそうぎょくせき) ★「鼎」は、三足または四足で主に祭器として用いられ権威や高い位の象徴とされた。 ★「鐺」は、両耳三足の鼎(カナエ)の一種で、主に酒を温めるのに用いた。 ★宝物の鼎を日用の鍋のように使い、宝玉を石と同様にみなす意。 類:金塊珠礫(きんかいしゅれき) 「鼎(テイ)を鐺玉石」 |
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709 | 軍が敗れ潰えているさま。 | 轍乱[旗靡]・[渾渾]沌沌 [車胤]聚蛍・兵馬[倥偬] |
◆3 | きび | *『春秋左氏伝-荘公一〇伝』 | 轍乱旗靡(てつらんきび) ★「靡」は、しおれる、しなだれること。 ★兵車の轍(ワダチ)の跡が乱れ軍旗がしなだれる意。 類:喪旗乱轍(そうきらんてつ) 「轍(ワダチ)乱れ旗靡(ナビ)く」 |
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710 | この世。 | 開天[闢地]・仰天[不愧] 天宇[地廬]・[梓匠]輪輿 |
◆3 | ちろ | *『左思-魏都賦』 | 天宇地廬(てんうちろ) ★「天宇」は、天空。転じて、天下の意。 ★「地廬」は、地の廬(イオリ)。大地の意。 |
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711 | 天皇の側近くに伺候する。 | 轍乱[旗靡]・天顔[咫尺] [鸞翔]鳳集・天宇[地廬] |
◆3 | しせき | *『劉禹錫-望賦』 | 天顔咫尺(てんがんしせき) ★「天顔」は、天子の顔。 ★「咫尺」は、間近な距離のこと。咫は八寸。 「天顔に咫尺す」 |
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712 | 子が両親に尽くすべき心掛け。 | [夏鑪]冬扇・冬温[夏凊] [六菖]十菊・[聚散]十春 |
◆3 | かせい | *『礼記-曲礼・上』 | 冬温夏凊(とうおんかせい) ★「凊」は、涼しい意。 ★冬は温かく、夏は涼しくして、過ごしやすくしてあげる意から。 類:温凊定省(おんせいていせい) 類:扇枕温衾(せんちんおんきん) |
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713 | 素晴らしい才華のたとえ。 | [断爛]朝報・麟角[鳳嘴] 禹行[舜趨]・[騰蛟]起鳳 |
◆3 | とうこう | *『王勃-滕王閣序』 | 騰蛟起鳳(とうこうきほう) ★「騰蛟」は、天に踊り上がる蛟竜(コウリョウ:竜の一種で洪水を起こすことができるという伝説上の動物) ★「起鳳」は、飛び立つ鳳凰のこと。 |
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714 | 災いを取り除くこと。 | 亮遺[巾幗]・桃弧[棘矢] 百孔[千瘡]・[封豕]長蛇 |
◆3 | きょくし | *『春秋左氏伝-昭公四年』 | 桃弧棘矢(とうこきょくし) ★「桃弧」は、桃の木で作った弓。 ★「棘矢」は、棘(イバラ)の木で作った矢。 ★桃弧と棘矢は魔除けにしたことから。 |
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715 | 従来の習慣やきまりを守ること。 | 亮遺[巾幗]・[蹈常]襲故 中権[後勁]・仲連[蹈海] |
◆3 | とうじょう | *『蘇軾-伊尹論』 | 蹈常襲故(とうじょうしゅうこ) ★「蹈」は、従う、守る。 ★「襲」は、受け継ぐ、継ぐ意。 ★常道に従い古いしきたりを守る意から。 類:循常習故(じゅんじょうしゅうこ) 類:蹈常習故(とうじょうしゅうこ) 「常(ツネ)を蹈(フ)んで故(コ)を襲(オソ)う」 |
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716 | 兄弟が互いに反目し、相争うこと。 | [顚委]勢峻・桃傷[李仆] [騰蛟]起鳳・荊棘[銅駝] |
◆3 | りふ | *『海録砕事-人事・兄弟』 | 桃傷李仆(とうしょうりふ) ★「仆」は、倒れる、倒れ死ぬ、ころす意。 ★桃が傷つき、李(スモモ)が仆(タオ)れる意。 |
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717 | 節操を守り、義に殉じること。 | [蹈節]死義・[彦倫]鶴怨 自己[韜晦]・泥首[銜玉] |
◆3 | とうせつ | *『晋書-元帝紀』 | 蹈節死義(とうせつしぎ) ★「蹈節」は、節操を守ること。 ★「死義」は、正義のために死ぬ意。 「節を蹈(フ)んで義に死す」 |
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718 | 苦労を分かち合う親密な友人。 | 摩頂[放踵]・枕冷[衾寒] [同袍]同沢・[八紘]一宇 |
◆3 | どうほう | *『詩経-秦風・無衣』 | 同袍同沢(どうほうどうたく) ★「袍」は、綿入れ。 ★「沢」は、肌着。 ★一枚の綿入れや、肌着を貸したりして助け合うこと。衣服を共にする意から。 |
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719 | すばやいことのたとえ。 | 兎起[鳧挙]・筆力[扛鼎] 肥馬[軽裘]・[巫馬]戴星 |
◆3 | ふきょ | *『呂氏春秋-論威』 | 兎起鳧挙(ときふきょ) ★「鳧挙」は、鳧(カモ)がぱっと飛び上がる意。 「兎(ウサギ)起(タ)ち鳧(カモ)挙(ア)がる」 |
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720 | 悪しき物事の散らばっているさま。 | [蠹居]棊処・[騰蛟]起鳳 [螳臂]当車・[四衢]八街 |
◆3 | ときょ | *『韓愈-潮州刺史謝上表』 | 蠹居棊処/蠹居棋処(ときょきしょ) ★「蠹」は、きくいむし、衣服や書物を食べる虫。 ★木の芯を食う蠹(キクイムシ)が木におり、碁石が盤面に散らばるように悪人がいることのたとえ。 |
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721 | 恩知らずのたとえ。 | 得魚[忘筌]・[貪小]失大 [含飴]弄孫・桃傷[李仆] |
◆3 | ぼうせん | *『荘子-外物』 | 得魚忘筌(とくぎょぼうせん) ★「筌(ウエ)」は、水中に沈めて魚を取る竹製のかごのこと。簗(ヤナ)。 ★魚を捕ってしまうと、筌のことなど忘れてしまうという意から。 類:狡兎良狗(こうとりょうく) 類:鳥尽弓蔵(ちょうじんきゅうぞう) 類:得兎忘蹄(とくとぼうてい) 類:忘恩負義(ぼうおんふぎ) 「魚を得て筌(ウエ)を忘る」 |
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722 | 他と係わらず自己の所信で事に処する。 | 独立[不羈]・独学[孤陋] [鰥寡]孤独・[以杞]包瓜 |
◆3 | ふき | *『福沢諭吉-西洋事情・初』 | 独立不羈(どくりつふき) ★「独立」は、他人の束縛を受けないこと。 ★「不羈」は、自由に振る舞うこと。 類:独立独歩(どくりつどっぽ) 類:独立独行(どくりつどっこう) |
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723 | 有名無実のたとえ。 | 明察[秋毫]・虚融[澹泊] [敲氷]求火・[菟糸]燕麦 |
◆3 | とし | *『太平御覧-九九四・燕麦』 | 菟糸燕麦/兎糸燕麦(としえんばく) ★「菟糸」は、ねなしかずら。 ★「燕麦」は、からす麦。 ★菟糸は糸の字がついても織ることができず、燕麦は麦の字がついても食べることができない意。 類:兎葵燕麦(ときえんばく) |
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724 | 人の傲り、怒りのさまのたとえ。 | [敲金]撃石・[咄咄]怪事 拳拳[服膺]・突怒[偃蹇] |
◆3 | えんけん | *『柳宗元-鈷ヒ潭記』 | 突怒偃蹇(とつどえんけん) ★「突怒」は、激しく怒るさま。 ★「偃蹇」は、人のおごり高ぶるさま。 ★岩石がごつごつと突き出た様子を人が怒った姿、またおごり高ぶるさまにたとえたもの。 |
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725 | 平凡で取り柄がないという謙遜。 | [膏火]自煎・斗量[帚掃] [円顱]方趾・無辺[無礙] |
◆3 | そうそう | *『日本外史-源氏正記』 | 斗量帚掃(とりょうそうそう) ★「斗量」は、ますで量る意。 ★「帚掃」は、帚(ホウキ)で掃く意。 ★ますで量り、帚で掃き捨てるほどの、大したことはない人間の意。また、それほどたくさんあること。 |
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726 | 降伏し臣僕となることを請願する。 | [肉袒]牽羊・轍乱[旗靡] 抱関[撃柝]・毛骨[悚然] |
◆3 | にくたん | *『春秋左氏伝-宣公一二年』 | 肉袒牽羊(にくたんけんよう) ★「肉袒」は、肌脱ぎして上半身をあらわすこと。 ★「牽羊」は、料理人として仕える意。 ★肌脱ぎして謝罪し、羊を牽いて料理人として仕えようとする意から。 類:肉袒負荊(にくたんふけい) 「肉袒して羊を牽(ヒ)く」 |
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727 | 真心からの謝罪をするたとえ。 | 悽愴[流涕]・慧可[断臂] [驕兵]必敗・肉袒[負荊] |
◆3 | ふけい | *『史記-廉頗藺相如伝』 | 肉袒負荊(にくたんふけい) ★「袒」は、肌脱ぐ意。 ★「荊」は、いばらの鞭、罪人を打って罰する杖。 ★肌脱ぎして、笞刑(チケイ)に用いる荊(イバラ)の杖を背負い、これで打ってくれと謝罪の意を示すことから。 類:廉頗負荊(れんぱふけい) 類:肉袒面縛(にくたんめんばく) 「肉袒(ニクタン)して荊(ケイ)を負(オ)う」 |
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728 | 昼夜を徹して事を急ぐこと。 | [晨去]暮来・倍日[幷行] 肉袒[牽羊]・[訥言]敏行 |
◆3 | へいこう | *『史記-孫子伝』 | 倍日幷行(ばいじつへいこう) ★「倍日」は、二日分のこと。 ★「幷」は、合わせる意。 ★二日分の行程を一日で行くこと。 類:倍道兼行(ばいどうけんこう) 類:昼夜兼行(ちゅうやけんこう) 類:連日連夜(れんじつれんや) 「日(ヒ)を倍(バイ)して行(コウ)を幷(アワ)す」 |
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729 | 非道な醜行はそれ相応の報いがある。 | 醜悪[奸邪]・[婬虐]暴戻 悖入[悖出]・[于公]高門 |
◆3 | はいしゅつ | *『大学』 | 悖入悖出(はいにゅうはいしゅつ) ★「悖」は、背く、逆らう意。 「悖(モト)りて出(イ)づれば悖(モト)りて入(イ)る」 |
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730 | 文章が自在で非常に巧妙なこと。 | 波詭[雲譎]・四六[駢儷] 深文[巧詆]・[彗氾]画塗 |
◆3 | うんけつ | *『揚雄-甘泉賦』 | 波詭雲譎(はきうんけつ) ★「詭」と「譎」は、あやしい、あざむく意。転じて、人の目を奪い驚かす意。 ★波や雲のように自由自在に限りなく変化すること。 |
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731 | 母親の老衰に気付いて嘆くこと。 | 黄衣[廩食]・[伯兪]泣杖 [尨眉]皓髪・[鬼哭]啾啾 |
◆3 | はくゆ | *『説苑-建本』 | 伯兪泣杖/伯瑜泣杖(はくゆきゅうじょう) ★「伯兪」は、人の名。 ★「杖」は、むちのこと。 ★中国漢の韓伯兪(カンハクユ)は孝心が厚い人であったが、あるとき過ちをおかして母に鞭打たれた。ところが少しも痛くないので、老母の力を衰えを知って泣いたという故事から。 「伯兪(ハクユ)、杖に泣く」 |
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732 | 不安が解消され先行きに希望が持てること。 | 歓喜[抃舞]・倍日[幷行] 浮雲[翳日]・[撥雲]見日 |
◆3 | はつうん | *『晋書-楽広伝』 | 撥雲見日(はつうんけんじつ) ★「撥」は、はねのける意。 ★立ちこめていた暗雲が払いのけられて光明が差し、前途に希望が持てるようになるさまをいう。 類:撥雲見天(はつうんけんてん) 類:開運見日(かいうんけんじつ) 「雲を撥(ヒラ)き日を見る」 |
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733 | 険しい陸路の旅を行く。 | [低徊]趣味・[撥雲]見日 [跋山]渉水・天歩[艱難] |
◆3 | ばつざん | *『能改斎漫録』 | 跋山渉水(ばつざんしょうすい) ★「跋山」は、山を越えること。 ★「渉水」は、川を渡ること。 「山を跋(フ)み水を渉(ワタ)る」 |
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734 | 戦乱を平らげ、治世に返す。 | 以鼠[為璞]・[矯枉]過正 [槃根]錯節・[撥乱]反正 |
◆3 | はつらん | *『春秋公羊伝-哀公一四年』 | 撥乱反正(はつらんはんせい) ★「撥」は、治めること。 ★「反」は、返す意。 「乱(ラン)を撥(オサ)めて正に反(カエ)す」 |
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735 | 無礼のかたちをいう。 | 局天[蹐地]・[跛立]箕坐 [祗管]打坐・結跏[趺坐] |
◆3 | はりゅう | *『礼記-曲礼・上』 | 跛立箕坐(はりゅうきざ) ★「跛」は、かたよる、片足で立つ。 ★「箕」は、箕(ミ)という笊(ザル)の一種で、両足を投げ出したさまがそれに似ているのでいう。 ★片足で立ったり、足を投げ出して座ったりする意。 |
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736 | 英明な人物に仕えて功名を立てる。 | 為虎[傅翼]・[攀竜]附驥 烈士[徇名]・[阿諛]追従 |
◆3 | はんりょう | はんりゅう | *『三国志-呉書・呉主権伝-注』 | 攀竜附驥(はんりょうふき/はんりゅうふき) ★「攀」は、すがりつく。 ★「驥」は、一日に千里を走るという名馬。 ★竜に掴まり、驥につき従う意。 類:攀竜附鳳(はんりょうふほう) 「竜に攀(ヨ)じ驥に附(ツ)く」 |
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737 | 権力者に追従して手柄を立てる。 | [攀轅]臥轍・[攀竜]附鳳 折花[攀柳]・攀轅[扣馬] |
◆3 | はんりょう | はんりゅう | *『漢書-叙伝・下』 | 攀竜附鳳(はんりょうふほう/はんりゅうふほう) ★「攀」は、つかまる、すがりつく意。 ★竜につかまり、鳳凰にしがみつく意。 類:攀竜附驥(はんりょうふき) 「竜に攀(ヨ)じ鳳(ホウ)に附(ツ)く」 |
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738 | 美人の艶めかしい色目や流し目。 | [姸姿]艶質・蛾眉[皓歯] [眄視]指使・[媚眼]秋波 |
◆3 | びがん | *『幼学瓊林-巻二・身体類』 | 媚眼秋波(びがんしゅうは) ★「媚眼」は、なまめかしい目つき。 ★「秋波」は、秋の澄んだ波の意から、美人の澄んだ目。転じて、色目、流し目の意。 |
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739 | 操を曲げて人に媚び諂うさま。 | [兢兢]業業・[媚眼]秋波 [慇懃]尾籠・[卑躬]屈節 |
◆3 | ひきゅう | *『文明小史-第三〇回』 | 卑躬屈節(ひきゅうくっせつ) ★「卑躬」は、腰を屈めて頭を垂れること。 ★「屈節」は、自分の主義主張を曲げる意。 類:卑躬屈膝(ひきゅうくっしつ) 類:阿諛追従(あゆついしょう) 「躬(ミ)を卑(イヤ)しくし節(セツ)を屈(クッ)す」 |
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740 | 後から後から続いて絶えないさま。 | 狗尾[続貂]・比肩[随踵] [脣歯]輔車・摩頂[放踵] |
◆3 | ずいしょう | *『韓非子-難勢』 | 比肩随踵(ひけんずいしょう) ★「比肩」は、肩を並べる意から、人の多いこと。 ★「随踵」は、踵(カカト)を接して続くこと。 類:摩肩接踵(まけんせっしょう) 類:揮汗成雨(きかんせいう) 類:比肩継踵(ひけんけいしょう) 類:比肩接踵(ひけんせっしょう) 「肩を比(ナラ)べ踵(カカト)に随(シタガ)う」 |
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741 | 当て所もなく辛苦する女性のたとえ。 | [飛絮]漂花・窃玉[偸香] [顚沛]流浪・桃花[癸水] |
◆3 | ひじょ | *『不明』 | 飛絮漂花(ひじょひょうか) ★「飛絮」は、風に飛び交う柳の花。あてもなく漂うさまにたとえる。絮は、柳の花を綿(ワタ)にたとえたもの。 ★「花」は、女性を象徴したもの。 類:飛絮流花(ひじょりゅうか) |
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742 | 高貴で富裕なこと。 | 簇酒[斂衣]・肥馬[軽裘] 狐裘[羔袖]・篳路[藍縷] |
◆3 | けいきゅう | *『論語-雍也』 | 肥馬軽裘(ひばけいきゅう) ★「肥馬」は、肥えた立派な馬のこと。 ★「軽裘」は、軽くて高級な裘(カワゴロモ)の意。 ★略して「軽肥」ともいう。 「肥馬に乗り、軽裘を衣(キ)る」 |
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743 | 蛮習をいう。 | 円頂[緇衣]・被髪[左袵] 夷蛮[戎狄]・被髪[纓冠] |
◆3 | さじん | *『論語-憲問』 | 被髪左袵/被髪左衽(ひはつさじん) ★「被髪」は、髪を結ばないで振り乱したさま。 ★「左袵」は、着物を左前に着ること。普通と逆の着方。 類:被髪文身(ひはつぶんしん) 類:黒歯彫題(こくしちょうだい) |
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744 | 短所や欠点が数多くあること。 | 百孔[千瘡]・百様[玲瓏] 百骸[九竅]・一髪[千鈞] |
◆3 | せんそう | *『韓愈-与孟簡尚書書』 | 百孔千瘡/百孔千創(ひゃっこうせんそう) ★「百孔」は、百の穴。 ★「千瘡」は、千の傷。 類:満身創痍(まんしんそうい) 類:千瘡百孔(せんそうひゃっこう) 類:千孔百瘡(せんこうひゃくそう) 類:満身創痍(まんしんそうい) |
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745 | 清雅な文具。 | 零絹[尺楮]・孫楚[漱石] [氷甌]雪椀・[潑墨]淋漓 |
◆3 | ひょうおう | *『范成大-次韵甄云卿晚登浮丘亭』 | 氷甌雪椀(ひょうおうせつわん) ★「氷甌」は、氷の甌(カメ)。 ★「雪椀」は、雪の椀の意。 |
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746 | 趣味や道楽にのめり込むたとえ。 | [趨炎]附熱・夜雨[対牀] [垂涎]三尺・病入[膏肓] |
◆3 | こうこう | *『春秋左氏伝-成公一〇年』 | 病入膏肓(びょうにゅうこうこう) ★「膏」は、心臓の下の部分。 ★「肓」は、横隔膜の上の部分。 ★膏肓ともに治療しにくい場所とされる。 ★中国春秋時代、晋(シン)の景公が、自分を苦しめている病魔が二竪子(ニジュシ:二人の子供)になってあらわれ、名医も治療できない膏の下、肓の上に隠れた夢を見た。その後医者が到着して診察すると、病根が膏の下と肓の上に入ってしまっているから治療できないと言ったという故事から。 類:膏肓之疾(こうこうのしつ) 類:膏肓之病(こうこうのやまい) 「病(ヤマイ)、膏肓(コウコウ)に入(イ)る」 |
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747 | 謙虚で慎ましい人のたとえ。 | 痩身[矮軀]・氷甌[雪椀] 粗衣[糲食]・[馮異]大樹 |
◆3 | ふうい | *『蒙求-馮異大樹』 | 馮異大樹(ふういたいじゅ) ★「馮異」は、後漢の将軍。 ★馮異は謙譲の徳を持ち、諸将が手柄話をする時はいつも大樹の下に遠のいていたので、軍中では彼のことを大樹将軍とあだ名されたという。 |
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748 | 兄弟相会する。 | [牽攣]乖隔・風雨[対牀] 風雨[淒淒]・左提[右挈] |
◆3 | たいしょう | *『蘇軾』 | 風雨対牀(ふううたいしょう) ★「牀」は、床に同じ。 ★兄弟が床を並べて夜の雨音を互いに心静かに聞く意から転じた。 ★唐の韋王物(イオウブツ)の詩に「風雪夜」「対牀眠」の語があり、北宋の蘇軾がその趣旨を変えず語句を変えて、別れて来た弟の蘇轍(ソテツ)に送った詩の中に用いた。 |
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749 | 苦労して勤しむこと。 | [対牀]風雪・[三釁]三浴 霧鬢[風鬟]・風鬟[雨鬢] |
◆3 | うびん | *『李朝威-柳毅伝』 | 風鬟雨鬢(ふうかんうびん) ★「鬟」は、わげ、頭の上に束ね輪にした髪形。 ★「鬢」は、びん、耳際の髪の毛。 ★風にくしけずり雨に洗われる。髪の毛を風雨に晒す意。 |
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750 | 性情鋭くして人と和合せず。 | 風岸[孤峭]・燕頷[虎頸] 偸合[苟容]・蜂目[豺声] |
◆3 | こしょう | *『続通鑑綱目-二三』 | 風岸孤峭(ふうがんこしょう) ★「風岸」は、性質が角立って人と融和しないこと。 ★「孤峭」は、性質が険しく世間から孤立すること。 類:頑迷固陋(がんめいころう) 類:狷介孤高(けんかいここう) |
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751 | 見当違いの無理な望み。 | [旱天]慈雨・[在邇]求遠 [敲氷]求火・騎驢[覓驢] |
◆3 | こうひょう | *『大光明蔵経』 | 敲氷求火(こうひょうきゅうか) ★氷を敲(タタ)いて火をおこそうとする意。 類:縁木求魚(えんぼくきゅうぎょ) 類:煎水作氷(せんすいさくひょう) 「氷を敲(タタ)いて火を求む」 |
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752 | 悪人の政治で世が暗くなるたとえ。 | 奉頭[鼠竄]・往事[渺茫] 浮雲[翳日]・[撥雲]見日 |
◆3 | えいじつ | *『孔融-臨終・詩』 | 浮雲翳日(ふうんえいじつ) ★「翳」は、覆い隠す。 ★浮雲が日光を遮るという意。 「浮雲(フウン)日(ヒ)を翳(オオ)う」 |
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753 | 常に用心深くあるべきだという戒め。 | 中権[後勁]・破戒[無慙] [寤寐]思服・[伏寇]在側 |
◆3 | ふくこう | *『管子-君臣・下』 | 伏寇在側(ふくこうざいそく) ★「伏寇」は、隠れている盗賊のこと。 ★「在側」は、すぐ側にいるという意。 「牆(カキ)に耳あり、伏寇側(カタワ)らに在(ア)り」 類:油断大敵(ゆだんたいてき) |
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754 | 無用の長物のたとえ。 | 群蟻[附羶]・[豕交]獣畜 附贅[懸疣]・[蜿蜒]長蛇 |
◆3 | けんゆう | *『荘子-騈拇』 | 附贅懸疣/付贅懸疣/附贅県疣/付贅県疣/附贅懸肬/付贅懸肬/附贅県肬/付贅県肬(ふぜいけんゆう) ★「贅」と「疣」は、こぶ・いぼの意。 ★ひっついているこぶや、引っかかっているいぼの意から。 |
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755 | 非常にけしからぬこと。 | [不埒]千万・附贅[懸疣] 浮雲[翳日]・剽疾[軽悍] |
◆3 | ふらち | *『東京朝日新聞-明治三七年・一二月三一日』 | 不埒千万(ふらちせんばん) ★「不埒」は、けしからぬこと。不届きなこと。 ★「千万」は、形容詞などの下につけて「この上なく、甚だしく」の意。 |
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756 | 自分の実力を弁えずに行動する。 | 蚊子[咬牛]・[老蚌]生珠 [鶏尸]牛従・[探驪]獲珠 |
◆3 | こうぎゅう | *『不明』 | 蚊子咬牛(ぶんしこうぎゅう) ★「子」は、接尾語。 類:蟷螂之斧(とうろうのおの) 「蚊子(ブンシ)、牛(ウシ)を咬(カ)む」 |
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757 | 天下の太平であることを表す語。 | 栄諧[伉儷]・天宇[地廬] 允文[允武]・[文恬]武嬉 |
◆3 | ぶんてん | *『韓愈-平淮西碑』 | 文恬武嬉/文恬武熙(ぶんてんぶき) ★「恬」は、安らかなこと。 ★文官も武官も心安らかに世の平和を楽しむ意。 |
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758 | 兵乱の形容。 | [兵戈]槍攘・荒瘠[斥鹵] 倒載[干戈]・[牛溲]馬勃 |
◆3 | へいか | *『金史-粘葛奴申伝』 | 兵戈槍攘/兵戈搶攘(へいかそうじょう) 武器が乱れうごくこと。兵乱の形容。〈漢検四字熟語辞典〉 ★「兵戈」は、ほこ、転じて武器の意。 ★「槍攘」は、乱れるさま。 |
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759 | 男女が離れて二度と会い得ない。 | 失魂[落魄]・瓶墜[簪折] [飛絮]漂花・怨女[曠夫] |
◆3 | しんせつ | *『白居易-井底引銀瓶・詩』 | 瓶墜簪折(へいついしんせつ) ★釣瓶の縄が切れてそれが井戸の底に沈み、玉の簪(カンザシ)が中央から折れる、の意から転じた。 |
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760 | 深く分析し、核心に達している。 | 敲金[戛玉]・班女[辞輦] [鞭辟]近裏・[邯鄲]学歩 |
◆3 | べんぺき | *『近思録-論学』 | 鞭辟近裏(べんぺききんり) ★「鞭辟」は、馬車で道を行くのに御者が鞭を鳴らして人払いをすること。 ★「近裏」は、内、内部。 ★宋代の儒者の用語。 「鞭辟して裏(ウチ)に近づく」 |
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761 | 知識や学問が深く精密なことの形容。 | [鞭辟]近裏・[鯉魚]尺素 亦歩[亦趨]・山木[自寇] |
◆3 | べんぺき | *『近思録-論学』 | 鞭辟近裏(べんぺききんり) ★「鞭辟」は、馬車で道を行くのに御者が鞭を鳴らして人払いをすること。 ★「近裏」は、内、内部。 ★宋代の儒者の用語。 「鞭辟して裏(ウチ)に近づく」 |
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762 | 役に立たないもののたとえ。 | [大輅]椎輪・[騈拇]枝指 一糸[一毫]・[掉棒]打星 |
◆3 | へんぼ | べんぼ | *『荘子-騈拇』 | 騈拇枝指/駢拇枝指(べんぼしし/へんぼしし) ★「騈拇」は、足の第一指と第二指がくっついて一つになっていること。 ★「枝指」は、手の親指のわきに六本目の指が生えていること。 ★荘子が儒家が、仁義はもともと人に備わっていると説いたのを批判する際に用いたのに基づく。 |
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763 | 愛情深い夫婦のたとえ。 | 翠帳[紅閨]・[宝鈿]玉釵 君恩[海壑]・鳳凰[于飛] |
◆3 | うひ | *『詩経-大雅・巻阿』 | 鳳凰于飛/鳳皇于飛(ほうおううひ) ★「于」は、助字で、「ここに」と読む。 ★雌雄の鳳凰がつがいとなって仲良く飛ぶ意。 「鳳凰于(ココ)に飛ぶ」 類:鴛鴦交頸(えんこうこうけい) 類:鴛鴦之契(えんおうのちぎり) 類:比翼連理(ひよくれんり) 類:比翼双飛(ひよくそうひ) |
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764 | 下級の役人。 | 抱関[撃柝]・宵衣[旰食] 肉袒[負荊]・[肉袒]牽羊 |
◆3 | げきたく | *『孟子-万章・下』 | 抱関撃柝(ほうかんげきたく) ★「抱関」は、門番の意。関は、かんぬき。 ★「撃柝」は、夜警の意。柝は、拍子木。 |
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765 | 弱者や薄幸の者に同情心を持つこと。 | [同袍]同沢・抱関[撃柝] 判官[贔屭]・[于公]高門 |
◆3 | びいき | ひいき | *『俳諧-毛吹草・五』 | 判官贔屭/判官贔負(ほうがんびいき/はんがんびいき) ★「判官」は、検非違使(ケビイシ)の尉(ジョウ:判官)であったことから、源義経(ミナモトノヨシツネ)のこと。 ★「贔屭」は、目を掛けて応援する意。 ★検非違使の尉であった源義経が、兄の頼朝(ヨリトモ)に嫉(ソネ)まれて滅ぼされたのに人々が同情を寄せたことから。 |
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766 | 田舎家の物寂しいさま。 | 足音[跫然]・[飄忽]震蕩 一旦[豁然]・茅堵[蕭然] |
◆3 | しょうぜん | *『不明』 | 茅堵蕭然(ぼうとしょうぜん) ★「茅堵」は、かやぶきの垣根。転じて田舎家。 ★「蕭然」は、寂しげなさま。 ★茅葺きの垣根で囲った粗末な田舎家が寂しげにひっそりとしているさま。 |
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767 | 年老いた形容。 | 蓬戸[甕牖]・[尨眉]皓髪 黄髪[垂髫]・[朱脣]皓歯 |
◆3 | ぼうび | *『後漢書-劉寵伝』 | 尨眉皓髪/厖眉皓髪(ぼうびこうはつ) ★「尨」は、まじる、白髪がまじる意。 ★「皓」は、しろい、ひかる、髪が白くなって抜ける意。 ★白毛がまじった眉と白い髪。 |
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768 | 凶悪で冷酷な人のこと。 | 眼光[炯炯]・陰謀[詭計] 風岸[孤峭]・蜂目[豺声] |
◆3 | さいせい | *『春秋左氏伝-文公元年』 | 蜂目豺声(ほうもくさいせい) ★「蜂目」は、蜂のように細い目つき。 ★「豺声」は、山犬のような不気味な声。 |
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769 | 男女間の情事、交接のたとえ。 | 鳳友[鸞交]・桑土[綢繆] 瓶墜[簪折]・[大衾]長枕 |
◆3 | らんこう | *『長生殿-絮閣』 | 鳳友鸞交(ほうゆうらんこう) ★「鳳」は、鳳凰。想像上の霊鳥。 ★「鸞」は、鳳凰に似た想像上の霊鳥。 ★鳳、鸞は、いずれも美しい鳥でその交わりを男女の情事にたとえたもの。 類:鳳友鸞諧(ほうゆうらんかい) |
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770 | 高貴な人の前へ進み出る時の姿勢。 | 澆季[溷濁]・[匍匐]膝行 [跛立]箕坐・宮車[晏駕] |
◆3 | ほふく | *『中島敦-南島譚・幸福』 | 匍匐膝行/蒲伏膝行(ほふくしっこう) ★「匍」と「匐」は、腹這うこと。 ★「膝行」は、膝を地または床にすりつけながら進むこと。 類:匍匐前進(ほふくぜんしん) |
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771 | 美人のこと。 | [曼理]皓歯・[龐眉]皓髮 炊金[饌玉]・[璞玉]渾金 |
◆3 | まんり | *『韓非子-揚搉篇』 | 曼理皓歯(まんりこうし) ★「曼理」は、きめの細かい肌。 ★「皓歯」は、白い歯。 類:明眸皓歯(めいぼうこうし) 類:朱脣皓歯(しゅしんこうし) |
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772 | 拠り所が一つもない。 | [春蚓]秋蛇・無根[無蔕] [無慙]無愧・無辺[無礙] |
◆3 | むてい | *『漢書-叙伝・上』 | 無根無蔕/無根無蒂(むこんむてい) ★「無根」は、根づくところがないこと。 ★「無蔕」は、果実の蔕(ヘタ)がないこと。果実がないと木にぶら下がることができない。転じて、もと。根本の意。 「根(コン)無(ナ)く蔕(テイ)無(ナ)し」 |
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773 | 事実なくして妄りに苦痛を訴える。 | 無病[呻吟]・非難[囂囂] 偏袒[扼腕]・流言[蜚語] |
◆3 | しんぎん | *『不明』 | 無病呻吟(むびょうしんぎん) ★「呻吟」は、苦しみ呻く。 ★病気でもないのに苦しげに呻きたてる意。 「無病にして呻吟す」 |
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774 | 些細なことでも明確に見抜く。 | 仰観[俯察]・明察[秋毫] 博識[洽聞]・甕裡[醯鶏] |
◆3 | しゅうごう | *『孟子-梁恵王・上』 | 明察秋毫(めいさつしゅうごう) ★「秋毫」は、秋になって抜け替わる細密な獣の毛。転じて、微細なもの。 ★細かい点も逃さず見抜く意。 「秋毫を明察す」 |
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775 | きれいに整頓された書斎。 | [氷甌]雪椀・[潑墨]淋漓 八面[玲瓏]・明窓[浄几] |
◆3 | じょうき | *『欧陽脩-試筆・学書為楽』 | 明窓浄几/明窓浄机(めいそうじょうき) ★明るい窓辺に塵一つない清らかな机の意。転じて、書斎を意味する。 類:窓明几潔(そうめいきけつ) |
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776 | 自身を清め、汚れを取り払う。 | 彫心[鏤骨]・明窓[浄几] [霑体]塗足・沐浴[抒溷] |
◆3 | じょこん | *『淮南子-説山訓』 | 沐浴抒溷(もくよくじょこん) ★「沐浴」は、湯水で体を洗い清めること。 ★「抒」は、取り除く。 ★「溷」は、にごり、けがれの意。 ★神聖なこと、神仏に関係することを行うときには、湯浴みして身を清めてから臨む。 類:沐浴斎戒(もくよくさいかい) 類:斎戒沐浴(さいかいもくよく) 類:精進潔斎(しょうじんけっさい) |
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777 | 兄弟や友人の間柄が親密なこと。 | [蓴羹]鱸膾・煮豆[燃萁] 夜雨[対牀]・桃傷[李仆] |
◆3 | たいしょう | *『蘇軾-再祭亡兄端明文』 | 夜雨対牀(やうたいしょう) ★「対牀」は、寝台を並べる、連ねる意。 ★夜、雨の音を聞きながら寝台を並べて、兄と弟が仲良く寝ることから。 類:対牀風雪(たいしょうふうせつ) 類:対牀夜雨(たいしょうやう) 「夜雨(ヤウ)、牀(ショウ)に対す」 |
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778 | 巧妙なる書の形容。 | [瞠目]結舌・千朶[万朶] 一挙[双擒]・[游雲]驚竜 |
◆3 | ゆううん | *『晋書-王羲之伝』 | 游雲驚竜(ゆううんきょうりょう/ゆううんきょうりゅう) ★「雲」は、千変万化なことのたとえ。 ★「竜」は、強く勇ましく、かつ神秘的な動きにたとえる。 ★空に流れゆく雲と空翔ける竜の意。 |
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779 | 隠者の形容。 | [卑躬]屈節・韜光[晦迹] 風岸[孤峭]・[羊裘]垂釣 |
◆3 | ようきゅう | *『後漢書-巌光伝』 | 羊裘垂釣(ようきゅうすいちょう) ★「裘」は、かわごろも、獣の毛皮で作った衣。 ★「釣」は、釣り針の意。 ★羊の裘(カワゴロモ)を着て釣り糸を垂れる。 「羊裘(ヨウキュウ)、釣(チョウ)を垂(タ)る」 |
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780 | 友誼のきわめて厚いこと。 | [金齏]玉膾・附贅[懸疣] 雷陳[膠漆]・[攀轅]臥轍 |
◆3 | こうしつ | *『後漢書-雷義伝』 | 雷陳膠漆(らいちんこうしつ) ★中国、後漢の雷義(ライギ)と陳重(チンチョウ)の友情は、膠(ニカワ)や漆(ウルシ)が固まると固くなる以上に、確固とした深いものであるという故事から。 類:管鮑之交(かんぽうのまじわり) 類:金蘭之契(きんらんのけい) 類:膠漆之交(こうしつのまじわり) 類:膠漆之約(こうしつのやく) 類:水魚之交(すいぎょのまじわり) 類:耐久之朋(たいきゅうのとも) 類:断金之交(だんきんのまじわり) 類:莫逆之友(ばくぎゃくのとも) 類:刎頸之交(ふんけいのまじわり) |
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781 | 物が乱雑に散らばっているさま。 | 落花[狼藉]・糶糴[斂散] 百花[繚乱]・[頽堕]委靡 |
◆3 | ろうぜき | *『和漢朗詠集・上』 | 落花狼藉(らっかろうぜき) ★「落花」は、花が散ること。 ★「狼藉」は、狼が草を敷いて寝た跡が乱れていることから、乱暴なこと。また、乱暴な振る舞いの意。 ★花が散り乱れているさまをいう。また、花を女性に見立てて、女性に乱暴なことをする意にも用いられる。 類:乱暴狼藉(らんぼうろうぜき) |
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782 | 兵法などの極意。 | 典謨[訓誥]・[五蘊]皆空 [奸智]術数・[六韜]三略 |
◆3 | りくとう | *『性霊集-三・与新羅道者化来詩』 | 六韜三略(りくとうさんりゃく) ★中国の有名な兵法書である「六韜」と「三略」のこと。 ★「六韜」は、周の太公望呂尚(リョショウ)の作とされ、文・武・竜・虎・豹・犬の六巻。韜は、剣袋・弓袋のことで兵法の奥義、戦略の意。 ★「三略」は、前漢の功臣、張良に戦略を授けた黄石公(コウセキコウ)の作とされ、上略・中略・下略の三巻。略は、はかりごと・計略の意。 ★転じて、兵法などの極意。奥の手。虎の巻。〈日本国語大辞典〉 |
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783 | 威勢や勢力の盛んなたとえ。 | 曲突[徙薪]・[竜驤]麟振 満目[蕭条]・明察[秋毫] |
◆3 | りょうじょう | りゅうじょう | *『晋書-段灼伝』 | 竜驤麟振(りょうじょうりんしん/りゅうじょうりんしん) ★「驤」は、上がる意。 ★首を高く上げて竜のように上り、麒麟が勢いよくふるい立つ意。 |
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784 | 貴人の御座船。 | 竜頭[鷁首]・[嘯風]弄月 宮車[晏駕]・[舳艫]千里 |
◆3 | げきしゅ | げきす | *『紫式部日記-寛弘五年一〇月一六日』 | 竜頭鷁首(りょうとうげきしゅ/りゅうとうげきしゅ/りょうとうげきす/りゅうとうげきす) ★竜の頭のついた舟と、鷁(風に強い大きな水鳥)の首のついた舟をいう。転じて、豪華な舟遊びの意に用いる場合もある。 類:竜舟鷁首(りょうしゅうげきしゅ) |
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785 | きわめて稀なもののたとえ。 | [大輅]椎輪・竜頭[鷁首] 麟角[鳳嘴]・大海[撈針] |
◆3 | ほうし | *『東方朔-海内十洲記』 | 麟角鳳嘴(りんかくほうし) ★麒麟の角と鳳凰の嘴。ともに想像上のもの。 |
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786 | 建物が新しくなり、壮大で立派になること。 | 蕭敷[艾栄]・[黝堊]丹漆 八面[玲瓏]・[輪奐]一新 |
◆3 | りんかん | *『宋史-礼志』 | 輪奐一新(りんかんいっしん) ★「輪」は、曲折して高大な意。 ★「奐」は、光り輝くさま。 ★「一新」は、全く新しくなること。 |
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787 | 秀でた人材や美しい詩文のたとえ。 | [輪奐]一新・[琳琅]珠玉 [笙磬]同音・麟角[鳳嘴] |
◆3 | りんろう | *『世説新語-容止』 | 琳琅珠玉(りんろうしゅぎょく) ★「琳琅」は、美しい玉。 |
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788 | 素晴らしいものが満ち溢れる。 | [椿萱]並茂・満目[蕭条] [拈華]微笑・[琳琅]満目 |
◆3 | りんろう | *『不明』 | 琳琅満目(りんろうまんもく) ★「琳琅」は、美しい玉。 ★美しい玉が目の前に満ち溢れている意。 「琳琅、目(メ)に満(ミ)つ」 |
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789 | 義士は名誉のために命を擲つ。 | 烈士[徇名]・蒼蠅[驥尾] 貪夫[徇財]・[晏嬰]狐裘 |
◆3 | じゅんめい | *『史記-伯夷伝』 | 烈士徇名(れっしじゅんめい) ★「烈士」は、義理堅い正しい人。 ★「徇」は、あることのために一身をささげること。 ★利益や地位などで動かされることなく道理を押し通して名誉を守るということ。 「烈士名に徇(ジュン)ず」「烈士名に徇(シタガ)う」 |
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790 | 二人の御客がいらっしゃる。 | [枉駕]来臨・篳門[閨竇] [轅門]二竜・連璧[賁臨] |
◆3 | ひりん | *『不明』 | 連璧賁臨(れんぺきひりん) ★「連璧」は、客が続いて来るのを二つ対の玉に準(ナゾラ)えたもので、才徳のすぐれた二人の友の意。 ★「賁臨」は、人が訪問してくることの敬称。光臨に同じ。賁は飾の意で、来て光彩を添える意。 |
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791 | 君主を補佐する有能な宰相。 | [和羹]塩梅・[瓊枝]栴檀 韓信[匍匐]・[六韜]三略 |
◆3 | わこう | *『書経-説命・下』 | 和羹塩梅(わこうあんばい/わこうえんばい) ★「和羹」は、色々な材料、調味料を混ぜ合わせ、味を調和させて作った吸い物。 ★「塩梅」は、塩と調味に用いる梅酢のこと。 ★和羹という料理は、塩と、酸味の梅酢とを程良く加えて味つけするものであることから、上手に手を加えて、国をよいものに仕上げる宰相らをいう。 |
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792 | 時機に遅れて役に立たないたとえ。 | [六菖]十菊・冬温[夏凊] [磑風]舂雨・造次[顚沛] |
◆3 | りくしょう | ろくしょう | *『内田百間-続百鬼園随筆・大晦日』 | 六菖十菊(りくしょうじゅうぎく/ろくしょうじゅうぎく) ★「菖」は、菖蒲(ショウブ)。★五月五日の端午の節句の翌日六日の菖蒲(ショウブ)と、九月九日の重陽の節句の翌日十日の菊。節句に一日遅れた菊と菖蒲ということ。 類:夏鑪冬扇(かろとうせん) 「十日の菊、六日の菖蒲」 |
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793 | 人に疑われるような行動は慎むべきだ。 | [蜀犬]吠日・兎死[狗烹] [薏苡]明珠・[李下]瓜田 |
◆3 | りか | *『古楽府-君子行』 | 李下瓜田(りかかでん) ★君子は、未然に疑いを受けるようなことは避けなくてはならない。瓜畑で履き物を直すと、瓜を盗むのではないかと疑われ、李の木の下で冠をかぶり直すと、李を盗むのではないかと疑われる。だから、そういう疑わしい行為はするなということ。 類:悪木盗泉(あくぼくとうせん) 類:瓜田之履(かでんのり) 類:李下之冠(りかのかんむり) 「君子は未然に防ぎ、嫌疑の間に処らず、瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず」 |
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794 | 名門に優れた子弟が出るたとえ。 | [崑山]片玉・[藍田]生玉 [珠襦]玉匣・[玄圃]積玉 |
◆3 | らんでん | *『三国志-呉書・諸葛恪伝・注』 | 藍田生玉(らんでんせいぎょく) ★「藍田」は、陝西(センセイ)省にある山の名で、美しい宝玉を産出することで有名。 「藍田玉を生ず」 |
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795 | 画家の妙技をいう。 | 筆削[褒貶]・落花[狼藉] [六菖]十菊・落筆[点蠅] |
◆3 | てんよう | *『三国志-呉書・趙消伝・注』 | 落筆点蠅/落筆点蝿(らくひつてんよう) ★中国三国時代、呉の画家曹不興(ソウフコウ)が孫権の命で描いたとき、誤って筆を落として汚れをつけたが、巧みに繕って蠅に描き替えてしまった故事から。 「落筆、蠅を点(テン)ず」 |
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796 | 友人を思う情が切なこと。 | [李下]瓜田・倚門[倚閭] 落月[屋梁]・風雨[対牀] |
◆3 | おくりょう | *『杜甫-夢李白・詩』 | 落月屋梁(らくげつおくりょう) ★「屋梁」は、屋上の梁(ハリ)。また、屋根の意。 ★唐の杜甫が友人の李白の江南に流されたのを思いやり、「夜空に落ちかかった月が屋根を照らし、君の顔がそこに照らしだされているような気がする」と詠じた故事から。 類:屋梁落月(おくりょうらくげつ) 類:空梁月落(くうりょうげつらく) |
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797 | きわめて節倹なこと。 | [晏嬰]狐裘・夙興[夜寐] [煖衣]飽食・売官[鬻爵] |
◆4 | あんえい | *『礼記-檀弓・下』 | 晏嬰狐裘(あんえい(の)こきゅう) ★「晏嬰」は、中国春秋時代の斉(セイ)の名宰相。 ★「狐裘」は、狐の皮で作った裘(カワゴロモ)。 ★晏嬰が高貴な地位におりながら節倹の徳を守り、一枚の狐裘を三十年も着続けたという故事。 |
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798 | 自分の性格の改善に努めること。 | [蹉跎]白髪・衣錦[尚絅] [佩韋]佩弦・[翹足]引領 |
◆4 | はいい | *『韓非子-観行篇』 | 佩韋佩弦(はいいはいげん)★「佩韋」は、韋(ナメシガワ)を身につける。韋は柔軟で強いことから、短気な性格の人が自分を戒めるために身につけたという。 ★「佩弦」は、弓弦(ユミヅル)を身につける。弓弦がいつもピンと張っていることから、のんびりした性格の人が自分を戒めるために身につけたという。 類:韋佩之佩(いげんのはい) 「韋(イ)を佩(オ)ぶ」 「弦(ゲン)を佩(オ)ぶ」 |
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799 | 人に気に入られようと媚び諂うこと。 | [蹉跎]白髪・阿諛[苟合] 折衝[樽俎]・[煖衣]飽食 |
◆4 | こうごう | *『九鬼周造-伝統と進取』 | 阿諛苟合(あゆこうごう) 類:阿附迎合(あふげいごう) |
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800 | 非常に距離が近いこと。 | [咫尺]万里・一牛[吼地] 風岸[孤峭]・[禾黍]油油 |
◆4 | こうち | *『不明』 | 一牛吼地(いちぎゅうこうち) ★一匹の牛の鳴き声の聞こえるほど近いことから。 類:一牛鳴地(いちぎゅうめいち) |
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801 | 長い間の努力が最後の過失で台無しになる。 | [頽堕]委靡・[九仞]一簣 [魚爛]土崩・宗廟[丘墟] |
◆4 | きゅうじん | *『書経-旅獒』 | 九仞一簣(きゅうじんいっき) ★九仞の山を築くのに最後の一もっこの土が不足して完成しない意。 類:一簣之功(いっきのこう) 類:功虧一簣(こうきいっき) 類:為山止簣(いざんしき) |
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802 | 子の帰りを待ち侘びる母の情。 | 倚門[倚閭]・寸草[春暉] [齧指]痛心・唐明[友悌] |
◆4 | いりょ | *『戦国策-斉・下』 | 倚門倚閭(いもんいりょ) 類:倚門之望(いもんのぼう) 類:倚閭之望(いりょのぼう) |
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803 | 人は分に応じて満足するのが良い。 | [大壑]拐然・[一邱]一壑 [賤斂]貴出・[偃鼠]飲河 |
◆4 | えんそ | *『荘子-逍遙遊』 | 偃鼠飲河/鼴鼠飲河(えんそいんが) ★ 類:飲河満腹(いんかまんぷく) 類:飲河之願(いんがのねがい) 「偃鼠(エンソ)河(カワ)に飲むも満腹(マンプク)に過ぎず」 |
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804 | 小さな利益に執着して大損をすること。 | [枉尺]直尋・得魚[忘筌] 綢繆[牖戸]・[貪小]失大 |
◆4 | たんしょう | *『蕩寇志-第一三回』 | 貪小失大(たんしょうしつだい) 類:因小失大(いんしょうしつだい) |
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805 | 文字の誤り。 | [偏旁]冠脚・[三豕]金根 商山[四皓]・[糶糴]斂散 |
◆4 | さんし | *『不明』 | 三豕金根(さんしきんこん) 類:三豕渉河(さんししょうか) |
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806 | 先の危険を顧みない。 | 鬱肉[漏脯]・[行尸]走肉 [葷酒]山門・羊頭[馬脯] |
◆4 | ろうほ | *『抱朴子-外篇・良規』 | 鬱肉漏脯(うつにくろうほ) ★腹をへらした者が一時しのぎに腐った肉や干し肉で急場をしのぐ意から。 |
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807 | 古代中国の明君をいう。 | 陶朱[猗頓]・[鄒魯]遺風 魏紫[姚黄]・[禹湯]文武 |
◆4 | うとう | *『不明』 | 禹湯文武(うとうぶんぶ) ★夏王朝の始祖の禹王、殷王朝の始祖の湯王、周王朝の始祖の文王と武王のこと。いずれも中国古代の聖天子。 |
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808 | 楊貴妃の死を悼んで作った楽曲をいう。 | [雨霖]鈴曲・伯牙[絶絃] 緩歌[縵舞]・[対驢]撫琴 |
◆4 | うりん | *『明皇雑録補遺』 | 雨霖鈴曲(うりんれいきょく) ★唐の玄宗(ゲンソウ)は、安史(アンシ)の乱のとき都から蜀の地に難を避けたが、その途中兵士の暴動で寵愛していた楊貴妃を殺すはめになった。のち桟道で霖(ナガアメ)の音と馬につけた鈴の音が相和すのを聞き、感興をおこして楊貴妃を悼み悲しんでこの曲を作ったといわれる。 |
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809 | すぐれた戦功を評する言葉。 | 攀竜[附驥]・[轅門]二竜 [狡兎]良狗・[燉煌]五竜 |
◆4 | えんもん | *『唐書-烏承玭伝』 | 轅門二竜(えんもんにりょう/えんもんにりゅう) ★唐の烏承玭(ウショウヒン)と族兄の烏承恩(ウショウオン)のこと。この二人は沈着で勇気に富み、かつ決断力があったので、戦場で功績を上げてこのように評された。 ★「轅門」は、陣屋の門。戦場では車を並べて囲い、轅(ナガエ:車のかじ棒で左右二本出ている)を向かい合わせて門のようにした。転じて、戦場のこと。 |
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810 | 近体詩の確立に貢献した詩の巨匠。 | 王楊[盧駱]・[鄒魯]遺風 詩人[蛻骨]・[轅門]二竜 |
◆4 | ろらく | *『旧唐書-楊炯伝』 | 王楊盧駱(おうようろらく) ★王勃(オウボツ)、楊炯(ヨウケイ)、盧照鄰(ロショウリン)、駱賓王(ラクヒンオウ)。いずれも唐代初期の人で近体詩の確立に功があった。 類:初唐の四傑(しょとうのしけつ) |
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811 | 屋根瓦と、階段の敷き瓦のこと。 | [畳牀]架屋・[宝篋]印塔 蓋瓦[級甎]・茅屋[采椽] |
◆4 | きゅうせん | *『韓愈-新修滕王閣記』 | 蓋瓦級甎/葢瓦級甎(がいがきゅうせん) ★「蓋」は、おおうこと。 ★「級」は、階段・きざはし。 ★「甎」は、敷き瓦。 |
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812 | 古代の暴君をいう。 | 連璧[賁臨]・[撲朔]謎離 [顚委]勢峻・[夏癸]殷辛 |
◆4 | かき | *『張衡-東京賦』 | 夏癸殷辛(かきいんしん) ★「夏」と「殷」は、ともに王朝の名。 ★「癸」は、桀王の名。 ★「辛」は、紂王の名。 |
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813 | 租税をたくさん取り立てること。 | 頭会[箕斂]・[口誅]筆伐 [偃鼠]飲河・[膏火]自煎 |
◆4 | きれん | *『史記-張耳陳余伝』 | 頭会箕斂(とうかいきれん) ★「会」は、数える。★「箕斂」は、箕で穀物をすくい集めるように集めとること。 ★人の頭数を数えて税を取り立てること。 |
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814 | 読書にふけることをいう。 | [蠅頭]細書・[夸父]逐日 枕経[藉書]・[鑿壁]読書 |
◆4 | しゃしょ | *『班固-答賓戯』 | 枕経藉書(ちんけいしゃしょ) ★経書を枕にし、書籍の上に座る意。 「経(ケイ)を枕(マクラ)にし書(ショ)を藉(ショ)く」 |
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815 | 苦学することのたとえ。 | 窮途[潦倒]・懸河[瀉水] 匡衡[壁鑿]・忙裡[偸閑] |
◆4 | へきさく | *『西京雑記・二』 | 匡衡壁鑿(きょうこうへきさく) ★前漢の匡衡(キョウコウ)は、貧しくて灯火をともすことができなかったので、壁に穴を開けて隣家の光で読書したという故事から。 類:鑿壁偸光(さくへきとうこう) |
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816 | 節義を変えることを非難した言葉。 | 枕経[藉書]・潑墨[淋漓] [蹈節]死義・[彦倫]鶴怨 |
◆4 | げんりん | *『蒙求-彦倫鶴怨』 | 彦倫鶴怨(げんりんかくえん) ★「彦倫」は、南斉の周顒(シュウギョウ)の字(アザナ)。 ★彦倫がいなくなって鍾山(ショウザン)の鶴も悲しみ怨む意。 ★南斉の周顒は始め世俗を避けて鍾山に隠遁したが、後に任官して県令になったので、孔稚珪(コウチケイ)がそのえせ隠者ぶりを批判して「北山移文(ホクザンイブン)」を作り「彦倫にだまされた鶴も悲しみ怨んでいよう」と言った故事から。 |
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817 | 老大家。 | 枝葉[碩茂]・[一杖]一鉢 黄髪[番番]・[蜂準]長目 |
◆4 | はは | *『史記-秦紀』 | 黄髪番番(こうはつはは) ★「番番」は、白髪のさま。 |
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818 | 事を処するに周密なこと。 | [瞻前]顧後・[維摩]一黙 腹心[内爛]・昂首[闊歩] |
◆4 | せんぜん | *『屈原-離騒』 | 瞻前顧後(せんぜんこご) 類:狐疑逡巡(こぎしゅんじゅん) 「前(マエ)を瞻(ミ)、後(ノチ)を顧(カエリ)みる」 |
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819 | 非常に貧しいことのたとえ。 | 塵飯[塗羹]・[囊蛍]映雪 [甑塵]釜魚・[三豕]渡河 |
◆4 | そうじん | *『後漢書-范冉伝』 | 甑塵釜魚(そうじんふぎょ) ★「甑」は、こしき。せいろう。土焼きで上が大きく下が細く、底に七個の穴がある蒸すための器。 ★「魚」は、ぼうふらともいう。 ★非常に貧しく長い間炊事をしていないので、甑(コシキ)に塵がつもり、釜に魚がわくということ。 類:范冉生塵(はんぜんせいじん) 「甑中(ソウチュウ)塵(チリ)を生じ、釜中(フチュウ)魚(ウオ)を生ず」 |
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820 | 旧いものを嫌い新しいものを好む。 | 許由[巣父]・泉石[膏肓] 家鶏[野鶩]・[孔翊]絶書 |
◆4 | やぼく | *『蘇軾-書王子敬帖詩』 | 家鶏野鶩(かけいやぼく) ★家で飼っている鶏(ニワトリ)を嫌って、野生の鶩(アヒル)を好む意から。 ★中国、晋(シン)の庾翼(ユヨク)は、王羲之(オウギシ)と並び称される書の大家だったが、やがて王羲之の名声のみが上がり、取り残された庾翼が、友人への手紙で自分を鶏にたとえて嘆いた故事から。 類:家鶏野雉(かけいやち) |
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821 | 手紙で議論することに優れていた。 | [鑿歯]尺牘・零絹[尺楮] [七嘴]八舌・[風檣]陣馬 |
◆4 | さくし | *『蒙求-鑿歯尺牘』 | 鑿歯尺牘(さくしせきとく) ★晋の習鑿歯(シュウサクシ)は若いときから文章にすぐれていたが、特に手紙の中での議論に長じていたので桓温(カンオン)は、彼を器量ある者として待遇した故事から。 |
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822 | 西方の異民族の容貌をいう言葉。 | 束髪[封帛]・西狩[獲麟] [阮簡]曠達・[紫髥]緑眼 |
◆4 | しぜん | *『岑参-胡笳歌』 | 紫髥緑眼/紫髯緑眼(しぜんりょくがん) ★赤茶色の頬髭と青い眼の意。我が国ではオランダ人などを紅毛人、紅毛碧眼などといった。 |
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823 | 風光絶佳の地。 | 商山[四皓]・雪萼[霜葩] [瀟湘]八景・[鄒魯]遺風 |
◆4 | しょうしょう | *『異制庭訓往来』 | 瀟湘八景(しょうしょうはっけい) ★「瀟湘」は、中国湖南省、瀟水(ショウスイ)と湘江(ショウコウ)の辺り。 ★宋の宋迪(ソウテキ)が描いた瀟湘の八つの風景、平沙落雁(ヘイサラクガン)・遠浦帰帆(エンポキハン)・山市晴嵐(サンシセイラン)・江天暮雪(コウテンボセツ)・洞庭秋月(ドウテイシュウゲツ)・瀟湘夜雨(ショウショウヤウ)・煙寺晩鐘(エンジバンショウ)・漁村夕照(ギョソンセキショウ)のこと。 ★日本の近江八景、金沢八景はこれに倣ったもの。 |
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824 | 古代に盛行した華美な文体。 | [斉桓]晋文・[崔李]蘇杜 [焉哉]乎也・四六[駢儷] |
◆4 | べんれい | *『不明』 | 四六駢儷(しろくべんれい) ★「騈儷」は、二つのものが対応して並ぶ意。 ★四六騈儷文は四六騈儷体、四六文、騈文、騈四儷六などとも呼ばれる。古代中国の六朝から唐時代に盛んに用いられ、中国の美文の基本となった。 |
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825 | 冤罪を天に訴えそれを天が応えた。 | 風雨[淒淒]・[鄒衍]降霜 秋風[冽冽]・水天[髣髴] |
◆4 | すうえん | *『蒙求-鄒衍降霜』 | 鄒衍降霜(すうえんこうそう) ★「鄒衍」は、戦国時代の思想家で、五行説を唱えて全ての現象を陰陽五行で説明しようとした。 ★戦国時代の鄒衍が無実の罪で獄に捕らわれたとき、鄒衍はその無実を天に訴え、天はこれに感じて真夏に霜を降らせたという故事による。 |
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826 | 水源から河口までの流れが激しい。 | 重熙[累洽]・[波濤]万里 枕石[漱流]・[顚委]勢峻 |
◆4 | てんい | *『柳宗元-鈷ヒ潭記』 | 顚委勢峻(てんいせいしゅん) ★「顚委」は、源流と末流の意。 ★「勢峻」は、勢いがあって激しいこと。 ★源流から末流まで勢いが激しいこと。 |
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827 | 動かざる学説や結論などにいう。 | [麤枝]大葉・千巌[万壑] 河山[帯讃・[顚撲]不破 |
◆4 | てんぼく | *『朱子語類-五』 | 顚撲不破(てんぼくふは) ★顚(クツガエ)しても撲(ウ)っても破れないほど強い意。 |
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828 | 女性の月経をいう。 | [五蘊]皆空・心広[体胖] 宝鈿[玉釵]・桃花[癸水] |
◆4 | きすい | *『粧楼記』 | 桃花癸水(とうかきすい) ★「癸水」は、女性の月経の意。癸はみずのとで、水に属す。 ★「桃花」は、女性を象徴させた雅語。 |
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829 | 書画の小片。 | [倚馬]七紙・[鑿歯]尺牘 四絃[一撥]・零絹[尺楮] |
◆4 | せきちょ | *『不明』 | 零絹尺楮(れいけんせきちょ) ★「零」は、あまり・はした・わずかの意。 ★「楮」は、製紙の原料コウゾのことで「尺楮」は、手紙のこと。 |
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830 | 良いものも悪いものも滅びる。 | [甑塵]釜魚・[啐啄]同時 [蘭艾]同焚・[藍田]生玉 |
◆4 | らんがい | *『晋書‧孔坦伝』 | 蘭艾同焚(らんがいどうふん) ★「蘭艾」は、蘭(ラン)と艾(ヨモギ)。君子と小人、人の貴賤・賢愚のたとえ。 ★蘭と艾を一緒に焚く意。 「蘭艾同(トモ)に焚(ヤ)く」 |
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831 | 子孫が繁栄することのたとえ。 | 香気[馥郁]・蘭薫[桂馥] [蘭艾]同焚・期期[艾艾] |
◆4 | けいふく | *『駱賓王-上斉州張司馬啓』 | 蘭薫桂馥(らんくんけいふく) 類:蘭桂騰芳(らんけいとうほう) |
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832 | 見せかけは立派でも実質が伴わないこと。 | 無根[無蔕]・羊頭[馬脯] 鬱肉[漏脯]・篳門[閨竇] |
◆4 | ばほ | *『後漢書-光武紀』 | 羊頭馬脯(ようとうばほ) 類:羊頭狗肉(ようとうくにく) |
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833 | 貧乏人の住居。 | 羊頭[馬脯]・鬱肉[漏脯] [篳路]藍縷・篳門[閨竇] |
◆4 | けいとう | *『春秋左氏伝-襄公一〇年』 | 篳門閨竇/篳門圭竇(ひつもんけいとう) しば竹のしおり戸と、粗末なくぐり戸。貧しい家の門のこと。転じて、貧しい家のこと。〈新漢和大字典〉 ★「篳門」は、木の小枝や竹を編んで作った粗末な門。 ★「閨竇」は、土塀を刳り貫いて作った粗末なくぐり戸。 |